国税徴収法 / テーマ別まとめ

滞納処分/換価代金等の配当

換価代金等の配当の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

国税徴収法第128条から第135条は、差押財産等を売却したりして得た金銭をどの国税・債権にどの順序でいくら配当するかを定めています。配当額を確認する手続、配当計算書の作成・交付、期日までに異議が出た場合の扱いや供託、売却決定を取り消した場合の措置まで、換価代金等の配当に関する一連の実務手順を規定しています。

換価代金等の配当
順位配当先内容
1差押国税参加差押分は特定参加差押国税
2交付要求の国税等地方税・公課も含む
3担保権付債権質権・抵当権・先取特権など
4損害賠償・借賃債権引渡命令の保護対象
残余滞納者配当後の残りを交付
  • 一括公売・随意契約の場合、各財産の売却代金額は見積価額の割合で按分する(128条2項)
  • 配当額が国税等の総額に満たないときは、他の法律の規定により順位・金額を決定する(129条5項)
  • 仮登記担保付債権への配当は仮登記担保契約に関する法律の規定を準用する(129条4項)
  • 登記できない担保権等で知れているもの以外は、期限までに債権現在額申立書を出さないと配当を受けられない(130条3項)
  • 交付期日は原則7日経過日だが、一定の債権者がいない場合は短縮できる(132条2項)
  • 供託後2年間届出がなく、催告から14日応答がない場合は除外決定ができる(133条7〜9項)
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換価代金等の配当

換価代金等の配当について、条文は何を定めているか。

第128条配当すべき金銭配当する金銭の種類を定める2項・4号判例なし
  • 売却代金、第三債務者等からの給付金、差押金銭、交付要求で得た金銭が対象
  • 一括公売や随意契約では見積価額の割合で各財産の代金額を按分する
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第129条配当の原則配当の順位と残りの扱いを決める6項・4号判例 2件
  • 差押国税→交付要求の国税等→担保権付債権→引渡命令の債権の順で配当
  • 国税等の総額に満たない場合は他の法律の規定で順位・金額を決定
  • 残余は滞納者に交付、延滞税等がある場合はまず国税本体に充当
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第130条債権額の確認方法債権額は申立書と税務署長調査で確認3項・3号判例なし
  • 対象債権者は売却決定日の前日までに債権現在額申立書を提出
  • 登記済み担保権等は申立書がなくても税務署長が調査して確認
  • 対象外の債権者が期限までに提出しないと配当を受けられない
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第131条配当計算書配当計算書を作成し謄本を発送1項・3号判例なし
  • 買受代金納付日から3日以内に謄本を発送
  • 発送先は申立書提出者、確認済み債権者、滞納者
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第132条換価代金等の交付期日配当計算書の謄本に交付期日を明記2項判例なし
  • 交付期日は謄本発送日から7日経過した日とする
  • 一定の債権者がいない場合は期間を短縮できる
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第133条換価代金等の交付交付期日に配当計算書どおり交付10項・3号判例 1件
  • 交付期日までに異議が出た場合は種類ごとに更正・交付の扱いを規定
  • 交付できない場合や条件付・仮登記付債権は供託が必要
  • 供託後2年届出なしなら催告し、14日応答なければ除外決定できる
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第134条換価代金等の供託弁済期未到来の債権は供託する2項判例なし
  • 配当すべき債権の弁済期が来ていない場合は金額を供託
  • 供託したときは債権者にその旨を通知
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第135条売却決定の取消に伴う措置売却決定取消時は代金返還等を行う2項・3号判例なし
  • 徴収職員が受領した換価代金等を買受人へ返還
  • 権利移転登記の抹消嘱託、消滅した権利の登記回復嘱託を行う
  • 回復登記の権利者が配当額を返さない場合は税務署長が代位できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第129条国税徴収法

破産者の財産に対する滞納処分手続における交付要求に係る配当金を交付すべき相手方

裁判要旨破産者の財産に対する滞納処分手続において交付要求がされたときは、交付要求に係る請求権に基づき破産宣告前に国税徴収法又は国税徴収の例による差押え又は参加差押えがされている場合を除き、交付要求に係る配当金は、破産管財人に交付すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年12月18日 平成8(行ツ)111
登載
集民 第186号685頁
参照法条
国税徴収法82条,国税徴収法129条1項,国税徴収法133条1項,破産法47条2号,破産法49条,破産法51条1項,破産法71条1項
論点2第129条国税徴収法

複数年度分の普通徴収に係る個人の住民税を差押えに係る地方税とする滞納処分において当該差押えに係る地方税に配当された金銭であってその後に減額賦課決定がされた結果配当時に存在しなかったこととなる年度分の住民税に充当されていたものの帰すう

裁判要旨複数年度分の普通徴収に係る個人の住民税(市町村民税及び道府県民税)を差押えに係る地方税とする滞納処分において,当該差押えに係る地方税に配当された金銭であって,その後に減額賦課決定がされた結果配当時に存在しなかったこととなる年度分の住民税に充当されていたものは,その配当時において当該差押えに係る地方税のうち他の年度分の住民税が存在する場合には,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)489条の規定に従って当該住民税に充当される。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和3年6月22日 令和2(行ヒ)337
登載
民集 第75巻7号3124頁
参照法条
地方税法17条,地方税法331条6項,国税徴収法(平成26年法律第10号による改正前のもの)129条1項1号,国税徴収法(平成30年法律第7号による改正前のもの)129条1項1号,民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)489条,民法488条4項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税徴収法 第128条(配当すべき金銭) 詳細ページ
(配当すべき金銭)
第百二十八条税務署長は、次に掲げる金銭をこの節の定めるところにより配当しなければならない。
一差押財産又は特定参加差押不動産(次条第一項第三号及び第百三十六条(滞納処分費の範囲)において「差押財産等」という。)の売却代金
二有価証券、債権又は無体財産権等の差押えにより第三債務者等から給付を受けた金銭
三差し押さえた金銭
四交付要求により交付を受けた金銭
2第八十九条第三項(換価する財産の範囲等)の規定により差押財産等(同条第一項に規定する差押財産等をいう。以下この項において同じ。)が一括して公売に付され、又は随意契約により売却された場合において、各差押財産等ごとに前項第一号に掲げる売却代金の額を定める必要があるときは、その額は、売却代金の総額を各差押財産等の見積価額に応じて按分して得た額とする。各差押財産等ごとの滞納処分費の負担についても、同様とする。
国税徴収法 第129条(配当の原則) 詳細ページ
(配当の原則)
第百二十九条前条第一項第一号又は第二号に掲げる金銭(以下「換価代金等」という。)は、次に掲げる国税その他の債権に配当する。
一差押えに係る国税(特定参加差押不動産の売却代金を配当する場合にあつては、特定参加差押えに係る国税)
二交付要求を受けた国税、地方税及び公課(特定参加差押不動産の売却代金を配当する場合にあつては、差押えに係る国税、地方税及び公課を含む。)
三差押財産等に係る質権、抵当権、先取特権、留置権又は担保のための仮登記により担保される債権
四第五十九条第一項後段、第三項又は第四項(引渡命令を受けた第三者等の権利の保護)(これらの規定を第七十一条第四項(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける損害賠償請求権又は借賃に係る債権
2前条第一項第三号又は第四号に掲げる金銭は、それぞれ差押え又は交付要求に係る国税に充てる。
3前二項の規定により配当した金銭に残余があるときは、その残余の金銭は、滞納者に交付する。
4換価財産上に担保のための仮登記がある場合における当該仮登記により担保される債権に対する配当については、仮登記担保契約に関する法律第十三条(優先弁済請求権)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定を準用する。
5換価代金等が第一項各号に掲げる国税その他の債権の総額に不足するときは、税務署長は、第二章(国税と他の債権との調整)、第五十九条第一項後段、第三項及び第四項(これらの規定を第七十一条第四項において準用する場合を含む。)、前項並びに民法その他の法律の規定により配当すべき順位及び金額を定めて配当しなければならない。
6第一項又は第二項の規定により国税に配当された金銭を国税(附帯税を除く。以下この項において同じ。)及びその延滞税又は利子税に充てるべきときは、その金銭は、まずその国税に充てなければならない。
国税徴収法 第130条(債権額の確認方法) 詳細ページ
(債権額の確認方法)
第百三十条前条第一項第二号に掲げる国税、地方税又は公課を徴収する者及び同項第三号又は第四号に掲げる債権を有する者は、売却決定の日の前日までに債権現在額申立書を税務署長に提出しなければならない。
2税務署長は、前項の債権現在額申立書を調査して前条第一項各号に掲げる国税その他の債権を確認するものとする。この場合において、次に掲げる債権を有する者が債権現在額申立書を提出しないときは、税務署長の調査によりその額を確認するものとする。
一登記がされた質権、抵当権若しくは先取特権により担保される債権又は担保のための仮登記により担保される債権
二登記することができない質権若しくは先取特権又は留置権により担保される債権で知れているもの
三前条第一項第四号に掲げる債権で知れているもの
3前条第一項第三号に掲げる債権のうち前項第一号及び第二号に掲げる債権以外の債権を有する者が売却決定の時までに債権現在額申立書を提出しないときは、その者は、配当を受けることができない。
国税徴収法 第131条(配当計算書) 詳細ページ
(配当計算書)
第百三十一条税務署長は、第百二十九条(配当の原則)の規定により配当しようとするときは、政令で定めるところにより、配当を受ける債権、前条第二項の規定により税務署長が確認した金額その他必要な事項を記載した配当計算書を作成し、換価財産の買受代金の納付の日から三日以内に、次に掲げる者に対する交付のため、その謄本を発送しなければならない。
一債権現在額申立書を提出した者
二前条第二項後段の規定により金額を確認した債権を有する者
三滞納者
国税徴収法 第132条(換価代金等の交付期日) 詳細ページ
(換価代金等の交付期日)
第百三十二条税務署長は、前条の規定により配当計算書の謄本を交付するときは、その謄本に換価代金等の交付期日を附記して告知しなければならない。
2前項の換価代金等の交付期日は、配当計算書の謄本を交付のため発送した日から起算して七日を経過した日としなければならない。ただし、第百二十九条第一項第三号又は第四号(配当を受ける債権)に掲げる債権を有する者で前条第一号又は第二号に掲げる者に該当するものがない場合には、その期間は、短縮することができる。
国税徴収法 第133条(換価代金等の交付) 詳細ページ
(換価代金等の交付)
第百三十三条税務署長は、換価代金等の交付期日に配当計算書に従つて換価代金等を交付するものとする。
2換価代金等の交付期日までに配当計算書に関する異議の申出があつた場合における前項の換価代金等の交付は、次に定めるところによる。
一その異議が配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額に対するものであるときは、その行政機関等からの通知に従い、配当計算書を更正し、又は直ちに交付するものとする。
二その異議が配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額を変更させないものである場合において、その異議に関係を有する者及び滞納者がその異議を正当と認めたとき、又はその他の方法で合意したときは、配当計算書を更正して交付するものとする。
三その異議が配当計算書に記載された国税、地方税又は公課の配当金額を変更させるその他の債権の配当金額に関するものである場合において、その異議に関係を有する者及び滞納者がその異議を正当と認めたとき、又はその他の方法で合意したときは、配当計算書を更正して交付するものとし、その合意がなかつたときは、その異議を参酌して配当計算書を更正して交付し、又は異議につき相当の理由がないと認めるときは、直ちに国税、地方税又は公課の金額を交付するものとする。
3税務署長は、前項の規定により換価代金等を交付することができない場合、換価代金等を配当すべき債権が停止条件付である場合又は換価代金等を配当すべき債権が仮登記(民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十三条第二項(不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行)(同法第五十四条(不動産に関する権利以外の権利についての登記又は登録請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行)において準用する場合を含む。)の規定による仮処分による仮登記を含む。)がされた質権、抵当権若しくは先取特権により担保される債権である場合には、換価代金等を供託しなければならない。この場合(前項の規定により換価代金等を交付することができない場合に限る。)において、税務署長は、その旨を異議に関係を有する者に通知しなければならない。
4前項の場合において、確定判決、異議に関係を有する者の全員の同意その他の理由により換価代金等の交付を受けるべき者及び金額が明らかになつたときは、これに従つて配当しなければならない。この場合において、税務署長は、その配当を受けるべき者に配当額支払証を交付するとともに、同項の規定により供託した供託所に支払委託書を送付しなければならない。
5前項の規定による配当を受けるべき者に対する供託所の支払は、同項の支払委託書に基づき行うものとする。
6第三項の規定による供託がされた場合における当該供託に係る債権者は、その供託の事由が消滅したときは、直ちに、その旨を税務署長に届け出なければならない。
7税務署長は、第三項の規定による供託がされた場合において、その供託がされた日(この項の規定による催告によりその供託に係る供託の事由が消滅していない旨の届出をした場合にあつては、最後に当該届出をした日)から前項の規定による届出がされることなく二年を経過したときは、当該供託に係る債権者に対し、その供託に係る供託の事由が消滅しているときは同項の規定による届出をし、又はその供託に係る供託の事由が消滅していないときはその旨の届出をすべき旨を催告しなければならない。
8前項の規定による催告を受けた当該供託に係る債権者が、催告を受けた日から十四日以内に第六項の規定による届出又は前項の供託の事由が消滅していない旨の届出をしないときは、税務署長は、当該供託に係る債権者を除外して第四項の規定により供託金について換価代金等の配当を実施する旨の決定をすることができる。
9前項の決定は、当該供託に係る債権者が当該決定の告知を受けた日から七日を経過した日にその効力を生ずる。ただし、当該供託に係る債権者が当該七日の期間が経過するまでに第六項の規定による届出又は第七項の供託の事由が消滅していない旨の届出をしたときは、この限りでない。
10当該供託に係る債権者が第七項に規定する期間を経過する前に税務署長にその供託に係る供託の事由が消滅していない旨の届出をしたときは、同項の規定の適用については、同項の供託の事由が消滅していない旨の届出があつたものとみなす。
国税徴収法 第134条(換価代金等の供託) 詳細ページ
(換価代金等の供託)
第百三十四条換価代金等を配当すべき債権の弁済期が到来していないときは、その債権者に交付すべき金額は、供託しなければならない。
2税務署長は、前項の規定により供託したときは、その旨を同項の債権者に通知しなければならない。
国税徴収法 第135条(売却決定の取消に伴う措置) 詳細ページ
(売却決定の取消に伴う措置)
第百三十五条税務署長は、売却決定を取り消したときは、次に掲げる手続をしなければならない。ただし、第百十二条第一項(動産等の売却決定の取消)の規定により、その取消をもつて買受人に対抗することができないときは、この限りでない。
一徴収職員が受領した換価代金等の買受人への返還
二第百二十一条(権利移転の登記の嘱託)その他の法令の規定により嘱託した換価に係る権利の移転の登記のまつ消の嘱託
三第百二十五条(換価に伴い消滅する権利の登記のまつ消の嘱託)その他の法令の規定による嘱託で換価に係るものによりまつ消された質権、抵当権その他の権利の登記の回復の登記の嘱託
2前項第三号の規定により嘱託した回復の登記に係る質権者、抵当権者又は先取特権者に対し換価代金等から配当した金額がある場合において、これらの者がその金額を返還しないときは、税務署長は、その金額を限度として、これらの者に代位することができる。この場合において、配当した金額がその質権、抵当権又は先取特権により担保される債権の一部であるときは、税務署長は、その代位した債権者の承諾を要しないで、その代位に係る権利を行使し、かつ、その債権者に優先して弁済を受けることができる。
出

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