国税徴収法 / テーマ別まとめ

雑則/財産の調査

財産の調査の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

財産の調査は、滞納処分のために滞納者の財産状況を把握する目的で、徴収職員が行う質問・検査・捜索などの手続を定めたものです。誰に対して何ができるか、捜索を行う際の時間・立会人・出入禁止といった手続上の要件が定められ、あわせて権限の限界についても規定されています。

財産の調査
調査の手段対象となる者・物要件時間の制限
質問・検査滞納者ほか4類型の者財産調査に必要な範囲内制限なし
物件の提示・提出要求質問検査の対象と同じ同上制限なし
提出物件の留置き調査で提出された物件調査に必要なとき制限なし
捜索(滞納者)滞納者の物・住居等滞納処分に必要なとき日没後~日出前は不可
捜索(第三者)第三者の物・住居等引渡拒否など要件あり同上
事業者等への協力要請事業者・官公署調査に必要なとき制限なし
  • 夜間営業の旅館・飲食店等は公開時間内なら日没後も捜索できる(143条2項)
  • 捜索の際は戸や金庫を開けさせ、または自ら開けるための処分ができる(142条3項)
  • 立会人が不在・拒否のときは成年者2人以上か地方公共団体職員・警察官を立ち会わせる(144条)
  • 出入禁止の対象外となるのは滞納者・財産を保管する第三者・その同居親族・代理権者(145条)
  • 捜索したときは捜索調書を作成し、滞納者・第三者・立会人に謄本を交付する(146条)
  • 質問・検査・提出要求・留置き・捜索の権限は犯罪捜査のためのものと解してはならない(147条2項)
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財産の調査

財産の調査について、条文は何を定めているか。

第141条徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権財産調査のため関係者に質問・検査できる1項・4号判例なし
  • 滞納者本人だけでなく財産を占有する第三者にも質問できる
  • 帳簿書類は電磁的記録を含めて検査・提示提出を求められる
  • 調査は必要と認められる範囲内に限られる
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第141_2条提出物件の留置き調査で提出された物件を留め置ける1項判例なし
  • 留置きができるのは調査に必要な場合に限られる
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第142条捜索の権限及び方法必要なら滞納者・第三者の場所を捜索できる3項・2号判例なし
  • 滞納者の物・住居等は必要があれば捜索できる
  • 第三者は引渡しを拒んだ場合等に限り捜索できる
  • 戸や金庫を開けさせる、または自ら開ける処分ができる
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第143条捜索の時間制限捜索は日没後から日出前はできない2項判例なし
  • 日没前に始めた捜索は日没後も続けられる
  • 夜間営業の旅館・飲食店等は公開時間内なら日没後も可
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第144条捜索の立会人捜索には立会人を付けなければならない1項判例なし
  • 滞納者・第三者やその同居の親族・使用人等を立ち会わせる
  • 不在や拒否のときは成年者2人以上か職員・警察官を立ち会わせる
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第145条出入禁止支障があれば処分中は出入りを禁止できる1項・4号判例なし
  • 禁止できるのは処分をしている間だけ
  • 滞納者や財産を保管する第三者、その同居親族等は対象外
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第146条捜索調書の作成捜索したら調書を作り謄本を交付する3項判例なし
  • 捜索を受けた滞納者・第三者、立会人に謄本を交付する
  • 差押調書を作る場合はその謄本の交付で足りる
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第146_2条事業者等への協力要請事業者や官公署に資料提供など協力を求められる1項判例なし
  • 特別法で設立された法人も事業者に含まれる
  • 帳簿書類などの閲覧・提供その他の協力を求められる
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第147条身分証明書の提示等調査の際は身分証を携帯し求めに応じ提示する2項判例なし
  • 請求があれば身分証明書を提示しなければならない
  • これらの権限は犯罪捜査のためのものではない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税徴収法 第141条(徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権) 詳細ページ
(徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権)
第百四十一条徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に掲げる者に質問し、その者の財産に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。第百四十六条の二(事業者等への協力要請)及び第百八十八条第三号(罰則)において同じ。)その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
一滞納者
二滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者
三滞納者に対し債権若しくは債務があつた、若しくはあると認めるに足りる相当の理由がある者又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者
四滞納者が株主又は出資者である法人
国税徴収法 第141_2条(提出物件の留置き) 詳細ページ
(提出物件の留置き)
第百四十一条の二徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。
国税徴収法 第142条(捜索の権限及び方法) 詳細ページ
(捜索の権限及び方法)
第百四十二条徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる。
2徴収職員は、滞納処分のため必要がある場合には、次の各号の一に該当するときに限り、第三者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる。
一滞納者の財産を所持する第三者がその引渡をしないとき。
二滞納者の親族その他の特殊関係者が滞納者の財産を所持すると認めるに足りる相当の理由がある場合において、その引渡をしないとき。
3徴収職員は、前二項の捜索に際し必要があるときは、滞納者若しくは第三者に戸若しくは金庫その他の容器の類を開かせ、又は自らこれらを開くため必要な処分をすることができる。
国税徴収法 第143条(捜索の時間制限) 詳細ページ
(捜索の時間制限)
第百四十三条捜索は、日没後から日出前まではすることができない。ただし、日没前に着手した捜索は、日没後まで継続することができる。
2旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入することができる場所については、滞納処分の執行のためやむを得ない必要があると認めるに足りる相当の理由があるときは、前項本文の規定にかかわらず、日没後でも、公開した時間内は、捜索することができる。
国税徴収法 第144条(捜索の立会人) 詳細ページ
(捜索の立会人)
第百四十四条徴収職員は、捜索をするときは、その捜索を受ける滞納者若しくは第三者又はその同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものを立ち会わせなければならない。この場合において、これらの者が不在であるとき、又は立会いに応じないときは、成年に達した者二人以上又は地方公共団体の職員若しくは警察官を立ち会わせなければならない。
国税徴収法 第145条(出入禁止) 詳細ページ
(出入禁止)
第百四十五条徴収職員は、捜索、差押又は差押財産の搬出をする場合において、これらの処分の執行のため支障があると認められるときは、これらの処分をする間は、次に掲げる者を除き、その場所に出入することを禁止することができる。
一滞納者
二差押に係る財産を保管する第三者及び第百四十二条第二項(第三者に対する捜索)の規定により捜索を受けた第三者
三前二号に掲げる者の同居の親族
四滞納者の国税に関する申告、申請その他の事項につき滞納者を代理する権限を有する者
国税徴収法 第146条(捜索調書の作成) 詳細ページ
(捜索調書の作成)
第百四十六条徴収職員は、捜索したときは、捜索調書を作成しなければならない。
2徴収職員は、捜索調書を作成した場合には、その謄本を捜索を受けた滞納者又は第三者及びこれらの者以外の立会人があるときはその立会人に交付しなければならない。
3前二項の規定は、第五十四条(差押調書)の規定により差押調書を作成する場合には、適用しない。この場合においては、差押調書の謄本を前項の第三者及び立会人に交付しなければならない。
国税徴収法 第146_2条(事業者等への協力要請) 詳細ページ
(事業者等への協力要請)
第百四十六条の二徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署に、当該調査に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。
国税徴収法 第147条(身分証明書の提示等) 詳細ページ
(身分証明書の提示等)
第百四十七条徴収職員は、この款の規定により質問、検査、提示若しくは提出の要求若しくは捜索をする場合又は前条の職務を執行する場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
2この款の規定による質問、検査、提示若しくは提出の要求、物件の留置き又は捜索の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。