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総則/通則

通則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

総則は、刑法という法律そのものがどの範囲の犯罪・行為者に適用されるか(国内犯・国外犯)、外国で判決を受けた場合の扱い、法改正時の刑の適用、公務員や電磁的記録などの用語の定義、そして他の法令の罪への準用を定めた通則規定です。実務担当者にとっては、国外での事案や外国人が関わる事案で日本の刑法が及ぶかどうかを確認する際の基礎として参照する部分です。

通則
条文区分内容
第1条国内犯国内で罪を犯した全員
第2条国外犯(すべての者)内乱・外患等/すべての者
第3条国外犯(国民)放火・殺人等/日本国民
第3条の2国外犯(国民以外)対日本人犯罪/国民以外の者
第4条国外犯(公務員)逃走援助・収賄等/公務員
第4条の2国外犯(条約)条約対象犯罪/すべての者
第5条外国判決外国での裁判があっても処罰可
第6条刑の変更軽い方の刑を適用
第7条用語の定義公務員・公務所の定義
第7条の2用語の定義電磁的記録の定義
第8条適用範囲他法令の罪にも適用
  • 第2条の対象犯罪は内乱・外患誘致・通貨偽造・公文書偽造・有価証券偽造等、条文に列挙された罪に限られる
  • 第3条の対象犯罪は放火・殺人・傷害・不同意性交等・窃盗・強盗・詐欺等、条文に列挙された罪に限られる
  • 第3条の2は、被害者が日本国民である場合に限り適用される
  • 第5条は、犯人が外国で既に刑の全部又は一部の執行を受けていた場合に刑を減軽又は免除する
  • 第8条は、他の法令に特別の規定があるときは適用されない
1

通則

通則について、条文は何を定めているか。

第1条国内犯日本国内での犯罪はすべて刑法の対象2項判例 4件
  • 日本国内で罪を犯した者全員に適用される
  • 日本国外にある日本船舶・日本航空機内での犯罪も同様に適用される
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第2条すべての者の国外犯内乱・外患・通貨偽造等は国外でも処罰1項・8号判例 1件
  • 内乱・予備及び陰謀・内乱等幇助の罪に適用
  • 外患誘致・外患援助及びその未遂・予備陰謀の罪に適用
  • 通貨偽造、公文書偽造、有価証券偽造等の罪に適用
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第3条国民の国外犯日本国民の国外犯を処罰する重大犯罪一覧1項・17号判例 2件
  • 放火・浸害・殺人・傷害・傷害致死などに適用
  • 不同意わいせつ・不同意性交等、逮捕監禁、略取誘拐等も対象
  • 窃盗・強盗・詐欺・恐喝・業務上横領なども対象
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第3_2条国民以外の者の国外犯外国人が日本国民を狙った国外犯を処罰1項・6号判例 3件
  • 日本国民に対して行われた場合に限り適用される
  • 不同意わいせつ・不同意性交等、殺人、傷害等が対象
  • 強盗・強盗致死等も対象(一部を除き未遂含む)
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第4条公務員の国外犯公務員の国外犯として処罰される罪1項・3号判例 1件
  • 看守者等による逃走援助の罪とその未遂に適用
  • 虚偽公文書作成等の罪に適用
  • 公務員職権濫用・収賄関係の罪等に適用
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第4_2条条約による国外犯条約で処罰義務がある罪は国外犯でも適用1項判例 12件
  • 第二編の罪のうち条約で国外犯処罰が定められたものに適用
  • 犯人の国籍を問わずすべての者に適用される
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第5条外国判決の効力外国で裁判済みでも日本で再処罰できる1項判例 6件
  • 外国で確定裁判を受けても同一行為を重ねて処罰できる
  • 外国で刑の全部又は一部の執行を受けていれば刑を減軽又は免除
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第6条刑の変更犯罪後に刑が変わったら軽い方を適用1項判例 25件
  • 犯罪後の法律改正で刑が変わった場合は軽い方の刑による
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第7条定義「公務員」「公務所」の意味を定義2項判例 20件
  • 公務員とは国・地方公共団体の職員や公務に従事する議員等をいう
  • 公務所とは官公庁など公務員が職務を行う場所をいう
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第7_2条「電磁的記録」の意味を定義1項判例なし
  • 電子的・磁気的方式など人が知覚できない方式で作られる記録
  • 電子計算機による情報処理に使われるものを指す
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第8条他の法令の罪に対する適用総則規定は他の法令の罪にも適用される1項判例 8件
  • 刑法第一編の規定は他の法令の罪についても適用される
  • その法令に特別の規定があるときは適用されない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第1条刑法

一 刑法一条二項〈国内犯〉にいう「日本船舶」にあたるとされた事例
二 公海上における船舶覆没行為につき刑法一条二項により同法一二六条二項の規定の適用があるとされた事例

裁判要旨一 本件覆没行為の当時船舶法一条三号の要件を備えていたものと認められる本件船舶は、刑法一条二項〈国内犯〉にいう「日本船舶」にあたる。
二 公海上で、日本船舶の乗組員が同船舶の船底弁を引き抜き海水を船内に浸入させて人の現在する船舶を覆没させた行為については、刑法一条二項により同法一二六条二項の規定の適用がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年10月26日 昭和58(あ)498
登載
刑集 第37巻8号1228頁
参照法条
刑法1条,刑法126条,船舶法1条
論点2第1条刑法

連合国占領軍占領下における連合国人に対するわが刑法の効力と公訴権、裁判権の所在

裁判要旨わが国は被占領当時においても統治権を喪失したものではなく、わが刑法は当時日本国内において罪を犯した者に対しては、内外人たるを問わず、その効力を及ぼしたのであつて、ただ一時的に(昭和二一年二月一九日から同二五年一〇月三〇日までの間)連合国最高司令官の覚書によつて連合国人に対し公訴権並に裁判権の行使を停止せられていたに過ぎないのである。すなわち右期間内といえども、連合国人に対するわが刑法の効力は何ら害されることなく、これに対する公訴権、裁判権も単に一時的に制限を受けたにとどまり、潜在的にはその存在を失わなかつたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年8月9日 昭和29(あ)4016
登載
集刑 第108号109頁
参照法条
刑法1条1項,ポツダム宣言7項,連合国最高司令官覚書(昭和21年2月19日付)「刑事裁判権の行使」,連合国最高司令官覚書(昭和25年10月18日付)「民事及び刑事裁判権の行使」
論点3第1条刑法

在日朝鮮人に対する日本の刑事裁判権

裁判要旨被告人両名の弁護人梅山実明の上告趣意は、憲法違反をいうが論旨においても認めているように何人を問わず日本国内において刑法所定の罪を犯した者に対し同法が適用されることは刑法一条が明らかに規定しているところであつて畢竟所論は右刑法の規定に反し朝鮮の国籍を有する被告人等に対する処罰の違法を主張するに帰し論旨は理由がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年12月7日 昭和29(あ)2840
登載
集刑 第101号473頁
参照法条
刑法1条
論点4第1条刑法

正犯の実行行為が日本国内で行われた場合における日本国外で幇助行為をした者と刑法一条一項

裁判要旨日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法一条一項〈国内犯〉の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成6年12月9日 平成5(あ)465
登載
刑集 第48巻8号576頁
参照法条
刑法1条1項,刑法62条1項
論点5第2条刑法

保護観察付執行猶予中に大麻を所持したことなどを理由とする執行猶予取消決定に対する特別抗告において、大麻取締法の違憲をいう主張が欠前提とされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和63年5月2日 昭和63(し)45
登載
集刑 第249号573頁
参照法条
刑法26条の2号,刑法2条,大麻取締法24条の2号
論点6第3条刑法

一 刑訴法第二条にいう「現在地」の意義
二 国外において俘虜の管理にあたり日本人がその権限を逸脱して行つた逮捕監禁の罪とわが科刑権、裁判権

裁判要旨一 刑訴第二条〈すべての者の国外犯〉にいう「現在地」とは、被告人が公訴提起の当該任意又は適法な強制によつて現在する地域をいう
二 国外において俘虜の管理に当り日本人が正当行為の範囲を逸脱して行つた逮捕監禁の所為については、わが科刑権及び、我が国が事実上、裁判権を行使できる状態になればこれを処罰することができる
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和28(あ)1683
登載
刑集 第12巻8号1535頁
参照法条
刑訴法2条,刑訴法338条1号,刑法4条,刑法3条9号,刑法3条10号,刑法218条,刑法219条,刑法220条,刑法221条
論点7第3条刑法

国外における日本人俘虜の犯罪と我が裁判権

裁判要旨我が裁判権は、国外における日本人俘虜の犯罪にも及ぶ。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年10月27日 昭和27(あ)305
登載
刑集 第7巻10号2009頁
参照法条
憲法39条,刑法3条10号,刑法220条1項
論点8第3_2条刑法

一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合における死刑の時効の進行の有無
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することと憲法三六条にいう「残虐な刑罰」

裁判要旨一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合には、死刑の時効は進行しない。
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することは、憲法三六条にいう「残虐な刑罰」に当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年7月19日 昭和60(ク)256
登載
集民 第145号271頁
参照法条
刑法11条,刑法32条1号,刑法33条,刑法34条1項,刑訴法475条,刑訴法479条,憲法36条
論点9第3_2条刑法

公判途中二六年余の逃亡と刑法三二条、刑訴法三三七条の類推適用の有無

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年12月12日 昭和59(あ)591
登載
集刑 第238号325頁
参照法条
刑法32条,刑訴法337条
論点10第3_2条刑法

一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合における死刑の時効の進行の有無
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続した後に死刑を執行することと憲法三六条にいう「残虐な刑罰」

裁判要旨一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合には、死刑の時効は進行しない。
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続した後に死刑を執行することは、憲法三六条にいう「残虐な刑罰」に当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成4年7月14日 昭和62(オ)311
登載
集民 第165号233頁
参照法条
刑法11条2項,刑法32条,刑法33条,刑法34条,憲法36条
論点11第4_2条刑法

刑法四二条一項〈自首等〉の自首が成立するとされた事例

裁判要旨運転を誤つて自動車を海中に転落させ同乗者を負傷させる事故を起こした者が、警察官の取調べに対し、いつたんは、同乗者がいなかつたと嘘をいい、業務上過失傷害罪の嫌疑が自己に及ぶことを妨げたという事情があつたとしても、その後、右罪が官に発覚する前に、これを自ら進んで警察官に申告したときは、自首が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和60年2月8日 昭和58(あ)1777
登載
刑集 第39巻1号1頁
参照法条
刑法42条1項
論点12第4_2条刑法

原判決には被告人の自首を認めなかつた誤りがあるが破棄しなければ著しく正義に反するとはいえないとされた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年3月29日 昭和47(あ)2025
登載
集刑 第186号503頁
参照法条
刑法42条1項,刑訴法411条
論点13第4_2条刑法

ある罪について逮捕勾留中の被疑者が官に発覚していない同種の余罪を自発的に供述した場合と自首の成否

裁判要旨A窃盗事実について逮捕勾留中の被疑者が、BないしEの窃盗の各事実について、犯人の何人たるかは勿論、犯罪事実さえ全く官に発覚していない時期に、自発的に供述した時は自首が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年2月20日 昭和41(あ)2421
登載
集刑 第162号441頁
参照法条
刑法42条
論点14第4_2条刑法

自首があつたとの主張と刑訴法第三三五条第二項

裁判要旨自首があつたとの主張は、刑訴第三三五条第二項の主張にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年7月18日 昭和31(あ)4723
登載
刑集 第11巻7号1880頁
参照法条
刑法42条1項,刑訴法335条2項
論点15第4_2条刑法

法律上の自首にあたらない一事例

裁判要旨被告人が犯行後自首するため直ちに現場を出発して警察署に出頭し自己の犯行を司法警察員に申告しても、被告人の到着前、電話で当該犯罪事実および犯人は被告人らしい旨司法警察員に通報があつた場合には、被告人の右申告は法律上の自首にあたらない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年1月22日 昭和31(あ)3741
登載
集刑 第117号359頁
参照法条
刑法42条
論点16第4_2条刑法

刑法第四二条第一項〈自首等〉の刑の減軽と刑訴法第三三五条第二項にいう法律上刑の減免の理由となる事実

裁判要旨刑法四二条一項〈自首等〉の刑の減軽は、裁判所の裁量に属する事項であつて、刑訴三三五条二項に所謂法律上刑上刑の減免の理由となる事実には当らない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年6月21日 昭和31(あ)93
登載
集刑 第113号829頁
参照法条
刑法42条1項,刑訴法335条2項
論点17第4_2条刑法

判例と相反する判断が判決に影響しない一事例

裁判要旨犯罪さえ発覚すれば犯人の誰であるかが判明しなくても刑法第四二条第一項「官ニ発覚セサル前」ではあり得ないとの判断は、「官ニ発覚セサル前」とは犯罪の発覚前または犯人の誰であるかが、判明しない前を意味するとする当裁判所の判例(刑集三巻六号七二一頁)と相反する判断をしたことになるが、原審のこの判断が、職務質問に際し種々弁解した後に自供した場合は自首とはいえないとする判断の余論として判示されたに過ぎないときは、判決に影響しないこと明らかである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年7月16日 昭和29(あ)1484
登載
刑集 第8巻7号1210頁
参照法条
刑法42条1項,刑訴法405条2号,刑訴法410条1項
論点18第4_2条刑法

自首があつたとの主張と刑訴第三三五条第二項

裁判要旨自首があつたとの主張は、刑訴第三三五条第二項の主張にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年8月18日 昭和27(あ)1264
登載
刑集 第7巻8号1737頁
参照法条
刑法42条1項,刑訴法335条2項
論点19第4_2条刑法

一、自首減軽と裁判所の自由裁量
一、自首調書を作成しないことと法令違背の有無

裁判要旨所論の如き旧刑訴法上の手続違反(自首調書を作成せざる)があつたとしても、それは原審の訴訟手続に関するものではないばかりでなく、自首減軽を為すべきか否かは原審が自由に決し得べきことであるから、真実被告人が自首したものであり且つ原審において自首減軽を相当と認めたならば所論調書の有無に拘わらず、自首の事実を認定して減軽することができるのである、従つて所論調書を作成しないからとて判決に影響すべき法令違背があるとはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年4月24日 昭和25(れ)1620
登載
集刑 第44号431頁
参照法条
刑法42条,旧刑訴法276条,旧刑訴法273条,旧刑訴法411条
論点20第4_2条刑法

自首の事實の判示の要否

裁判要旨自首減輕を與へると否とは事實裁判所の專權に屬することで、之を與えない場合、特に自首の事實を判決に判示する必要はない。然らば原判決が被告人が自首した事實を摘示せず又之に關する法條を示さなかつたとしても何等違法はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和23年4月10日 昭和22(れ)273
登載
刑集 第2巻4号330頁
参照法条
刑法42条,刑訴法360条2項
論点21第4_2条刑法

捜査機関への申告内容に虚偽が含まれていた事案につき刑法42条1項の自首が成立するとされた事例

裁判要旨けん銃を適合実包と共に携帯して所持し発射した者が,捜査機関に発覚する前に,これらの犯行に及んだことを捜査機関に申告した場合は,その際,使用したけん銃について虚偽の事実を述べるなどしたとしても,刑法42条1項〈自首等〉の自首が成立する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成13年2月9日 平成12(あ)1006
登載
刑集 第55巻1号76頁
参照法条
刑法42条1項
論点22第4_2条刑法

捜査機関への申告内容に虚偽が含まれていた事案につき刑法42条1項の自首が成立しないとされた事例

裁判要旨被告人が,自宅で,被害者をその嘱託を受けることなく殺害した後,嘱託を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の事実を記載したメモを遺体のそばに置いた状態で,自宅の外から警察署に電話をかけ,自宅に遺体があり,そのそばにあるメモを見れば経緯が分かる旨伝えるとともに,自宅の住所を告げ,その後,警察署において,司法警察員に対し,嘱託を受けて被害者を殺害した旨の虚偽の供述をしたという本件事実関係の下においては,刑法42条1項〈自首等〉の自首は成立しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 令和2年12月7日 令和1(あ)1843
登載
刑集 第74巻9号757頁
参照法条
刑法42条1項
論点23第5条刑法

一、在日アメリカ合衆国軍当局の裁判と憲法第三九条
二、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条〈刑の変更〉に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第一七条〈科料〉の規定に従わないでなされた裁判と同条第八項の一事不再理の規定の適用の有無

裁判要旨一、すでに在日アメリカ合衆国軍当局の裁判により無罪とされた事実につき、重ねてわが国の裁判所で裁判をしても、憲法第三九条に違反しない。
二、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条〈刑の変更〉に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第一七条第八項〈科料〉の一事不再理の規定は、同条第三項(b)により日本国の当局が裁判権を行使する第一次の権利を有する事件につき、日本国が同項(c)により自己の裁判権を行使しない旨の通告をし、あるいはこれを放棄した事実がないのにかかわらず、アメリカ合衆国軍当局が日本国裁判所の裁判をさしおいて裁判をした場合には、適用がないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年10月3日 昭和41(あ)1945
登載
刑集 第21巻8号1013頁
参照法条
憲法39条,刑法5条,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定17条
論点24第5条刑法

一 連合国最高司令官の覚書による連合国人に対する裁判権停止期間中に犯された連合国人の犯罪を裁判権回復後に審判することと憲法第三九条
二 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条
三 無期懲役刑と未決勾留日数の通算
四 無期懲役刑の言渡と刑法第五条但書による刑の執行の減軽

裁判要旨一 わが国が連合国最高司令官の覚書により連合国人に対し裁判権を行うことを得なかつた期間内に連合国人によつて犯された犯罪に対し、わが国が裁判権を回復した後においてこれを審判することは、事後立法禁止に関する憲法第三九条の規定に違反するものではない。
二 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重ねてわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。
三 無期懲役刑にも未決勾留日数を通算することができる。
四 無期懲役刑に処する場合においても、刑法第五条〈外国判決の効力〉但書に従い「刑ノ執行ヲ減軽」することを要するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年6月1日 昭和29(あ)215
登載
刑集 第9巻7号1103頁
参照法条
憲法31条,憲法39条,刑法21条,刑法12条1項,刑法5条
論点25第5条刑法

刑訴法第五条但書に基く刑の執行の軽減又は免除の手続

裁判要旨刑法第五条〈外国判決の効力〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除は、裁判所が、刑の言渡と同時に判決主文においてなすべきものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年2月24日 昭和29(さ)7
登載
刑集 第9巻2号374頁
参照法条
刑法5条,刑訴法458条1項
論点26第5条刑法

占領中の琉球政府の裁判所による裁判と刑法第五条

裁判要旨奄美群島の占領中、琉球政府の裁判所による裁判については刑法第五条の規定の準用がある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和30年10月18日 昭和29(あ)3231
登載
刑集 第9巻11号2263頁
参照法条
刑法5条
論点27第5条刑法

一 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条並びに刑訴第三三七条第一号
二 刑法第五条〈外国判決の効力〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除とその手続並びに形式

裁判要旨一 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重てねわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。また、右軍事裁判が確定しても、刑訴第三三七条第一号の確定判決を経たときとはいえない。
二 刑法第五条〈外国判決の効力〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除は、裁判所が、刑の言渡と同時に主文においてなすべきものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年12月23日 昭和28(あ)882
登載
刑集 第8巻13号2288頁
参照法条
憲法39条,刑訴法337条1号,刑訴法334条,刑法5条
論点28第5条刑法

一 密入国の補強証拠の一事例
二 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条

裁判要旨一 原判決が証拠とした所論「出入国管理庁審判調査第三課作成の検察官に対する解答書」(正確には、同課から千葉地検渋佐検事に対する回答電信の飜訳書)の内容が所論のとおり(被告人の外国人登録が見当らないとするもの)であることは相違ないが、これにより被告人が従来日本に居なかつたことが推認できるから被告人の第一審公判廷における詳細な自白に対する補強証拠としてはこれを以つて足りるものということができる。従つて、被告人の第一審公判廷における自白と前記書面とによつて、本件密入国の事実を認定した原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。
二 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重ねてわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和28年7月22日 昭和27(あ)6010
登載
刑集 第7巻7号1621頁
参照法条
外国人登録令3条,刑訴法319条2項,刑訴法317条,憲法31条,憲法38条3項,憲法39条,刑法5条
論点29第6条刑法

昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決と破棄

裁判要旨昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決は、刑法六条〈刑の変更〉に違反したものであり、被告人に不利益であるから、破棄すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年4月16日 昭和45(さ)1
登載
集刑 第176号203頁
参照法条
刑法の一部を改正する法律(昭和43年法律61号),刑法6条,刑法10条,刑法211条,刑訴法458条
論点30第6条刑法

犯罪後の法律による刑の変更と事物管轄。

裁判要旨犯罪後の法律により刑の変更があつた場合における事物管轄は、刑法第六条〈刑の変更〉の規定により当該犯罪事実に適用すべき罰条の法定刑によつて定まる。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和39年2月26日 昭和37(あ)1164
登載
刑集 第18巻2号48頁
参照法条
刑法6条,裁判所法24条,裁判所法33条,道路運送法(昭和35年法律141号による改正前のもの)101条1項,道路運送法(昭和35年法律141号による改正前のもの)130条3号,道路運送法(昭和35年法律141号による改正後のもの)101条1項,道路運送法(昭和35年法律141号による改正後のもの)128条3第2号
論点31第6条刑法

一 外国とみなされていた地域から貨物の無免許輸入等の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
二 第三者所有物の没収の違憲と旧関税法第八三条第三項による追徴の適否

裁判要旨一 北緯二九度以南、同二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで、同地域から貨物を輸入しまたはその貨物を故買、牙保した罪について、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されるものと解すべきである。
二 旧関税(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第八三条第一項による第三者所有物の没収が違憲である場合には、同条第三項によるその没収に代わる追徴を言渡すこともまた許されない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和37年12月12日 昭和29(あ)566
登載
刑集 第16巻12号1672頁
参照法条
旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)76条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)76条の二,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)104条,旧関税法(明治32年法律61号・昭和26年11月29日法律271号により改正されたもの)104条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)第76条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)第83条,関税法104条,関税法関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しょを定める等の省令(昭和24年5月26日大蔵省令36号)1条,関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定ける政令(昭和27年4月7日政令第99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年12月24日政令407号)附則8項,刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号,刑訴法411条1号,憲法29条,憲法31条
論点32第6条刑法

一 法律「廃止前になしたる行為に関する罰則の適用については、なお、従前の令による」との規定の趣旨
二 同種の犯行について、その行為の時期により刑罰規定を異にすることと憲法第一四条
三 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定の法意
四 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定と憲法第三九条

裁判要旨一 地方税法(昭和二三年法律第一一〇号)第一五一条第三項の「入場税法の廃止前になした行為に関する罰則の適用については、なお、従前の例による」との規定は、従前の行為に関する限り、旧入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)の刑罰規定については何等変更なきことを規定したものと解すべきである。
二 同種の犯行についてその行為の時期によつて刑罰規定に差異を設けても憲法第一四条に違反しない。
三 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定は、事業主たる「人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者」が入場税を逋脱しまたは逋脱せんとした行為に対し、事業主として右行為者らの選任、監督その他違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかつた過失の存在を推定した規定と解すべく、したがつて事業主において右に関する注意を尽したことの証明がなされない限り、事業者もまた刑責を免れないとする法意である。
四 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定については、憲法第三九条違反の問題を生じない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和32年11月27日 昭和26(れ)1452
登載
刑集 第11巻12号3113頁
参照法条
旧地方税法(昭和23年法律110号)151条3項,旧入場税法(昭和22年法律142号による改正前のもの)16条,旧入場税法(昭和22年法律142号による改正前のもの)17条ノ3,刑法6条,憲法14条,憲法39条
論点33第6条刑法

外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無

裁判要旨北緯二九度以南、同二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若しくは密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和32年10月9日 昭和25(あ)2778
登載
刑集 第11巻10号2497頁
参照法条
旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正されたもの)76条,旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正されたもの)104条,旧関税法(昭和26年法律271号により改正されたもの)104条,関税法104条,、関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号)附則8項,刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号
論点34第6条刑法

外国とみなされていた地域からの貨物無免許輸入の罪と、右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無

裁判要旨北緯三〇度以南の南西諸島(口之島を含む)が外国とみなされていた当時免許を受けないで貨物を同地域から日本内地に密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されたものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和32年10月9日 昭和27(あ)2456
登載
刑集 第11巻10号2509頁
参照法条
旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正のもの)104条,旧関税法(昭和25年法律117号により改正されたもの)76条,関税法104条、関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),右省令の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号
論点35第6条刑法

外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無

裁判要旨一 北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若くは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若くは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し外国とみなされなくなつても刑の廃止があつたものと、いえないことは既に当裁判所の判例の趣旨とするところである。(昭和二八年(あ)第三七一号同三〇年七月二〇日大法廷判決、判例集九巻九号一九二二頁参照)
二 (裁判官真野毅、同小谷勝重、同藤田八郎、同河村又介、同谷村唯一郎、同小林俊三、同垂水克己の小数意見)
本件において被告人が密輸出、若しくは密輸入をしたとされている奄美大島は北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島であつて本件犯行当時においては、関税法の適用については外国とみなされていたのであるが、昭和二八年一二月二五日以降は外国とみなされなくなつた。かかる場合においては、右地域が外国とみなされていた間に右地域に密輸出し若しくは右地域より密輸入した罪については、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものと解し、被告人に対しては刑訴四一一条五号により原判決を破棄し同法三三七条二号を適用して被告人を免訴すべきものである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和31年7月4日 昭和29(あ)1917
登載
集刑 第114号67頁
参照法条
関税法(昭和29年法律61号による改正前)76条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),関税法、関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号),刑法6条,裁判所法11条
論点36第6条刑法

公益事業失効後同令違反の所為は免訴すべきか

裁判要旨公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効し、その後においては刑の廃止があつたものとして同令違反の所為を免訴すべきであること既に当裁判所大法廷の判例(集八巻一一号一七九一頁参照)とするところである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和31年7月27日 昭和29(あ)1776
登載
集刑 第114号391頁
参照法条
刑法6条,刑訴法337条2号,公益事業令(昭和25年政令343号)
論点37第6条刑法

外国とみなされていた地域に対する関税法違反の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無

裁判要旨一 本件において、貨物の密輸出若しくは密輸入をなしたとされている徳之島は、北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島であり、また関税逋脱にかかる貨物の密輸入先は、同じく北緯二七度以北の南西諸島であると認められ、いずれも本件犯行当時においては、関税法の適用については外国とみなされていたのであるが、昭和二八年一二月二五日以降は、外国とみなされなくなつた。かかる場合において、右地域が外国とみなされていた間に、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪、または同地域から日本内地へ密輸入した貨物の関税を逋脱した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつても、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものとはいえないことは、すでに当裁判所法令の趣旨としているところである。(昭和二七年(あ)第四三四号、同三〇年二月二三日大法廷判決、集九巻二号三四四頁、昭和二八年(あ)第三七一号、同三〇年七月二〇日大法廷判決、集九巻九号一九二二頁、昭和二八年(あ)第一六一一号、同三一年五月二三日大法廷判決、集一〇巻五号附録各参照)
二 (裁判官真野毅、同小谷勝重、同河村又介、同谷村唯一郎、同小林俊三、同垂水克己の少数意見)本件におけるが如く北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島が関税法の適用について外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から右地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪、または同地域から日本内地へ密輸入した貨物の関税を逋脱した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた以上、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものと解すべく、従つて原判決が刑訴四〇四条、三三七条二号により被告人等を各免訴したのは相当であつて、本件上告を棄却すべきものである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和31年7月18日 昭和29(あ)1279
登載
集刑 第114号309頁
参照法条
関税法(昭和29年法律61号による改正前)76条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)75条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),関税法、関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号),刑法6条,裁判所法11条
論点38第6条刑法

外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無

裁判要旨一 北緯二九度以南北緯二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時免許を受けないで日本内地から同地域へ、若くは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若くは密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
二 (裁判官真野毅、同小谷勝重、同藤田八郎、同河村又介、同谷村唯一郎、同小林俊三、同垂水克己の少数意見)
本件において被告人が密輸入をしたとされている大島郡a村は北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島であつて、本件犯行当時においては、関税法の適用については外国とみなされていたのであるが、昭和二八年一二月二五日以降は外国とみなされなくなつた。かかる場合においては、右地域が外国とみなされていた間に、右地域より密輸入した罪については、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものと解し、被告人に対しては刑訴四一一条五号により原判決を破棄し同法三三七条二号を適用して、被告人を免訴すべきものである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和31年5月23日 昭和28(あ)1611
登載
刑集 第10巻5号1頁
参照法条
関税法(昭和29年法律61号による改正前)76条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),関税法、関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号),刑法6条,裁判所法11条
論点39第6条刑法

昭和三〇年法律第五一号による銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正と刑の廃止

裁判要旨昭和三〇年法律第五一号による銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正前に業務その他正当な理由がなく刃渡一五センチメートル未満のあいくち(七首)を携帯した所為については、右改正により刑の廃止があつたものということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年12月25日 昭和31(あ)667
登載
刑集 第10巻12号1701頁
参照法条
銃砲刀剣類等所持取締令1条2項,銃砲刀剣類等所持取締令2条,銃砲刀剣類等所持取締令15条,銃砲刀剣類等所持取締令26条1号,銃砲刀剣類等所持取締令27条,銃砲刀剣類等所持取締令(昭和30年法律51号による改正前)1条,銃砲刀剣類等所持取締令(昭和30年法律51号による改正前)15条,刑訴法337条2号,刑訴法383条2号,刑訴法411条5号,刑法6条
論点40第6条刑法

外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域のわが国への復帰による刑の廃止の有無

裁判要旨口の島を含む北緯三〇度以南、北緯二九度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し、外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年7月20日 昭和28(あ)371
登載
刑集 第9巻9号1922頁
参照法条
関税法(昭和25年法律117号による改正前)76条,関税法(昭和25年法律117号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)1条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)3条1号,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)3条1号の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等関する政令(昭和28年政令407号)附則8項,刑法6条,刑訴法337条2号
論点41第6条刑法

一 昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反した不法出国の罪と刑の廃止
二 外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域のわが国えの復帰による刑の廃止の有無

裁判要旨一 日本人が、昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に対する覚書」に違反して、同司令官の承認を受けないで不法に本邦から出国したとの、昭和二五年政令第三二五号違反の罪については、昭和二六年一二月一日以降の廃止があつたものである。
二 南西諸島大島郡が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年2月23日 昭和27(あ)434
登載
刑集 第9巻2号344頁
参照法条
刑法6条,刑訴法337条2号,昭和25年政令325号占領目的阻害行為処罰令,昭和22年4月14日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」,昭和26年6月2日附連合国最高司令官の「旅券発行の権限に関する覚書」,昭和26年11月26日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行」に関する覚書(SCAPIN2185号),旅券法附則2項,旅券法附則3項,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)60条,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)71条,昭和32年法律61号関税法(昭和25年9月30日政令295号による改正前のもの)76条,昭和32年法律61号関税法(昭和25年9月30日政令295号による改正前のもの)104条,昭和24年5月26日大蔵省令36号,昭和28年12月14日政令407号「奄美諸島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫廷措置に関する件」附則8項
論点42第6条刑法

罰則施行前から施行後まで引き続きかつ新旧両法に跨つてなされた麻薬所持に対する適用

裁判要旨麻薬所得の罪において、一個の所持が罰則施行前より罰則施行後まで引き続きなされかつ新旧両法に跨つてなされたとしても、その一個の所持全体に対して新法を適用して処置すべきものであつて、罰則施行前の部分を分割して無罪の言渡しをなしまたは旧法の部分を分割してこれに対し旧法および刑法第六条をも適用すべきものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年2月25日 昭和27(あ)309
登載
集刑 第92号709頁
参照法条
麻薬取締規則42条,麻薬取締規則56条1項1号,旧麻薬取締法3条1項,旧麻薬取締法57条1項,旧麻薬取締法74条,刑訴法335条,刑法6条
論点43第6条刑法

電気事業法施行当時同法に違反した行為と刑の廃止

裁判要旨電気事業法第三八条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年12月3日 昭和27(あ)3799
登載
刑集 第8巻13号2065頁
参照法条
刑法6条,刑訴法422条5号,刑訴法337条2号,電気事業法(昭和6年法律61号)38条,公益事業令(昭和25年政令343号)附則2項,公益事業令(昭和25年政令343号)附則21項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
論点44第6条刑法

電気事業法施行当時同法に違反した行為と刑の廃止

裁判要旨電気事業法第三八条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年12月23日 昭和29(あ)1545
登載
刑集 第8巻13号2309頁
参照法条
刑法6条,刑訴法411条5号,刑訴法337条3号,電気事業法(昭和6年法律61号)38条,公益事業令(昭和25年政令343号)附則2項,公益事業令(昭和25年政令343号)2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
論点45第6条刑法

昭和二二年四月一四日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反した不法出国の罪と刑の廃止

裁判要旨日本人が昭和二二年四月一四日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反して、同指令官の承認を受けないで不法に本邦から出国したとの昭和二五年政令三二五号違反の罪については、昭和二六年一二月一日以降刑の廃止があつたものである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和29年12月1日 昭和27(あ)1570
登載
刑集 第8巻12号1911頁
参照法条
刑法6条,刑訴法337条2号,昭和25年政令325号占領目的阻害行為処罰令,昭和22年4月14日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」,昭和26年6月2日附連合国最高指令官の「旅券発行の権限に関する覚書」,昭和26年11月26日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行」に関する覚書(SCAPIN2185号),旅券法附則2項,旅券法附則3項,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)60条,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)71条
論点46第6条刑法

公益事業令失効後従前の電気事業法第三三条違反の所為は免訴すべきか

裁判要旨電気事業法第三三条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇号二四日かぎりで失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和29年11月10日 昭和27(あ)1676
登載
刑集 第8巻11号1791頁
参照法条
刑法6条,刑訴法411条5号,刑訴法337号2号,電気事業法(昭和6年法律61号)33条,公益事業令(昭和25年政令343号)1条,公益事業令(昭和25年政令343号)83条,公益事業令附則1項,公益事業令附則2項,公益事業令附則3項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
論点47第6条刑法

一 刑法第二〇〇条〈削除〉の犯罪成立後の民法改正と刑の変更
二 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律施行後も姻族関係は、夫婦の一方が死亡しただけで消滅するか

裁判要旨一 刑法第二〇〇条〈削除〉の犯罪成立後従来の民事法規によれば直系尊属であつた者が、かりにその改正によりその身分を失うに至つたとしても、かかる場合を、犯罪後の法律によりその刑に変更があつたときということはできない。
二 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律施行後も姻族関係は、夫婦の一方が死亡いただけでは消滅しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和27(れ)34
登載
刑集 第6巻12号1442頁
参照法条
刑法200条,刑法6条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律3条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律附則1項,旧民法729条1項,新民法728条
論点48第6条刑法

一 刑法第六条〈刑の変更〉違背と著しく正義に反すると認むべき場合
二 被告人の控訴及び上告に係る事件において上告審が第一、二審判決を破棄自判する場合と未決勾留日数の法廷通算

裁判要旨一 職権を以て調査すると、第一審判決の認定によれば、被告人の本件賍物運搬の犯行は、昭和二四年一月一七日頃であつて、未だ罰金等臨時措置法が施行されていない時のことである。従つて、第一審としては、この点につき、犯行後刑の変更があつた場合として、刑法第六条〈刑の変更〉第一〇条〈刑の軽重〉により、行為時法と裁判時法について所定刑の軽量を比照した上、軽い行為時法を適用し、罰金刑については一〇〇〇円以下で量定しなければならなかつた筋合である。しかるに第一審判決が、事茲に出でず、直に裁判時法を適用して被告人に対して被告人に対し罰金一万円を量定し、原判決も亦この瑕疵を看過したのは、共に違法であるといわなければならない。よつて刑訴第四一一条第一号、第四一三条第一八一条〈不同意わいせつ等致死傷〉により、第一審判決中の有罪部分及び原判決を破棄する。
二 被告人が控訴しさらに上告した事件において、上告審が第一、二審判決を破棄自判した場合には、第一審判決後の未決勾留日数は刑訴法第四九五条によりすべて本刑に通算さるべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月20日 昭和26(あ)1400
登載
刑集 第5巻8号1604頁
参照法条
刑法6条,刑法10条,刑訴法411条1号,刑訴法495条
論点49第6条刑法

一 臨時建築等制限規則の性質と同規則失効後の行為に対する罰則適用の関係
二 昭和二二年閣令第六号臨時建築等制限規則の趣旨と同規則第二条違反罪の事実の成立要件並びにその判示方

裁判要旨一 原判決が本件被告人の行為に対して適用した臨時建築等制限規則は、臨時物資需給調整法第一条に基づく命令であるが、同法はその附則において、当初よりその効力を存続すべき期間を予定し、かつ、その時までになした行為に対する罰則の適用については、この法律は、存続期間の到来によりその効力を失うべき時以後もなお、その効力を有する旨を規定し、同法がいわゆる限時法の性質を有することを明らかにしているのみならず、同法に基づいて制定された前記規則についても同規則の改定に当つては、その改正規則の附則に、改正前にされた行為に対する罰則の適用については、旧規則が改正後もなお、その効力を有する旨の規定がなされているのである。(右附則は、単に罰則適用の関係において、改正前規則の効力の存続を規定したに過ぎないのであつて、所論のように、命令を以て罰則に関する定めをしたものと解すべきでない)しからば、本件は、右規則の施行当時の行為であるから、罰則の適用に関しては、右規則の改廃にかかわらず、行為時法によるべきは当然であつて、所論のように刑法第六条、旧刑訴法第三六四条を適用すべき場合ではないのである。(当裁判所昭和二三年(れ)第八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決参照)
二 原判決は、被告人が昭和二三年八月中頃建設大臣の許可を受けてないでその営業所二〇坪をAに命じて、床及び天井を取り外しキヤバレー用に改築工事を施行させた事実を確定し、これに対して昭和二二年閣令第六号臨時建築等制限規則第二条を適用したものであつて、原判定確定の事実が同条違反の行為に該当することは明らかである。同条違反の行為となるには同条所定の新築、改築等の築造工事が完成されなければならないとの所論は、何等同規則に根拠のない解釈と言うべく、又同規則は所論のごとく、供給の特に不足する物資の濫用を防ぎ又は使用を制限するに必要な命令として制定されたものであるけれども、判決に同第二条〈すべての者の国外犯〉違反の犯罪として示すには、右築造工事が施行された事実を摘示すれば足りるのであつて所論のように、供給の特に不足する物資を使用して改築行為がなされたことを判示する要はないものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年3月2日 昭和25(れ)1463
登載
集刑 第41号121頁
参照法条
臨時物資需給調整法(昭和24年法律21号による改正前のもの)1条,昭和12年閣令6号臨時建築等制限規則2条,旧刑訴法364条,旧刑訴法360条1項,刑法6条,昭和22年閣令4号臨時建築等制限規則2条
論点50第6条刑法

一 昭和二二年政令第一一八号飲食営業緊急措置令の性格
二 旧刑訴第八条第一項第四号〈他の法令の罪に対する適用〉の牽連関係があるものとして起訴されたものと認むべき事例
三 訴訟費用の負担と旧刑訴第四〇三条

裁判要旨一 飲食営業緊急措置令は、当所からその二条〈すべての者の国外犯〉において一定の期間だけその効力を有するいわゆる限時法的性格を持つ趣旨を表明し、その後三回に亘りその期間を延長した末昭和二四年五月七日飲食営業臨時規整法附則四項で「飲食営業緊急措置令は廃止する。但し、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、同令はなおその効力を有する。」と規定したものである。
二 公判請求書に、被告人の物価統制令違反の罪と相被告人の物価統制令違反の罪とが、その時期及び場所を同じくして各別に犯されたものとして記載されているときは、右二個の事件は旧刑訴第八条第一項第四号〈他の法令の罪に対する適用〉の規定に従い併せて起訴されたものと認むべきである。
三 訴訟費用の負担のごときは、控訴審の判決において第一審判決より被告人に不利益に変更しても、旧刑訴第四〇三条の違反があるとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年12月20日 昭和26(れ)1835
登載
刑集 第5巻13号2556頁
参照法条
刑法6条,旧刑訴法415条,旧刑訴法8条1項4号,旧刑訴法403条,飲食営業緊急措置令(昭和22年7月1日政令118号),昭和22年3月29日政令314号,昭和23年2月28日政令4号,昭和23年4月30日政令98号,飲食営業等規整法附則4条(昭和24年5月7日法律52号)
論点51第6条刑法

尊属傷害致死罪の成立を認めた控訴審判決言渡し後に施行された刑法の一部を改正する法律(平成七年法律第九一号)によって尊属傷害致死罪が廃止されたときと刑訴法四一一条五号にいう「刑の変更」

裁判要旨刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)二〇五条二項〈傷害致死〉の尊属傷害致死罪の成立を認めた控訴審判決言渡し後に施行された刑法の一部を改正する法律(平成七年法律第九一号)によって尊属傷害致死罪が廃止されたときは、刑訴法四一一条五号にいう「刑の変更」に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成8年11月28日 平成6(あ)1021
登載
刑集 第50巻10号827頁
参照法条
刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)6条,刑法205条,刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)205条2項,刑法の一部を改正する法律(平成7年法律91号)附則2条1項,刑訴法411条5号
論点52第6条刑法

昭和六三年法律第一〇九号附則二条〈すべての者の国外犯〉、三条〈国民の国外犯〉と刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)六条〈刑の変更〉

裁判要旨昭和六三年法律第一〇九号附則二条〈すべての者の国外犯〉、三条〈国民の国外犯〉によれば、右法律施行後においても、昭和六三年分以前の確定所得申告に係る所得税の額は行為時に適用された所得税法により計算すべきであり、その計算方法に基づいて算出された免れた所得税の額が所得税法二三八条二項所定の罰金額の上限となるものであるから、刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)六条〈刑の変更〉を適用すべきものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成7年6月21日 平成4(あ)6
登載
集刑 第265号863頁
参照法条
昭和63年法律109号附則2条,昭和63年法律109号附則3条,所得税法238条2項,刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)6条
論点53第6条刑法

刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成18年法律第36号)による窃盗罪の法定刑の変更と刑訴法397条1項による第1審判決の破棄の要否

裁判要旨刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成18年法律第36号)により,選択刑として50万円以下の罰金刑が追加された窃盗罪の法定刑の変更は,当該窃盗罪の犯情,第1審判決が併せて認定した他の犯罪の有無及びその内容等に照らし,上記法改正との関係からは第1審判決の量刑を再検討する余地のないことが明らかである場合には,刑訴法397条1項により第1審判決を破棄すべき刑の変更に当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年10月10日 平成18(あ)1414
登載
刑集 第60巻8号523頁
参照法条
刑法6条,10条,235条,同法(平成18年法律第36号による改正前のもの)235条,刑訴法383条2号,397条1項
論点54第7条刑法

労働基準法所定の労働時間の制限を超える公務の執行と公務執行妨害罪の成否

裁判要旨法令により公務に従事する者とみなされる日本国鉄道職員であつて労働基準法の適用を受ける者に対する職務命令が、同法所定の労働時間の制限を超えて就労することをその内容としており、かつ、その者の就労が右制限を超えたからといつて、そのために、職務の執行が具体的権限を欠いて違法となり、その者に対する公務執行妨害罪の成立が妨げられるものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年5月25日 昭和44(あ)1629
登載
刑集 第27巻5号1115頁
参照法条
刑法7条,刑法95条1項,日本国有鉄道法34条1項,労働基準法32条1項
論点55第7条刑法

国家公務員共済組合法三六条、一三条に定める国家公務員共済組合連合会に使用されその事務に従事する者にあたるとされた事例

裁判要旨国家公務員共済組合連合会理事長の正当な職員任命権に基づいて同連合会の「嘱託」を命ぜられ、同連合会施設の設計、工事に関する指名業者の選択、入札等の事務に従事する者は、国家公務員共済組合法三六条、一三条に定める国家公務員共済組合連合会に使用され、その職務に従事する者にあたると解すべきであり、「嘱託」の職名が職制に関する規定上明記されていないことは、右の解釈を妨げるものではない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年5月25日 昭和45(あ)448
登載
刑集 第26巻4号272頁
参照法条
国家公務員共済組合法36条,国家公務員共済組合法13条,刑法7条1項,刑法197条1項
論点56第7条刑法

控訴審において主張判断のなかつた実体法規に関する違憲の主張が上告理由として不適法とされた事例。

裁判要旨自衛隊員である被告人に対する収賄被告事件の控訴審において、主張判断のなかつた「防衛庁設置法および自衛隊法が憲法第九条に違反して無効であるから、被告人は公務員ではないのにかかわらず、これを公務員として処罰した第一審判決を是認した原判決は違憲である」との主張は、適法な上告理由に当らない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年9月22日 昭和38(あ)884
登載
集刑 第152号883頁
参照法条
刑訴法405条,憲法9条,刑法7条
論点57第7条刑法

鉄道公安職員に対する暴行と公務執行妨害罪の成立。

裁判要旨鉄道公安職員は、日本国有鉄道法第三四条第一項により法令により公務に従事する者とみなされ、犯罪捜査のほか、鉄道公安職員基本規程により、鉄道業務の円滑な遂行のためこれを侵害するものを排除するなど警備的職務に従事するものであるから、その職務の執行にあたり、これに対して暴行を加えたときは、公務執行妨害罪が成立するものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年8月25日 昭和38(あ)515
登載
集刑 第152号587頁
参照法条
刑法95条,刑法7条,日本国有鉄道法34条1項,日本国有鉄道法32条,日本国有鉄道法2条,日本国有鉄道法3条,鉄道公安職員の職務に関する法律1条,鉄道公安職員の職務に関する法律8条,鉄道公安職員基本規程(昭和24年2月18日総裁達466号)3条,鉄道公安職員基本規程(昭和24年2月18日総裁達466号)5条
論点58第7条刑法

刑法第七条〈定義〉の公務員に当るとされた事例。

裁判要旨丸亀市モーターボート整備員(判文参照)は、刑法第七条〈定義〉の「法令ニ依リ公務ニ従事スル職員」に当る。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年6月30日 昭和37(あ)79
登載
刑集 第18巻5号236頁
参照法条
地方自治法172条2項,地方公務員法3条3項3号,刑法7条
論点59第7条刑法

東京特別調達局管財部長と公務員。

裁判要旨東京特別調達局管財部長は、法令によつて公務に従事する官吏たる公務員である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和37年7月6日 昭和32(あ)1415
登載
集刑 第143号353頁
参照法条
刑法7条,(旧)特別調達庁組織規程69条
論点60第7条刑法

保安庁第一幕僚監部厚生課長が保安庁共済組合の実務主掌者として行う同組合の事務は刑法第七条にいう公務に属するか。

裁判要旨保安庁第一幕僚監部厚生課長が昭和二三年六月三〇日法律第六九号(旧)国家公務員共済組合法七条により同時に保安庁共済組合の実務主掌者として行う同組合の事務は刑法七条にいう公務に属するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年10月3日 昭和32(あ)2663
登載
集刑 第139号471頁
参照法条
刑法7条,刑法197条,(旧)国家公務員共済組合法(昭和23年6月30日法律第69号)7条,保安庁第一幕僚監部組織規程(昭和27年総理府令第45号)19条
論点61第7条刑法

一 国民金融公庫の役職員と刑法第七条にいう「公務員」
二 同公庫の事務と刑法第七条にいう「公務」

裁判要旨一 昭和二七年法律第一五三号による改正前の国民金融公庫法は、同公庫の役職員の職務上犯した非行に対する処罰はあげてこれを刑法の律する所に委ねて居る。換言すれば、同庫の役職員に対し刑法一九七条が適用せらるべきか否かは、同公庫の役職員が刑法七条にいう公務員と解せられるか否かにかかる。同公庫の役職員は右改正前の一七条〈科料〉により国家公務員とされているが故に刑法一九七条の適用を受けるのではなく、それが刑法七条にいう公務員と認められるが故にその適用を受けるのである。
二 国民金融公庫の事務は刑法七条にいう「公務」に当たる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年9月13日 昭和31(あ)4206
登載
集刑 第135号309頁
参照法条
刑法7条,刑法197条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)1条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)2条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)3条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)18条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)28条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)21条,国民金融公庫法(昭和27年法律153号による改正前のもの)17条,国民金融公庫法(昭和27年法律153号による改正後のもの)17条,国民金融公庫法(昭和28年法律136号による改正後のもの)17条
論点62第7条刑法

職務執行と密接な関係にある慣例上の行為に対する金員の収受と賄賂罪の成立。

裁判要旨或る町において、町長が比較的大規模の工事を施行するにあたつては、町会議長のほか分掌事項上関連ある議員として厚生委員会の委員長、各委員などをもつて協議会を組織し、入札業者の指名、入札方法の選定、敷金額の決定等につき意見を求め、また厚生委員が町長の選任により右工事の監督にあたる等の慣例が存する場合において、右協議会で敷金額につき意見を述べること並びに右工事の監督に従事することは、町議会議員で且つ厚生委員としての職務行為そのものではないが、右職務に由来しこれと密接な関係を有する行為であるから、町議会議員であり且つ厚生委員である被告人等がかかる行為の対価として金員を収受すれば賄賂罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年3月2日 昭和31(あ)2282
登載
刑集 第14巻3号224頁
参照法条
刑法197条1項前段,刑法7条,地方自治法96条1項3号,地方自治法96条1項7号,地方自治法96条1項9号,地方自治法98条1項,地方自治法100条1項,地方自治法92条2項
論点63第7条刑法

郵便集配人と公務員。

裁判要旨郵便集配人は刑法上の公務員である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年3月1日 昭和31(あ)3869
登載
刑集 第14巻3号209頁
参照法条
刑法7条1項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)4条5号,郵政省設置法(昭和23年法律244号)12条1項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)12条3項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)13条8項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)27条,郵政省職員定数規程(昭和27年9月24日郵政省令31号)1項「地方支分部局郵便局の欄」,郵政省職員定数規程(昭和27年9月24日郵政省令31号)2項,逓信部内雇員規程(昭和22年3月18日逓信大臣公達51号)3条,逓信部内雇員規程(昭和22年3月18日逓信大臣公達51号)別表第2,郵政省職務規程(昭和24年9月5日公達39号)7条2号,郵政省職務規程(昭和24年9月5日公達39号)別表第1「任命権委任区分」,郵便局組織規程(昭和25年2月1日公達9号)1条,郵便局組織規程(昭和25年2月1日公達9号)別表第1「京都中央郵便局」,食糧管理法施行規則47条,昭和28年6月12日岡山県告示478号
論点64第7条刑法

一 製造たばこ「光」の外箱の偽造と刑法第一五五条第一項の適用
二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉との適用関係

裁判要旨一 日本専売公社の製造にかかる製造たばこ「光」の外箱は、刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉にいう「公務所ノ作ル可キ図画」にあたる
二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項とは、両者の併存適用を妨げない
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年4月10日 昭和30(あ)971
登載
刑集 第12巻5号743頁
参照法条
刑法7条,刑法155条1項,たばこ専売法65条の2,たばこ専売法71条1号,日本専売公社法2条,日本専売公社法7条,日本専売公社法18条1項
論点65第7条刑法

任命権委任に関する建設省訓令と刑法第七条にいう法令

裁判要旨建設省訓令第五号「国家公務員法第五五条第二項の規定により任命権の委任に関する訓令」もまた刑法七条にいう法令のうちに含まれる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年8月30日 昭和29(あ)3562
登載
集刑 第120号77頁
参照法条
昭和24年2月15日建設省訓令5号「国家公務員法55条2項の規定により任命権の委任に関する訓令」,刑法7条
論点66第7条刑法

日本電信電話公社の職員の作成すべき文書は公文書か

裁判要旨日本電信電話公社職員たる信越電気通信局支出役名義の文書は、公文書である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年6月27日 昭和31(あ)1800
登載
刑集 第11巻6号1741頁
参照法条
刑法155条,刑法7条,日本電信電話公社法18条,日本電信電話公社法35条
論点67第7条刑法

一 刑法第七条〈定義〉にいう「法令により公務に従事する職員」の意義
二 特別調達庁の雇員と刑法第七条にいう「公務員」

裁判要旨一 刑法第七条〈定義〉にいう「法令により公務に従事する職員」とは、公務に従事する職員で、その公務に従事することが法令の根拠にもとずくものを意味し、単純な機械的、肉体的労務に従事するものはこれに含まれないけれども、当該職制等のうえで「職員」と呼ばれている身分をもつかどうかは、あえて問うところではない。
二 特別調達庁第一六条〈拘留〉により制定された特別調達庁職制にもとずいて任用され、同庁支局契約部工事課員として占領軍関係工事につき工事請負業者に工事代金の支払をするについて契約稟議書面の起案および支払請求書の内訳書の作成処理等の事務を担当していた雇員は、刑法第七条にいう「公務員」にあたる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和30年12月3日 昭和28(あ)4191
登載
刑集 第9巻13号2596頁
参照法条
刑法7条,特別調達庁法14条,特別調著庁法16条,特別調達庁職制30条(昭和23年7月1日の改正で32条となる)
論点68第7条刑法

一 その裁判所の事件を審判する権限のない裁判官を構成してした公判手続及び公判調書の効力と旧刑訴法第一二条の決意
二 公務員の身分を有しない者が虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして虚偽の証明書を作成させた行為と刑法第一五六条の間接正犯
三 公務員の身分を有しない者が虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして作成させた虚偽の証明書を行使した行為と虚偽公文書行使罪の成否
四 係員を欺罔して旅券の下附を受ける行為と詐欺罪の成否
五 アメリカ領事館員と刑法にいわゆる「公務員」

裁判要旨一 その裁判所の事件を審判する権限のない裁判官がその裁判所を構成してした公判手段は、無効であつてその公判調書を事実認定の資料とすることは違法である。旧刑訴法第一二条には「訴訟手続は管轄違ひの理由に因り其の効力を後はず」と規定されているのであるがこの規定は本来裁判権を有する裁判所に事件を分配することを目的とする事物及び土地の管轄に関する規定の違背があつても、唯それだけの事由では訴訟手続を無効たらしめるものでないこと明らかにしたに過ぎないものであつて管轄権ある裁判所を構成する裁判官その人がその裁判所に繋属ずる事件を審判する権限のなかつたような場合にまで拡張解釈して準用すべきものではないのである。
二 公務員の身分を有しない者が、虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員をして村長名義の虚偽の証明書を作成させた行為は、刑法第一五六条〈虚偽公文書作成等〉の間接正犯として処罰すべきではない。
三 公務員の自分を有しない者が虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員をして作成させた村長名義の虚偽の証明書を行使しても、虚偽公文書行使罪にあたらない。
四 係員を欺罔して旅券の下附を受ける行為は詐欺罪にあたらない。
五 アメリカ領事館員は刑法にいわゆる「公務員」にあたらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(れ)1496
登載
刑集 第6巻12号1387頁
参照法条
旧刑断法12条,旧刑断法60条1項2項,旧刑断法410条1号,裁判所法47条,刑法155条,刑法156条,刑法157条,刑法158条,刑法246条,刑法7条
論点69第7条刑法

主任を補助して事務を執つているに過ぎない区役所の事務員が擅に内容虚偽の転出証明書を作成した行為の擬律

裁判要旨中京区役所第四駐在員事務所主任ではなく単なる同事務所の事務員であつて主任を補助して事務を執つている者にすぎない者は転出証明書を作成交付する権限のない者であるから同人が擅に行使の目的を以つて内容虚偽の転出証明書を作成したことは刑法一五五条の公文書偽造であつて、同法一五六条の犯罪にはならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(れ)822
登載
集刑 第71号463頁
参照法条
刑法7条,刑法155条,刑法156条
論点70第7条刑法

一 賄賂収受罪判示の程度−公務員たる法令上の根拠を示す要否
二 兵庫県雇と公務員

裁判要旨一 公務員の賄賂収受罪を判示するに当つては、公務員であることを判断しうる具体的事実を示しその者が職務に関し賄賂を収受した事実を説明すれば足り、公務員たることの資格を認められる法令上の根拠までも示す必要はないのである。(昭和二四年(れ)第八五六号、同二五年二月二八日第三小法廷判決。最高裁判所判例終四巻二号二六八頁参照)
二 被告人は兵庫県知事より任命された国費支弁の雇であつたことが窺われる。そして、同知事にかかる雇の任命権があつたことは大正十五年六月四日勅令第一四七号地方官々制第五条〈外国判決の効力〉第八条〈他の法令の罪に対する適用〉一行の規定の趣旨に徴し明らかである。されば、原判決は被告人の公務員たる判示に欠くるところはない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月20日 昭和25(れ)822
登載
刑集 第5巻8号1586頁
参照法条
旧刑訴法360条1項,刑法197条,刑法7条
論点71第7条刑法

一 農業団体法(昭和一八年法律第四六号)に定める縣農業会の職員は公務員ではない−同会名義の木炭出荷指図書は私文書である
二 経済関係罰則の整備に関する法律第二条〈すべての者の国外犯〉の趣旨

裁判要旨一 経済関係罰則の整備に関する法律第一条〈国内犯〉の規定と対比して見ると、同条は別表甲号に掲げる経済団体の「役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス」旨を規定しているが同第二条〈すべての者の国外犯〉には、かかる規定は存在しない。すなわち、以上各規定の趣旨からみれば、右別表甲号、乙号掲記の経済団体の職員はいずれも本来の意義における公務員ではないのであるが、ただ甲号団体の職員に限つて罪則の適用については公務員とみなされるに過ぎないことがわかる。従つて、本件農業会のごとき乙号掲記の団体の職員は、もとより公務員でなく、又公務員とみなされるものでもなく、ただ同法第二条の涜職罪の規定の適用を受けるに止まるものというべきである。その他に右縣農業会の職員を以て「法令ニ依リ公務ニ従事スル職員」と解すべき何らの法規上の根拠はないのであるから、従つて縣農業会は、これを公務所と解すべきでなく、その作成すべき出荷指図書のごときは公文書たる性質を有しないものと解すべきである。
二 今経済関係罰則の整備に関する法律をみると、第二条は同法所定の「会社若シクハ組合又ハ此等ニ準ズルモノニシテ別表乙号ニ掲グルモノノ役員其ノ他ノ職員」について、涜職罪に関する罰則を規定し、右別表乙号には「二二」として縣農業会が掲げられているのであるが、若し縣農業会の職員が公務員ならば、刑法の涜職罪の規定が当然に適用せられるのであつてかかる同罪に関する特則を設ける必要はない。もとより、これらの職員に対して、特に法定刑を軽減するの趣旨を以て刑法涜職罪の規定に対する右のごとき特則が定められたものとは、右「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律」制定の趣旨からして、到底考えられない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年4月27日 昭和25(れ)1375
登載
刑集 第5巻5号947頁
参照法条
農業団体法1条,農業団体法10条,經済関係罰則の整備に関する法律2条,經済関係罰則の整備に関する法律1条(別表甲号を省く),別表乙号「22」,刑法7条,刑法159条1項,刑法197条,経済関係罰則の整備に関する法律2条,経済関係罰則の整備に関する法律1条(別表甲号を省く)
論点72第7条刑法

一 市の雇と公務員
二 公務執行妨害罪における暴行脅迫と結果発生の要否

裁判要旨一 市長により任命され市統計課で市の統計事務に従事する市雇は、公務員である。
二 刑法第九五条〈公務執行妨害及び職務強要〉の公務執行妨害罪の要件たる暴行脅迫は、これにより現実に職務執行妨害の結果が発生したことを必要とするものではなく、妨害となるべきものであれば足りる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年10月20日 昭和24(れ)2898
登載
刑集 第4巻10号2115頁
参照法条
刑法7条,刑法95条
論点73第7条刑法

一 刑務所看守と公務員
二 賄賂收受罪につき公務員の資格に關する根據法令明示の要否

裁判要旨一 刑務所の看守は、公務員である。
二 刑法第一九七條の公務員の賄賂收受罪について刑事訴訟法第三六〇條第一項により「罪ト爲ルヘキ事實」を判示するには、公務員であることを判斷することのできる具體的事實を示してその者が職務に關し賄賂を收受した事實を説明すれば足りるのであつて、公務員たることの資格が認められる法令上の根據まで示す必要はない。原判決は被告人が京都拘置所の看守を拜命して津山刑務所に勤務中職務に關し金員の借與をうけて賄賂を收受した事實を説明しているのであつて、看守は監獄官制第三條第八條によつて公務員であることが判断され得るのであるから、原判決において右のごとく被告人が看守であることを判示している以上原判決には所論のような違法はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和23年12月14日 昭和23(れ)839
登載
刑集 第2巻13号1756頁
参照法条
刑法7条1項,刑法197條,監獄官制8条,刑訴法360條1項
論点74第8条刑法

いわゆる常習累犯窃盗の罪と累犯加重

裁判要旨いわゆる常習累犯窃盗の罪についても、刑法の累犯加重の規定の適用がある(昭和四四年六月五日第一小法廷決定、刑集二三巻七号九三五頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年7月21日 昭和45(あ)649
登載
集刑 第177号377頁
参照法条
盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3条,刑法8条,刑法56条,刑法59条
論点75第8条刑法

一 暴力行為等処罰に関する法律一条の三所定の罪と累犯加重
二 ある前科の存在をもつて常習的暴行等の罪(暴力行為等処罰に関する法律一条の三)の要件たる常習性を認定する一資料としたうえその前科と右常習的暴行等の罪とが刑法上の累犯の関係にあることを理由に右常習的暴行等の罪につき累犯加重をすることと憲法三九条後段

裁判要旨一 暴力行為等処罰に関する法律一条の三所定の罪についても刑法の累犯加重の規定の適用がある。
二 ある前科の存在をもつて常習的暴行等の罪(暴力行為等処罰に関する法律一条の三)の要件たる常習性を認定する一資料とした場合において、その前科と右常習的暴行等の罪とが刑法上の累犯の関係にあるときは、右常習的暴行等の罪につき累犯加重をても、憲法三九条後段に反するものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和44年9月26日 昭和43(あ)1605
登載
刑集 第23巻9号1154頁
参照法条
暴力行為等処罰に関する法律1条ノ3,憲法39条後段,刑法8条,刑法56条
論点76第8条刑法

一 盗犯等の防止及び処分に関する法律三条〈国民の国外犯〉の趣旨
二 いわゆる常習累犯窃盗の罪と累犯加重

裁判要旨一 盗犯等の防止及び処分に関する法律三条〈国民の国外犯〉は、窃盗その他同法二条所定の罪を行なう習癖を有する者を、その習癖のない者より重く処罰するため、通常の窃盗その他の罪とは異なる新たな犯罪類型を定めたものである。
二 いわゆる常習累犯窃盗の罪についても、刑法の累犯加重の規定の適用がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和44年6月5日 昭和43(あ)2655
登載
刑集 第23巻7号935頁
参照法条
盗犯等の防止及び処分に関する法律2条,盗犯等の防止及び処分に関する法律3条,刑法8条,刑法56条,刑法59条
論点77第8条刑法

関税法第一一八条にいわゆる犯人の意義。

裁判要旨関税法第一一八条にいわゆる犯人には、行為者のみならず、いわゆる両罰規定により処罰される法人または人をも包含するものと解するのを相当とする。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和38年5月22日 昭和34(あ)126
登載
刑集 第17巻4号457頁
参照法条
関税法118条1項,関税法118条2項,関税法117条,刑法8条,刑法9条,刑法20条
論点78第8条刑法

一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八三条という「犯人」の意義
二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合と同法第八三条の没収、追徴

裁判要旨一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年第六一号)第八三条にいう「犯人」には両罰則定の適用を受くべき「法人」又は「人」をも含む。
二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第八三条の没収、追徴の言渡をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月28日 昭和31(あ)4042
登載
刑集 第13巻10号2806頁
参照法条
旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)83条,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)82条ノ3,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)76条,刑法8条,刑法9条,刑法20条
論点79第8条刑法

一 法人をたばこ専売法第七七条第七一条第一号第六六条第一項により処罰する場合と同法第七五条の没収、追徴
二 刑訴法第三三九号第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない事例
三 略式命令の請求による起訴の効力発生の時期

裁判要旨一 法人とたばこ専売法第七七条、第七一条、第六六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第七五条の没収、追徴の言渡ができる
二 法人の清算人が清算結了前に検察官から解散前の違反行為につき略式手続によることに異議がないかどうかを確められ、異議がない旨申述し、清算結了後、その登記前に略式命令の請求がなされている場合は、刑訴第三三九条第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない
三 略式命令の請求による起訴の効力は、その請求が裁判所に対してなされた時に発生し、略式命令の謄本が被告人に送達された時に生ずるのではないと解するのが相当である
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和32(あ)2199
登載
刑集 第12巻8号1611頁
参照法条
たばこ専売法77条,たばこ専売法71条1号,たばこ専売法66条1項,たばこ専売法75条,刑法8条,刑法9条,刑法20条,憲法31条,刑訴法339条1項4号,刑訴法256条,刑訴法461条,刑訴法462条,刑訴規則290条
論点80第8条刑法

一 たばこ専売法第七五条第二項の適用と「没収することのできないとき」の判断
二 追徴と没収することができなかつた具体的理由および追徴金額算出の基礎の各証拠説示の要否
三 刑法第一九条第一項〈没収〉第一九条ノ二とたばこ専売法第七五条との関係

裁判要旨一 製造たばこの価額を追徴するにあたり、たばこ専売法第七五条第二項を適用している以上、その製造たばこが同項にいう「没収することのできないとき」であると判断した趣旨に解すべきである。
二 判決で追徴を言い渡す場合、必ずしも特に、没収することができなかつた具体的理由および追徴金額算出の基礎を、証拠を掲げて説明するを要しない。
三 刑法第一九条第一項〈没収〉、第一九条ノ二の規定とたばこ専売法第七五条の規定とは、一般法と特別法の関係にある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年8月25日 昭和27(あ)1525
登載
刑集 第7巻8号1762頁
参照法条
刑訴法44条1項,刑訴法335条1項,刑法8条,刑法19条1項,刑法19条ノ2,たばこ専売法75条1項,たばこ専売法75条2項
論点81第8条刑法

一 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段にいわゆる「麻薬中毒のため自制心を失うこと」の意味
二 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段違反の罪と原因において自由なる行為

裁判要旨一 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条四号後段にいわゆる「麻薬中毒のため自制心を失うこと」というのは、単なる自制心喪失という精神状態をいうのではなく、麻薬の連続使用により麻薬中毒の結果自制心を失つた行為がなされることをいう。
二 麻薬中毒のためなされた自制心を失つた行為は、その当時行為者において責任能力がなくても、麻薬を連続して使用する際責任能力があり、且つその連続使用により麻薬中毒症状に陥ることについての認識(未必の認識)があれば、いわゆる原因において自由な行為として、麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段違反の罪に該当するのであつて、その行為は必ずしも他の犯罪に該当するものであることを要しない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和28年12月24日 昭和25(あ)2985
登載
刑集 第7巻13号2646頁
参照法条
麻薬取締法(昭和22年法律123号)4条4号,麻薬取締法(昭和22年法律123号)60条,刑法8条,刑法39条
原

条文原文

原文ママ

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刑法 第1条(国内犯) 詳細ページ
(国内犯)
第一条この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。
2日本国外にある日本船舶又は日本航空機内において罪を犯した者についても、前項と同様とする。
刑法 第2条(すべての者の国外犯) 詳細ページ
(すべての者の国外犯)
第二条この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
一削除
二第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
三第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪
四第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
五第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、第百五十七条(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録に係る第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び供用)の罪
六第百六十二条(有価証券偽造等)及び第百六十三条(偽造有価証券行使等)の罪
七第百六十三条の二から第百六十三条の五まで(支払用カード電磁的記録不正作出等、不正電磁的記録カード所持、支払用カード電磁的記録不正作出準備、未遂罪)の罪
八第百六十四条から第百六十六条まで(御璽偽造及び不正使用等、公印偽造及び不正使用等、公記号偽造及び不正使用等)の罪並びに第百六十四条第二項、第百六十五条第二項及び第百六十六条第二項の罪の未遂罪
刑法 第3条(国民の国外犯) 詳細ページ
(国民の国外犯)
第三条この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
一第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
二第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
三第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一条の二の罪
四第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
五第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条まで(不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、不同意わいせつ等致死傷)並びに第百八十四条(重婚)の罪
六第百九十八条(贈賄)の罪
七第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
八第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
九第二百十四条から第二百十六条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
十第二百十八条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第二百十九条(遺棄等致死傷)の罪
十一第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
十二第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
十三第二百三十条(名誉毀損)の罪
十四第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第二百三十八条から第二百四十条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷)、第二百四十一条第一項及び第三項(強盗・不同意性交等及び同致死)並びに第二百四十三条(未遂罪)の罪
十五第二百四十六条から第二百五十条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
十六第二百五十三条(業務上横領)の罪
十七第二百五十六条第二項(盗品譲受け等)の罪
刑法 第3_2条(国民以外の者の国外犯) 詳細ページ
(国民以外の者の国外犯)
第三条の二この法律は、日本国外において日本国民に対して次に掲げる罪を犯した日本国民以外の者に適用する。
一第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条まで(不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、不同意わいせつ等致死傷)の罪
二第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
三第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
四第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
五第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
六第二百三十六条(強盗)、第二百三十八条から第二百四十条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷)並びに第二百四十一条第一項及び第三項(強盗・不同意性交等及び同致死)の罪並びにこれらの罪(同条第一項の罪を除く。)の未遂罪
刑法 第4条(公務員の国外犯) 詳細ページ
(公務員の国外犯)
第四条この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国の公務員に適用する。
一第百一条(看守者等による逃走援助)の罪及びその未遂罪
二第百五十六条(虚偽公文書作成等)の罪
三第百九十三条(公務員職権濫用)、第百九十五条第二項(特別公務員暴行陵虐)及び第百九十七条から第百九十七条の四まで(収賄、受託収賄及び事前収賄、第三者供賄、加重収賄及び事後収賄、あっせん収賄)の罪並びに第百九十五条第二項の罪に係る第百九十六条(特別公務員職権濫用等致死傷)の罪
刑法 第4_2条(条約による国外犯) 詳細ページ
(条約による国外犯)
第四条の二第二条から前条までに規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第二編の罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされているものを犯したすべての者に適用する。
刑法 第5条(外国判決の効力) 詳細ページ
(外国判決の効力)
第五条外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。
刑法 第6条(刑の変更) 詳細ページ
(刑の変更)
第六条犯罪後の法律によって刑の変更があったときは、その軽いものによる。
刑法 第7条(定義) 詳細ページ
(定義)
第七条この法律において「公務員」とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。
2この法律において「公務所」とは、官公庁その他公務員が職務を行う所をいう。
刑法 第7_2条 詳細ページ
第七条の二この法律において「電磁的記録」とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。
刑法 第8条(他の法令の罪に対する適用) 詳細ページ
(他の法令の罪に対する適用)
第八条この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。ただし、その法令に特別の規定があるときは、この限りでない。
出

一次情報

原文ママ

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