労働基準法 / テーマ別まとめ

労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇

労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

労働基準法は、労働時間・休憩・休日について週40時間・1日8時間や毎週1回といった原則の上限・下限を定めた上で、労使協定や労使委員会の決議を条件に、変形労働時間制・フレックスタイム制・みなし労働時間制など多様な働かせ方の例外を認めています。時間外労働・休日労働をさせる場合の36協定と割増賃金のルール、年次有給休暇の付与要件・日数・取得時季についても定められています。実務担当者は、原則の基準と、それを変更するために必要な協定・決議・届出の有無をセットで確認する必要があります。

労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
区分原則例外・特則必要な手続き
労働時間1週40時間・1日8時間変形制・フレックス等労使協定or就業規則
休憩6h超45分/8h超1時間一斉付与の例外あり労使協定
休日毎週1回4週4日以上でも可―
時間外・休日労働原則禁止36協定で可能労使協定+届出
割増賃金25%以上60h超は50%以上―
年次有給休暇6か月勤務+8割出勤で10日勤続年数で加算労使協定で時間単位等
  • 変形労働時間制(1か月単位・1年単位・1週間単位)やフレックスタイム制は、いずれも労使協定または就業規則等での定めが前提
  • 36協定の上限(月45時間・年360時間、特別条項で年720時間等)は、研究開発業務には適用されない
  • 管理監督者・機密事務取扱者(41条)や高度プロフェッショナル制度対象者(41条の2)は、労働時間・休憩・休日の規定自体が適用されない
  • 年次有給休暇のうち5日は、基準日から1年以内に使用者が時季を指定して与える義務がある
  • 割増賃金率は政令で定められ、月60時間を超える時間外労働は50%以上となる
  • 4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者には、毎週1回の休日の原則は適用されない
1

労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇

労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇について、条文は何を定めているか。

第32条労働時間週40時間・1日8時間が上限2項判例 8件
  • 休憩を除き1週40時間、1日8時間を超えて働かせてはならない
  • 法定労働時間として他の変形制等の基準となる
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第32_2条1か月以内で労働時間を平均化できる2項判例なし
  • 労使協定か就業規則で定めれば、1か月以内の平均で週40時間以内に収められる
  • 定めた協定は行政官庁への届出が必要
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第32_3条始業終業を労働者に委ねる制度4項・4号判例なし
  • 労使協定で清算期間(3か月以内)と総労働時間などを定める
  • 清算期間が1か月超なら1か月ごとの週平均50時間以内も必要
  • 週5日労働者は協定で労働時間の限度を所定労働日数×8時間にできる
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第32_3条始業終業を労働者に委ねる制度4項・4号判例なし
  • 労使協定で清算期間(3か月以内)と総労働時間などを定める
  • 清算期間が1か月超なら1か月ごとの週平均50時間以内も必要
  • 週5日労働者は協定で労働時間の限度を所定労働日数×8時間にできる
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第32_4条1年以内の期間で労働時間を調整4項・5号判例なし
  • 労使協定で対象期間(1か月超1年以内)・労働日・労働時間を定める
  • 最初の期間以外は各期間初日の30日前までに労働日・時間を確定させる
  • 労働日数や連続労働日数の限度は厚生労働省令で定められる
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第32_4条1年以内の期間で労働時間を調整4項・5号判例なし
  • 労使協定で対象期間(1か月超1年以内)・労働日・労働時間を定める
  • 最初の期間以外は各期間初日の30日前までに労働日・時間を確定させる
  • 労働日数や連続労働日数の限度は厚生労働省令で定められる
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第32_5条小規模事業で週単位に時間を調整3項判例なし
  • 対象事業・規模の要件を満たし労使協定があれば1日10時間まで可能
  • 労働させる週の各日の労働時間を事前に通知する義務がある
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第33条災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等災害時は許可を得て時間外労働可3項判例 1件
  • 災害等やむを得ない事由で、行政官庁の許可を受け延長・休日労働ができる
  • 急迫で許可を得る暇がないときは事後遅滞なく届け出る
  • 公務のための臨時の必要があるときも同様の扱いが認められる場合がある
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第34条休憩労働時間に応じ休憩を与える義務3項判例 2件
  • 労働時間が6時間超なら45分以上、8時間超なら1時間以上の休憩が必要
  • 休憩は原則一斉に与えるが、労使協定があれば例外にできる
  • 休憩時間は自由に利用させなければならない
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第35条休日毎週1回以上の休日が原則2項判例 1件
  • 毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない
  • 4週間を通じ4日以上の休日を与える場合はこの原則を適用しない
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第36条時間外及び休日の労働労使協定(36協定)で時間外・休日労働可11項・8号判例 7件
  • 労使協定を結び届け出れば、協定の範囲で時間外・休日労働ができる
  • 延長時間は原則月45時間・年360時間が上限
  • 特別条項でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間以内が必要
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第37条時間外、休日及び深夜の割増賃金時間外・休日・深夜は割増賃金5項判例 13件
  • 時間外・休日労働には25%以上50%以下の範囲で割増賃金を支払う
  • 月60時間を超えた時間外労働は50%以上の率で計算する
  • 深夜(原則22時〜5時)の労働は25%以上の率で割増賃金を支払う
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第38条時間計算事業場をまたぐ労働時間は通算2項判例 2件
  • 事業場が違っても労働時間は通算して計算する
  • 坑内労働は坑口に入ってから出るまでの時間を休憩含め労働時間とみなす
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第38_2条事業場外労働はみなし時間で算定3項判例なし
  • 労働時間の算定が難しいときは所定労働時間働いたものとみなす
  • 所定労働時間を超えて必要な業務は、通常必要な時間働いたものとみなす
  • 労使協定で必要時間を定めた場合は届出が必要
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第38_3条専門業務は労使協定でみなし時間2項・6号判例なし
  • 対象業務に従事させたときは協定で定めた時間働いたものとみなす
  • 時間配分等を労働者の裁量に委ねる必要がある業務が対象
  • 健康福祉確保措置・苦情処理措置を協定で定める必要がある
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第38_4条労使委員会の決議でみなし時間5項・10号判例なし
  • 委員の5分の4以上の決議と届出により対象労働者はみなし時間で算定
  • 対象は企画・立案・調査・分析業務で裁量が必要なもの
  • 労働者本人の同意が必要で、不同意による不利益取扱いは禁止
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第39条年次有給休暇勤続半年・8割出勤で年休10日10項・5号判例 13件
  • 雇入れから6か月継続勤務し全労働日の8割以上出勤で10労働日の有給休暇を付与
  • 年10日以上の有給休暇のうち5日は基準日から1年以内に使用者が時季を指定して与える
  • 労使協定により時間単位年休(年5日以内)や計画的付与(5日超部分)ができる
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第40条労働時間及び休憩の特例特定業種は省令で別段の定め可2項判例なし
  • 公衆の不便を避ける必要がある事業等は省令で労働時間・休憩の別段の定めができる
  • 別段の定めは法定基準に近く、労働者の健康福祉を害しないものでなければならない
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第41条労働時間等に関する規定の適用除外管理監督者等は労働時間規定の対象外1項・3号判例 2件
  • 農林業(林業を除く)・畜産水産業等の従事者は労働時間・休憩・休日の規定が適用されない
  • 監督若しくは管理の地位にある者、機密事務取扱者も適用除外
  • 行政官庁の許可を受けた監視・断続的労働従事者も適用除外
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第41_2条高度専門職は本人同意で適用除外5項・10号判例なし
  • 委員会決議・届出・本人の書面同意により対象労働者は労働時間等の規定が適用除外
  • 年104日以上・4週4日以上の休日確保など健康確保措置が必須
  • 同意しない労働者への解雇その他不利益取扱いは禁止
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第32条労働基準法

労働基準法所定の労働時間の制限を超える公務の執行と公務執行妨害罪の成否

裁判要旨法令により公務に従事する者とみなされる日本国鉄道職員であつて労働基準法の適用を受ける者に対する職務命令が、同法所定の労働時間の制限を超えて就労することをその内容としており、かつ、その者の就労が右制限を超えたからといつて、そのために、職務の執行が具体的権限を欠いて違法となり、その者に対する公務執行妨害罪の成立が妨げられるものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年5月25日 昭和44(あ)1629
登載
刑集 第27巻5号1115頁
参照法条
刑法7条,刑法95条1項,日本国有鉄道法34条1項,労働基準法32条1項
論点2第32条労働基準法

労働基準法第六〇条第三項〈労働時間及び休日〉と第三二条第一項〈労働時間〉との関係。

裁判要旨労働基準法第六〇条第三項〈労働時間及び休日〉の規定は、満十五才以上で満十八才に満たない年少労働者の労働時間の規整に関する基準規定であつて、労働者一般の労働時間の規整に関する同法第三二条第一項の特別規定である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年9月14日 昭和35(あ)632
登載
刑集 第16巻9号1366頁
参照法条
労働基準法60条3項,労働基準法32条1項,少年法37条1項3号
論点3第32条労働基準法

いわゆる時間外労働の義務を定めた就業規則と労働者の義務

裁判要旨使用者が、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三六条〈時間外及び休日の労働〉所定の書面による協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、当該事業場に適用される就業規則に右協定の範囲内で一定の業務土の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して時間外労働をさせることができる旨を定めているときは、当該就業規則の規定の内容が合理的なものである限り、労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて時間外労働をする義務を負う。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成3年11月28日 昭和61(オ)840
登載
民集 第45巻8号1270頁
参照法条
労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)32条,労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条,労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)89条,労働基準法93条
論点4第32条労働基準法

基本給を月額で定めた上で月間総労働時間が一定の時間を超える場合に1時間当たり一定額を別途支払うなどの約定のある雇用契約の下において,使用者が,各月の上記一定の時間以内の労働時間中の時間外労働についても,基本給とは別に,労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの)37条1項〈時間外、休日及び深夜の割増賃金〉の規定する割増賃金の支払義務を負うとされた事例

裁判要旨基本給を月額41万円とした上で月間総労働時間が180時間を超える場合に1時間当たり一定額を別途支払い,140時間未満の場合に1時間当たり一定額を減額する旨の約定のある雇用契約の下において,次の(1),(2)など判示の事情の下では,労働者が時間外労働をした月につき,使用者は,労働者に対し,月間総労働時間が180時間を超える月の労働時間のうち180時間を超えない部分における時間外労働及び月間総労働時間が180時間を超えない月の労働時間における時間外労働についても,上記の基本給とは別に,労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの)37条1項〈時間外、休日及び深夜の割増賃金〉の規定する割増賃金を支払う義務を負う。
(1) 上記の各時間外労働がされても,上記の基本給自体が増額されるものではない。
(2) 上記の基本給の一部が他の部分と区別されて同項の規定する時間外の割増賃金とされていたなどの事情はうかがわれない上,上記の割増賃金の対象となる1か月の時間外労働の時間数は各月の勤務すべき日数の相違等により相当大きく変動し得るものであり,上記の基本給について,通常の労働時間の賃金に当たる部分と上記の割増賃金に当たる部分とを判別することはできない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年3月8日 平成21(受)1186
登載
集民 第240号121頁
参照法条
労働基準法32条,労働基準法(平成20年法律第89号による改正前のもの)37条1項
論点5第32条労働基準法

労働基準法32条1項〈労働時間〉(週単位の時間外労働の規制)違反の罪と同条2項(1日単位の時間外労働の規制)違反の罪との罪数関係

裁判要旨労働基準法32条1項〈労働時間〉(週単位の時間外労働の規制)違反の罪が成立する場合においても,その週内の1日単位の時間外労働の規制違反について同条2項違反の罪が成立し,両罪は併合罪の関係にある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年12月20日 平成22(あ)148
登載
刑集 第64巻8号1312頁
参照法条
労働基準法32条1項,労働基準法32条2項,労働基準法119条1号,刑法45条前段
論点6第32条労働基準法

1 労働基準法36条1項〈時間外及び休日の労働〉に基づき月単位の時間外労働の協定が締結されている場合における協定時間を超えた時間外労働と同法32条1項違反の罪
2 週単位の時間外労働の規制違反に係る訴因の特定が不十分で,その記載に瑕疵がある場合に,訴因変更と同様の手続を採ってこれを補正しようとした検察官の予備的訴因変更請求について,裁判所の採るべき措置

裁判要旨1 労働基準法36条1項〈時間外及び休日の労働〉に基づき月単位の時間外労働の協定が締結されている場合において,協定時間を超えた時間外労働があるときには,原則的な労働時間制の下では,始期から順次1週間について40時間の法定労働時間を超えて労働させた時間を積算し,協定時間に至るまでは協定の効力によって時間外労働の違法性が阻却されるが,これを超えた時点以後は,1週間について40時間を超える時間外労働がある各週につき同法32条1項違反の罪が成立する。
2 週単位の時間外労働の規制違反に係る訴因の特定が不十分で,その記載に瑕疵がある本件のような場合(判文参照),訴因変更と同様の手続を採ってこれを補正しようとした検察官の予備的訴因変更については,適正な訴因となるように措置した上,これを許可すべきである。
(1,2につき意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成21年7月16日 平成19(あ)1951
登載
刑集 第63巻6号641頁
参照法条
(1,2につき) 労働基準法32条1項,労働基準法36条1項,労働基準法119条1号 (2につき)刑訴法256条3項,刑訴法312条1項
論点7第32条労働基準法

1 マンションの住み込み管理員が所定労働時間の前後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において,上記一定の時間が,管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例
2 マンションの住み込み管理員である夫婦が雇用契約上の休日である土曜日も管理員としての業務に従事していた場合において,土曜日については,夫婦のうち1人のみが業務に従事したものとして労働時間を算定するのが相当であるとされた事例
3 マンションの住み込み管理員が土曜日を除く雇用契約上の休日に断続的な業務に従事していた場合において,使用者が明示又は黙示に上記休日に行うことを指示したと認められる業務に現実に従事した時間のみが労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例

裁判要旨1 マンションの住み込み管理員が所定労働時間の開始前及び終了後の一定の時間に断続的な業務に従事していた場合において,(1)使用者は,上記一定の時間内の各所定の時刻に管理員室の照明の点消灯,ごみ置場の扉の開閉,冷暖房装置の運転の開始及び停止等の業務を行うよう指示していたこと,(2)使用者が作成したマニュアルには,管理員は所定労働時間外においても,住民等から宅配物の受渡し等の要望が出される都度,これに随時対応すべき旨が記載されていたこと,(3)使用者は,管理員から定期的に業務の報告を受け,管理員が所定労働時間外においても上記要望に対応していた事実を認識していたことなど判示の事実関係の下では,上記一定の時間は,管理員室の隣の居室に居て実作業に従事していない時間を含めて,その間,管理員が使用者の指揮命令下に置かれていたものであり,労働基準法32条〈労働時間〉の労働時間に当たる。
2 マンションの住み込み管理員である夫婦が雇用契約上の休日である土曜日も使用者の指示により平日と同様の業務に従事していた場合において,使用者は,土曜日は1人体制で執務するよう明確に指示し,同人らもこれを承認していたこと,土曜日の業務量が1人では処理できないようなものであったともいえないことなど判示の事情の下では,土曜日については,同人らのうち1人のみが業務に従事したものとして労働時間を算定するのが相当である。
3 マンションの住み込み管理員が土曜日を除く雇用契約上の休日に断続的な業務に従事していた場合において,使用者が,管理員に対して,管理員室の照明の点消灯及びごみ置場の扉の開閉以外には上記休日に業務を行うべきことを明示に指示していなかったなど判示の事実関係の下では,使用者が上記休日に行うことを明示又は黙示に指示したと認められる業務に現実に従事した時間のみが労働基準法32条の労働時間に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成19年10月19日 平成17(受)384
登載
民集 第61巻7号2555頁
参照法条
(1〜3につき)労働基準法32条
論点8第32条労働基準法

1 実作業に従事していない仮眠時間と労働基準法上の労働時間
2 ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている連続7時間ないし9時間の仮眠時間が労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例

裁判要旨1 労働者が実作業に従事していない仮眠時間であっても,労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には,労働からの解放が保障されているとはいえず,労働者は使用者の指揮命令下に置かれているものであって,労働基準法32条〈労働時間〉の労働時間に当たる。
2 ビル管理会社の従業員が従事する泊り勤務の間に設定されている連続7時間ないし9時間の仮眠時間は,従業員が労働契約に基づき仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを義務付けられており,そのような対応をすることが皆無に等しいなど実質的に上記義務付けがされていないと認めることができるような事情も存しないなど判示の事実関係の下においては,実作業に従事していない時間も含め全体として従業員が使用者の指揮命令下に置かれているものであり,労働基準法32条の労働時間に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年2月28日 平成9(オ)608
登載
民集 第56巻2号361頁
参照法条
労働基準法32条
論点9第33条労働基準法

違法な時間外労働等についても割増賃金不払罪が成立するか。

裁判要旨労働基準法第三三条〈災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等〉または第三六条〈時間外及び休日の労働〉所定の条件を充足していない違法な時間外労働ないしは休日労働に対しても、使用者は同法第三七条第一項により割増賃金の支払義務があり、その義務を履行しないときは同法第一一九条第一号の罰則の適用を免れない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和35年7月14日 昭和33(あ)1135
登載
刑集 第14巻9号1139頁
参照法条
労働基準法33条,労働基準法36条,労働基準法37条1項,労働基準法119条1号
論点10第34条労働基準法

一、日本電信電話公社の就業規則において禁止されている政治活動の意義
二、勤務時間中に「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用した職員の行為が日本電信電話公社法三四条二項所定の職務専念義務に違反するとされた事例
三、電報電話局の局所内において「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用して勤務した職員の行為が局所内における政治活動を禁止した就業規則の規定に違反するとされた事例
四、電報電話局の局所内における職員のビラ配布行為が局所内におけるビラ配布等につき事前に局所の管理責任者の許可を受けなければならない旨の就業規則の規定に違反するとされた事例
五、休憩時間中の局所内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等についても局所の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定める日本電信電話公社の就業規則の規定が休憩時間の自由利用に対する合理約な制約であるとされた事例

裁判要旨一、日本電信電話公社の就業規則において禁止されている政治活動とは、人事院規則一四―七所定の政治的目的をもつてされる政治的行為を指すものではなく、社会通念上政治的と認められる活動をいう。
二、日本電信電話公社の職員が勤務時間中に「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」と記載したプレートを着用してこれを職場の同僚に訴えかけることは、日本電信電話公社法三四条二項所定の職務専念義務に違反する。
三、電報電話局の局所内において職員が社会通念上政治的な意味をもつ「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」という文言を記載したプレートを着用して勤務しこれを職場の同僚に訴えかけることは、局所内の秩序風紀の維持を目的とする日本電信電話公社の就業規則の政治活動禁止規定に違反する。
四、電報電話局の局所内において局所の管理責任者の許可を得ないでした職員のビラ配布行為は、その配布の態様につきとりたてて問題にする点はなかつたとしても、上司の適法な命令に抗議する目的でされ、その内容においても上司の適法な命令に抗議し局所内での違法なプレート着用等をあおりそそのかすことを含むものであつて、局所内の秩序を乱すおそれがあつた以上、局所内の秩序風紀の維持を目的とする局所内のビラの配布等につき事前に局所の管理責任者の許可を受けなければならない旨を定める日本電信電話公社の就業規則の規定に違反する。
五、休憩時間中であつても、局所内における演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等を行うことは、局所内の施設の管理を妨げるおそれがあり、他の職員の休憩時間の自由利用を妨げひいてはその後の作業能率を低下させるおそれがあり、その内容いかんによつては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるから、休憩時間中にこれを行うについても局所の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定める日本電信電話公社の就業規則の規定は、休憩時間の自由利用に対する合理的な制約というべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和52年12月13日 昭和47(オ)777
登載
民集 第31巻7号974頁
参照法条
日本電信電話公社法33条,日本電信電話公社法34条1項,日本電信電話公社法34条2項,労働基準法34条3項,労働基準法89条
論点11第34条労働基準法

一、使用者の事業所等の管理権に基づく休憩時間中の労働者に対する行動規制
二、休憩時間中の基地内における集団行動を禁止した駐留軍基地司令官の命令が無効とはいえないとされた事例

裁判要旨一、使用者の事業所等の管理権に基づく労働者に対する行動規制は、休憩時間中のものであつても、管理権の合理的な行使として是認されうる範囲内にあるかぎり、有効なものとして拘束力を有する。
二、(省略)
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和49年11月29日 昭和40(オ)797
登載
集民 第113号235頁
参照法条
労働基準法34条3項
論点12第35条労働基準法

休日出勤の業務命令を拒否した工員に対する減給処分が懲戒権の濫用として無効とされた事例

裁判要旨(省略)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年11月20日 昭和49(オ)60
登載
集民 第125号655頁
参照法条
労働基準法35条,労働基準法36条
論点13第36条労働基準法

郵政職員が時間外労働の義務を負うものとされた事例

裁判要旨労働協約及び就業規則に、やむをえない事由がある場合には郵政職員に時間外労働又は休日労働をさせうる旨定められており、かつ、労働基準法三六条〈時間外及び休日の労働〉所定の協定が締結されている場合において、職員に時間外労働をさせるにつき右労働協約に定めるやむをえない事由があつて、「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法」六条〈中間搾取の排除〉の規定に基づいて郵政大臣が制定した「郵政事業職員勤務時間、休憩、休日および休暇規程」の定めるところにより職員が時間外労働を命ぜられたときは、右職員は、時間外労働の義務を負う。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年3月27日 昭和54(行ツ)74
登載
集民 第141号453頁
参照法条
労働基準法36条,国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法6条
論点14第36条労働基準法

一 使用者が労働組合に対し組合集会等のための従業員食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって不当労働行為に当たるということはできないとされた事例
二 使用者が労働組合にいわゆる三六協定の締結適格があるかどうかを確認する目的で従業員に記名式の照会票を配付して組合加入の有無を調査したことが不当労働行為に当たらないとされた事例

裁判要旨一 使用者が、労働組合の結成通知以来約九箇月にわたり、組合からの許可願の提出があれば業務に支障のない限り従業員食堂の使用を許可していたところ、就業時間後食堂で行われていた組合の学習会の参加者の氏名を巡回中の守衛が記録したことに反発した組合執行委員長らが右記録用紙を守衛から提出させたことを契機として、組合による食堂使用を拒否したのに対し、組合が、使用者が食堂に施錠するまで五箇月近くの間、無許可で食堂の使用を繰り返し、その間、使用者は食堂の使用に関し施設管理者の立場からは合理的理由のある提案をしたが、これに対する組合の反対提案は組合に食堂の利用権限があることを前提とするかのような提案であったなど判示の事実関係の下においては、使用者が組合に対し組合集会等のための食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって、不当労働行為に当たるということはできない。
二 使用者が、労働組合に労働基準法三六条所定の協定の締結適格があるかどうかを確認するため、従業員に対し記名式の照会票を配付し、組合加入の有無を調査した場合において、使用者は、労働基準監督署から従業員代表との間で締結された現行協定の適法性に疑義があるとして時間外労働の中止を指示され、早急に新たな協定を適法に締結する必要に迫られており、他方、組合は、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合であると主張して協定の締結を要求しながら、右要件を確認するための組合員名簿の提出は拒否し続けていたなど判示の事実関係の下においては、使用者が右調査をしたことは、不当労働行為に当たらない。
(一、二につき反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年9月8日 平成3(行ツ)34
登載
集民 第176号699頁
参照法条
労働組合法7条3号,労働基準法36条
論点15第36条労働基準法

併存する企業内組合の一つが使用者の提案する賃金計算方法の変更を承認しないことを理由に使用者が右組合との間で労働基準法三六条所定の協定を締結することを拒否しその組合員の時間外労働を禁止している行為が労働組合法七条一号及び三号の不当労働行為に当たらないとされた事例

裁判要旨従来、時間外割増賃金及び深夜割増賃金を含むとの認識の下に水揚高に一定率を乗じた歩合による賃金を支払っていた使用者が、労働基準監督署から割増賃金部分を明確にするよう指導を受けたため、水揚高に従前の率を若干下回る率を乗じた金額を基礎給としこれに時間外割増賃金及び深夜割増賃金を加算して支払うことを内容とする賃金計算方法を採用することを企業内に併存する甲乙二つの労働組合に提案したのに対し、甲組合はこれを承認したが、乙組合はこれを拒否し、水揚高に従来どおりの率を乗じた金額を基礎給としこれに時間外割増賃金及び深夜割増賃金を加算して支払うことを要求し続けていた場合において、使用者が、乙組合との団体交渉の結果、同組合との間で労働基準法三六条所定の協定を締結することを拒否し、乙組合員の時間外労働を禁止している行為は、使用者が、まず甲組合とのみ右提案及び右協定の締結について協議を行って合意を成立させ、乙組合とは何ら協議を行うことなく乙組合員の時間外労働を禁止し、その五日後に初めて団体交渉を行ったもので、右団体交渉においては、甲組合と合意に達した労働条件を受諾するように求め、これをもって譲歩の限度とする強い態度を示したなど判示の事情があっても、使用者の右団体交渉における主張の主な意図が乙組合の団結権の否認ないし弱体化にあり団体交渉が形式的に行われたにすぎないものと認められる特段の事情があるとはいえず、労働組合法七条一号及び三号の不当労働行為に当たらない。

(反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年4月14日 平成5(行ツ)141
登載
集民 第175号23頁
参照法条
労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)36条,労働基準法(平成5年法律第79号による改正前のもの)37条1項,労働組合法7条1号,労働組合法7条3号
論点16第37条労働基準法

ストライキ期間中の家族手当の削減が違法とはいえないとされた事例

裁判要旨ストライキの場合における家族手当の削減が昭和二三年ころから昭和四四年までは就業規則の規定に基づいて実施されており、その後右規定が削除され同様の規定が社員賃金規則細部取扱のうちに定められてからも従前の取扱が引続き異議なく行われてきたなど、原判示の事実関係のもとにおいては、ストライキの場合における家族手当の削減は労使問の労働慣行として成立していたものであり、このような労働慣行のもとにおいてされた本件ストライキ期間中の家族手当の削減は、違法とはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和56年9月18日 昭和51(オ)1273
登載
民集 第35巻6号1028頁
参照法条
労働基準法24条,労働基準法37条2項
論点17第37条労働基準法

一、県立学校教職員の勤務時間外における職員会議への参加が所属学校長の職務命令に基づくものとされた事例
二、静岡県立学校長の適法な権限に基づかない命令により時間外勤務をした教職員の時間外勤務手当請求権

裁判要旨一、県立学校における職員会議が、校長を主宰者とし、当該学校に勤務する教職員の全部をもつて構成され、その開催の日時場所も校長の指示によりあらかじめ伝達されて教職員はできるかぎりこれに出席すべきものとされており、とくに必要があつて会議が勤務時間外にわたる場合においても、勤務時間の内外によつて審議内容、審議方法等会議の性質および運営にはなんらの差異はなかつたなど判示の事情があるときは、右教職員の職員会議への参加は、正規の勤務時間以外の時間にわたる場合も含めて、所属学校長の職務命令に基づくものというべきである。
二、静岡県立学校において、校長の時間外勤務命令に基づき、教職員が正規の勤務時間以外の時間にわたつて本来の職務の範囲に属することがらについて勤務をした場合には、たとえ校長に右命令を発する権限がなかつたとしても、それが教職員に対し事実上の拘束力をもつものであるかぎり、給与負担者である静岡県は、右職務命令の瑕疵を主張して時間外勤務に対する所定の時間外勤務手当の支給を拒むことは許されないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年4月6日 昭和44(行ツ)26
登載
民集 第26巻3号397頁
参照法条
労働基準法37条,静岡県教職員の給与に関する条例(昭和31年静岡県条例第52号)15条,職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(昭和28年静岡県条例第32号)8条
論点18第37条労働基準法

一、市町村立小中学校教員の時間外勤務手当の負担者
二、静岡市立学校長の適法な権限に基づかない命令により時間外勤務をした教職員の時間外勤務手当請求権
三、静岡県立小中学校教職員の修学旅行ないし遠足における引率・付添いの勤務による時間外勤務手当請求権が認められた事例

裁判要旨一、市町村立小中学校教員の時間外勤務手当の負担者は、右学校の設置者たる市町村である。
二、静岡市立学校において、校長の時間外勤務命令に基づき、教職員が正規の勤務時間以外の時間にわたつて本来の職務に属することがらについて勤務をした場合には、たとえ校長に右命令をする権限がなかつたとしても、それが教職員に対して事実三の拘束力をもつものであるかぎり、給与負担者である静岡市は、右職務命令の瑕疵を主張して時間外勤務に対する所定の手当の支給を拒むことは許されないものと解すべきである。
三、静岡市立小中学校の教職員が、所属学校長のあらかじめした命令により、正規の勤務時間をこえて修学旅行や遠足の引率・付添いの勤務をした場合において、当該勤務が、児童生徒に対する教育的効果の達成や危険の予防ないし危険が発生した場合の善後措置の施行等きわめて重大な責任を負担し、心身ともに不断の緊張およびその結果としての疲労を伴うという性質のものである以上、右教職員は、その勤務をした時間につき明確に証明できるものであるかぎり、時間外勤務に対する手当の請求権を取得すると解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月26日 昭和46(行ツ)84
登載
民集 第26巻10号2096頁
参照法条
学校教育法5条,労働基準法37条,労働基準法41条3号,労働基準法施行規則22条,市町村立学校職員給与負担法1条,職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(昭和28年静岡県条例第32号、昭和46年静岡県条例第50号よる改正前のもの)8条,静岡県教職員の給与に関する条例(昭和31年静岡県条例第52号)15条,職員の給与に関する規則(昭和32年静岡県人事委員会規則7−25)27条2項
論点19第37条労働基準法

ストライキの場合に不就労の時間に応じて控除される家族手当付加額が労働基準法(平成五年法律第七九号による改正前のもの)三七条二項にいう家族手当に当たるとされた事例

裁判要旨家族手当付加額が扶養家族を有する者に対し被扶養者の数に応じて定められた金額を支給するものであり、勤務を欠いたことにより右付加額が控除されるのは例外的であるという原判示の事実関係の下においては、右家族手当付加額は、ストライキの場合に不就労の時間に応じて控除されるとしても、労働基準法(平成五年法律第七九号による改正前のもの)三七条二項〈時間外、休日及び深夜の割増賃金〉にいう家族手当に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成6年4月8日 平成5(オ)1695
登載
集民 第172号259頁
参照法条
労働基準法(平成5年法律第79号による改正前のもの)37条2項,労働基準法37条4項
論点20第37条労働基準法

雇用契約において時間外労働等の対価とされていた定額の手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨使用者が労働者に対し,雇用契約に基づいて定額の手当を支払った場合において,当該手当は当該雇用契約において時間外労働,休日労働及び深夜労働に対する対価として支払われるものとされていたにもかかわらず,当該手当を上回る金額の割増賃金請求権が発生した事実を労働者が認識して直ちに支払を請求することができる仕組みが備わっていないなどとして,当該手当の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断には,割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成30年7月19日 平成29(受)842
登載
集民 第259号77頁
参照法条
労働基準法37条
論点21第37条労働基準法

医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていたとしても,当該年俸の支払により時間外労働等に対する割増賃金が支払われたということはできないとされた事例

裁判要旨医療法人と医師との間の雇用契約において時間外労働等に対する割増賃金を年俸に含める旨の合意がされていたとしても,当該年俸のうち時間外労働等に対する割増賃金に当たる部分が明らかにされておらず,通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができないという事情の下では,当該年俸の支払により,時間外労働等に対する割増賃金が支払われたということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年7月7日 平成28(受)222
登載
集民 第256号31頁
参照法条
労働基準法37条
論点22第37条労働基準法

歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるとして未払賃金の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であると判断するのみで,当該賃金規則における賃金の定めにつき,通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができるか否かや,そのような判別をすることができる場合に,当該賃金規則に基づいて割増賃金として支払われた金額が同条その他の関係法令に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かについて審理判断することなく未払賃金の請求を認容すべきものとした原審の判断には,割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った結果,審理を尽くさなかった違法がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年2月28日 平成27(受)1998
登載
集民 第255号1頁
参照法条
民法90条,労働基準法37条
論点23第37条労働基準法

いわゆる管理監督者に該当する労働者が深夜割増賃金を請求することの可否

裁判要旨労働基準法41条2号〈労働時間等に関する規定の適用除外 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者〉所定のいわゆる管理監督者に該当する労働者は,同法37条3項〈時間外、休日及び深夜の割増賃金〉に基づく深夜割増賃金を請求することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年12月18日 平成21(受)440
登載
集民 第232号825頁
参照法条
労働基準法37条1項,労働基準法37条3項,労働基準法41条
論点24第37条労働基準法

雇用契約に基づく残業手当等の支払により労働基準法37条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨使用者Yが、変更後の就業規則等に基づく新たな賃金体系の下で、日々の業務内容等に応じて決定される月ごとの賃金総額から基本給等の額を差し引いた額を割増賃金の額とした上で、そのうち基本給等を通常の労働時間の賃金として労働基準法37条並びに政令及び厚生労働省令の関係規定に定められた方法により算定した額を残業手当等の額とし、上記割増賃金の額から残業手当等の額を差し引いた額を調整手当の額としていた場合において、次の⑴~⑷など判示の事情の下においては、YのXに対する残業手当等の支払により同条の割増賃金が支払われたものとした原審の判断には、割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った違法がある。
⑴ Yは、新たな賃金体系の導入に当たり、賃金総額の算定については従前の取扱いを継続する一方で、従前の賃金体系の下において自身が通常の労働時間の賃金と位置付けていた基本歩合給の相当部分を新たに調整手当として支給するものとした。
⑵ 従前の賃金体系の下においては、基本給及び基本歩合給のみが通常の労働時間の賃金であったとしても、Xに係る通常の労働時間の賃金の額は1時間当たり平均1300~1400円程度であったことがうかがわれる一方、調整手当の導入の結果、新たな賃金体系の下においては、基本給等のみが通常の労働時間の賃金であるなどと仮定すると、Xに係る通常の労働時間の賃金の額は1時間当たり平均約840円となる。
⑶ Xについては、1か月当たりの時間外労働等は平均80時間弱であるところ、これを前提として算定される残業手当等をも上回る水準の調整手当が支払われている。
⑷ 新たな賃金体系の導入に当たり、YからXを含む労働者に対しては、基本給の増額や調整手当の導入等に関する一応の説明がされたにとどまり、従前の賃金体系の下における基本歩合給の相当部分を調整手当として支給するものとされたことに伴い生ずる変化について、十分な説明がされたともうかがわれない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和5年3月10日 令和4(受)1019
登載
集民 第270号77頁
参照法条
労働基準法37条
論点25第37条労働基準法

歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払により労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえないとされた事例

裁判要旨歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の定めがある賃金規則に基づいてされた残業手当等の支払につき,時間外労働等に伴い発生する残業手当等の額がそのまま歩合給の減額につながり,歩合給が0円となることもあるなど判示の事情の下では,これにより労働基準法37条の定める割増賃金が支払われたとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和2年3月30日 平成30(受)908
登載
民集 第74巻3号549頁
参照法条
労働基準法37条
論点26第38条労働基準法

募集型の企画旅行における添乗員の業務につき,労働基準法38条の2第1項〈労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働…〉にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとされた事例

裁判要旨募集型の企画旅行における添乗員の業務については,次の(1),(2)など判示の事情の下では,労働基準法38条の2第1項〈労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働…〉にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえない。
(1) 当該業務は,旅行日程がその日時や目的地等を明らかにして定められることによって,その内容があらかじめ具体的に確定されており,添乗員が自ら決定できる事項の範囲及びその決定に係る選択の幅は限られている。
(2) 当該業務について,上記企画旅行を主催する旅行業者は,添乗員との間で,あらかじめ定められた旅行日程に沿った旅程の管理等の業務を行うべきことを具体的に指示した上で,予定された旅行日程に途中で相応の変更を要する事態が生じた場合にはその時点で個別の指示をするものとされ,旅行日程の終了後は内容の正確性を確認し得る添乗日報によって業務の遂行の状況等につき詳細な報告を受けるものとされている。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成26年1月24日 平成24(受)1475
登載
集民 第246号1頁
参照法条
労働基準法38条の2第1項
論点27第38条労働基準法

外国人の技能実習に係る監理団体の指導員が事業場外で従事した業務につき、労働基準法38条の2第1項〈労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働…〉にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨外国人の技能実習に係る監理団体の指導員が事業場外で従事した業務につき、就業日ごとの始業時刻、終業時刻及び休憩時間のほか、訪問先、訪問時刻及びおおよその業務内容等を記入した業務日報が提出されていた場合において、次の⑴、⑵など判示の事情の下で、業務日報の正確性の担保に関する具体的な事情を十分に検討することなく、業務日報による報告のみを重視して、上記業務につき労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないとした原審の判断には、同項の解釈適用を誤った違法がある。
⑴ 上記業務は、実習実施者に対する訪問指導のほか、技能実習生の送迎、生活指導や急なトラブルの際の通訳等であった。
⑵ 上記指導員は、上記業務に関し、訪問の予約を行うなどして自ら具体的なスケジュールを管理しており、所定の休憩時間とは異なる時間に休憩をとることや自らの判断により直行直帰することも許されていたものであって、随時具体的に指示を受けたり報告をしたりすることもなかった。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和6年4月16日 令和5(受)365
登載
集民 第271号85頁
参照法条
労働基準法38条の2第1項
論点28第39条労働基準法

勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合に休暇の利用目的を考慮して勤務割変更の配慮をせずに時季変更権を行使することの許否

裁判要旨勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合であつても、使用者が、通常の配慮をすれば勤務割を変更して代替勤務者を配置することが可能であるときに、休暇の利用目的を考慮して勤務割変更のための配慮をせずに時季変更権を行使することは、許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年9月22日 昭和60(オ)989
登載
集民 第151号657頁
参照法条
労働基準法39条
論点29第39条労働基準法

勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合に休暇の利用目的を考慮して勤務割変更の配慮をせずに時季変更権を行使することの許否

裁判要旨勤務割における勤務予定日につき年次休暇の時季指定がされた場合であつても、使用者が、通常の配慮をすれば勤務割を変更して代替勤務者を配置することが可能であるときに、休暇の利用目的を考慮して勤務割変更のための配慮をせずに時季変更権を行使することは、許されない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和62年7月10日 昭和59(オ)618
登載
民集 第41巻5号1229頁
参照法条
労働基準法39条
論点30第39条労働基準法

公立高校の教諭らが教職員組合の動員指示に従つて年次休暇権を行使して集会等に参加した行動が同盟罷業に当たらないとされた事例

裁判要旨公立高校の教諭らが、教職員組合の三割動員の指示に従い、授業予定日の半日につき年次休暇の時季指定をして地区労主催の集会等に参加した場合であつても、右動員指示が、適法な時季変更権の行使を無視することまで指示したものではなく、各事業場における業務の正常な運営の阻害を目的としたものでないときは、右教諭らの行動は、年次休暇に名を籍りた同盟罷業ということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和61年12月18日 昭和57(行ツ)166
登載
集民 第149号341頁
参照法条
労働基準法39条3項,地方公務員法32条,地方公務員法35条,地方公務員法37条
論点31第39条労働基準法

郵政事業職員の年次有給休暇のうち所属長が年度の初頭に職員の請求により各人別に決定した休暇付与計画による休暇についての年度の途中における時季変更権行使の要件

裁判要旨郵政事業に勤務する職員の年次有給休暇のうち、所属長が年度の初頭において職員の請求により業務の繁閑等をしんしゃくして各人別に決定した休暇付与計画による休暇についての年度の途中における時季変更権の行使は、計画決定時には予測できなかつた事態発生の可能性が生じた場合において、かつ、右事態発生の予測が可能になつてから合理的期間内に限り、許される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年9月30日 昭和55(行ツ)14
登載
民集 第37巻7号993頁
参照法条
労働基準法39条3項
論点32第39条労働基準法

一 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちにされた使用者の時季変更権行使の効力
二 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちにされた使用者の時季変更権行使の効力が認められた事例

裁判要旨一 労働者の指定した年次有給休暇の期間が開始し又は経過したのちに使用者が時季変更権を行使した場合であつても、労働者の右休暇の請求がその指定した期間の始期にきわめて接近してされたため使用者において時季変更権を行使するか否かを事前に判断する時間的余裕がなかつたようなときには、客観的に右時季変更権を行使しうる事由があり、かつ、その行使が遅滞なくされたものであれば、適法な時季変更権の行使があつたものとしてその効力を認めるのが相当である。
二 使用者の年次有給休暇時季変更権の行使が、労働者の指定した休暇の期間が開始し又は経過したのちにされたものであつても、労働者の右休暇の請求が一日又は午前中二時間の期間につき当日の朝宿直員を通じてされたため事前に時季変更権を行使する時間的余裕がなかつたものであり、また、右休暇の請求は事業の正常な運営を妨げるおそれがあつたが、使用者において、労働者が休暇を必要とする事情のいかんによつてはこれを認めるのを妥当とする場合があると考えて休暇の理由を聴取するため時季変更権の行使を差し控え、その後労働者がこれを明らかにすることを拒んだため右のような考慮をする余地がないことが確定的になつた時点に至つてはじめて、かつ、遅滞なく時季変更権の行使をしたなど、判示の事情のもとにおいては、右時季変更権の行使は適法にされたものとしてその効力を認めるのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年3月18日 昭和53(オ)558
登載
民集 第36巻3号366頁
参照法条
労働基準法39条
論点33第39条労働基準法

他の事業場における争議行為への参加と年次有給休暇の成否

裁判要旨その所属する事業場以外の事業場における争議行為に休暇中の労働者が参加したかどうかは、年次有給休暇の成否に影響しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和53年12月8日 昭和51(行ツ)28
登載
集民 第125号815頁
参照法条
労働基準法39条
論点34第39条労働基準法

一、年次有給休暇制度と休暇の利用目的
二、労働基準法三九条三項〈年次有給休暇〉但書にいう「事業の正常な運営を妨げる」か否かの判断基準

裁判要旨一、年次有給休暇における休暇の利用目的は労働基準法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由であると解すべきである。
二、労働基準法三九条三項〈年次有給休暇〉但書にいう「事業の正常な運営を妨げる」か否かは、当該労働者の所属する事業場を基準として判断すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年3月2日 昭和41(オ)1420
登載
民集 第27巻2号210頁
参照法条
労働基準法39条
論点35第39条労働基準法

一、労働基準法三九条三項〈年次有給休暇〉にいう「労働者の請求する時季」の意義
二、始期と終期を特定してされた年次有給休暇の時季指定の法的効果

裁判要旨一、労働基準法三九条三項〈年次有給休暇〉にいう「労働者の請求する時季」とは、労働者の指定する時季にほかならず、そこにいう「時季」とは、季節をも含めた時期を意味するものと解すべきである。
二、労働基準法三九条に基づき、労働者が、その有する年次有給休暇の日数の範囲内で、始期と終期を特定して休暇の時季指定をしたときは、客観的に同条三項但書所定の事由が存在し、かつ、これを理由として使用者が時季変更権の行使をしないかぎり、右の指定によつて年次有給休暇が成立し、当該労働日における就労義務が消滅するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年3月2日 昭和41(オ)848
登載
民集 第27巻2号191頁
参照法条
労働基準法39条
論点36第39条労働基準法

前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例

裁判要旨すべての原因による不就労を基礎として算出した前年の稼働率が八〇パーセント以下の従業員を翌年度のベースアップを含む賃金引上げの対象者から除外する旨の労働協約条項は、そのうち労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を稼働率算定の基礎とする部分は有効であるが、右各権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎とする部分は公序に反し無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年12月22日 昭和59(オ)303
登載
集民 第158号805頁
参照法条
民法90条,労働基準法39条,労働基準法65条,労働基準法66条,労働基準法67条,労働基準法68条,労働基準法76条,労働組合法2章,労働組合法14条,労働組合法16条,憲法28条
論点37第39条労働基準法

前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例

裁判要旨すべての原因による不就労を基礎として算出した前年の稼働率が八〇パーセント以下の従業員を翌年度のベースアップを含む賃金引上げの対象者から除外する旨の労働協約条項は、そのうち労働基準法又は労働組合法上の権利に基づくもの以外の不就労を稼働率算定の基礎とする部分は有効であるが、右各権利に基づく不就労を稼働率算定の基礎とする部分は公序に反し無効である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成元年12月14日 昭和58(オ)1542
登載
民集 第43巻12号1895頁
参照法条
民法90条,労働基準法39条,労働基準法65条,労働基準法66条,労働基準法67条,労働基準法68条,労働基準法76条,労働組合法第2章,労働組合法14条,労働組合法16条,憲法28条
論点38第39条労働基準法

タクシー会社の乗務員が月ごとの勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合に皆勤手当を支給しない旨の約定が公序に反する無効なものとはいえないとされた事例

裁判要旨タクシー会社の乗務員に対し、月ごとの勤務予定表どおり勤務した場合には月額三一〇〇円ないし四一〇〇円の皆勤手当を支給するが、右勤務予定表作成後に年次有給休暇を取得した場合には右手当の全部又は一部を支給しない旨の約定は、右手当の支給が代替要員の手配が困難となり自動車の実働率が低下する事態を避ける配慮をした乗務員に対する報奨としてされ、右手当の額も相対的に大きいものではないなどの判示の事情の下においては、年次有給休暇取得の権利の行使を抑制して労働基準法が労働者に右権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものとは認められず、公序に反する無効なものとはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成5年6月25日 平成4(オ)1078
登載
民集 第47巻6号4585頁
参照法条
民法90条,労働基準法39条,労働基準法134条
論点39第39条労働基準法

労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日と労働基準法39条1項及び2項における年次有給休暇権の成立要件としての全労働日に係る出勤率の算定の方法

裁判要旨無効な解雇の場合のように労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働基準法39条1項〈年次有給休暇〉及び2項における年次有給休暇権の成立要件としての全労働日に係る出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年6月6日 平成23(受)2183
登載
民集 第67巻5号1187頁
参照法条
労働基準法39条1項,労働基準法39条2項
論点40第39条労働基準法

一箇月に満たない期間に集中的に高度な知識、技能を修得させることを目的として行われる訓練期間中における年次有給休暇の請求に対する時季変更権の行使

裁判要旨事業遂行に必要な技術者の養成と能力向上を図るため、各職場の代表者を参加させて、一箇月に満たない比較的短期間に集中的に高度な知識、技能を修得させ、これを職場に持ち帰らせることによって、各職場全体の業務の改善、向上に資することを目的として行われた訓練の期間中に、訓練に参加している労働者から年次有給休暇が請求されたときは、使用者は、当該休暇期間における具体的な訓練の内容がこれを欠席しても予定された知識、技能の修得に不足を生じさせないものであると認められない限り、事業の正常な運営を妨げるものとして時季変更権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年3月31日 平成8(オ)1026
登載
民集 第54巻3号1255頁
参照法条
労働基準法39条4項
原

条文原文

原文ママ

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労働基準法 第32条(労働時間) 詳細ページ
(労働時間)
第三十二条使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法 第32_2条 詳細ページ
第三十二条の二使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
2使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
労働基準法 第32_3条 詳細ページ
第三十二条の三使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一この項の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、三箇月以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
三清算期間における総労働時間
四その他厚生労働省令で定める事項
2清算期間が一箇月を超えるものである場合における前項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分中「労働時間を超えない」とあるのは「労働時間を超えず、かつ、当該清算期間をその開始の日以後一箇月ごとに区分した各期間(最後に一箇月未満の期間を生じたときは、当該期間。以下この項において同じ。)ごとに当該各期間を平均し一週間当たりの労働時間が五十時間を超えない」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。
3一週間の所定労働日数が五日の労働者について第一項の規定により労働させる場合における同項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「第三十二条第一項の労働時間」とあるのは「第三十二条第一項の労働時間(当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、労働時間の限度について、当該清算期間における所定労働日数を同条第二項の労働時間に乗じて得た時間とする旨を定めたときは、当該清算期間における日数を七で除して得た数をもつてその時間を除して得た時間)」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。
4前条第二項の規定は、第一項各号に掲げる事項を定めた協定について準用する。ただし、清算期間が一箇月以内のものであるときは、この限りでない。
労働基準法 第32_4条 詳細ページ
第三十二条の四使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、第三十二条の規定にかかわらず、その協定で第二号の対象期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において、当該協定(次項の規定による定めをした場合においては、その定めを含む。)で定めるところにより、特定された週において同条第一項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。
一この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
二対象期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月を超え一年以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)
三特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間をいう。第三項において同じ。)
四対象期間における労働日及び当該労働日ごとの労働時間(対象期間を一箇月以上の期間ごとに区分することとした場合においては、当該区分による各期間のうち当該対象期間の初日の属する期間(以下この条において「最初の期間」という。)における労働日及び当該労働日ごとの労働時間並びに当該最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間)
五その他厚生労働省令で定める事項
2使用者は、前項の協定で同項第四号の区分をし当該区分による各期間のうち最初の期間を除く各期間における労働日数及び総労働時間を定めたときは、当該各期間の初日の少なくとも三十日前に、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の同意を得て、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働日数を超えない範囲内において当該各期間における労働日及び当該総労働時間を超えない範囲内において当該各期間における労働日ごとの労働時間を定めなければならない。
3厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見を聴いて、厚生労働省令で、対象期間における労働日数の限度並びに一日及び一週間の労働時間の限度並びに対象期間(第一項の協定で特定期間として定められた期間を除く。)及び同項の協定で特定期間として定められた期間における連続して労働させる日数の限度を定めることができる。
4第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。
労働基準法 第32_5条 詳細ページ
第三十二条の五使用者は、日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であつて、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める数未満のものに従事する労働者については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、第三十二条第二項の規定にかかわらず、一日について十時間まで労働させることができる。
2使用者は、前項の規定により労働者に労働させる場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働させる一週間の各日の労働時間を、あらかじめ、当該労働者に通知しなければならない。
3第三十二条の二第二項の規定は、第一項の協定について準用する。
労働基準法 第33条(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等) 詳細ページ
(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
第三十三条災害その他避けることのできない事由によつて、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。
2前項ただし書の規定による届出があつた場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる。
3公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。
労働基準法 第34条(休憩) 詳細ページ
(休憩)
第三十四条使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
2前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
3使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
労働基準法 第35条(休日) 詳細ページ
(休日)
第三十五条使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
労働基準法 第36条(時間外及び休日の労働) 詳細ページ
(時間外及び休日の労働)
第三十六条使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
2前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲
二対象期間(この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、一年間に限るものとする。第四号及び第六項第三号において同じ。)
三労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合
四対象期間における一日、一箇月及び一年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
五労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
3前項第四号の労働時間を延長して労働させることができる時間は、当該事業場の業務量、時間外労働の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内において、限度時間を超えない時間に限る。
4前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間及び一年について三百二十時間)とする。
5第一項の協定においては、第二項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間(第二項第四号に関して協定した時間を含め百時間未満の範囲内に限る。)並びに一年について労働時間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め七百二十時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる。この場合において、第一項の協定に、併せて第二項第二号の対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が一箇月について四十五時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間)を超えることができる月数(一年について六箇月以内に限る。)を定めなければならない。
6使用者は、第一項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。
一坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、一日について労働時間を延長して労働させた時間二時間を超えないこと。
二一箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間百時間未満であること。
三対象期間の初日から一箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の一箇月、二箇月、三箇月、四箇月及び五箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の一箇月当たりの平均時間八十時間を超えないこと。
7厚生労働大臣は、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して指針を定めることができる。
8第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長及び休日の労働を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の指針に適合したものとなるようにしなければならない。
9行政官庁は、第七項の指針に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
10前項の助言及び指導を行うに当たつては、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない。
11第三項から第五項まで及び第六項(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定は、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない。
労働基準法 第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金) 詳細ページ
(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。
4使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
5第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。
労働基準法 第38条(時間計算) 詳細ページ
(時間計算)
第三十八条労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
2坑内労働については、労働者が坑口に入つた時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。但し、この場合においては、第三十四条第二項及び第三項の休憩に関する規定は適用しない。
労働基準法 第38_2条 詳細ページ
第三十八条の二労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
2前項ただし書の場合において、当該業務に関し、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、その協定で定める時間を同項ただし書の当該業務の遂行に通常必要とされる時間とする。
3使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。
労働基準法 第38_3条 詳細ページ
第三十八条の三使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる時間労働したものとみなす。
一業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対象業務」という。)
二対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間
三対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。
四対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
五対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
六前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2前条第三項の規定は、前項の協定について準用する。
労働基準法 第38_4条 詳細ページ
第三十八条の四賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。
一事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(以下この条において「対象業務」という。)
二対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であつて、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるものの範囲
三対象業務に従事する前号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間として算定される時間
四対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
五対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
六使用者は、この項の規定により第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を対象業務に就かせたときは第三号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかつた当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
七前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2前項の委員会は、次の各号に適合するものでなければならない。
一当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に厚生労働省令で定めるところにより任期を定めて指名されていること。
二当該委員会の議事について、厚生労働省令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されるとともに、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること。
三前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める要件
3厚生労働大臣は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るために、労働政策審議会の意見を聴いて、第一項各号に掲げる事項その他同項の委員会が決議する事項について指針を定め、これを公表するものとする。
4第一項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、定期的に、同項第四号に規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。
5第一項の委員会においてその委員の五分の四以上の多数による議決により第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項及び第二項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第二項及び第五項、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書に規定する事項について決議が行われた場合における第三十二条の二第一項、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書の規定の適用については、第三十二条の二第一項中「協定」とあるのは「協定若しくは第三十八条の四第一項に規定する委員会の決議(第百六条第一項を除き、以下「決議」という。)」と、第三十二条の三第一項、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第二項及び第五項から第七項まで、第三十七条第三項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第四項、第六項及び第九項ただし書中「協定」とあるのは「協定又は決議」と、第三十二条の四第二項中「同意を得て」とあるのは「同意を得て、又は決議に基づき」と、第三十六条第一項中「届け出た場合」とあるのは「届け出た場合又は決議を行政官庁に届け出た場合」と、「その協定」とあるのは「その協定又は決議」と、同条第八項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」と、「当該協定」とあるのは「当該協定又は当該決議」と、同条第九項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」とする。
労働基準法 第39条(年次有給休暇) 詳細ページ
(年次有給休暇)
第三十九条使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
2使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。
3次に掲げる労働者(一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間以上の者を除く。)の有給休暇の日数については、前二項の規定にかかわらず、これらの規定による有給休暇の日数を基準とし、通常の労働者の一週間の所定労働日数として厚生労働省令で定める日数(第一号において「通常の労働者の週所定労働日数」という。)と当該労働者の一週間の所定労働日数又は一週間当たりの平均所定労働日数との比率を考慮して厚生労働省令で定める日数とする。
一一週間の所定労働日数が通常の労働者の週所定労働日数に比し相当程度少ないものとして厚生労働省令で定める日数以下の労働者
二週以外の期間によつて所定労働日数が定められている労働者については、一年間の所定労働日数が、前号の厚生労働省令で定める日数に一日を加えた日数を一週間の所定労働日数とする労働者の一年間の所定労働日数その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める日数以下の労働者
4使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、第一号に掲げる労働者の範囲に属する労働者が有給休暇を時間を単位として請求したときは、前三項の規定による有給休暇の日数のうち第二号に掲げる日数については、これらの規定にかかわらず、当該協定で定めるところにより時間を単位として有給休暇を与えることができる。
一時間を単位として有給休暇を与えることができることとされる労働者の範囲
二時間を単位として与えることができることとされる有給休暇の日数(五日以内に限る。)
三その他厚生労働省令で定める事項
5使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
6使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項から第三項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち五日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。
7使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇(これらの規定により使用者が与えなければならない有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る。以下この項及び次項において同じ。)の日数のうち五日については、基準日(継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下この項において同じ。)から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。ただし、第一項から第三項までの規定による有給休暇を当該有給休暇に係る基準日より前の日から与えることとしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。
8前項の規定にかかわらず、第五項又は第六項の規定により第一項から第三項までの規定による有給休暇を与えた場合においては、当該与えた有給休暇の日数(当該日数が五日を超える場合には、五日とする。)分については、時季を定めることにより与えることを要しない。
9使用者は、第一項から第三項までの規定による有給休暇の期間又は第四項の規定による有給休暇の時間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、それぞれ、平均賃金若しくは所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金又はこれらの額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した額の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間又はその時間について、それぞれ、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十条第一項に規定する標準報酬月額の三十分の一に相当する金額(その金額に、五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。)又は当該金額を基準として厚生労働省令で定めるところにより算定した金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
10労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号に規定する育児休業又は同条第二号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業した期間は、第一項及び第二項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。
労働基準法 第40条(労働時間及び休憩の特例) 詳細ページ
(労働時間及び休憩の特例)
第四十条別表第一第一号から第三号まで、第六号及び第七号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第三十二条から第三十二条の五までの労働時間及び第三十四条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。
2前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであつて、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。
労働基準法 第41条(労働時間等に関する規定の適用除外) 詳細ページ
(労働時間等に関する規定の適用除外)
第四十一条この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
二事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
三監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
労働基準法 第41_2条 詳細ページ
第四十一条の二賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限る。)が設置された事業場において、当該委員会がその委員の五分の四以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者(以下この項において「対象労働者」という。)であつて書面その他の厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものを当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。ただし、第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りでない。
一高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この項において「対象業務」という。)
二この項の規定により労働する期間において次のいずれにも該当する労働者であつて、対象業務に就かせようとするものの範囲
イ使用者との間の書面その他の厚生労働省令で定める方法による合意に基づき職務が明確に定められていること。
ロ労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額(厚生労働省において作成する毎月勤労統計における毎月きまつて支給する給与の額を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。)の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であること。
三対象業務に従事する対象労働者の健康管理を行うために当該対象労働者が事業場内にいた時間(この項の委員会が厚生労働省令で定める労働時間以外の時間を除くことを決議したときは、当該決議に係る時間を除いた時間)と事業場外において労働した時間との合計の時間(第五号ロ及びニ並びに第六号において「健康管理時間」という。)を把握する措置(厚生労働省令で定める方法に限る。)を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
四対象業務に従事する対象労働者に対し、一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が与えること。
五対象業務に従事する対象労働者に対し、次のいずれかに該当する措置を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること。
イ労働者ごとに始業から二十四時間を経過するまでに厚生労働省令で定める時間以上の継続した休息時間を確保し、かつ、第三十七条第四項に規定する時刻の間において労働させる回数を一箇月について厚生労働省令で定める回数以内とすること。
ロ健康管理時間を一箇月又は三箇月についてそれぞれ厚生労働省令で定める時間を超えない範囲内とすること。
ハ一年に一回以上の継続した二週間(労働者が請求した場合においては、一年に二回以上の継続した一週間)(使用者が当該期間において、第三十九条の規定による有給休暇を与えたときは、当該有給休暇を与えた日を除く。)について、休日を与えること。
ニ健康管理時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に健康診断(厚生労働省令で定める項目を含むものに限る。)を実施すること。
六対象業務に従事する対象労働者の健康管理時間の状況に応じた当該対象労働者の健康及び福祉を確保するための措置であつて、当該対象労働者に対する有給休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)の付与、健康診断の実施その他の厚生労働省令で定める措置のうち当該決議で定めるものを使用者が講ずること。
七対象労働者のこの項の規定による同意の撤回に関する手続
八対象業務に従事する対象労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。
九使用者は、この項の規定による同意をしなかつた対象労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。
十前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2前項の規定による届出をした使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、同項第四号から第六号までに規定する措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。
3第三十八条の四第二項、第三項及び第五項の規定は、第一項の委員会について準用する。
4第一項の決議をする委員は、当該決議の内容が前項において準用する第三十八条の四第三項の指針に適合したものとなるようにしなければならない。
5行政官庁は、第三項において準用する第三十八条の四第三項の指針に関し、第一項の決議をする委員に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
出

一次情報

原文ママ

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