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総則/刑

刑の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑法第9条から第21条は、刑罰の種類とその内容・軽重の基準を定める規定です。死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料という主刑と、没収という付加刑について、それぞれの内容や期間・金額の範囲、加減の限度を整理しています。あわせて、罰金・科料を完納できない場合の労役場留置や、没収・追徴の対象と制限についても定めています。

刑
種類区分内容
死刑主刑絞首・刑事施設に拘置
拘禁刑主刑無期又は一月以上二十年以下
罰金主刑一万円以上
拘留主刑一日以上三十日未満
科料主刑千円以上一万円未満
没収付加刑一定の物を没収
  • 主刑の軽重は第9条の順序(死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料)による
  • 罰金を完納できない場合は1日以上2年以下、科料は1日以上30日以下、労役場に留置される
  • 没収は原則犯人以外の物に及ばないが、情を知って取得した物は例外的に没収できる
  • 拘留・科料のみに当たる罪では、特別規定がなければ没収できない(組成物は例外)
  • 死刑・無期拘禁刑を減軽した有期拘禁刑の長期は30年、加重は30年まで・減軽は1月未満まで
  • 未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入できる
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刑

刑について、条文は何を定めているか。

第9条刑の種類主刑と付加刑の種類を定める1項判例 28件
  • 主刑は死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料の5種類
  • 没収は付加刑として位置づけられる
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第10条刑の軽重刑の重さを比べる基準を定める3項判例 21件
  • 主刑の軽重は第9条〈刑の種類〉の順番(死刑が最も重い)による
  • 同種の刑は長期の長いもの・多額の多いものを重いとする
  • 長期・多額が同じときは犯情によって軽重を決める
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第11条死刑死刑の執行方法と拘置を定める2項判例 28件
  • 死刑は刑事施設内で絞首して執行する
  • 執行に至るまでは刑事施設に拘置する
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第12条拘禁刑拘禁刑の内容と期間を定める3項判例 5件
  • 拘禁刑は無期と有期があり、有期は一月以上二十年以下
  • 刑事施設に拘置する
  • 改善更生のため必要な作業・指導を行うことができる
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第13条削除された条文1項判例 1件
第14条有期拘禁刑の加減の限度有期拘禁刑を加減する際の上限・下限2項判例 1件
  • 死刑・無期拘禁刑を減軽した有期拘禁刑の長期は三十年
  • 加重するときは三十年まで上げられる
  • 減軽するときは一月未満まで下げられる
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第15条罰金罰金の金額の下限を定める1項判例なし
  • 罰金は一万円以上
  • 減軽する場合は一万円未満に下げられる
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第16条拘留拘留の期間と拘置を定める2項判例なし
  • 拘留は一日以上三十日未満
  • 刑事施設に拘置する
  • 改善更生のため必要な作業・指導を行うことができる
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第17条科料科料の金額の範囲を定める1項判例なし
  • 科料は千円以上一万円未満
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第18条労役場留置罰金・科料を払えない場合の労役場留置6項判例 16件
  • 罰金を完納できない場合は一日以上二年以下留置
  • 科料を完納できない場合は一日以上三十日以下留置
  • 罰金確定後三十日・科料確定後十日は承諾なく留置できない
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第19条没収没収できる物の範囲を定める2項・4号判例 23件
  • 犯罪の組成物・供用物・取得物・報酬・その対価物が対象
  • 没収は原則犯人以外の物には及ばない
  • 犯人以外でも情を知って取得した物は没収できる
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第19_2条追徴没収できない物の価額を追徴する1項判例なし
  • 第19条1項3号〈没収 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物〉・4号の物を没収できないとき価額を追徴できる
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第20条没収の制限拘留・科料のみの罪では没収を制限1項判例 4件
  • 拘留・科料のみに当たる罪は特別規定がなければ没収不可
  • ただし犯罪組成物(第19条1項1号〈没収 犯罪行為を組成した物〉)は没収できる
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第21条未決勾留日数の本刑算入未決勾留日数を刑に算入できる1項判例 44件
  • 未決勾留の日数は全部又は一部を本刑に算入できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第9条刑法

一 死刑選択の許される基準
二 無期懲役を言い渡した控訴審判決が検察官の上告により量刑不当として破棄された事例

裁判要旨一 死刑制度を存置する現行法制の下では、犯行の罪質、動機、態様ことに殺害の手段方法の執拗性・残虐性、結果の重大性ことに殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等各般の情状を併せ考察したとき、その罪責が誠に重大であつて、罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむをえないと認められる場合には、死刑の選択も許される。
二 先の犯行の発覚をおそれ、あるいは金品の強取するため、残虐、執拗あるいは冷酷な方法で、次々に四人を射殺し、遺族の被害感情も深刻である等の不利な情状(判文参照)のある本件においては、犯行時の年齢(一九歳余)、不遇な生育歴、犯行後の獄中結婚、被害の一部弁償等の有利な情状を考慮しても、第一審の死刑判決を破棄して被告人を無期懲役に処した原判決は、甚だしく刑の量定を誤つたものとして破棄を免れない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年7月8日 昭和56(あ)1505
登載
刑集 第37巻6号609頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点2第9条刑法

検察官の冒頭陳述中の被告人の余罪に関する部分が冒頭陳述として相当でないとされた事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年11月29日 昭和57(あ)1505
登載
集刑 第232号995頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑法240条,刑訴法296条,刑訴法411条2号
論点3第9条刑法

死刑を定める刑法の規定の合憲性

裁判要旨死刑を定める刑法の規定が憲法第一三条、第三一条、第三六条に違反しないことは、すでに当裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決、刑集二巻三号一九一頁)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年7月14日 昭和41(あ)2439
登載
集刑 第163号893頁
参照法条
憲法13条,憲法31条,憲法36条,刑法9条,刑法11条
論点4第9条刑法

関税法第一一八条にいわゆる犯人の意義。

裁判要旨関税法第一一八条にいわゆる犯人には、行為者のみならず、いわゆる両罰規定により処罰される法人または人をも包含するものと解するのを相当とする。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和38年5月22日 昭和34(あ)126
登載
刑集 第17巻4号457頁
参照法条
関税法118条1項,関税法118条2項,関税法117条,刑法8条,刑法9条,刑法20条
論点5第9条刑法

選挙権、被選挙権の停止は刑訴法第三八一条等の「刑の量定」に含まれるか

裁判要旨公職選挙法第二五二条にいう選挙権、被選挙権の停止は刑法にいわゆる刑ではないが、それに関する裁判所の裁量は刑訴第三八一条同第四一一条第二号にいわゆる「刑の量定」には含まれる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和37年8月23日 昭和37(あ)659
登載
刑集 第16巻8号1322頁
参照法条
公職選挙法252条,刑訴法381条,刑訴法411条2号,刑法9条,刑法10条
論点6第9条刑法

選挙権、被選挙権の停止、不停止は刑訴法第三八一条の「刑の量定」に含まれるか

裁判要旨公職選挙法第二五二条にいう選挙権、被選挙権の停止、不停止は刑法第九条、第一〇条にいわゆる刑ではないが刑訴法第三八一条の「刑の量定」には含まれる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年4月4日 昭和35(あ)2426
登載
刑集 第15巻4号709頁
参照法条
公職選挙法252条,刑法第9条,刑法第10条,刑訴法381条
論点7第9条刑法

一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八三条という「犯人」の意義
二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合と同法第八三条の没収、追徴

裁判要旨一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年第六一号)第八三条にいう「犯人」には両罰則定の適用を受くべき「法人」又は「人」をも含む。
二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第八三条の没収、追徴の言渡をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月28日 昭和31(あ)4042
登載
刑集 第13巻10号2806頁
参照法条
旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)83条,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)82条ノ3,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)76条,刑法8条,刑法9条,刑法20条
論点8第9条刑法

一 法人をたばこ専売法第七七条第七一条第一号第六六条第一項により処罰する場合と同法第七五条の没収、追徴
二 刑訴法第三三九号第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない事例
三 略式命令の請求による起訴の効力発生の時期

裁判要旨一 法人とたばこ専売法第七七条、第七一条、第六六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第七五条の没収、追徴の言渡ができる
二 法人の清算人が清算結了前に検察官から解散前の違反行為につき略式手続によることに異議がないかどうかを確められ、異議がない旨申述し、清算結了後、その登記前に略式命令の請求がなされている場合は、刑訴第三三九条第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない
三 略式命令の請求による起訴の効力は、その請求が裁判所に対してなされた時に発生し、略式命令の謄本が被告人に送達された時に生ずるのではないと解するのが相当である
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和32(あ)2199
登載
刑集 第12巻8号1611頁
参照法条
たばこ専売法77条,たばこ専売法71条1号,たばこ専売法66条1項,たばこ専売法75条,刑法8条,刑法9条,刑法20条,憲法31条,刑訴法339条1項4号,刑訴法256条,刑訴法461条,刑訴法462条,刑訴規則290条
論点9第9条刑法

一 証拠物の押収手続に弁護人に立会の機会を与えなかつた違法とその証拠能力
二 死刑およびその執行方法としての絞首刑の憲法第三六条にいう「残虐な刑罰」

裁判要旨一 所論摘示の証拠物の押収手続に所論のような弁護人に立会の機会を与えなかつた違法があつたとしても、第一審公判廷において証拠調する際被告人および弁護人等より何等異議の申立があることなく、適法に証拠調が施行されたものであること記録上明白であるから、第一審裁判所がこれを罪証に供したとしても違法ということはできない
二 所論は原判決の処断した刑法死刑の規定は憲法第三六条にいわゆる残虐な刑罰であつて、違憲であると主張する。しかし、現行の死刑制度が憲法に違反しないものであることは、当裁判所大法廷判決のしばしば判示したところであり(判例集二巻三号一九一頁以下、同五巻五号九二三頁以下、同六巻一号一〇四頁以下参照)、また、現在わが国の採用している方法による絞首刑が憲法三六条にいう「残虐な刑罰に当らないことも当裁判所大法廷の判例(昭和二六年(れ)第二五一八号、同三〇年四月六日大法廷判決、判例集九巻四号六六三頁以下参照)とするところであるから、論旨は採るを得ない
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年4月17日 昭和31(あ)442
登載
集刑 第124号253頁
参照法条
刑訴法113条2項,刑訴法306条,刑訴法309条,刑法9条,刑法11条1項,憲法36条,監獄法71条,監獄法72条
論点10第9条刑法

一 明治三八年法律第六六号第一条〈国内犯〉の法定刑は刑法第一四八条、第一四九条の法定刑に比し著しく均衡を失するか
二 明治三八年法律第六六号第一条の法定刑の減軽方法

裁判要旨一 明治三八年法律第六六号第一条〈国内犯〉の法定刑は刑法第一四八条、第一四九条の法定刑に比し著しく均衡を失するものではない。
二 右法律第一条の法定刑の減軽方法は刑法施行法第二一条により旧刑法の加減例の規定に従うべきであり、かつその法定刑中軽懲役を選択した上酌量減軽を行うことは適法である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年7月7日 昭和29(あ)3681
登載
刑集 第9巻9号1816頁
参照法条
外国ニ於テ流通スル貨幣紙幣銀行券証券偽造変造及模造ニ関スル法律(明治38年法律66号)1条,刑法148条,刑法149条,刑法施行法19条,刑法施行法21条,刑法施行法23条,旧刑法22条,旧刑法69条,旧刑法70条,旧刑法9条
論点11第9条刑法

第一審で懲役四月罰金一万円、第二審で懲役三月二年間刑の執行猶予及び罰金一万五千円を言渡した場合と不利益変更禁止の原則違反の有無

裁判要旨論旨は、原判決が不利益変更禁止の規定に反するというのであるが、何が不利益であるかは必ずしも刑訴九、一〇条〈刑の軽重〉の刑の順序に従うとのみはいえないけれども、これを全体として観察し、懲役刑が減軽されてその刑の執行が猶予された場合には罰金刑が増額されていても刑訴四〇二条に反しないこと明らかである(昭和二六年(れ)一八二六号同年一一月二七日第三小法廷判決刑集五、一三、二四五七頁参照)。所論は違憲の前提を欠く。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年9月21日 昭和28(あ)1109
登載
集刑 第98号701頁
参照法条
刑法9条,刑法10条,刑訴法411条,刑訴法402条
論点12第9条刑法

一 憲法違反の語を用いていても憲法違反の主張をするものと認められない一事例
二 選挙権、被選挙権の停止、不停止は刑訴第三八一条の「刑の量定」に含まれるか

裁判要旨一 如何なる理由により憲法の如何なる条項に違反するか述べていない上告趣意は、違憲の語を用いていても刑訴第四〇五条第一号の主張といえない。
二 公職選挙法第二五二条にいう選挙権、被選挙権の停止、不停止は刑法第九条第一〇条にいわゆる刑ではないが刑訴法第三八一条の「刑訴法の量定」には含まれるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年6月2日 昭和28(あ)5322
登載
刑集 第8巻6号794頁
参照法条
公職選挙法252条,刑訴法381条,刑法9条,刑法10条
論点13第9条刑法

一 憲法第三八條第三項にいわゆる本人の自白と刑訴法第三一九條第二項の意義
二 強盗の豫備をなしたものがその實行に着手した場合と強盗豫備罪の成否
三 死刑及無期懲役刑の合憲性−死刑と無期懲役刑との本質的相異
四 被告人が殺意を以て兇器を携え乘車勤務中の車掌に殺害を加えその懐中時計を強奪し進行中の列車から付き落した所爲に對する無期懲役刑の宣告と殘虐な刑罰
五 牽連犯の意義と罪數−銃砲等所持禁止令違反と強盗殺人未遂は牽連犯となるか

裁判要旨一 憲法第三八條第項三に所謂本人の自白には判決裁判所の公判廷における自白を含まないと解すべきことは、當裁判所の判例において展々判示したところであり、今この判例を變更する必要を認めない。新刑訴法が第三一九條第二項において公判廷における自白であつてもそれが被告人に不利益な唯一の證據である場合にはこれによつて有罪とされない旨の規定を新設したことは所論のとおりである。しかし、かゝる規定を設けたことの當否はしばらくこれを措くとしてこの規定は憲法第三八條第三項に對する所謂解釋規定ではなく自白偏重の弊害を矯正し被告人の人權を擁護せんとする憲法の根本精神をさらに擴充すると共に新刑訴法の指導原理たる當事者對等主義にも立脚して、自白が當事者である被告人の供述たる點を考慮してその證據能力について、新たな一の制限を設け公判廷における自白にまで及ぼしたものに過ぎないのである。それは丁度憲法第三八條第二項においては「強制拷問若しくは脅迫による自白又は不當に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」について證據能力を制限しているのを、新刑訴法第三一九條第一項においてはさらに擴充して「その他任意にされたものでない疑いのある自白」についても證據能力を制限するに至つたのと同様である。これ等は何れも憲法の基本精神を擴充しその線に沿つた法律改姓であつて、毫も憲法の趣旨に背反するものでないからその合憲性を有することは疑のないところである。されば憲法第三八條第三項の合理的解釋として示した判例の見解は毫も新刑訴法第三一九條第二項の規定と矛盾するところはなく今後も維持さるべきものである。従つて反對の見地に立つて右判例の變更を求める所論には賛同することはできない。
二 強盗の豫備をしたものかその實行に着手した以上それが未遂に終ると既遂になるとを問わずその豫備行爲は未遂または既遂の強盗罪に吸收されて獨立して所罰の對象となるものではない。本件において、原審は既に強盗殺人未遂罪を認定所斷したのであるから、もはや所論の豫備行爲は所罰の對象として獨立して審判さるべきものではないのである原判決の事實摘示は、獨立した強盗豫備罪を構成する罪となるべき事實を認定した意味ではなく單に被告人が本件犯行を爲すに至るまでの経過を示しその犯情の一端を明らかにする目的を以て認定掲記したに過ぎない。従つて原審が該事實に對し刑法第二三七條を適用しなかつたのはむしろ當然であり原判決には所論のような違法はない。
三 死刑そのものは憲法第三六條にいわゆる「殘虐な刑罰」に當らないとすることは當裁判所の判例とするところである(昭和二二年(れ)第一一九號昭和二二年三月一二日大法廷判決参照)。既に現行制度における死刑それ自体が然りとすれば同様に現行制度における無期懲役刑そのものも亦殘虐な刑罰といゝ得ないことは一層當然であろう。論旨は死刑はその與へる苦痛が瞬間的であるに反し、無期自由刑は犯人の生涯を通じ永續的に人間存在の前提ともいうべき自由を剥奪し、必要以上の精神的肉体的苦痛を與え死刑に比して却つて殘虐であるといわねばならないと主張する。無期自由刑が觀念的には−假出獄、刑の執行停止、恩赦等の制度のあることを度外視すれば−犯人の一生を通じその自由を剥奪せんとするものであることは所論のとおりであるが、欲に「命あつてのもの種」といわれるやうに、論旨が人間存在の前提であるとする自由そのものは實は生命の存在を前提とするものであり、生命の剥奪は、すべての自由の絶對的剥奪となる。人は本能的にその自由よりもその生命を尊重し、生命の剥奪を自由のそれにも増して嫌惡し恐怖するのが通常である。尤も特殊の人が特殊の事情の下に無期自由刑よりも死刑を選ぶようなこともないではないであろう。しかしそれはあくまで稀有な例外的事例に過ぎないのであつてこれを以て一般を律することはできない。さればわが刑法においても現代文明各國の立法例と共に死刑を以て最重の刑とし無期自由刑をこれに次くものとしているのである(刑法第一〇條参照〃のみならず科刑の目的は受刑者その人を對象とする特別豫防の他に社會を犯罪から防衛せんとする一般豫防の面もあるのであるから、刑の種類及び量の適否と要否とについてもこの兩者の立場から考察されなければならない。そして又犯罪と犯人とがその型と質とを異にするに従いこれに對應する刑罰も亦その量及種類を異にせざるを得ないのである。死刑の以てしては過酷に失し有期の自由刑を以てしてはなお足りないとする場合もあり得るのであるから、法律が無期自由刑を認めたからというて、唯特殊の受刑者の個人的立場からのみこれを目して必要以上にその精神的肉体的苦痛を與へる殘虐な刑罰を規定するものとし、違憲であると斷じ去ることはできない。しかも近時における行刑制度は素朴な應報刊主義の見地のみによらず教育刑主義にも立脚して組織され運用されているのである。すなわち現代の行刑は、無期自由刑の受刑者に對してもでき得る限りその物心兩生活においてその反省の機會を與え人間生活の廣さと深さとを味得せしめてその更生を誘致すべく努力するのである。所論は人間の生命に對する本能を顧みず刑の眞義と行刑の實情とを正規しない偏見に過ぎない。この要旨に對する裁判官斎藤悠輔同澤田竹治郎の意見あり。
四 原審認定事實によれぼ被告人は乘者勤務中の車掌を殺害してその所持する運輸省貸與の懐中時計を強奪しようと決意し、昭和二三年四月二三日ハンマー及び匕首を携えてa驛から常磐線下り貨物列車の最後部車掌室に、車掌Aの承諾を得て乘込み同日午後一〇時半頃突如Aの前頭をハンマーで殴打し、次いで匕首をふるつて同人の肩、顔面その他を數回突刺し又は斬付けて重傷を負はせてから、同人の所持していた運輸省貸與の懐中時計及びその鎖を強奪した上、同人を進行中の列車から車外に突落したが、殺害の目的を遂げなかつたというのである。原審は、この事實にもとづき刑法第二四〇條後段第二四三條を適用し、未遂減輕をしないで無期懲役を撰擇所斷した。その未遂減輕をしなかつたのは本件犯情を斟酌した結果であつて未遂減輕が事實審の裁定に委ねられている現行法においては、直ちにこれを違法とはいゝ得ない。そしてまた原判決にはその量刑においても實驗則に背反したと認むべきかどもなく、まして人道に悖る殘虐な科刑をしたものと到底は認め得ないのである。所論は畢竟事實審である原審の裁量權の範圍内において適法になした量刑を非難するに歸着するもので採用に値しない。

五 牽連犯は元來數罪の成立があるのであるが、法律がこれを處斷上一罪として取扱うこととした所以は、その數罪間にその罪質上通例その一方が他方の手段又は結果となるという關係があり、しかも具体的にも犯人がかゝる關係においてその數罪を實行したような場合にあつてはこれを一罪としてその最も重き罪につき定めた刑を以て處斷すれば、それによつて輕き罪に對する處罰をも充し得るのを通例とするから、犯行目的の單一性をも考慮して、もはや數罪としてこれを處斷するの必要なきものと認めたことによるものである。従つて數罪が牽連犯となるためには犯人が主観的にその一方を他方の手段又は結果の關係において實行したというだけでは足らず、その數罪間にその罪質上通例手段結果の關係が存在すべきものたることを必要とするのである。然るに所論銃砲等所持禁止令違反の罪と強盗殺人未遂罪とは、必ずしもその罪質上通常手段又は結果の關係あるべきものとは認め得ないのであるから、たとえ、本件において被告人が所論強盗殺人未遂罪實行の手段として匕首不法所持罪を犯したものとしても、その一事だけで右兩面の罪を牽連犯とみることはできない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和24年12月21日 昭和23(れ)2063
登載
刑集 第3巻12号2048頁
参照法条
憲法38条3項,憲法36条,刑訴法319条2項,刑法237条,刑法236条,刑法9条,刑法11条,刑法12条,刑法240条,刑法243条,刑法54条,銃砲等所持禁止令1条
論点14第9条刑法

女子高校生に強いてわいせつな行為をして殺害したとして起訴された事案につき,目撃証言の信用性を否定するなどして事実誤認を理由に有罪(無期懲役)の第1審判決を破棄し無罪とした原判決が是認された事例(舞鶴女子高校生殺害事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成26年7月8日 平成25(あ)169
登載
集刑 第314号99頁
参照法条
刑法9条,刑法181条1項,刑法176条前段,刑法199条,刑訴法382条,刑訴法397条1項,刑訴法411条3号
論点15第9条刑法

殺人1件,傷害致死1件等の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例(中国人妻による替え玉殺人事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成25年11月11日 平成23(あ)881
登載
集刑 第312号7頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑法205条,刑訴法411条2号
論点16第9条刑法

被害者1名の強盗殺人等の事案につき無期懲役の量刑が維持された事例(名古屋闇サイト殺人事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年7月11日 平成23(あ)844
登載
集刑 第308号91頁
参照法条
刑法9条,刑法240条,刑訴法411条2項
論点17第9条刑法

長崎市長を射殺した事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年1月16日 平成21(あ)1877
登載
集刑 第307号81頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点18第9条刑法

家族に対する殺人5件,殺人未遂1件の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例(反対意見がある。)(岐阜中津川家族殺害事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成24年12月3日 平成22(あ)402
登載
集刑 第309号1頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑法203条,刑訴法411条2号
論点19第9条刑法

強盗殺人事件等に関する無期懲役の確定裁判のある被告人が,同事件の13日後に犯した被殺者1名の住居侵入,強盗殺人の事案(確定裁判の余罪)につき,無期懲役の量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年12月17日 平成23(あ)494
登載
集刑 第309号213頁
参照法条
刑法9条,刑法50条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点20第9条刑法

殺人1件,被害者に重傷を負わせた殺人未遂2件等の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例(愛知の立て籠もり発砲事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年3月22日 平成21(あ)1802
登載
集刑 第303号535頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点21第9条刑法

6名を殺害し,1名を死に致すなどした殺人,傷害致死等被告事件につき,被告人を無期懲役に処した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとまでは認められないとされた事例(反対意見がある。)(北九州連続監禁殺人等事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年12月12日 平成19(あ)2276
登載
集刑 第306号695頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑法205条,刑訴法411条2号
論点22第9条刑法

保険金目的による被殺者2名の殺人の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年1月14日 平成17(あ)2621
登載
集刑 第296号1頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点23第9条刑法

強盗殺人1件,強盗致死・強盗致傷1件等の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成21年12月17日 平成19(あ)746
登載
集刑 第299号1275頁
参照法条
刑法9条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点24第9条刑法

被殺者2名の殺人,強盗殺人等の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例(静岡大学生強殺事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成20年9月29日 平成19(あ)1317
登載
集刑 第295号135頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点25第9条刑法

殺人,強姦致死等の懲役前科3犯を有する者に対するわいせつ致死,殺人被告事件につき,無期懲役とした量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成20年4月21日 平成19(あ)885
登載
集刑 第294号149頁
参照法条
刑法9条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点26第9条刑法

被殺者2名の強盗殺人等被告事件につき,多数意見では被告人2名を無期懲役に処した第1審判決を維持した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないとされたが,1名の被告人について,2裁判官による量刑不当との反対意見が付された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成20年2月20日 平成18(あ)417
登載
集刑 第293号119頁
参照法条
刑法9条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点27第9条刑法

強盗殺人1件,被害者を深刻な認知症に至らしめた強盗殺人未遂1件等の事案につき,無期懲役の量刑が維持された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成20年11月4日 平成18(あ)746
登載
集刑 第295号239頁
参照法条
刑法9条,刑法240条,刑法243条,刑訴法411条2号
論点28第9条刑法

強盗殺人等被告事件につき,無期懲役に処した第1審判決を維持した控訴審判決を破棄しなければ著しく正義に反するとまでは認められないとされた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年7月15日 平成12(あ)690
登載
集刑 第287号571頁
参照法条
刑法9条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点29第10条刑法

昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決と破棄

裁判要旨昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決は、刑法六条〈刑の変更〉に違反したものであり、被告人に不利益であるから、破棄すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年4月16日 昭和45(さ)1
登載
集刑 第176号203頁
参照法条
刑法の一部を改正する法律(昭和43年法律61号),刑法6条,刑法10条,刑法211条,刑訴法458条
論点30第10条刑法

法定刑が同一である数個の罪が一所為数法の関係にある場合における法令適用の判示方法

裁判要旨法定刑が同一である数個の罪が一所為数法の関係にある場合には、法令適用の判示として、単に刑法五四条一項前段、一〇条を示しただけで、そのいずれの罪の刑が最も重いかを明示しないでも、必ずしも違法とはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年11月26日 昭和45(あ)687
登載
刑集 第24巻12号1699頁
参照法条
刑法54条1項前段,刑法10条
論点31第10条刑法

刑訴法第四〇二条に反しないとされた事例

裁判要旨第一審が被告人に対し禁錮一〇月の刑を言い渡したのを第二審が懲役八月に変更しても、第一審判決を被告人に不利益に変更したとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年11月14日 昭和43(あ)921
登載
刑集 第22巻12号1343頁
参照法条
刑訴法402条,刑法10条1項
論点32第10条刑法

公職選挙法違反罪において一個の行為にして法定外文書の頒布につき単純一罪を、金銭供与申込につき数罪を構成する場合の適条。

裁判要旨被告人の本件所為中、法定外選挙運動文書の頒布は単純一罪を、各供与申込は被申込人ごとに一罪を構成し、頒布罪と供与申込罪とは一個の行為にして数個の罪名に触れる場合であるから、刑法第五四条第一項〈一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理〉前段により、結局全部一罪として処断すべき場合に該当し、この点に関する第一、二審の判示は正当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年9月10日 昭和40(あ)611
登載
集刑 第156号381頁
参照法条
公職選挙法142条,公職選挙法221条,公職選挙法243条3号,刑法54条1項,刑法10条
論点33第10条刑法

第二審判決と不利益変更の禁止。

裁判要旨所論は、原判決は刑訴法第四〇二条の定める不利益変更禁止の原則に違反するとして、判例違反を主張するが、本件強盗殺人の法定刑のうち、第一審は無期懲役刑を選択、処断したものであるのに対し原審は死刑を選択し、第一審の認めなかつた被告人の犯行当時における心神耗弱の事実を認め、法定減軽の上無期懲役刑を宣告したものであることは各判文に徴して明らかである。従つて第一審判決、原判決の各宣告刑はいづれも無期懲役刑であつて、後者が前者の刑より重い刑を言渡したという関係にはないのであり、刑訴法第四〇二条に違反するかどうかは、言渡刑について判断すべきものであるから、右各選択の比較のみに頼つて原判決を非難する所論は失当である(昭和二三年(れ)第七四八号同年一一月一六日第三小法廷判決、刑集二巻一二号一五四三頁参照)。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和39年7月14日 昭和39(あ)61
登載
集刑 第152号247頁
参照法条
刑訴法402条,刑法10条,刑法39条,刑法68条
論点34第10条刑法

刑訴法第四〇二条に違反しないとされた事例。

裁判要旨第一審が被告人に対し禁錮二年六月の刑を言い渡したのを第二審が懲役二年に変更しても、第一審判決を被告人に不利益に変更したとはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年5月7日 昭和38(あ)1657
登載
刑集 第18巻4号136頁
参照法条
刑法10条1項,刑訴法402条
論点35第10条刑法

一 公職選挙法第二二一条第一項第一号の「供与の申込罪」
二 立候補届出前に戸別訪問をなし、その際金品等の供与又は供与の申込をなした所為に対する適条。

裁判要旨一 公職選挙法第二二一条第一項第一号の供与申込罪は、同号所定の目的をもつて相手方に対し、金品等を供与する意思を表示し、該意思が相手方に到着することにより成立するものであつて、右供与の意思表示は明示たることを要せず、その意思あるものと認められる金品等提供の方法でこれをなすことを妨けず、又右意思表示の到達とは、相手方自信が直接これを受けて了知する場合は勿論、相手方において了知し得べき客観的状態に置かれたときもこれに包含されるものと解すべきである。
二 立候補届出前に個別訪問をなし、その際金品等の供与又は供与の申込をなしたときは、戸別訪問と事前運動並びに供与又は供与の申込は一個の行為にして数個の罪名に触れる場合であり、右戸別訪問は包括一罪であるから、結局刑法第五四条第一項前段、第一〇条により全部一罪として最も重い供与又は供与の申込罪の刑に従い処断すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年5月26日 昭和35(あ)2643
登載
刑集 第15巻5号871頁
参照法条
公職選挙法221条1項1号,公職選挙法129条,公職選挙法138条,公職選挙法239条,刑法54条,刑法10条
論点36第10条刑法

一個の道路交通取締法違反(居眠り運転)行為と二個の刑法第二一一条にあたる行為とがそれぞれ想像的競合犯の関係にある場合とその擬律

裁判要旨一個の道路交通取締法違反(居眠り運転)行為と二個の刑法第二一一条にあたる行為とがそれぞれ想像的競合犯の関係にある本件の場合には、刑法第五四条第一項〈一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理〉前段第一〇条〈刑の軽重〉を適用し一罪としてその最も重い刑に従い処断すべきものである
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年4月10日 昭和32(あ)2377
登載
刑集 第12巻5号877頁
参照法条
刑法10条,刑法54条1項前段,刑法211条,道路交通取締法7条1項,道路交通取締法2項3号,道路交通取締法28条1号
論点37第10条刑法

第一審判決の不定期刑を第二審判決で定期刑に変更する場合における刑の軽重の比較

裁判要旨第一審判決の不定期刑を第二審判決で定期刑に変更する場合において、両者の刑の軽重は、右第一審判決の不定期刑の中間位を標準とし、これを定期刑の刑期と比較対照して、その長い方を重いとする、いわゆる中間位説に従つて決すべきものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年9月18日 昭和32(あ)1544
登載
刑集 第11巻9号2353頁
参照法条
刑法10条,少年法52条,刑訴法402条
論点38第10条刑法

一 関税法による没収および追徴の性質
二 関税法の没収および追徴の規定の趣旨
三 想像的競合の関係にある数罪の処断と、没収または追徴の附加

裁判要旨一 昭和二七年法律第一九八号による改正後の関税法第八三条による没収および追徴は、国家が同法規に違背して輸入したる貨物またはこれに代るべき価額が犯則者の手に存在することを禁止し、もつて密輸入の取締を厳に励行せんとする趣旨に出たものであつて、被告人をして不正の利益を獲得せしめざるがため、これを剥奪することを本旨とするものではない。
二 右同条の規定は、刑法第一九条〈没収〉および第一九条の二〈追徴〉の規定に対する特則であつて、いわゆる必要的没収または追徴を定めたものである。
三 想像的競合の関係にある数罪が刑法第五四条第一項前段の規定により、その最も重い刑をもつて処断される場合においては、その最も重い罪について没収または追徴を附加すべき旨の規定がないときでも、その他の罪につきその旨の規定が存する限り、これを附加することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年7月19日 昭和29(あ)3590
登載
刑集 第11巻7号1996頁
参照法条
憲法29条,憲法31条,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)75条,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)76条ノ2,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)83条,刑法19条,刑法19条ノ2,刑法10条,刑法49条,刑法54条,刑法256条2項
論点39第10条刑法

一 飼犬が所有者の事実上の支配を及ぼし得ない地域に出遊した場合とその所持
二 法定刑(懲役刑)を同じくするが種類を異にする数個の犯罪を併合加重する場合と法令適用の判示方

裁判要旨一 飼犬が時に所有者の事実上の支配を及ぼし得べき地域外に出遊した場合でも、その習性として所有者の許に帰来するのを常としているものは、特段の事情の生じないかぎり、所有者の所持を離れたものということはできない。
二 窃盗、傷害(懲役刑選択)、恐喝の三罪につき併合罪の加重をする場合、いずれの罪を最も重いと認めて加重をしたかを明示しなくとも、必ずしも違法ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年7月16日 昭和30(あ)2908
登載
刑集 第11巻7号1829頁
参照法条
刑法235条,刑法47条,刑法10条,刑訴法335条1項
論点40第10条刑法

犯罪の軽重を判示しないことが違法でない一事例

裁判要旨法定刑が同一である三四個の併合罪につき法定の加重をする場合において、刑法第四七条〈有期拘禁刑の加重〉、第一〇条〈刑の軽重〉の適用を示しているときは、いずれの罪の犯情が最も重いかを判文に明示しなくても違法ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和32年11月5日 昭和32(あ)1903
登載
集刑 第122号43頁
参照法条
刑法45条,刑法47条,刑法10条,刑訴法335条1項
論点41第10条刑法

一 予備罪と中止未遂の関係
二 第一審判決の不定期刑を第二審が定期刑にする場合と旧刑訴第四〇三条

裁判要旨一 予備罪には中止未遂の観念を容れる余地がない。
二 第一審が旧少年法第八条に従い、懲役二年六月以上四年以下の不定期刑を言い渡した被告人が控訴の申立をした事件において、第二審がその判決時において既に成人となつていた被告人に対し、右不定期刑の中間位である三年三月より重い懲役四年の定期刑を言い渡したときは旧刑訴第四〇三条に違反する。註。田中、井上、谷村各裁判官は中間説に同調
裁判
最高裁判所大法廷 昭和29年1月20日 昭和24(れ)1881
登載
刑集 第8巻1号41頁
参照法条
刑法43条,刑法237条,刑法10条,旧刑訴法403条,旧少年法8条
論点42第10条刑法

一 刑訴第四一一条にあたらない一事例
二 旧刑訴法事件の控訴審及び上告審に於ける審判の特例に関する規則(昭和二五年最高裁判所規則第三〇号)第八号にいわゆる「法令を掲げれば足りる」の適用

裁判要旨一 裁判長が被告人に対し旧刑訴第三四七条第二項による告知をしなくても、各個の証拠につき取調を終える毎に被告人に対し意見の有無を尋ねており、最後に弁護人から「他に立証等ない。」と答えている以上、原判決に刑訴第四一一条にあたる事由あるとはいえない。
二 旧刑訴法事件の上告審に於ける審判の特例規則第八条には、法令を掲げれば足りるとあるから想像的競合についていずれに対する法益の侵害が犯情重いかについて説明する必要はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年3月28日 昭和26(れ)2152
登載
刑集 第6巻3号566頁
参照法条
旧刑訴法347条2項,旧刑訴法360条1項,刑訴法411条,刑法54条1項前段,刑法10条,旧刑訴事件の上訴審における審判の特例規則8条
論点43第10条刑法

数個の恐喝罪と暴行罪(懲役刑選撰)とを併合加重する場合の法令適用の判示方

裁判要旨数個の恐喝罪と一個の暴行罪(懲役刑選択)とを併合加重するにあたつては、何れの罪が最も重いかを明示説明しなくても、必ずしも違法でない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和27年10月2日 昭和26(あ)4561
登載
刑集 第6巻9号1100頁
参照法条
刑法249条,刑法208条,刑法45条,刑法47条,刑法10条,刑訴法335条
論点44第10条刑法

一 刑法第六条〈刑の変更〉違背と著しく正義に反すると認むべき場合
二 被告人の控訴及び上告に係る事件において上告審が第一、二審判決を破棄自判する場合と未決勾留日数の法廷通算

裁判要旨一 職権を以て調査すると、第一審判決の認定によれば、被告人の本件賍物運搬の犯行は、昭和二四年一月一七日頃であつて、未だ罰金等臨時措置法が施行されていない時のことである。従つて、第一審としては、この点につき、犯行後刑の変更があつた場合として、刑法第六条〈刑の変更〉第一〇条〈刑の軽重〉により、行為時法と裁判時法について所定刑の軽量を比照した上、軽い行為時法を適用し、罰金刑については一〇〇〇円以下で量定しなければならなかつた筋合である。しかるに第一審判決が、事茲に出でず、直に裁判時法を適用して被告人に対して被告人に対し罰金一万円を量定し、原判決も亦この瑕疵を看過したのは、共に違法であるといわなければならない。よつて刑訴第四一一条第一号、第四一三条第一八一条〈不同意わいせつ等致死傷〉により、第一審判決中の有罪部分及び原判決を破棄する。
二 被告人が控訴しさらに上告した事件において、上告審が第一、二審判決を破棄自判した場合には、第一審判決後の未決勾留日数は刑訴法第四九五条によりすべて本刑に通算さるべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月20日 昭和26(あ)1400
登載
刑集 第5巻8号1604頁
参照法条
刑法6条,刑法10条,刑訴法411条1号,刑訴法495条
論点45第10条刑法

第一審において懲役四月及罰金五万円を言渡し第二審において罰金一五万円を言渡した場合と不利益変更の禁止

裁判要旨本件において一審判決は被告人に対し懲役四月及罰金五万円に処する。但懲役刑については一年間その執行を猶予する旨を言渡したに対し、原審は、罰金十五万円に処する旨の判決を言渡したのであつて、懲役刑が罰金刑よりも重い刑であることは刑法第一〇条の明定するところであるから、右原審の刑を以て第一審の刑よりも重いとすることはできない。従つて論旨は理由がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年1月26日 昭和24(れ)2529
登載
集刑 第39号767頁
参照法条
旧刑訴法403条,刑法10条
論点46第11条刑法

一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合における死刑の時効の進行の有無
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することと憲法三六条にいう「残虐な刑罰」

裁判要旨一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合には、死刑の時効は進行しない。
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続したのちに死刑を執行することは、憲法三六条にいう「残虐な刑罰」に当たらない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年7月19日 昭和60(ク)256
登載
集民 第145号271頁
参照法条
刑法11条,刑法32条1号,刑法33条,刑法34条1項,刑訴法475条,刑訴法479条,憲法36条
論点47第11条刑法

デイーゼル・エンジン自動車の運転者の失火と業務上失火罪の成否

裁判要旨自動車に装置したデイーゼル・エンジンの排気管は、運転中著しく高温となり、これに可燃物が接触すると火災発生の危険があるのに、運転者が、排気管と接触するおそれのある状態で運転席の床にゴム板を装着し、また、運転中ゴム板の燻焦する臭気を感知したにもかかわらず、そのまま運転を継続したため、火災が発生した場合には、業務上失火罪が成立する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年12月20日 昭和45(あ)1809
登載
刑集 第25巻9号1086頁
参照法条
刑法11条ノ2,刑法116条2項
論点48第11条刑法

一 甲事件について起訴勾留中の被告人を乙事件の被疑者として取り調べることの合憲性
二 甲事件につき起訴勾留された被告人を乙事件の被疑者として約三九日間連続約五〇回にわたり取り調べたことと憲法第三八条第一項にいう「不利益な供述の強要」
三 憲法第三八条第二項にいう「強制拷問による自白」にあたらない一事例
四 憲法第三八条第二項にいう「不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」にあたらない一事例
五 絞首刑の合憲性
六 被告人の証人審問権と事件に関連性のない発問の禁止

裁判要旨一 検察官が、まず甲事件について起訴勾留の手続をとつた後、右勾留中の被告人を乙事件の被疑者として取り調べたとしても、検察官においてはじめから乙事件の取調に利用する目的または意図をもつて、ことさらに甲事件を起訴し、かつ不当に勾留を請求したものと認められない場合には、右取調をもつて直ちに自白を強制し、不利益な供述を強要したものということはできない。
二 甲事件を理由として勾留された被告人を、検察官が乙事件の被疑者として約三九日間連続約五〇回にわたり取り調べたからといつて、右取調をもつて直ちに不利益な供述を強要したものということはできない。
三 判示のような特異な性格を有する者が、検察官から判示のように取り調べられて、犯行を自白したからといつて、その自白をもつて、憲法第三八条第二項にいう「強制拷問による自白」ということを得ない。

四 昭和二三年八月二一日小樽市において乙事件の被疑者として逮捕され東京都に護送された後、起訴前の処分により勾留され、その後の取調により発覚した甲事件につき同年九月三日起訴され、翌四日右事件につき発せられた勾留状によつて引続き勾留されて来た被告人が、検察官の約一ケ月連続三十数回にわたる取調の後、同月二三日より翌一〇月九日までの間に、乙事件について自白した場合においても、事案の内容が極めて複雑で、かつ被告人の著しい特異性格から生ずる虚言癖に煩わされて取調に日時を要したものであり、その間検察官において相当の証人参考人を取り調べたというような特別の事情のある場合には、右自白をもつて憲法第三八条第二項にいう「不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」ということはできない。
五 現在わが国の採用している方法による絞首刑は憲法第三六条にいう「残虐な刑罰」にあたらない。
六 証人の取調に際し、裁判長が訴訟指揮権に基いて、事件に関連性のない被告人の発問を制限しても、憲法第三七条第二項に違反しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年4月6日 昭和26(れ)2518
登載
刑集 第9巻4号663頁
参照法条
憲法38条1項,憲法38条2項,憲法36条,憲法37条2項,刑訴応急措置法10条1項,刑訴応急措置法10条2項,刑訴応急措置法11条2項,刑法11条1項,監獄法71条,監獄法72条,刑訴法294条,刑訴法295条,旧刑訴法205条1項,裁判所構成法104条1項,裁判所構成法108条
論点49第11条刑法

一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合における死刑の時効の進行の有無
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続した後に死刑を執行することと憲法三六条にいう「残虐な刑罰」

裁判要旨一 死刑の確定裁判を受けた者が刑法一一条二項に基づき拘置されている場合には、死刑の時効は進行しない。
二 死刑の確定裁判を受けた者につき長期間にわたる拘置を継続した後に死刑を執行することは、憲法三六条にいう「残虐な刑罰」に当たらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成4年7月14日 昭和62(オ)311
登載
集民 第165号233頁
参照法条
刑法11条2項,刑法32条,刑法33条,刑法34条,憲法36条
論点50第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(堺市連続強盗殺人事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成31年2月12日 平成28(あ)1485
登載
集刑 第325号1頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号
論点51第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(愛知一家強盗殺傷事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成30年9月6日 平成27(あ)1585
登載
集刑 第323号39頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号
論点52第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(資産家夫婦強盗殺人事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成30年12月21日 平成28(あ)543
登載
集刑 第324号23頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号
論点53第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(鳥取連続不審死事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成29年7月27日 平成26(あ)589
登載
集刑 第322号1頁
参照法条
刑法11条,刑法240条,刑訴法411条2号,刑訴法411条3号
論点54第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(首都圏連続不審死事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年4月14日 平成26(あ)639
登載
集刑 第321号83頁
参照法条
刑法11条,刑法199条,刑訴法411条2号,刑訴法411条3号
論点55第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(大阪ドラム缶遺体事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年12月8日 平成27(あ)120
登載
集刑 第322号57頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号,刑訴法411条3号
論点56第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(長崎ストーカー殺人事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成28年7月21日 平成26(あ)1160
登載
集刑 第320号395頁
参照法条
刑法11条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点57第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(元少年石巻殺傷事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成28年6月16日 平成26(あ)452
登載
集刑 第320号99頁
参照法条
刑法11条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点58第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(山形東京連続放火殺人事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成28年6月13日 平成26(あ)1655
登載
集刑 第320号1頁
参照法条
刑法11条,刑法108条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点59第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(長野一家3人強盗殺人事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成28年4月26日 平成26(あ)477
登載
集刑 第319号307頁
参照法条
刑法11条,刑法240条,刑訴法411条2号
論点60第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(福島夫婦強盗殺人事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成28年3月8日 平成26(あ)959
登載
集刑 第319号163頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号
論点61第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(大阪パチンコ店放火殺人事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成28年2月23日 平成25(あ)1329
登載
集刑 第319号1頁
参照法条
刑法11条,刑法108条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点62第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(愛知の夫婦強盗殺人等事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 令和元年7月19日 平成28(あ)1889
登載
集刑 第326号193頁
参照法条
刑法11条,刑法(平成16年法律第156号による改正前のもの)240条後段,刑訴法411条2号
論点63第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(山口周南市連続殺人放火事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和元年7月11日 平成28(あ)1508
登載
集刑 第326号133頁
参照法条
刑法11条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点64第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(日立妻子6人殺害事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 令和7年2月21日 令和5(あ)541
登載
―
参照法条
刑法11条、刑法199条、刑訴法411条2号
論点65第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(遺体なき殺人事件)

裁判
最高裁判所第二小法廷 令和5年7月3日 令和3(あ)855
登載
集刑 第332号79頁
参照法条
刑法11条、刑法199条、刑訴法411条2号
論点66第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(マニラ保険金殺人事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和5年6月5日 令和2(あ)124
登載
集刑 第332号27頁
参照法条
刑法11条、刑法199条、刑訴法411条2号
論点67第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(元警官妻子3人殺害事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和5年12月8日 令和3(あ)1399
登載
集刑 第332号309頁
参照法条
刑法11条、刑法199条、刑訴法411条2号
論点68第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(連続青酸不審死事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和3年6月29日 令和1(あ)953
登載
集刑 第329号101頁
参照法条
刑法11条,刑法199条,刑訴法411条2号
論点69第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(干物店強盗殺人事件)

裁判
最高裁判所第一小法廷 令和3年1月28日 平成30(あ)1270
登載
集刑 第329号1頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号,刑訴法411条3号
論点70第11条刑法

死刑の量刑が維持された事例(前橋市連続強盗殺人事件)

裁判
最高裁判所第三小法廷 令和2年9月8日 平成30(あ)318
登載
集刑 第328号41頁
参照法条
刑法11条,刑法240条後段,刑訴法411条2号
論点71第12条刑法

無期懲役と未決勾留日数の算入。

裁判要旨被告人を無期懲役に処する場合においても、未決勾留日数を本刑に算入することができないものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年10月10日 昭和36(あ)1299
登載
集刑 第139号545頁
参照法条
刑法12条,刑法21条
論点72第12条刑法

無期懲役刑の合憲性

裁判要旨無期懲役刑は憲法第一三条第三一条に違反しない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和31年12月25日 昭和31(あ)3215
登載
刑集 第10巻12号1711頁
参照法条
刑法12条,憲法13条,憲法31条
論点73第12条刑法

一 連合国最高司令官の覚書による連合国人に対する裁判権停止期間中に犯された連合国人の犯罪を裁判権回復後に審判することと憲法第三九条
二 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条
三 無期懲役刑と未決勾留日数の通算
四 無期懲役刑の言渡と刑法第五条但書による刑の執行の減軽

裁判要旨一 わが国が連合国最高司令官の覚書により連合国人に対し裁判権を行うことを得なかつた期間内に連合国人によつて犯された犯罪に対し、わが国が裁判権を回復した後においてこれを審判することは、事後立法禁止に関する憲法第三九条の規定に違反するものではない。
二 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重ねてわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。
三 無期懲役刑にも未決勾留日数を通算することができる。
四 無期懲役刑に処する場合においても、刑法第五条〈外国判決の効力〉但書に従い「刑ノ執行ヲ減軽」することを要するものと解すべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年6月1日 昭和29(あ)215
登載
刑集 第9巻7号1103頁
参照法条
憲法31条,憲法39条,刑法21条,刑法12条1項,刑法5条
論点74第12条刑法

無期懲役と憲法の禁ずる「残虐な刑罰」

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成20年4月22日 平成20(あ)268
登載
集刑 第294号209頁
参照法条
憲法36条,刑法12条
論点75第13条刑法

禁錮刑と憲法第二七条第一項。

裁判要旨法律により犯罪者に対し自由刑の一種として禁錮刑を定めることは憲法第二七条第一項に牴触するものではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和33年9月10日 昭和31(あ)38
登載
刑集 第12巻13号2897頁
参照法条
憲法27条1項,刑法13条,監獄法26条
論点76第14条刑法

一、併合罪の刑の加重をするにあたり刑法一四条を適用しなかつた違法と判決に及ぼす影響
二、公判調書中の「公判をした裁判所及び裁判官」欄ならびに「裁判所書記官」欄の各記載が単なる誤記と認められた事例

裁判要旨一 第一審判決に、併合罪の刑の加重をするにあたり刑法一四条を適用しなかつた違法があつても、被告人に対するその宣告刑が正当な処断刑の範囲内にあり、かつ、被告人の犯罪事実の内容その他情状に徴し右宣告刑が重きに過ぎるものと認められないときは、右違法が判決に影響を及ぼすこと明らかであるとはいえない。
二 第一審第九回公判調書中の「公判をした裁判所及び裁判官」欄に「金沢地裁小松支部乙」とあり、また「裁判所書記官」欄に「甲」とあるのは、同公判調書の末尾に作成者として金沢地方裁判所小松支部裁判所書記官乙の署名および押印があり、また、裁判官認印欄に「甲」の認印があること、ならびに第一審のその余の公判調書および判決書の各記載に徴すれば、それぞれ「金沢地方裁判所小松支部甲」および「乙」の単なる誤記にすぎないと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年2月16日 昭和47(あ)1193
登載
刑集 第27巻1号46頁
参照法条
刑法14条,刑訴法335条1項,刑訴法380条,刑訴法48条,刑訴法52条,刑訴規則44条
論点77第18条刑法

未決勾留と労役場留置の執行とが競合する場合においてその未決勾留日数を本刑に裁定算入することの適否

裁判要旨勾留と競合して罰金刑の帰刑処分たる労役場留置の執行が行なわれた場合には、自由刑の執行が競合して行なわれた場合と同様、その勾留日数を刑法第二一条により本刑に算入することは違法と解すべきである(昭和二九年(あ)第三八九号同三二年一二月二五日大法廷判決、刑集一一巻一四号三三七七頁参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年5月26日 昭和41(あ)1878
登載
集刑 第163号435頁
参照法条
刑法21条,刑法18条,刑訴法411条1号
論点78第18条刑法

刑法第一八条〈労役場留置〉は憲法第一三条、第一四条に違反するか。

裁判要旨刑法一八条〈労役場留置〉が憲法一三条、一四条に違反するものでないことは、当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第一八九〇号、同二五年六月七日大法廷判決、刑集四巻六号九五六頁)の趣旨に徴し明らかである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年12月15日 昭和36(あ)2081
登載
集刑 第140号465頁
参照法条
刑法18条,憲法13条,憲法14条
論点79第18条刑法

刑法第一八条〈労役場留置〉の合憲性。

裁判要旨一 罰金不完納の場合の労役場留置は、憲法一八条にいう「犯罪による処罰」に当たることは明白であるから、刑法一八条〈労役場留置〉が憲法一八条に違反するとなし得ないことは自から明らかである。
二 刑法一八条が憲法一一条一三条に違反するものでないことも昭和二四年(れ)第一八九〇号、同二五年六月七日大法廷判決(刑集第四巻六号九六一頁)および昭和二三年(れ)第一四二六号、同二四年一〇月五日大法廷判決(刑集三巻一〇号一六四八頁)の趣旨に徴し明らかである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年3月25日 昭和32(あ)1581
登載
集刑 第132号739頁
参照法条
憲法11条,憲法13条,憲法18条,刑法18条
論点80第18条刑法

刑訴法第四〇二条に違反する事例。

裁判要旨第一審が被告人を判示第一の事実につき罰金一万二千円に、第二の事実につき罰金一万五千円に処し、右罰金を完納することができないときは金五百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべき旨の判決を言い渡し、これに対して被告人より控訴の申立があつた場合、控訴審が右第一審判決を破棄し、被告人を原判示第一および第二の事実につき各罰金一万円に処し、右罰金を完納することができないときは金二百五十円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置すべき旨の判決を言い渡したときは、刑が被告人に重く変更されたものといわなければならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年9月30日 昭和31(あ)4247
登載
刑集 第12巻13号3190頁
参照法条
刑訴法402条,刑法18条
論点81第18条刑法

刑法第一八条〈労役場留置〉は、憲法第一一条、第一三条、第一八条に違反するか

裁判要旨刑法第一八条〈労役場留置〉は、憲法第一一条、第一三条、第一八条に違反しない
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年5月6日 昭和31(あ)874
登載
刑集 第12巻7号1351頁
参照法条
憲法11条,憲法13条,憲法18条,刑法18条
論点82第18条刑法

労役場留置期間を一定の日数をもつて定めることの適否

裁判要旨罰金を完納することができない場合の労役場留置期間を言渡すにあたり、一定の日数をもつて右期間を定めても、刑法第一八条〈労役場留置〉に則つている以上、違法ではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和29年7月6日 昭和28(あ)97
登載
刑集 第8巻7号1047頁
参照法条
刑法18条
論点83第18条刑法

罰金不完納の場合金一〇〇円を一日に換算し労役場に留置するとしたことと憲法第一四条

裁判要旨罰金刑の言渡を受けた者が罰金を完納することができない場合における労役場留置の金銭的換算率を定めるにあたり、金百円を留置一日に換算するとしたことが、今日の経済事情に副わないと仮定しても、それをもつて、憲法一四条に違反するということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和28年4月17日 昭和26(あ)2971
登載
集刑 第78号773頁
参照法条
刑法18条,憲法14条
論点84第18条刑法

被告人を労役場に留置することにより家族が生活困難におちいる場合と憲法第二五条

裁判要旨被告人が罰金を納めることができず、ために労役場に留置せられるためその家族が生活困難におちいるとしてもその判決が憲法二五条に違反しないことは当裁判所判例の趣旨とするところである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和27年11月11日 昭和26(あ)3235
登載
集刑 第69号217頁
参照法条
憲法25条,刑法18条
論点85第18条刑法

一 販売一覧表の内容を示さず証拠に引用した証拠説示の適否
二 販売価格が著しく統制額を超過しているときその販売価額から客器代を控除しなかつたことの適否
三 その物品の販売を営業としない者の販売行為と販売業者販売価格の適用
四 物価統制令第三条違反罪における統制額超過販売の事実の摘示方―統制額の指定官庁を示すことの要否
五 公判廷において弁護人から被告人の利益のため提出された書証の証拠調の請求と証拠決定の要否
六 物価統制令違反罪の判示方
七 罰金不完納の場合の労役場留置期間を定むるにあたり一日に満たない端数を生ずる換算率を定めた判決の適否
八 始末書の内容を示さず証拠に引用した証拠説示の適否

裁判要旨一 原判決は、所論被告人A作成の小麦粉短麺販売一覧表の記載を第一審第一回公判調書中の同被告人の判示第二と同旨の供述記載と綜合して原判決判示第二の事実認定の証拠としたものであることは、原判決自体に徴して明らかである。しかして第一審第一回公判調書によれば同被告人は、判事から右一覧表を示された上、其の表の記載のとおり小麦粉短麺等を販売したことは相違ないと供述している。そして本件記録によれば右販売一覧表には同被告人が昭和二二年二月中旬頃から同年九月中旬頃迄の間五回に亘りBに売渡した原判示第二の事実に符合する小麦粉短麺等の取引をその販売日時、販売品目数量、販売価格を一々明細に表示した記載が存するのである。してみれば原判決は、所論販売表と相俟つて、明らかにされた第一審第一回公判調書中に存する同被告人の判示第二と同旨の供述記載により、判示第二の事実を認定した趣旨であることは明らかであるから、原判決には証拠の如何なる部分により如何なる事実を認定したかを明らかにしない違法があるということはできない。
二 所論小麦粉に対する昭和二一年一一月二〇日物価庁告示第一八五号、並昭和二二年七月六日物価庁告示第三五八号による統制額及び短麺に対する昭和二一年三月二二日大蔵省告示第一三二号並に昭和二二年七月六日物価庁告示第三五九号による統制額は何れも、容器を含まない裸売の価格であることは所論のとおりであるとしても、被告人の販売した価格が著しく統制額を超過しているときは、原判決が被告人の販売した価格から容器代を控除しなかつたからといつて、その違法は原判決に影響を及ぼさないこと明白である。
三 所論昭和二一年三月二二日大蔵省告示第一三二号によれば短麺について、製造業者販売価格の統制額、中央食糧営団販売価格の統制額及び販売業者(中央食糧営団を除く)販売価格の統制額を指定していることは所論のとおりである。しかし、右告示にいわゆる中央食糧営団を除く販売価格の統制額というのは、一応は現実に法規に従つて正当に短麺の販売業を営む者の販売する場合の統制額を意味するのであるが、価格の統制は正常に営業を営む業者の取引を対象とするだけではなく、その他の取引にも及ぶものと解すべきであるから、その物品の販売を営業とする者でなくても、たまたまその物資を度重ねて販売し又は多量に販売したような場合には、その取引については右告示の販売業者販売価格の統制額を適用してその行為を取締るべきである(昭和二四年(れ)第一七八一号、同二六年一月三〇日第三小法廷判決参照)。
四 物価統制令第三条に違反し統制額を超えて物資を販売した犯罪事実を判示するには、その販売した目的物に統制額が存しその統制額を超えて販売した事実を示せば足りるものである。原判決が小麦粉、短麺を「物価庁指定の公定価格より………超過して販売し」と判示したのは右小麦粉、短麺をこれについて夫々定められている統制額を超過して販売した事実を判示した趣旨であつて、小麦粉に対する統制額は物価庁告示により、短麺に対する統制額は大蔵省告示及物価庁告示により夫々指定されていることは所論のとおりであるけれども、犯罪事実の判示としては一々その統制額が如何なる官庁により指定されているかを示す必要はない。
五 公判廷において弁護人から被告人の利益のため提出された書証の如きは、直ちに証拠調ができるもので新期日を指定する必要もなく又証拠調をするため別段の手続を必要とするものでもない。しかも原審第四回公判調書によれば被告人の弁護人杉浦酉太郎が被告人の利益のため所論書証を提出したのに対し裁判長はこれが取調を為した上検事に示し本件記録に編綴する旨告げたとの記載が存するから原審は所論書証については直ちに証拠調をしているのである。〔公判廷で被告人の利益のため提出された書証は裁判所及び検察官が之を閲覧しさえすればその証拠調の手続は履践されたものであつて必ずしもこれを被告人に示しその被告人の意見弁解を聴く必要のないことは判例である(昭和二四年(れ)第一四三五号同二六年三月一五日第一小法廷判決)〕から論旨は理由がない。
六 統制額を超えて物品を売渡した所為を物価統制令第三条違反の罪に問擬するには、被告人が当該物品を統制額を超えて他人に売渡した事実を確定すれば足り、その他人が自己の為買受けたものであるか又は第三者の従業員としてその第三者の業務として買受けたものであるかということは、売渡人たる被告人に対する犯罪の成否に関係のないことである。
七 原判決は、被告人Bに対し、罰金五万円に処し右罰金を完納することができないときは金三〇〇円を一日に換算して同被告人を労役場に留置する旨言渡したので同被告人が罰金を完納しない場合は、一六六日間留置してもなお二〇〇円の残りが生じ一日に満たない金額を生ずることは所論のとおりである。さればといつて、原判決は罰金を完納することができない場合における労役場留置の期間を定めないものとはいえないから原判決が刑法第一八条四項に違反したものといえない。
八 原判決が判示第三の事実を被告人Bの原審公判廷の判示同旨の供述と共に、所論「買入明細一覧表及び小麦粉短麺販売一覧表の各記載」並に「Cの所論始末書の記載」その他を綜合して之を認める旨説示していることは所論のとおりである。しかし、本件記録に存する所論始末書にはCが被告人Bと共謀して、原判示第三の(一)の(ロ)の共犯に係る買受行為をした旨の記載があり、他にこれと矛盾する事実の記載は存したのであるから、原判決が証拠として右始末書の記載と表示したのは、右始末書の、右判示(ロ)の事実を符合する記載全体によりこれを同被告人の右判示と同旨の原審公判廷の供述と綜合して右判示事実を認定した趣旨であること明らかであるから、原判決には、如何なる証拠の如何なる部分で如何なる事実を認定したかを示さないという違法はない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年5月15日 昭和24(れ)2819
登載
刑集 第5巻6号1112頁
参照法条
旧刑訴法360条1項,旧刑訴法336条,旧刑訴法344条,昭和21年3月22日大蔵省告示132号,昭和22年7月6日物価庁告示359号,物価統制令3条,刑法18条1項,刑法18条4項,刑法18条8項
論点86第18条刑法

罰金不完納の場合の労役場留置期間の割合を一日金二〇円と定めたことと憲法第一四条

裁判要旨所論は未決勾留日数の法定通算に関する罰金等臨時措置法第七条四項を援用するけれども、未決勾留日数の法定通算と罰金不完納の場合における労役場留置とは必ずしも同列に断ずることを得ないばかりでなく本件犯行は同法施行前の行為にかかり、従つて本件犯行に対する罰金額は金千円を超えることを得ないのであるから原判決が労役場留置期間の割合を一日金二〇円に定めたことを定めたことを以つて、所論の如く、憲法第一四条に違反するものということはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年5月11日 昭和25(れ)1763
登載
集刑 第45号627頁
参照法条
憲法14条,刑法18条,刑法21条,罰金等臨時措置法7条4項
論点87第18条刑法

一 白金指輪は昭和一八年六月商工省告示第五五三号所定の「貴金属製品」にあたる
二 罰金不完納の場合金五〇円を一日に換算し労役場に留置するとしたことと憲法第一四条

裁判要旨一 原審の適用した昭和一八年六月二六日商工省告示第五五三号の四五九には単に「白金」とあること所論のとおりであるが、右告示の五二一には「貴金属製品」とあつて、本件白金指輪はこれに該当してその輸出は禁じられているものであるから、原判決が右告示を適用したことは何等法令の誤りはなく、論旨は理由がない。
二 罰金刑の言渡を受けた者が罰金を完納することができない場合の労役場における留置は、刑の執行に準ずべきものであるから、留置一日に相応する金銭的換価率、は必ずしも自由な社会における勤労の報酬額と同率に決定されるべきものではなく、旧刑訴法事件において一日二〇円の換算であつても、基本的人権と法の下における国民の平等を保障した憲法の条項に皮するものではないこと、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一、四二六号同二四年一〇月五日大法廷判決)の示すとおりである。されば原審が被告人において罰金を完納することができないときは金五〇円を一日に換算した機関被告人を労役場に留置すると言渡したことは、何等人受蹂躙の裁判でもなく刑の不当な加重にも当らないから論旨は理由がない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年1月23日 昭和24(れ)2803
登載
集刑 第39号615頁
参照法条
昭和18年6月26日商工省告示553号,貿易統制令(昭和16年勅令581号)4号,貿易統制令施行規則10条ノ2(昭和18年6月26日改正の分),刑法18条,旧刑訴法565条,憲法13条,憲法14条
論点88第18条刑法

罰金不完納の場合における労役場留置期間の換算率

裁判要旨刑法第一八条〈労役場留置〉の法廷期間の範囲内において罰金不完納の場合における労役場留置の期間を一日幾許と定めるかは、判決裁判所の裁量に属する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年12月6日 昭和25(あ)1367
登載
刑集 第5巻13号2479頁
参照法条
刑法18条
論点89第18条刑法

一 罰金不完納の場合における労役場留置の言渡と不利益変更禁止の原則
二 刑訴法第四〇五条第三号にあたらない二つの事例

裁判要旨一 罰金不完納の場合における労役場留置の言渡についてもいわゆる不利益変更禁止の規定の適用がある。
二 大審院の判例に反すると主張していても、既にこれと同趣旨の最高裁判所の判例があるときは、刑訴第四〇五条第三号にあたらない。
三 高裁の判例に反すると主張していても、既にその判例が最高裁判所の判例で変更せられているときは、刑訴第四〇五条第三号にあたらない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年10月16日 昭和26(れ)384
登載
刑集 第5巻11号2249頁
参照法条
刑法18条,旧刑訴法403条,刑訴法405条3条
論点90第18条刑法

金千円の罰金不完納の場合の労役場留置期間の割合を一日金五〇円とすることの合憲性

裁判要旨原判決が刑法所定の範囲内で被告人に対し金千円の罰金不完納の場合の労役場留置期間の割合を一日金五〇円と定めたことが憲法第三六条その他国民の基本的人権を保障した憲法の条規に違反しないこと当裁判所大法廷判例の趣旨に徴し明らかである。(昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日同二三年(れ)第一四二六号同二四年一〇月五日各大法廷判決参照)
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和25年12月8日 昭和25(れ)1255
登載
刑集 第4巻12号2529頁
参照法条
刑法18条,憲法38条
論点91第18条刑法

一 憲法第三八條第三項刑訴應急措置法第一〇條第三項の自白に補強證據を要するとする法意
二 犯罪事實の一部の證據が被告人の自白だけである場合と補強證據
三 賍物罪の成立に必要な賍物たることの認識の程度
四 罰金を完納できない者に對する勞役場留置とその金錢的換價率
五 金千圓の罰金不完納による勞役場留置期間を一日金二〇圓と定めたことの合憲性

裁判要旨一 憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項において「自己に不利益な唯一の證據が本人の自白である場合には有罪とされ」ないと規定した法意は、現實には犯罪が行われていないのに、被告人の架空は自白によつて犯罪が行われた如く虚構されて有罪とされる危險を防止するために、被告人を有罪とするには、自白のほかに自白の眞實に合致することを裏書するに足りる他の證據(補強證據)を必要とする趣旨を明らかにしたものである。
二 他の證據によつて犯罪が現實に行われた客觀的事實が裏書されて自白が架空のものでないことが確められる限り、たとい犯罪事實の一部の證據が被告人の自白だけであつてもこれらの證據と相まつて自白により犯罪事實を認定することは、法の許容するところと云わなければならない(昭和二二年(れ)第一五三號同二三年六月九日當裁判所大法廷判決參照)
三 贓物に關する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであつて、その物が何人のいかなる犯行によつて不法に領得されたかの具体的事實までをも認識することを要するものではない。
四 罰金刑の言渡を受けた者が罰金を完納することができない場合の勞役場における留置は、刑の執行に準ずべきものであるから(舊刑訴第五六五條、刑訴五〇五條)留置一日に相應する金錢的換價率は、必ずしも自白な社會における勤勞の報酬額と同率に決定されるべきものではない。
五 原審が被告人兩名において金千圓の罰金を完納することができないときは金二〇圓を一日に換算した期間被告人等を勞役場に留置すると言渡したことは、基本的人權と法の下における國民の平等を保障した憲法第一一條に反するものではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和24年10月5日 昭和23(れ)1426
登載
刑集 第3巻10号1646頁
参照法条
憲法38条3項,憲法11条,刑訴応急措置法10条3項,刑法256条,刑法38条2項,刑法18条1項4項,刑法18条,旧刑訴法565条
論点92第18条刑法

1 労役場留置期間を定めるに当たり,1日に満たない端数を生じる換算率を定めても刑法18条4項所定の同期間を定めない違法があるとはいえない
2 労役場留置期間を定めるに当たり,1日に満たない端数について換算刑の言渡しをしないのは法令違反であるとした高等裁判所の判決は,これに先立つ最高裁判所の判例と相反する判断をしたものであり,刑訴法405条3号の高等裁判所の判例に当たらない

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成20年6月23日 平成20(あ)305
登載
集刑 第294号527頁
参照法条
刑法18条4項,刑訴法405条3号
論点93第19条刑法

一 覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩粉末を麻薬であるコカインと誤認して所持した場合の罪責
二 覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩粉末を麻薬であるコカインと誤認して所持した場合における没収の適条

裁判要旨一 覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩粉末を麻薬であるコカインと誤認して所持した場合には、麻薬取締法六六条一項、二八条一項の麻薬所持罪が成立する。
二 覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩粉末を麻薬であるコカインと誤認して所持した場合における覚せい剤の没収は、覚せい剤取締法四一条の六によるべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和61年6月9日 昭和61(あ)172
登載
刑集 第40巻4号269頁
参照法条
刑法19条1項1号,刑法38条2項,麻薬取締法28条1項,麻薬取締法66条1項,麻薬取締法68条,覚せい剤取締法14条1項,覚せい剤取締法41条の2第1項1号,覚せい剤取締法41条の6
論点94第19条刑法

没収に代えて追徴すべき賄賂の価額の算定基準時

裁判要旨授受された賄賂が没収不能となりその価額を追徴すべき場合には、授受後においてその物の価額の増減があつたとしても、その物の授受当時の価額を追徴額とすべきである。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和43年9月25日 昭和41(あ)1257
登載
刑集 第22巻9号871頁
参照法条
刑法197条ノ5,刑法19条ノ2
論点95第19条刑法

刑法第一九条第二項〈没収〉にいう「犯人以外ノ者ニ属セサルトキニ限ル」の意義。

裁判要旨刑法第一九条第二項〈没収〉にいう「犯人以外ノ者ニ属セサルトキニ限ル」とは、犯人以外の者が、その物の上に所有権その他の物権を保有する限り、これを没収することができないことを明らかにしたものであり、単にその物に関して債権を有するに過ぎないときは、没収の妨げにならない趣旨である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和40年6月29日 昭和38(あ)1071
登載
刑集 第19巻4号490頁
参照法条
刑法19条2項
論点96第19条刑法

売春防止法第一三条第二項によつて懲役刑に罰金刑を併科し更に家賃相当額を追徴することの可否と追徴額の算定。

裁判要旨売春防止法第一三条第二項によつて懲役刑に併科すると定められた罰金刑は、刑罰であつて没収または追徴とはその性質を異にするから、被告人に罰金刑が併科された場合においても、右行為により取得した家賃相当額を刑法第一九条第一項第三号、第一九条ノ二によつて追徴することができ、かつその際いわゆる適正賃料額を控除することを要しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年5月20日 昭和39(あ)2484
登載
集刑 第155号771頁
参照法条
売春防止法13条2項,刑法19条1項3号,刑法19条ノ2
論点97第19条刑法

関税法第一一八条の適用されるべき犯則行為に対する追徴没収に関して刑法第一九条、第一九条の二を適用することの当否。

裁判要旨原判決が本件犯罪貨物中被告人以外の悪意の買受人、あつせん者、保管者らが略式命令、通告処分等によつて、当該犯罪貨物物の没収ないし没収に代わる追徴を命ぜられ、それを履行したと認められるものについては、被告人に対し関税法の規定に基づき重ねてこれについて没収ないし追徴をすべて筋合ではないとして、関税法第一一八条第二項による追徴が許されないとした分につき、刑法第一九条第一項第四号〈没収 前号に掲げる物の対価として得た物〉、第一九条の二〈追徴〉を適用して、その譲渡代金相当額の追徴を言渡したのは正当である(昭和三五年(あ)一七〇一号同三六年一二月一四日第一小法廷判決、刑集一五巻一一号一八四五頁参照)。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年12月10日 昭和37(あ)2852
登載
集刑 第153号635頁
参照法条
関税法112条1項,関税法118条1項2号,関税法118条2項,刑法19条1項4号,刑法19条の2
論点98第19条刑法

変造した自動車登録番号標と刑法第一九条第二項。

裁判要旨一 本件押収物件中の変造部分の如きは、たとえ他人所有の材料に加工を施して作成された場合であつても、法律上その存在を認容されないものであり、何人にも所有を許されないものであることは、累次の大審院判例(明治四三年(れ)第一七七五号、同年一〇月一三日判決、大正四年(れ)第八九八号、同年五月一四日判決等)の趣旨とするところであり、当裁判所においても亦、この趣旨が踏襲されているから、(昭和三一年(れ)第一九四四号、同年一一月一日第一小法廷決定、集一〇巻一一号一五二五頁参照。)、原判決の是認した第一審判決が刑法第一九条を適用して前記変造部分を没収する旨判示したのは、正当である。
二 (第一審の認定した犯罪事実)被告人は昭和三三年三月七日……被告人方自宅に於て行使の目的を以て自動車登録番号標第四あ−一二三四号(二枚)を第五あ−二二三四号に変造した。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年9月12日 昭和34(あ)684
登載
集刑 第139号187頁
参照法条
道路運送車輛法98条,刑法19条2項
論点99第19条刑法

中型かつお、まぐろ漁業取締規則第二条違反事件において追徴額の算定を正当と認めた事例。

裁判要旨一 本件において追徴の対象とされた判示水揚代の中から所論にいわゆる必要経費(註、燃料油費、氷、塩代、漁具補充費、飼料費、食費等)を控除していない原判決の判断を当裁判所もこれを正当として是認する。

二 (原判決の要旨)本件追徴金額は七、八四七、五六八円の多額に達するとはいえ、被告人が本件中型かつお、まぐろ漁業取締規則違反の行為により得たまぐろ、さめ等の漁獲物は合計一一五、六一〇、五キログラム、価格にして一一、四五三、七〇八円であり、そのうちから被告人が漁業協同組合や魚問屋に支払つた歩合金ならびに漁船の乗組員らに支給した給料を控除すれば、被告人の取得した金額は七、八四七、五六八円であつて、これすなわち本件犯行によつて得た利益金にほかならないから、……原判決が被告人に対し前示金員の追徴を命じたのは正当である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年8月17日 昭和35(あ)2639
登載
集刑 第139号73頁
参照法条
中型かつお、まぐろ漁業取締規則2条,中型かつお、まぐろ漁業取締規則18条1項,中型かつお、まぐろ漁業取締規則2項但書,刑法19条ノ2
論点100第19条刑法

金員の貸与を受け賄賂を収受した場合とその金額の追徴。

裁判要旨公務員たる被告人がその職務に関し金員の貸与を受け賄賂を収受した場合、その金員の没収ができないときは、刑法第一九条第一項第三号〈没収 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物〉、第二項、第一九条ノ二によつて、被告人からその金額を追徴することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和36年6月22日 昭和36(あ)139
登載
刑集 第15巻6号1004頁
参照法条
刑法197条ノ5(昭和33年法律107号による改正前197条ノ4),刑法19条1項3号,刑法2項,刑法19条ノ2
論点101第19条刑法

一 刑法第一九条第一項〈没収〉の規定と憲法第二九条
二 公文書偽造、同行使罪にあたる事例

裁判要旨一 刑法第一九条第一項〈没収〉の規定は憲法第二九条に違反しない
二 実在しない東京都千代田区a町b番地司法局別館人権擁護委員会会計課作成名義の証明書を作成、行使した場合においても、その文書の形式外観において、一般人をして、右の如く公務所が実在し、右委員会がその職務権限内において作成した公文書であると誤信せしめるに足りるものと認められるときは、その所為は公文書偽造、同行使罪にあたる
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年3月30日 昭和35(あ)1358
登載
刑集 第15巻3号667頁
参照法条
刑法19条1項,刑法155条1項,刑法158条1項,憲法29条
論点102第19条刑法

判例違反が判決に影響を及ぼさない事例―刑法第一九条第一項〈没収〉各号の適用の誤り。

裁判要旨原判決は、刑法一九条一項三号〈没収 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物〉、二項により押収にかかる「A印」と刻してある丸型印鑑一個を被告人らから没収するとしていること所論のとおりであつて、論旨引用の大審院昭和七年(れ)第六七五号同年七月二〇日判決の趣旨に相反するわけであるが、原判決が刑法一九条を適用して所論の印章を没収している以上、同条一項各号の適用に誤があつても、判決に影響を及ぼさないことが明らかであるから、原判決を破棄する理由とならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和36年12月19日 昭和36(あ)2043
登載
集刑 第140号493頁
参照法条
刑訴法401条1項,刑訴法405条3号,刑法19条1項2号,刑法19条1項3号
論点103第19条刑法

一 関税法第一一二条の犯罪貨物が甲より乙に譲渡され乙に対し没収の言渡があつた場合甲に対して没収に代わる追徴を言い渡すことが許されるか。
二 右の場合甲に対してその対価の没収またはこれに代わる追徴を言い渡すことが許されるか。

裁判要旨一 関税法第一一二条の犯罪貨物が甲より乙に譲渡され乙に対し没収の言渡があつた場合、同法第一一八条第二項により甲に対して没収に代わる追徴を言い渡すことは許されない。
二 右の場合、刑法第一九条第一項第四号〈没収 前号に掲げる物の対価として得た物〉、第一九条ノ二により甲に対して犯罪貨物の対価の没収またはこれに代わる追徴を言い渡すことができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和36年12月14日 昭和35(あ)1701
登載
刑集 第15巻11号1845頁
参照法条
関税法118条2項,関税法112条,刑法19条第1項4号,刑法19条ノ2
論点104第19条刑法

食糧管理法第三一条第九条該当の罪と刑法第一九条の適用。

裁判要旨食糧管理法三二条二項は、同法一一条一項の規定に違反し又は同条四項の規定に依る禁止若しくは制限に違反した場合に限り、輸出若しくは移出又は輸入若しくは移入した主要食糧は、犯人の所有するもののみならず、その所持するものを没収することができる旨規定したに止まり、その他の同法違反の罪全般について没収に関する刑法総則の規定の適用を排除する趣旨であるとは解されないから、本件のような同法九条一項の規定に依る命令に違反し同法三一条に該当する場合には刑法一九条の適用あること勿論である。昭和三〇年(あ)第三一五三号、同三一年六月二一日第一小法廷判決参照。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和35年9月21日 昭和35(あ)1011
登載
集刑 第135号341頁
参照法条
食糧管理法9条,食糧管理法11条,食糧管理法31条,食糧管理法32条2項,刑法19条
論点105第19条刑法

一 旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前のもの)第八三条第三項の意義と憲法第一四条
二 密輸出入行為の用に供した船舶の換価処分と犯人の占有

裁判要旨一 旧関税法(昭和二九年法律第六一号による改正前のもの)第八三条第三項は、共に起訴された共犯者の一人または数人がその物の所有者であることが明らかである場合には、必ずしも、右共犯者全員のそれぞれに対し、各独立して物の原価全額の追徴を命じなければならぬものと解すべきではなく、その物の所有者たる被告人のみに対して追徴を命ずることも、許すと解するを相当とする。そして右条項を以上のように解しても同条項は憲法第一四条に違反しない。
二 犯人の占有にかかる密輸出入行為の用に供した船舶が、裁判官の差押令状に基いて差し押えられ、その後検察官の刑訴第二二二条〈脅迫〉第一二二条〈過失建造物等浸害〉に基く換価処分により公売処分に附せられた結果、他人に競落されたとしても、没収の関係においては、これによつて犯人の右船舶に対する占有は失われるものではない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和33年3月5日 昭和26(あ)3100
登載
刑集 第12巻3号384頁
参照法条
旧関税法(明治32年法律61号―昭和29年法律61号による改定前のもの)83条1項,旧関税法(明治32年法律61号―昭和29年法律61号による改定前のもの)83条2項,旧関税法(明治32年法律61号―昭和29年法律61号による改定前のもの)83条3項,憲法14条,刑訴法122条,刑訴法222条,刑法19条
論点106第19条刑法

刑訴法四一一号第一号にあたらない事例

裁判要旨船舶により貨物密輸出の予備をなした場合において、その用に供した船舶を旧関税法第八三条によることなく刑法第一九条第一項第一号第二項により没収した違法があつても、右違法は未だ刑訴第四一一条第一号を適用すべきものとは認められない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和33年3月4日 昭和30(あ)271
登載
刑集 第12巻3号367頁
参照法条
刑訴法411条1号,旧関税法(明治32年法律61号)83条,刑法19条1項1号,刑法19条2項
論点107第19条刑法

一 供出完了後のいわゆる余剰米に関する食糧管理法第九条第一項、同施行令第六条の適用の合憲性
二 食糧管理法違反罪における買受米の換価金の没収
三 懲役と罰金とを併科し、更に附加刑として換価金の没収を科することの可否

裁判要旨一 生産者の供出完了後のいわゆる余剰米といえども、食糧管理法第九条第一項同施行令第六条適用の対象となり、その規定に違反した者に対し、同法第三一条第三四条を適用して処断することは憲法第二九条に違反するものではない。
二 所論換価金は、被告人が本件犯行によつて得た米の換価金であるから、ひつきよう米そのものと同視すべきものであり、したがつて刑法一九条はこれを没収し得べきものとしているのである。
三 所論懲役と罰金とを併科し得る場合、それを併せ科しても、それは何れも主刑としての刑罰であつて、その罰金が所論のように、犯人に何罪による利益を保有せしめない趣旨の下に科せられるものではない。されば第一審判決が主刑として懲役と罰金を併せ科し、更に附加刑として換価金の没収を科したからといつて同一の犯罪について重複して個人の財産権を不当に侵害するものといいえないことはいうまでもない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年2月8日 昭和29(あ)3450
登載
刑集 第11巻2号539頁
参照法条
食糧管理法9条1項,食糧管理法31条,食糧管理法34条,食糧管理法施行令6条,憲法29条,刑法19条,刑訴法122条
論点108第19条刑法

偽造手形と刑法第一九条第二項

裁判要旨押収されている偽造手形は何人の所有をも許されないが、検察官が没収の執行として、これに偽造の旨表示したものを所有又は所持することは許される。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年11月1日 昭和31(あ)1944
登載
刑集 第10巻11号1525頁
参照法条
刑訴法497条,刑訴法498条,刑法19条2項
論点109第19条刑法

旧関税法第八三条の規定による追徴金を共同正犯たる各犯人からそれぞれ全額追徴する言渡とその執行

裁判要旨旧関税法第八三条の規定により同一の供用船舶又は犯則貨物に関し共同正犯たる各犯人に対しそれぞれの価額又は原価の全額を追徴する言渡をしても、かかる判決はその全員に対し重複してその全部につき執行することが許されるわけではなく、その中一人に対し全部の執行が了れば他のものに対しては執行し得ない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和30年12月8日 昭和29(あ)3683
登載
刑集 第9巻13号2608頁
参照法条
関税法(昭和29年法律61号による改正前)83条,刑法19条ノ2,刑訴法490条
論点110第19条刑法

一 たばこ専売法第七五条第二項の適用と「没収することのできないとき」の判断
二 追徴と没収することができなかつた具体的理由および追徴金額算出の基礎の各証拠説示の要否
三 刑法第一九条第一項〈没収〉第一九条ノ二とたばこ専売法第七五条との関係

裁判要旨一 製造たばこの価額を追徴するにあたり、たばこ専売法第七五条第二項を適用している以上、その製造たばこが同項にいう「没収することのできないとき」であると判断した趣旨に解すべきである。
二 判決で追徴を言い渡す場合、必ずしも特に、没収することができなかつた具体的理由および追徴金額算出の基礎を、証拠を掲げて説明するを要しない。
三 刑法第一九条第一項〈没収〉、第一九条ノ二の規定とたばこ専売法第七五条の規定とは、一般法と特別法の関係にある。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和28年8月25日 昭和27(あ)1525
登載
刑集 第7巻8号1762頁
参照法条
刑訴法44条1項,刑訴法335条1項,刑法8条,刑法19条1項,刑法19条ノ2,たばこ専売法75条1項,たばこ専売法75条2項
論点111第19条刑法

一 「賍物の對價として得たる物」に對する沒収言渡の可否
二 公定價格ある賍物の對價に對する被害者の交付請求權の範圍
三 公定價格ある賍物の對價に關する沒収額の範圍

裁判要旨一 刑法第十九條第一項第四號に所謂「前號に記載したる物の對價として得たる物」の中には「臓物の對價として得たる物」をも含み、且つその對價が同條第二項に定める「其物犯人以外の者に屬せざるとき」の條件に當てはまるときは、之を沒収することができる。(昭和二三年(れ)第五四五號、同年一一月一八日第一小法廷判決参照)。
二 賍物が公定價格の定めのあるものであるときは、被害者の刑訴第三七三條第二項に據るその賍物の對價に對する交付請求權の許容せられる範圍は、右公定價格相當額に限られるのであつて、從つて裁判所は右交付の請求あるときは、押収中の賍物の對價の内より右公定價格相當額を被害者に還付する言渡を爲すべきである。(昭和二三年(れ)第五四五號、同年一一月一八日第一小法廷判決参照)
三 賍物が公定價格の定めのあるものであるときは、裁判所は押収中の賍物の對價の中より、刑訴第三七三條第二項により被害者に還付する額として右公定價格相當額を差引いた残額の全額を沒収することができる。(昭和二三年(れ)第五四五號、同年一一月一八日第一小法廷判決参照)。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和24年1月25日 昭和23(れ)546
登載
刑集 第3巻1号53頁
参照法条
刑法19條1項3号,刑法19条2項,旧刑訴法373条1項,旧刑訴法373條2項
論点112第19条刑法

一 賍物の對價として得た物を沒收するにはその對價を得た行爲が犯罪を構成することを必要とするか
二 刑訴法第三七三條の「被害者ニ還付スヘキ理由明白ナル」旨の判示の要否
三 賍物の對價として得た金錢は沒收し得るか
四 公定價格ある賍物の對價として得た金錢に對する被害者の交付請求權の範圍

裁判要旨一 所論のごとく物の對價を得た行爲(本件では賍物の賣買行爲)が犯罪を構成する場合でなければ、その對價の沒收の言渡ができぬと論ずるのは全くの獨斷である。犯罪行爲によつて得た對價を沒收するのであれば同項第三號によるのであつて、第四號によるのではない。そして第四號の對價を取得する行爲については、それが犯罪を構成することを要件とするものでないことは規定上も明らかである。
二 原審判決においては、賍物の對價として得た物を被害者から交付の請求があつたこと及びその適用法條は刑訴法第三七三條第二項であることを明示しているのであるから、所論のように被害者に還付すべき理由が明白である旨を特に説示しなくともその趣旨を判示していることは自明であると言わなければならぬ。
三 刑法第一九條第一項第四號の規定は獨立した沒收事由として追加規定せられたものであるから、同號を適用するのに前號所定の物が同條第二項の規定により沒收し得るものであることを前提とすべき理由は毫も存しない、それ故前記贓品の對價物たる押收金全額は、犯人以外の者に屬せざる限り沒收し得る譯である。
四 本件では刑訴第三七三條第二項の規定に基き贓物の對價物につき被害者から交付の請求があつた。普通の場合であつたならば、對價物の全部を被害者に還付すべきであろうが既に贓物は處分せられた後のことであるから、被害者が犯人に對して損害賠償として交付を請求し得るのは、法令の許容する價額を標準とすべきであり、從つて本件においては「みのり」千百個、「きんし」六千本に對する處分當時の公定價額三千二百四〇圓に相當する押收現金の還付であると言わねばならぬ。されば、原判決がこれを被害者に還付する言渡をなし、これを差引きたる押收金の殘額二萬四千五百九十五圓を沒收したのは正當である
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和23年11月18日 昭和23(れ)545
登載
刑集 第2巻12号1597頁
参照法条
刑法256条2項,刑法19条,刑法256条,刑訴法373条,刑訴法49条1項,刑訴法373条2号
論点113第19条刑法

被告人が強姦及び強制わいせつの犯行の様子を隠し撮りした各デジタルビデオカセットが刑法19条1項2号にいう「犯罪行為の用に供した物」に当たるとされた事例

裁判要旨被告人が強姦及び強制わいせつの犯行の様子を被害者に気付かれないように撮影し各デジタルビデオカセットに録画したのは,被害者にそれぞれその犯行の様子を撮影録画したことを知らせて,捜査機関に被告人の処罰を求めることを断念させ,刑事責任の追及を免れようとしたためであるという本件事実関係の下においては,当該各デジタルビデオカセットは刑法19条1項2号にいう「犯罪行為の用に供した物」に当たる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成30年6月26日 平成29(あ)530
登載
刑集 第72巻2号209頁
参照法条
刑法19条1項2号,刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)176条,刑法(平成29年法律第72号による改正前のもの)177条
論点114第19条刑法

1 「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(平成11年法律第136号による改正前のもの)2条3項〈すべての者の国外犯〉にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」の意義
2 薬物犯罪を遂行する過程において費消・使用されるものとして犯人が他の共犯者から交付を受けた財産と「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(平成11年法律第136号による改正前のもの)2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」
3 犯罪を実行した翌日に我が国を出国するため所持していた航空券が刑法19条1項2号にいう「犯罪行為の用に供し,又は供しようとした物」に当たるとされた事例
4 薬物犯罪の犯罪行為を遂行するために費消した上その残額を同行為の報酬として取得することとして共犯者から交付を受けて犯人が所有する金員を全額没収することの可否

裁判要旨1 「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(平成11年法律第136号による改正前のもの)2条3項〈すべての者の国外犯〉にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」とは,薬物犯罪の構成要件に該当する行為自体によって犯人が取得した財産をいう。
2 薬物犯罪を遂行する過程において費消・使用されるものとして,犯人が他の共犯者から交付を受けた財産は,「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(平成11年法律第136号による改正前のもの)2条3項にいう「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」に当たらない。
3 犯罪を実行するため共犯者から交付を受けた往復航空券の往路分を使用して我が国に入国した者が,犯罪を実行した翌日に我が国を出国するため所持していた復路航空券は,刑法19条1項2号〈没収 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物〉にいう「犯罪行為の用に供し,又は供しようとした物」に当たる。
4 薬物犯罪の犯罪行為を遂行するために費消した上,その残額を同行為の報酬として取得することとして,共犯者から交付を受けて犯人が所有する金員は,「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」(平成11年法律第136号による改正前のもの)14条1項〈有期拘禁刑の加減の限度〉及び刑法19条1項2号により,その全額を没収することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成15年4月11日 平成13(あ)1683
登載
刑集 第57巻4号403頁
参照法条
国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成11年法律第136号による改正前のもの)2条3項,国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成11年法律第136号による改正前のもの)14条1項,刑法19条1項2号
論点115第20条刑法

過剰防衛の成り立たない一事例

裁判要旨原判決の認定したように本件の相手方は何等兇器等を所持していなかつたのであるから、ジヤツクナイフを取出し立ち向う必要はなく、また、その場から逃避することも可能であつたにかかわらず、第一審判決の判示したようにA、Bを相手に廻し喧嘩闘争をしようと決意し右ナイフを以て立ち向い、相互に揉み合ううちBに対し判示傷害を加え死に致し、以て被告人の行為が一種の闘争行為の域に達したと認められるがごとき案件では過剰防衛は成り立たない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和29年1月28日 昭和26(あ)4982
登載
集刑 第91号1083頁
参照法条
刑法20条,刑法36条
論点116第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分のみが破棄された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和63年3月14日 昭和61(あ)174
登載
集刑 第248号677頁
参照法条
刑法21条,刑訴法405条2号,刑訴法410条1項
論点117第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分のみが破棄された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和62年7月16日 昭和62(あ)226
登載
集刑 第246号195頁
参照法条
刑法21条,刑訴法405条2号,刑訴法410条
論点118第21条刑法

原判決が第一審判決の懲役刑及び罰金刑のいずれに未決勾留日数を算入するのか明示していない場合につき懲役刑に算入した趣旨と解すべきであるとした事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年6月5日 昭和62(あ)304
登載
集刑 第246号31頁
参照法条
刑法21条
論点119第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分のみが破棄された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和61年10月21日 昭和61(あ)369
登載
集刑 第244号109頁
参照法条
刑法21条,刑訴法405条2号,刑訴法410条1項
論点120第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入の部分のみが破棄された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年7月20日 昭和59(あ)189
登載
集刑 第237号1081頁
参照法条
刑法21条,刑訴法357条,刑訴法410条1項
論点121第21条刑法

未決誤算入部分を破棄する場合における主文の表示方法(反対意見がある)

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和59年3月29日 昭和59(あ)27
登載
集刑 第236号429頁
参照法条
刑法21条,刑訴法396条,刑訴法410条,刑訴法414条
論点122第21条刑法

未決誤算入の原判決を判例違反として破棄した事例(反対意見がある)

裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和58年3月22日 昭和57(あ)1371
登載
集刑 第230号413頁
参照法条
刑法21条
論点123第21条刑法

未決勾留日数の本刑算入過少と刑訴法四一一条二号

裁判要旨原判決中、第一審判決が被告人に対し一二一四日の未決勾留日数のうち四〇〇日を本刑に算入したにすぎない点に裁量の誤りはないとした判断は、いまだ違法とはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和58年11月10日 昭和58(あ)79
登載
集刑 第232号787頁
参照法条
刑法21条,刑訴法411条2号
論点124第21条刑法

懲役刑の執行と競合する未決勾留日数を本刑に算入した原判決が判例違反で破棄された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和57年5月7日 昭和56(あ)1748
登載
集刑 第227号303頁
参照法条
刑法21条
論点125第21条刑法

一 当審の未決勾留日数が刑期に満ちるまで算入された事例
二 当審未決勾留日数を刑期に満ちるまで算入したことに伴い、もはや裁判確定まで勾留を継続する必要がなくなつたとして勾留を取消した事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和57年1月12日 昭和56(あ)1809
登載
集刑 第225号13頁
参照法条
刑法21条,刑訴法87条
論点126第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入の部分のみが破棄された事例
(反対意見がある)

裁判要旨原判決の違法が、現実に存在しない未決勾留日数を裁量により本刑に算入した点のみにある場合においては、原判決中、未決勾留日数算入の部分のみを破棄し、その余の部分に対する上告を棄却すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和56年7月16日 昭和56(あ)654
登載
刑集 第35巻5号557頁
参照法条
刑法21条,刑訴法357条,刑訴法410条1項
論点127第21条刑法

一 無期懲役刑につき、一、二審は未決を算入しなかつたが、上告審は算入した事例
二 分離決定をすることなく、被告人二名のうちの一名につき決定で上告を棄却した事例(他の一名については判決で上告棄却)

裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和55年4月23日 昭和52(あ)1348
登載
集刑 第217号583頁
参照法条
刑法21条,刑訴法313条,刑訴法404条,刑訴法414条
論点128第21条刑法

一 甲事件の裁判確定によりその本刑たる自由刑の執行に替えられるべき未決勾留と重複する未決勾留を乙事件の本刑に算入することの適否
二 原判決中未決勾留日数算入の部分のみが破棄された事例

裁判要旨一 甲事件の裁判確定によりその本刑たる自由刑の執行に替えられるべき未決勾留と重複する未決勾留を乙事件の本刑に算入しても、ただちにこれを違法なものとはいえないが、右裁判は、後に甲事件の裁判が確定したことによつて、結局、違法なものとなる。
二 原判決の違法が、後に他事件の裁判確定によつてその本刑たる自由刑の執行に替えられた未決勾留と重複する未決勾留を裁量により本刑に算入した点のみにある場合においては、原判決中、未決勾留日数算入の部分のみを破棄し、その余の部分に対する上告を棄却すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年1月11日 昭和54(あ)1145
登載
刑集 第34巻1号1頁
参照法条
刑法21条,刑訴法357条,刑訴法411条1号,刑訴法495条
論点129第21条刑法

一 常習累犯窃盗の罪と窃盗の着手に至らない窃盗目的の住居侵入の罪との罪数関係
二 不起訴となつた住居侵入の罪についての未決勾留日数を右と一罪の関係にある常習累犯窃盗の罪の本刑に算入することの可否

裁判要旨一 窃盗を目的とする住居侵入の罪は、窃盗の着手にまで至らなかつた場合にも、盗犯等の防止及び処分に関する法律三条〈国民の国外犯〉の常習累犯窃盗の罪と一罪の関係にある。
二 不起訴となつた住居侵入の罪についての未決勾留日数は、右と一罪の関係にある常習累犯窃盗の罪の本刑に算入することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和55年12月23日 昭和55(あ)35
登載
刑集 第34巻7号767頁
参照法条
刑法21条,刑法130条,盗犯等の防止及び処分に関する法律3条
論点130第21条刑法

第一審判決言渡の日の勾留が控訴審における裁定算入の対象となるとされた事例

裁判要旨保釈中の被告人が第一審判決の言渡により保釈が失効し即時収監され、即日控訴の申立及び保釈請求をし、その日のうちに保釈釈放された場合には、右判決言渡の日の勾留は、控訴審における裁定算入の対象となる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和54年7月13日 昭和54(あ)227
登載
刑集 第33巻5号405頁
参照法条
刑法21条,刑訴法358条,刑訴法495条1項
論点131第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入の部分のみが破棄された事例

裁判要旨原判決の違法が、罰金刑の換刑処分としての労役場留置の執行と競合する未決勾留日数の一部を裁量により本刑に算入した点にのみある場合においては、原判決中、未決勾留日数算入の部分のみを破棄し、その余の部分に対する上告を棄却すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和54年4月19日 昭和53(あ)2328
登載
刑集 第33巻3号261頁
参照法条
刑法21条,刑訴法357条,刑訴法410条1項
論点132第21条刑法

他事件の本刑に法定通算された未決勾留の期間と暦のうえで重複する未決勾留の裁定算入又は法定通算

裁判要旨他事件の本刑に法定通算された未決勾留の期間と暦のうえで重複する未決勾留を、さらに本件の本刑に裁定算入又は法定通算することは、違法である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和52年7月1日 昭和52(あ)167
登載
刑集 第31巻4号681頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条
論点133第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入の部分のみが破棄された事例

裁判要旨原判決の違法が、法律上当然に全部本刑に通算されるべき未決勾留日数の一部を裁量により本刑に算入した点にのみある場合においては、厚判決中、未決勾留日数算入の部分のみを破棄し、その余の部分に対する上告を棄却すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和51年11月18日 昭和51(あ)761
登載
刑集 第30巻10号1902頁
参照法条
刑法21条,刑訴法357条,刑訴法410条1項,刑訴法495条
論点134第21条刑法

甲事件の裁判確定によりその本刑に法定通算されるべき未決勾留と重複する未決勾留を乙事件の本刑に算入することの適否

裁判要旨甲事件の裁判確定によりその本刑に法定通算されるべき未決勾留と重複する未決勾留を乙事件の本刑に算入しても、乙事件の裁判当時甲事件の裁判が未確定の状態であるときは、ただちにこれを違法なものとはいえないが、のちに甲事件の裁判が確定し法定通算されるべき未決勾留が、その本刑に通算されて刑の執行に替えられたときは、結局、違法なものとなる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和48年11月9日 昭和48(あ)834
登載
刑集 第27巻10号1447頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条
論点135第21条刑法

別件の刑に法定通算されるべき勾留と重複する未決勾留の日数の刑法二一条による本刑算入

裁判要旨別件の刑に決定通算されるべき勾留と重複する未決勾留の日数を刑法二一条により本刑に算入することは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年4月22日 昭和45(あ)1877
登載
集刑 第180号269頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条1項
論点136第21条刑法

控訴審が被告人の控訴に基づき第一審判決を破棄する場合と未決勾留日数の刑法二一条による本刑算入

裁判要旨控訴審が被告人の控訴に基づき第一審判決を破棄する場合には、控訴申立後の未決勾留日数は、刑訴法四九五条二項二号により、判決が確定して本件の執行される際当然に全部本件に通算されるべきものであつて、刑法二一条〈未決勾留日数の本刑算入〉により判決においてその全部または一部を本刑に算入する旨の言渡をすべきでない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和46年4月15日 昭和45(あ)1776
登載
刑集 第25巻3号439頁
参照法条
刑訴法495条,刑法21条
論点137第21条刑法

一 他事件につき本刑たる自由刑に算入された未決勾留と重複する未決勾留をさらに本刑たる自由刑に算入することは違法か。
二 右重複の有無、範囲を判断するについての本刑算入未決勾留日数の取扱方。

裁判要旨一 他事件につき本刑たる自由刑に算入された未決勾留と重複する未決勾留を、さらに本刑たる自由刑に算入することは、刑法第二一条〈未決勾留日数の本刑算入〉、刑訴法第四九五条の趣旨に違反し許されない。
二 右重複の有無、範囲を判断するにあたり、本刑に算入された未決勾留の日数は、刑の執行があつたとされる刑量を示すにすぎないものとして扱うべきで、未決勾留期間中の暦に従つた特定の日を起算日としての刑の執行があつたものとすべきではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年7月9日 昭和40(あ)230
登載
刑集 第19巻5号508頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条
論点138第21条刑法

二個の刑が言渡された場合の未決勾留日数の裁定通算の方法。

裁判要旨被告人に対し二個の刑が言渡された場合の未決勾留日数の裁定通算は、まず、勾留状が発せられた罪に対する刑を本刑として、これに算入すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年1月23日 昭和37(あ)2173
登載
刑集 第18巻1号15頁
参照法条
刑法21条,刑法45条後段,刑法50条
論点139第21条刑法

刑訴法第四九五条に定める未決勾留日数の通算とその宣告。

裁判要旨刑訴第四九五条に定める未決勾留日数を本刑に通算することは、判決において宣告すべきものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年4月5日 昭和34(あ)2374
登載
集刑 第133号1頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条
論点140第21条刑法

一 一部破棄の一事例
二 原判決が既になされた高等裁判所の判例および原判決後になされた右判例と同趣旨の最高裁判所の判例と相反する判断をしている場合と刑訴法四〇五条第三号の適用

裁判要旨一 原判決中「本件控訴を棄却する」とある部分に対する上告がその理由なく、「当審における未決勾留日数中百弐拾日を原判決の本刑に算入する」とある部分に対する上告がその理由ある本件においては、原判決中「当審における未決勾留日数中百弐拾日を原判決の本刑に算入する」との部分だけを破棄し、その余の部分に対する上告を棄却すべきものである
二 原判決が既になされた高等裁判所の判例および原判決後になされた右判例と同趣旨の最高裁判所の判例と相反する判断をしている場合には、刑訴法四〇五条第三号を適用して、原判決を破棄することができる
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年4月10日 昭和32(あ)908
登載
刑集 第12巻5号866頁
参照法条
刑法21条,刑訴法357条,刑訴法410条1項,刑訴法405条2項,刑訴法405条3項
論点141第21条刑法

一 刑訴法第三九〇条の合憲性
二 被告人の上訴を棄却する場合とその審級における未決勾留日数の通算

裁判要旨一 刑訴法第三九〇条は憲法第三一条に違反しない。
二 上訴裁判所は、被告人の上訴を棄却する場合においても、その審級における未決勾留日数を本刑に算入することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和32年3月28日 昭和31(あ)3965
登載
刑集 第11巻3号1306頁
参照法条
刑訴法390条,刑訴法495条,憲法31条,刑法21条
論点142第21条刑法

刑訴法第四九五条第二項第二号に定める未決勾留日数の通算とその宣告

裁判要旨原審は被告人の控訴を理由ありとして第一審判決を破棄しているのであるから所論原審における未決勾留日数は刑訴四九五条二項二号により法律上当然本刑に通算されるのであり、原判決がこの点につき特段の裁判をしなかつたのはむしろ当然である。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年7月26日 昭和31(あ)1155
登載
集刑 第114号285頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条2項2号
論点143第21条刑法

一 未決勾留日数を本刑に算入し得ない一事例
二 刑法第二一条〈未決勾留日数の本刑算入〉にいわゆる未決勾留の範囲

裁判要旨一 勾留状記載の被疑事実が公判請求書記載の公判事実中に包含されていないとの理由で勾留を取り消した場合にはその未決勾留日数を本刑に算入することはできない。
二 刑法第二一条〈未決勾留日数の本刑算入〉にいわゆる未決勾留は当該事件に関する判決確定前の勾留であればその勾留が適法であると不法であるとを問わない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和30年3月16日 昭和24(れ)2513
登載
集刑 第103号445頁
参照法条
刑法21条,旧刑訴法255条,旧刑訴法291条,刑訴応急措置法8条5号,刑訴法256条,刑訴法204条
論点144第21条刑法

一 刑訴法第四九五条に定める未決勾留日数の通算の性質
二 控訴趣意として主張されず原審においても判断していない事項について判例違反を主張する上告の適否

裁判要旨一 所論の刑訴法第四九五条に定める未決勾留日数は判決が確定して本刑の執行される際当然に全部本刑に通算されるべきものであつて、原裁判所には右日数を本刑に通算するか否かの裁量権が委ねられてないのであると解するを相当とするから、原裁判所が右日数を本刑に通算すべき旨言渡さなかつたことは当然であつて、毛頭違法ではない。
二 控訴趣意には所論の点に関して何等主張されていないこと記録上明らかであるから原審が所論の点について判示していないのは当然である。されば、原判決を目して所論の判例(昭和二三年(れ)第九七八号、同年一一月一八日第一小法廷判決参照)に反するとなす論旨は判示にそわない事実を独断し、これを前提とするものであつて、とるをえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年3月29日 昭和25(あ)1477
登載
刑集 第5巻4号722頁
参照法条
刑訴法495条,刑訴法405条2号,刑法21条
論点145第21条刑法

平成7年法律第91号(刑法の一部を改正する法律)の施行前にした行為に係る事件について,未決勾留日数の本刑算入をする場合の適条

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成7年6月5日 平成7(あ)160
登載
集刑 第265号755頁
参照法条
刑法21条,平成7年法律91号(刑法の一部を改正する法律)附則2条1項
論点146第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成6年11月25日 平成6(あ)592
登載
集刑 第264号263頁
参照法条
刑法21条,刑訴法405条2号
論点147第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年4月13日 平成4(あ)1180
登載
集刑 第262号325頁
参照法条
刑法21条,刑訴法450条2号
論点148第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年11月19日 平成25(あ)507
登載
集刑 第312号49頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条2項2号,刑訴法405条2号
論点149第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第三小法廷 平成25年11月19日 平成25(あ)508
登載
集刑 第312号59頁
参照法条
刑法21条,刑訴法495条2項2号,刑訴法405条2号
論点150第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年7月21日 平成23(あ)357
登載
集刑 第304号133頁
参照法条
刑法21条,刑訴法405条2号
論点151第21条刑法

刑法46条2項〈併科の制限〉により刑を科さないとされた公訴事実に係る未決勾留日数の算入

裁判要旨併合罪関係にある数罪を併合審理して刑を言い渡す場合,刑法46条2項〈併科の制限〉により刑を科さないとされた公訴事実に係る未決勾留日数を非勾留事実に係る罪に対する無期懲役刑及び罰金刑にそれぞれ算入することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成18年8月31日 平成17(あ)2113
登載
刑集 第60巻6号489頁
参照法条
刑法21条,刑法45条前段,刑法46条2項,刑法48条1項
論点152第21条刑法

併合罪関係にある数罪を併合審理して1個の主文による刑を言い渡す場合と刑法21条にいう「本刑」

裁判要旨併合罪関係にある数罪を併合審理して1個の主文による刑を言い渡す場合,その刑が刑法21条にいう「本刑」に該当し,この理は,その刑が懲役刑と罰金刑を併科するものであるときでも異ならない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成18年8月30日 平成17(あ)2535
登載
刑集 第60巻6号457頁
参照法条
刑法21条,刑法45条前段,刑法48条1項
論点153第21条刑法

1 刑法47条〈有期拘禁刑の加重〉の法意
2 刑訴法495条2項2号にいう「上訴審において原判決が破棄されたとき」の意義

裁判要旨1 刑法47条〈有期拘禁刑の加重〉は,併合罪のうち2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは,同条が定めるところに従って併合罪を構成する各罪全体に対する統一刑を処断刑として形成し,その範囲内で各罪全体に対する刑を決することとした規定であって,併合罪の構成単位である各罪について個別的な量刑判断を行うことは,法律上予定されていない。
2 刑訴法495条2項2号にいう「上訴審において原判決が破棄されたとき」とは,当該上訴審における破棄判決が確定した場合をいう。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成15年7月10日 平成15(あ)60
登載
刑集 第57巻7号903頁
参照法条
刑法21条,刑法47条,刑訴法495条2項
論点154第21条刑法

1 法定刑の軽微な事件について身柄拘束の不必要な長期化を避けるための配慮が十分であったとはいえないとされた事例
2 罰金刑に未決勾留日数を算入しなかったことが量刑判断を誤ったものであるが,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するとは認められないとされた事例

裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年6月5日 平成13(あ)898
登載
集刑 第281号517頁
参照法条
刑法21条,刑訴法60条1項,刑訴法60条2項,刑訴法411条2号
論点155第21条刑法

原判決中未決勾留日数算入部分が破棄された事例

裁判
最高裁判所第一小法廷 平成12年7月13日 平成12(あ)408
登載
集刑 第279号13頁
参照法条
刑法21条,刑訴法405条2号
原

条文原文

原文ママ

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刑法 第9条(刑の種類) 詳細ページ
(刑の種類)
第九条死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
刑法 第10条(刑の軽重) 詳細ページ
(刑の軽重)
第十条主刑の軽重は、前条に規定する順序による。
2同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
3二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑は、犯情によってその軽重を定める。
刑法 第11条(死刑) 詳細ページ
(死刑)
第十一条死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
2死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。
刑法 第12条(拘禁刑) 詳細ページ
(拘禁刑)
第十二条拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。
2拘禁刑は、刑事施設に拘置する。
3拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。
刑法 第13条 詳細ページ
第十三条削除
刑法 第14条(有期拘禁刑の加減の限度) 詳細ページ
(有期拘禁刑の加減の限度)
第十四条死刑又は無期拘禁刑を減軽して有期拘禁刑とする場合においては、その長期を三十年とする。
2有期拘禁刑を加重する場合においては三十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。
刑法 第15条(罰金) 詳細ページ
(罰金)
第十五条罰金は、一万円以上とする。ただし、これを減軽する場合においては、一万円未満に下げることができる。
刑法 第16条(拘留) 詳細ページ
(拘留)
第十六条拘留は、一日以上三十日未満とし、刑事施設に拘置する。
2拘留に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。
刑法 第17条(科料) 詳細ページ
(科料)
第十七条科料は、千円以上一万円未満とする。
刑法 第18条(労役場留置) 詳細ページ
(労役場留置)
第十八条罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置する。
2科料を完納することができない者は、一日以上三十日以下の期間、労役場に留置する。
3罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、三年を超えることができない。科料を併科した場合における留置の期間は、六十日を超えることができない。
4罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。
5罰金については裁判が確定した後三十日以内、科料については裁判が確定した後十日以内は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。
6罰金又は科料の一部を納付した者についての留置の日数は、その残額を留置一日の割合に相当する金額で除して得た日数(その日数に一日未満の端数を生じるときは、これを一日とする。)とする。
刑法 第19条(没収) 詳細ページ
(没収)
第十九条次に掲げる物は、没収することができる。
一犯罪行為を組成した物
二犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
三犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
四前号に掲げる物の対価として得た物
2没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。
刑法 第19_2条(追徴) 詳細ページ
(追徴)
第十九条の二前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
刑法 第20条(没収の制限) 詳細ページ
(没収の制限)
第二十条拘留又は科料のみに当たる罪については、特別の規定がなければ、没収を科することができない。ただし、第十九条第一項第一号に掲げる物の没収については、この限りでない。
刑法 第21条(未決勾留日数の本刑算入) 詳細ページ
(未決勾留日数の本刑算入)
第二十一条未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。
出

一次情報

原文ママ

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