論点1第89条労働基準法
農業協同組合の合併に伴う退職給与規程の不利益変更が有効とされた事例
裁判要旨農業協同組合の合併に伴つて新たに作成された退職給与規程の退職金支給倍率の定めが一つの旧組合の支給倍率を低減するものであつても、それによる不利益は退職金額算定の基礎となる基本月俸が合併後増額された結果軽減される一方、右支給倍率の低減が、合併前に右組合のみが県農業協同組合中央会の退職金支給倍率適正化の指導・勧告に従わなかつたため他の合併当事組合との間に生じた退職金水準の格差を是正する必要上とられた措置であるなど判示の事情があるときは、右退職給与規程の退職金支給倍率の定めは、合理性があるものとして有効である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和63年2月16日 昭和60(オ)104
- 登載
- 民集 第42巻2号60頁
- 参照法条
- 労働基準法89条,労働基準法93条
論点2第89条労働基準法
日本電信電話公社(昭和五九年法律第八五号日本電信電話株式会社法附則一一条〈この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものを…〉による廃止前の日本電信電話公社法に基づき設立されたもの)がその職員に対し頸肩腕症候群総合精密検診の受診を命じた業務命令が有効であるとしてこれに違反したことを理由とする戒告処分が適法であるとされた事例
裁判要旨日本電信電話公社(昭和五九年法律第八五号日本電信電話株式会社法附則
一一条〈この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものを…〉による廃止前の日本電信電話公社法に基づき設立されたもの)が健康管理上の措置が必要であると認められる職員に対し二週間の入院を要する頸肩腕症候群総合精密検診の受診を命ずる業務命令を発した場合において、右職員に労働契約上その健康回復を目的とする健康管理従事者の指示に従う義務があり、右検診が疾病の治癒回復という目的との関係で合理性ないし相当性を有するなど判示の事情があるときは、右業務命令は有効であり、これに違反したことを理由とする戒告処分は適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和61年3月13日 昭和58(オ)1408
- 登載
- 集民 第147号237頁
- 参照法条
- 日本電信電話公社法(昭和59年法律第85号日本電信電話株式会社法附則11条による廃止前のもの)33条,労働基準法89条,労働基準法93条
論点3第89条労働基準法
労働者が就業時間外に職場外において職務遂行に関係なくビラを配布したことを理由として右労働者を懲戒することが許されるとされた事例
裁判要旨労働者の配布したビラの内容が、大部分事実に基づかず、又は事実を誇張歪曲して使用者を非難攻撃し、全体として使用者を中傷誹議するもので、右ビラの配布により労働者の使用者に対する不信感を醸成して企業秩序を乱し、又はそのおそれがあつたときは、右ビラの配布は、就業時間外に職場外において職務遂行に関係なく行われたものであつても、就業規則に定める懲戒事由の一つである「その他特に不都合な行為があつたとき」にあたり、使用者が、これを理由に懲戒として労働者を譴責したことにつき、裁量権の範囲を逸脱したものとは認められない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年9月8日 昭和53(オ)1144
- 登載
- 集民 第139号393頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点4第89条労働基準法
労働者が自宅待機命令に反して工場内への入構を強行し警士を負傷させたこと等を理由とする懲戒解雇が有効とされた事例
裁判要旨労働者が自宅待機命令に反して工場内への入構を強行し、警士を負傷させ、ベルトコンベアの停止等による職場の混乱を再三にわたり招いたなど、判示の事情があるときは、これを理由とする右労働者に対する懲戒解雇は、社会通念上相当なものとして是認することができ、懲戒権を濫用したものとは認められない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年9月16日 昭和56(オ)284
- 登載
- 集民 第139号503頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点5第89条労働基準法
就業規則の一方的不利益変更が合理的なものといえず従業員に対し効力を生じないとされた事例
裁判要旨就業規則たる退職金支給規定の一方的変更が、従業員に対し変更実施日以降の就労期間は退職金算定の基礎勤続年数に算入されなくなるという不利益を課するものであるにもかかわらず、その代償となる労働条件が何ら提供されず、また、右不利益を是認させるような特別の事情もないときは、右変更は合理的なものということができず、従業員に対し効力を生じない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年7月15日 昭和56(オ)1173
- 登載
- 集民 第139号293頁
- 参照法条
- 労働基準法89条,労働基準法93条
論点6第89条労働基準法
就業規則における生理休暇規定の一方的不利益変更の合理性判断の基準
裁判要旨使用者が就業規則中の「女子従業員は毎月生理休暇を必要日数だけとることができる。そのうち年間二四日を有給とする。」との規定の後段を「そのうち月二日を限度とし、一日につき基本給の一日分の六八パーセントを補償する。」と一方的に変更した場合において、右変更が合理的なものであるか否かを判断するに当たつては、変更の内容及び必要性の両面からの考察が要求され、右変更により従業員の被る不利益の程度、右変更との関連の下に行われた賃金の改善状況のほか、有給生理休暇の取得についての濫用の有無、労働組合との交渉の経過、他の従業員の対応、関連会社の取扱い、我が国社会における生理休暇制度の一般的状況等の諸事情を総合勘案する必要がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和58年11月25日 昭和55(オ)379
- 登載
- 集民 第140号505頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点7第89条労働基準法
工場内における従業員のビラ配布行為が会社内におけるビラ配布等につき事前に会社の許可を受けなければならない旨の就業規則等の規定に違反しないとされた事例
裁判要旨工場内において従業員が会社の許可を得ないでした特定の政党の機関紙及び選挙法定ビラの配布につき、それが、休憩時間に、休憩室を兼ねている工場食堂において、食事中の従業員数人に一枚ずつ平穏に手渡し、他は食卓上に静かに置くという方法で行われ、配布に要した時間も数分間であつたなど、判示のような事情があるときは、右ビラ配布行為は、工場内の秩序を乱すおそれがなく、会社内で業務外のビラ配布等を行うときはあらかじめ会社の許可を受けなければならない旨を定める就業規則及び労働協約の規定に違反しない。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和58年11月1日 昭和55(オ)617
- 登載
- 集民 第140号259頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点8第89条労働基準法
園児の減少を理由与る保育園の保母に対する整理解雇が解雇権の濫用にあたるとされた事例
裁判要旨(省略)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年10月27日 昭和55(オ)103
- 登載
- 集民 第140号207頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点9第89条労働基準法
一、日本電信電話公社の就業規則において禁止されている政治活動の意義
二、勤務時間中に「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用した職員の行為が日本電信電話公社法三四条二項所定の職務専念義務に違反するとされた事例
三、電報電話局の局所内において「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用して勤務した職員の行為が局所内における政治活動を禁止した就業規則の規定に違反するとされた事例
四、電報電話局の局所内における職員のビラ配布行為が局所内におけるビラ配布等につき事前に局所の管理責任者の許可を受けなければならない旨の就業規則の規定に違反するとされた事例
五、休憩時間中の局所内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等についても局所の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定める日本電信電話公社の就業規則の規定が休憩時間の自由利用に対する合理約な制約であるとされた事例
裁判要旨一、日本電信電話公社の就業規則において禁止されている政治活動とは、人事院規則一四―七所定の政治的目的をもつてされる政治的行為を指すものではなく、社会通念上政治的と認められる活動をいう。
二、日本電信電話公社の職員が勤務時間中に「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用してこれを職場の同僚に訴えかけることは、日本電信電話公社法三四条二項所定の職務専念義務に違反する。
三、電報電話局の局所内において職員が社会通念上政治的な意味をもつ「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」という文言を記載したプレートを着用して勤務しこれを職場の同僚に訴えかけることは、局所内の秩序風紀の維持を目的とする日本電信電話公社の就業規則の政治活動禁止規定に違反する。
四、電報電話局の局所内において局所の管理責任者の許可を得ないでした職員のビラ配布行為は、その配布の態様につきとりたてて問題にする点はなかつたとしても、上司の適法な命令に抗議する目的でされ、その内容においても上司の適法な命令に抗議し局所内での違法なプレート着用等をあおりそそのかすことを含むものであつて、局所内の秩序を乱すおそれがあつた以上、局所内の秩序風紀の維持を目的とする局所内のビラの配布等につき事前に局所の管理責任者の許可を受けなければならない旨を定める日本電信電話公社の就業規則の規定に違反する。
五、休憩時間中であつても、局所内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等を行うことは、局所内の施設の管理を妨げるおそれがあり、他の職員の休憩時間の自由利用を妨げひいてはその後の作業能率を低下させるおそれがあり、その内容いかんによつては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるから、休憩時間中にこれを行うについても局所の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定める日本電信電話公社の就業規則の規定は、休憩時間の自由利用に対する合理的な制約というべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和52年12月13日 昭和47(オ)777
- 登載
- 民集 第31巻7号974頁
- 参照法条
- 日本電信電話公社法33条,日本電信電話公社法34条1項,日本電信電話公社法34条2項,労働基準法34条3項,労働基準法89条
論点10第89条労働基準法
一、労働者に不利益な労働条件を一方的に課する就業規則の作成または変更の許否
二、五五歳停年制をあらたに定めた就業規則の改正が有効とされた事例
三、就業規則の法的性質
裁判要旨一、使用者が、あらたな就業規則の作成または変更によつて、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないが、当該規則条項が合理的なものであるかぎり、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないと解すべきである。
二、従来停年制のなかつた主任以上の職にある被用者に対して、使用者会社がその就業規則であらたに五五歳の停年制を定めた場合において、同会社の般職種の被用者の停年が五〇歳と定められており、また、右改正にかかる規則条項において、被解雇者に対する再雇用の特則が設けられ、同条項を一律に適用することによつて生ずる苛酷な結果を緩和する途が講ぜられている等判示の事情があるときは、右改正条項は、同条項の改正後ただちにその適用によつて解雇されることに上なる被用者に対しても、その同意の有無にかかわらず、効力を有するものと解すべきである。
三、就業規則は、当該事業場内での社会的規範であるだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、法的規範としての性質を認められるに至つているものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和43年12月25日 昭和40(オ)145
- 登載
- 民集 第22巻13号3459頁
- 参照法条
- 労働基準法89条,労働基準法93条,民法92条
論点11第89条労働基準法
平和義務違反の争議行為を理由とする懲戒処分の許否
裁判要旨使用者は、労働者が労働協約に基づく平和義務に違反する争議行為をし、またはこれに参加したことのみを理由として、当該労働者を懲戒処分に付することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和39(オ)773
- 登載
- 民集 第22巻13号3194頁
- 参照法条
- 労働組合法14条,労働基準法89条
論点12第89条労働基準法
一 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条の「調整」の意義
二 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条により労働者を解雇するについて労働委員会の同意を要する場合
三 単一労働組合の解散とその一構成分子である支部、使用者間の団体協約の効力
四 労働組合解散後の団体協約中解雇承認条項のいわゆる予後効の問題
五 違法な争議行為の一事例。
六 労働基準法第一〇六条〈法令等の周知義務〉違反と就業規則の効力。
七 違法な争議行為を理由に就業規則により労働者を解雇することの当否。
裁判要旨一 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条の「調整」とは、同法所定の斡旋員または労働委員会によつてなされる正規の斡旋、調停、仲裁による調整を指すものと解すべきである。
二 旧労働関係調整法(昭和二一年法律第二五号)第四〇条により労働者の解雇または不利益取扱いについて労働委員会の同意を要するのは、正規の調整の行われている場合にかぎると解すべきである。
三 単一労働組合が解散消滅した以上、その単一組合の一構成分子にすぎない支部と使用者間の団体協約も、特段の事情のないかぎり、効力を失うものと認めるのを相当とする。
四 労働組合消滅後は、団体協約中の解雇承認条項も効力を失うものと解すべきである。
五 「会社は正当な争議行為中の支部員の部署を他の如何なる者を以てしても代置することが出来ない。」と定めてある団体協約失効後、組合員外の者の作業を妨害することは、違法な争議行為である。
六 労働基準法
第一〇六条第一項〈法令等の周知義務〉所定の就業規則の周知方法を欠いても、右就業規則の効力を否定することはできない。
七 就業規則違反の行為が平和時でなく、争議行為時に生じたものであつても、違法な争議行為を理由に就業規則を適用し解雇する妨げとなるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和27年10月22日 昭和24(オ)105
- 登載
- 民集 第6巻9号857頁
- 参照法条
- 旧労働関係調整法(昭和21年法律25号)40条,旧労働組合法(昭和20年法律51号)21条,旧労働組合法(昭和20年法律51号)11条,労働基準法106条,労働基準法89条
論点13第89条労働基準法
就業規則に退職金は支給時の退職金協定によると定められている場合において退職金協定の失効後に退職し適用すべき協定のない労働者の退職金額が右就業規則を補充するものとして届け出られた退職金協定の支給基準により確定すべきものとされた事例
裁判要旨就業規則に退職金は支給時の退職金協定によると定められている場合、右就業規則を補充するものとして所轄労働基準監督署長に届け出られた退職金協定の支給基準は、就業規則の一部となつているものであつて、退職金協定が有効期間の満了により失効しても当然には効力を失わず、退職金協定の失効後に退職し適用すべき協定のない労働者については、右支給基準により退職金額を確定すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成元年9月7日 昭和60(オ)728
- 登載
- 集民 第157号433頁
- 参照法条
- 労働基準法89条1項(昭和62年法律第99号による改正前のもの),労働基準法93条
論点14第89条労働基準法
五五歳から六〇歳への定年延長に伴い従前の五八歳までの定年後在職制度の下で期待することができた賃金等の労働条件に実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更が有効とされた事例
裁判要旨銀行が、就業規則を変更し、五五歳から六〇歳への定年延長及びこれに伴う五五歳以降の労働条件を定めた場合において、従前は、勤務に耐える健康状態にある男子行員が希望すれば五八歳までの定年後在職制度の適用を受けることができるという事実上の運用がされており、右変更により、定年後在職者が五八歳まで勤務して得ることを期待することができた賃金等の額を六〇歳定年近くまで勤務しなければ得ることができなくなるなど、その労働条件が実質的に不利益に変更されるとしても、右変更は、当時六〇歳定年制の実現が社会的にも強く要請されている一方、定年延長に伴う賃金水準等の見直しの必要性も高いという状況の中で、行員の約九〇パーセントで組織されている労働組合からの提案を受け、交渉、合意を経て労働協約を締結した上で行われたものであり、従前の五五歳以降の労働条件は既得の権利とまではいえず、変更後の就業規則に基づく賃金水準は他行や社会一般の水準と比較してかなり高いなど判示の事情の下では、右就業規則の変更は、不利益緩和のための経過措置がなくても、合理的な内容のものであると認めることができないものではなく、右変更の一年半後に五五歳を迎える男子行員に対しても効力を生ずる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成9年2月28日 平成4(オ)2122
- 登載
- 民集 第51巻2号705頁
- 参照法条
- 労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)89条,労働基準法93条
論点15第89条労働基準法
懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為の存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることの許否
裁判要旨懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為の存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることは、特段の事情のない限り、許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成8年9月26日 平成8(オ)752
- 登載
- 集民 第180号473頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点16第89条労働基準法
合資会社の有限責任社員で「専務取締役」の名称の下に無限責任社員の職務を代行していた者について従業員を対象とする退職金規定の適用があるとされた事例
裁判要旨合資会社の有限責任社員で「専務取締役」の名称の下に代表者である無限責任社員の職務を代行していた者であっても、定款によって業務執行の権限を与えられておらず、代表者の指揮命令の下に労務を提供していたにとどまり、その対償としての金員の支払を受けていたものについては、右会社の従業員を対象とする退職金規定が適用される。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成7年2月9日 平成6(オ)2185
- 登載
- 集民 第174号237頁
- 参照法条
- 商法156条,労働基準法9条,労働基準法11条,労働基準法89条1項3号の2,労働基準法89条2項
論点17第89条労働基準法
一 私立学校の校内において教職員が組合活動として行ったビラの配布行為が無許可のビラ配布等を禁止する就業規則に違反しないとされた事例
二 私立学校の教員を学級担任に選任しなかった行為が労働組合法七条一号の不当労働行為に当たるとされた事例
裁判要旨一 私立学校の職員室内で、教職員が使用者の許可を得ないまま組合活動としてビラの配布をした場合において、右ビラが労働組合としての日ごろの活動状況等を内容とするもので、違法不当な行為をあおり又はそそのかすこと等を含むものではなく、右配布の態様も、就業時間前の通常生徒が職員室に入室する頻度の少ない時間帯にビラを二つ折りにして教員の机の上に置くという方法でされたものであるなど判示の事実関係の下においては、右のビラの配布は、学校内の職場規律を乱すおそれがなく、生徒に対する教育的配慮に欠けることとなるおそれのない特別の事情が認められるものとして、使用者の許可を得ないで学校内でビラの配布等をすることを禁止する旨の就業規則に違反しない。
二 私立学校の中学二年の教科を担当し、かつ、同学年の学級担任に選任されていた組合執行委員甲について、使用者が、授業進度の遅れがあるとして進級後の中学三年の教科を担当させないこととし、これに伴い同学年の学級担任にも選任しないこととした場合において、右私立学校の教員間の一般的認識の上で、中学又は高校の一、二年の学級担任に選任されていた教員が進級後の学年の学級担任に選任されないことは特段の事情のない限り右教員の学級担任としての適格性に消極的評価が示されたものと受け止められており、それまでの二箇年度を通じて使用者によって甲の授業進度の遅れが問題にされたことはなく、甲を中学三年の学級担任に選任しないこととした年度及びその前年度において、その各前年度に学級担任をしていて各次年度に学級担任に選任されなかった教員が、一名を除き甲を含めてその全員が労働組合の組合員であるなど判示の事実関係の下においては、甲を中学三年の学級担任に選任しなかった使用者の行為は、労働組合法七条一号の不当労働行為に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成6年12月20日 平成3(行ツ)155
- 登載
- 民集 第48巻8号1496頁
- 参照法条
- 労働基準法89条,労働組合法7条1号
論点18第89条労働基準法
一 タクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につきその必要性を肯認することができるとされた事例
二 タクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更と変更内容の合理性
裁判要旨一 運賃値上げの認可を機会にされたタクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につき、従前の計算方法は、それが労使間で合意された時点の運賃を前提にしたもので、運賃値上げ後は労使双方で速やかに協議し直すことが予定されていたものであり、また、会社内の甲労働組合との間の協議は不調となったが、乙労働組合との間では新計算方法について合意が成立している等、判示の事情の下では、右変更の必要性を肯認することができる。
二 運賃値上げの認可を機会にされたタクシー会社の乗務員の歩合給の計算方法を定める就業規則の不利益変更につき、新計算方法に基づき支給された乗務員の賃金が全体として従前より減少していない場合には、それが従業員の利益をも適正に反映しているものである限り、右変更の内容の合理性を肯認することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成4年7月13日 平成3(オ)581
- 登載
- 集民 第165号185頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点19第89条労働基準法
労働者が就業時間外に職場外においてビラを配布したことを理由として懲戒処分をすることができるとされた事例
裁判要旨電力会社に勤務する労働者が就業時間外に職場外において会社の原子力発電所の設置に反対する趣旨のビラを配布した場合において、そのビラが、原子力発電所の安全性等に関して事実に反するものであり、これを配布することにより、各方面に会社が進めてきた原子力発電所建設推進運動に対する不信感や原子力発電所について誤った恐怖心を抱かせ、会社の業務に重大な支障を生じさせたなど原判示の事実関係があるときは、右労働者は、会社の就業規則に定める懲戒事由の「会社の体面をけがした者」及び「故意又は重過失によって会社に不利益を及ぼした者」に該当し、会社はこれを理由として懲戒処分をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成4年3月3日 平成2(オ)156
- 登載
- 集民 第164号153頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点20第89条労働基準法
いわゆる時間外労働の義務を定めた就業規則と労働者の義務
裁判要旨使用者が、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)
三六条〈時間外及び休日の労働〉所定の書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、当該事業場に適用される就業規則に右協定の範囲内で一定の業務土の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して時間外労働をさせることができる旨を定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて時間外労働をする義務を負う。
(補足意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成3年11月28日 昭和61(オ)840
- 登載
- 民集 第45巻8号1270頁
- 参照法条
- 労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)32条,労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条,労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)89条,労働基準法93条
論点21第89条労働基準法
従業員の欠勤が就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たるとしてされた諭旨退職の懲戒処分が無効であるとされた事例
裁判要旨従業員が,被害妄想など何らかの精神的な不調のために,実際には事実として存在しないにもかかわらず,約3年間にわたり盗撮や盗聴等を通じて自己の日常生活を子細に監視している加害者集団が職場の同僚らを通じて自己に関する情報のほのめかし等の嫌がらせを行っているとの認識を有しており,上記嫌がらせにより業務に支障が生じており上記情報が外部に漏えいされる危険もあると考えて,自分自身が上記の被害に係る問題が解決されたと判断できない限り出勤しない旨をあらかじめ使用者に伝えた上で,有給休暇を全て取得した後,約40日間にわたり欠勤を続けたなど判示の事情の下では,上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たるとはいえず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた諭旨退職の懲戒処分は無効である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成24年4月27日 平成23(受)903
- 登載
- 集民 第240号237頁
- 参照法条
- 労働基準法89条,労働契約法15条,労働契約法16条
論点22第89条労働基準法
1 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分が無効とされた事例
2 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が業務命令に当たるとして,その無効確認を求める訴えが適法とされた事例
3 学校法人がその設置,運営する大学に勤務する教授に対し業務命令として教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請が無効とされた事例
裁判要旨1 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,同教授の地元新聞紙上における発言等を理由として戒告処分をした場合において,上記発言が新聞紙上に掲載されても上記学校法人の社会的評価の低下毀損を生じさせるとは認め難いなど判示の事情の下では,上記戒告処分は懲戒権を濫用するものとして無効である。
2 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,教授会の決議を受けて,教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求める要請をした場合において,上記学校法人の規程上,業務命令権の行使が教授会等の機関に専権的に委任されているとは認められないなど判示の事情の下では,上記要請は上記学校法人が使用者としての立場から上記教授に発した業務命令に当たり,その無効確認を求める訴えは適法である。
3 学校法人が,その設置,運営する大学に勤務する教授に対し,業務命令として,教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求める要請をした場合において,それが制裁的意図に基づく差別的取扱いとみられてもやむを得ない行為であるなど判示の事情の下では,上記要請は,業務上の必要性を欠き,社会通念上著しく合理性を欠くものであって,業務命令権を濫用するものとして無効である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成19年7月13日 平成18(受)347
- 登載
- 集民 第225号117頁
- 参照法条
- (1につき)労働基準法89条 (2,3につき)民法623条,労働基準法第2章 労働契約 (2につき)民訴法134条
論点23第89条労働基準法
定年前に退職する従業員に対して定年退職の扱いとし割増退職金を支給することなどを内容とする選択定年制に基づき退職の申出をしたが承認のされなかった従業員について上記選択定年制による退職の効果が生じないとされた事例
裁判要旨定年前に退職する従業員に対して定年退職の扱いとし割増退職金を支給することなどを内容とする選択定年制が定められている場合において,従業員からの申出に対し使用者がこれを承認することによって上記選択定年制による退職の効果が生ずるものとされており,使用者が承認をするかどうかに関し就業規則等において特段の制限が設けられていないなど判示の事情の下では,上記選択定年制に基づき退職の申出をしたが承認のされなかった従業員については,上記選択定年制による退職の効果は生じない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成19年1月18日 平成16(受)380
- 登載
- 集民 第223号5頁
- 参照法条
- 民法第3編第2章第1節第1款 契約の成立,労働基準法第2章 労働契約,労働基準法89条3号,労働基準法89条3号の2
論点24第89条労働基準法
学校法人の理事会が,人事院勧告に準拠して給与規程を改定し,教職員の月例給を引き下げることを決定した上,12月期の期末勤勉手当につき,改定後の給与規程に基づいて算定した額からその年の4月分から11月分までの給与の減額分を控除するなどの調整をしてその支給額を定めた場合において,上記調整をする旨の決定がその効力を否定されることはないとされた事例
裁判要旨学校法人の理事会が,人事院勧告に準拠して給与規程を改定し,教職員の月例給を引き下げることを決定した上,12月期の期末勤勉手当につき,改定後の給与規程に基づいて算定した額からその年の4月分から11月分までの給与の減額分を控除するなどの調整をしてその支給額を定めた場合において,(1)期末勤勉手当の支給については,給与規程に「その都度理事会が定める金額を支給する。」との定めがあるにとどまり,具体的な支給額又はその算定方法の定めがないこと,(2)前年度の支給実績を下回らない期末勤勉手当を支給する旨の労使慣行が存したなどの事情もうかがわれないこと,(3)これに先立つ理事会における議決で,期末勤勉手当の算定基礎額と乗率が一応決定されたものの,人事院勧告を受けて後に理事会で正式に決定する旨の留保が付されていたことなど判示の事情の下では,上記調整をする旨の決定は,既に発生した具体的権利である期末勤勉手当の請求権を処分し又は変更するものであるとはいえず,この観点から効力を否定されることはない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成19年12月18日 平成17(受)2044
- 登載
- 集民 第226号539頁
- 参照法条
- 労働基準法11条,労働基準法24条1項,労働基準法89条4号
論点25第89条労働基準法
会社の執行役員を退任した者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することができないとされた事例
裁判要旨会社の従業員であった者が退職して執行役員に就任し,その後退任した場合において,次の(1)〜(3)など判示の事情の下では,会社が従前支給してきた内規所定の金額の退職慰労金は,功労報償的な性格が極めて強く,執行役員退任の都度,代表取締役の裁量的判断により支給されてきたにすぎないものであり,上記の者が会社に対し退職慰労金の支払を請求することはできない。
(1) 会社の導入した執行役員制度の下において,執行役員は,従前は取締役が就いていた職務上の地位に就任し,報酬その他の待遇面においても,従前の取締役と同等の待遇が保障されていた。
(2) 上記制度の下において,従業員であった者が執行役員に就任する場合,いったん退職した上で,取締役会からの委任により執行役員に就任するものとされていた。
(3) 退職慰労金の支給金額を定めた上記内規は,代表取締役の決裁で作成,改定されるものであり,上記内規には,退任する執行役員に対し退職慰労金を支給する場合に適用する旨が定められていたにすぎず,これを必ず支給する旨の規定は置かれていなかった。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成19年11月16日 平成19(受)478
- 登載
- 集民 第226号317頁
- 参照法条
- 民法623条,民法643条,民法648条1項,労働基準法11条,労働基準法89条3号の2
論点26第89条労働基準法
従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして暴行事件から7年以上経過した後にされた諭旨退職処分が権利の濫用として無効とされた事例
裁判要旨従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして,使用者が捜査機関による捜査の結果を待った上で上記事件から7年以上経過した後に諭旨退職処分を行った場合において,上記事件には目撃者が存在しており,捜査の結果を待たずとも使用者において処分を決めることが十分に可能であったこと,上記諭旨退職処分がされた時点で企業秩序維持の観点から重い懲戒処分を行うことを必要とするような状況はなかったことなど判示の事情の下では,上記諭旨退職処分は,権利の濫用として無効である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成18年10月6日 平成16(受)918
- 登載
- 集民 第221号429頁
- 参照法条
- 労働基準法89条
論点27第89条労働基準法
1 使用者による労働者の懲戒と就業規則の懲戒に関する定めの要否
2 就業規則に拘束力を生ずるための要件
裁判要旨1 使用者が労働者を懲戒するには,あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する。
2 就業規則が法的規範として拘束力を生ずるためには,その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成15年10月10日 平成13(受)1709
- 登載
- 集民 第211号1頁
- 参照法条
- 労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)89条,労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)106条,労働基準法93条
論点28第89条労働基準法
完全週休二日制の実施に伴い平日の所定労働時間を二五分間延長する就業規則の変更が有効とされた事例
裁判要旨信用金庫が、就業規則を変更し、完全週休二日制を実施する一方で、平日の所定労働時間を二五分間延長した場合において、平日の所定労働時間の延長は労働条件を不利益に変更するものであるが、右就業規則の変更により年間所定労働時間に大きな差は生じず休日が増加するから、従業員の被る不利益は全体的、実質的にみて必ずしも大きいものではなく、他方、右信用金庫にとって避けて通ることができなかった完全週休二日制を実施するためには平日の所定労働時間を画一的に延長する経営上の必要性があり、右変更後の所定労働時間は当時の我が国の水準としては必ずしも長時間ではないなど判示の事情の下では、右変更は、合理的内容のものであり、これに同意しない従業員に対しても効力を生ずる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成12年9月22日 平成9(オ)2197
- 登載
- 集民 第199号665頁
- 参照法条
- 労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)89条1項,労働基準法93条
論点29第89条労働基準法
完全週休二日制の実施に伴い平日の所定労働時間を一〇分間ないし六〇分間延長する就業規則の変更が有効とされた事例
裁判要旨銀行が、就業規則を変更し、完全週休二日制を実施する一方で、平日の所定労働時間を毎週最初の日及び毎月二五日から月末までは六〇分間、その他は一〇分間延長した場合において、平日の所定労働時間の延長は労働条件を不利益に変更するものであるが,右就業規則の変更により年間所定労働時間は相当減少し休日が増加するから、従業員の被る不利益は全体的、実質的にみて必ずしも大きいものではなく、他方、右銀行にとって避けて通ることができなかった完全週休二日制を実施するためには平日の所定労働時間を画一的に延長する経営上の必要性があり、右変更後の所定労働時間は当時の我が国の水準としては必ずしも長時間ではないなど判示の事情の下では、右変更は、合理的内容のものであり,これに同意しない従業員に対しても効力を生ずる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成12年9月12日 平成9(オ)1710
- 登載
- 集民 第199号501頁
- 参照法条
- 労働基準法(平成10年法律第112号による改正前のもの)89条1項,労働基準法93条
論点30第90条労働基準法
労使双方の合意に基く就業規則の条項に違反し組合との協議を経ないでした就業規則の改正の効力
裁判要旨労使双方の合意に基き、就業規則中に「就業規則の改正は労働組合との協議によつて行う」旨定めた場合であつても、特段の事情のないかぎり、その協議を経ないでした右規則の改正を無効とはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和27年7月4日 昭和25(ク)65
- 登載
- 民集 第6巻7号635頁
- 参照法条
- 労働基準法90条
論点31第92条労働基準法
従業員が会社の承認を得ないで公職に就任したときは懲戒解雇する旨の就業規則条項の効力。
裁判要旨従業員が会社の承認を得ないで公職に就任したときは懲戒解雇する旨の就業規則条項は、労働基準法
第七条〈公民権行使の保障〉の規定の趣旨に反し無効であると解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年6月21日 昭和36(オ)1226
- 登載
- 民集 第17巻5号754頁
- 参照法条
- 労働基準法7条,労働基準法92条1項
論点32第93条労働基準法
一 刑法第一一七条の二前段にいう「業務」の意義。
二 行政官庁の許可を受けていない夜警勤務と刑法第一一七条ノ二の「業務」としての刑事責任。
裁判要旨一 刑法第一一七条の二前段にいう「業務」は、当該火災の原因となつた火を直接取扱うことを業務の内容の全部または一部としているもののみに限らず、火災等の発見防止等の任務にあたる夜警の如きをも包含するものと解するを相当とする。
二 所論は被告人は料理人として昼間八時間勤務した上、更に夜警として勤務したものであるところ、右夜警勤務は行政官庁の許可を受けていないから、憲法二七条二項、労働基準法
九三条〈労働契約との関係〉に違反し無効である。従つて被告人の本件刑事責任は否定さるべきである旨主張する。しかしながら右行政官庁の許可の有無は夜警勤務に関する労働契約の効力如何の問題たるに止まり、夜警としての任務に服したものである以上、刑法一一七条の二の「業務」としての刑事上の責任には何ら消長を来すものとは解することはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月25日 昭和30(あ)4124
- 登載
- 刑集 第12巻12号2746頁
- 参照法条
- 刑法117条の2,刑法117条ノ2,憲法27条2項,労働基準法93条