商業登記法 / テーマ別まとめ

登記手続/通則

通則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

商業登記の通則は、誰が登記を申請できるか、申請書の様式・添付書類、登記官による受付・本人確認・審査・却下といった一連の手続の流れを定めています。あわせて、無効・取消しの訴えが提起期間内に提起されなかった場合の扱いや、行政区画等の名称変更があった場合の登記上の扱いも規定しています。実務担当者は、申請書を作成する際の必須記載事項や却下を避けるための注意点として押さえておく必要があります。

通則
項目内容条文
登記の申請主体当事者の申請または官庁の嘱託14条
申請方式書面での申請17条
代理申請の添付書面権限を証する書面18条
許可が必要な事項許可書または認証謄本を添付19条
電磁的記録の添付定款・議事録等が電磁的記録の場合に添付19条の2
登記事項証明書の省略会社法人等番号の記載等で省略可19条の3
受付受付帳に記載、申請書に受付番号を記載21条
受領証請求があれば交付22条
登記の順序受付番号順23条
本人確認疑いがあれば調査・嘱託可23条の2
申請の却下却下事由に該当すれば却下(補正可)24条
提訴期間経過後無効・取消しの訴えが未提起なら登記可25条
行政区画等の変更変更登記があったものとみなす26条
  • 14条:法令に別段の定めがある場合は、当事者申請・嘱託によらず登記できます
  • 24条:申請の不備が補正可能なもので、登記官が定めた期間内に補正すれば却下されません
  • 25条:添付書面は訴えの未提起証明書と登記事項の存在証明書に限られ、18条の書面以外は不要です
  • 21条2項:オンライン申請(電子情報処理組織使用)には申請書への記載に関する規定が適用されません
  • 15条:官庁の嘱託による登記手続には5条・17条〜19条の2など複数の規定が準用されます
  • 16条・20条は削除されており、現在は規定がありません
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通則

通則について、条文は何を定めているか。

第14条当事者申請主義当事者の申請か官庁の嘱託が必要1項判例なし
  • 法令に別段の定めがない限り、申請か嘱託が必須です
  • 登記官が自分の判断だけで登記することはできません
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第15条嘱託による登記官庁の嘱託にも申請手続の規定を準用1項判例なし
  • 受付・却下・順序など申請手続の規定が嘱託にも適用されます
  • 準用される条文は5条〈登記官の除斥〉・17条〈登記申請の方式〉〜19条の2〈申請書に添付すべき電磁的記録〉など複数あります
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第16条削除された条文(現在は規定なし)1項判例なし
  • 現在この条番号に規定はありません
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第17条登記申請の方式申請は書面で行い記載事項がある3項・8号判例なし
  • 申請人の氏名・住所、代理人情報、登記事由などを記載します
  • 申請人や代理人が記名押印する必要があります
  • 登記すべき事項を電磁的記録で提供すれば記載を省略できます
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第18条申請書の添付書面代理人申請には権限証明書の添付が必要1項判例なし
  • 代理人が申請する場合、権限を証する書面を添付します
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第19条官庁の許可が必要な登記は許可書を添付1項判例なし
  • 許可書またはその認証がある謄本を申請書に添付します
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第19_2条申請書に添付すべき電磁的記録定款等が電子データなら電磁的記録を添付1項判例なし
  • 定款・議事録・貸借対照表が電磁的記録の場合、内容を記録した電磁的記録を添付します
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第19_3条添付書面の特例登記事項証明書の添付を省略できる場合がある1項判例なし
  • 申請書に会社法人等番号を記載すれば添付は不要です
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第20条削除された条文(現在は規定なし)1項判例なし
  • 現在この条番号に規定はありません
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第21条受付登記官は受付帳に記載し申請書にも記録する3項判例なし
  • 受付の年月日・受付番号を受付帳と申請書に記載します
  • オンライン申請では申請書への記載に関する規定は適用されません
  • 同時に複数申請を受けた場合はその旨を受付帳に記載します
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第22条受領証請求があれば受領証を交付する1項判例なし
  • 申請人が請求すれば登記官は受領証を交付します
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第23条登記の順序登記は受付番号の順序で処理する1項判例なし
  • 登記官は受付番号の順序に従って登記します
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第23_2条登記官による本人確認本人確認のための調査ができる2項判例なし
  • 別人による申請を疑う相当な理由があれば調査します
  • 出頭要求・質問・文書提示などの方法で確認します
  • 遠隔地の場合は他の登記所に調査を嘱託できます
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第24条申請の却下却下事由に該当すれば申請を却下する1項・15号判例 2件
  • 管轄違いや添付不備など15の却下事由が定められています
  • 補正可能な不備は、定められた期間内に補正すれば却下されません
  • 却下は理由を付した決定で行われます
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第25条提訴期間経過後の登記提訴期間内に訴えがなければ登記できる3項判例なし
  • 無効・取消しの訴えが提起期間内に提起されなければ、その事由では却下されません
  • 未提起の証明書と登記事項の存在を証する書面を添付します
  • 本店所在地の地方裁判所で未提起証明書の交付を請求できます
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第26条行政区画等の変更行政区画等の変更は登記があったとみなす1項判例なし
  • 行政区画・郡・区・市町村内の町字やその名称変更は登記済みとみなされます
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第24条商業登記法

一 商業登記法二四条〈申請の却下〉違反の瑕疵ある登記と審査請求が許される事由
二 商法一九条に反する登記申請が受理され登記が完了したときと審査請求の許否

裁判要旨一 登記の申請が商業登記法二四条〈申請の却下〉各号所定の却下事由に該当していても、これが受理されて登記が完了したときは、審査請求により右登記の抹消を求めることができるのは、登記につき登記官による職権抹消事由が存することを理由とする場合に限られる。
二 商法一九条の規定に反し登記することができない商号の登記を目的とする登記申請でも、登記官がその申請を受理して登記を完了したときは、審査請求の方法によつて右登記の抹消を求めることは許されない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年2月21日 昭和59(行ツ)232
登載
集民 第144号119頁
参照法条
商業登記法24条13号,商業登記法27条,商業登記法109条1項,商業登記法110条1項,商業登記法114条,商法19条
論点2第24条商業登記法

株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合と退任による変更登記

裁判要旨株式会社の取締役または監査役の任期満了または辞任による退任により法律または定款に定める取締役または監査役の員数を欠くに至つた場合においては、右退任による変更登記は、あらたに選任された取締役または監査役の就職するまで許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和43年12月24日 昭和41(行ツ)65
登載
民集 第22巻13号3334頁
参照法条
商法188条3項,商法258条1項,商法280条,商業登記法24条10号
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

商業登記法 第14条(当事者申請主義) 詳細ページ
(当事者申請主義)
第十四条登記は、法令に別段の定めがある場合を除くほか、当事者の申請又は官庁の嘱託がなければ、することができない。
商業登記法 第15条(嘱託による登記) 詳細ページ
(嘱託による登記)
第十五条第五条、第十七条から第十九条の二まで、第二十一条、第二十二条、第二十三条の二、第二十四条、第五十一条第一項及び第二項、第五十二条、第七十八条第一項及び第三項、第八十二条第二項及び第三項、第八十三条、第八十七条第一項及び第二項、第八十八条、第九十一条第一項及び第二項、第九十二条、第百三十二条並びに第百三十四条の規定は、官庁の嘱託による登記の手続について準用する。
商業登記法 第16条 詳細ページ
第十六条削除
商業登記法 第17条(登記申請の方式) 詳細ページ
(登記申請の方式)
第十七条登記の申請は、書面でしなければならない。
2申請書には、次の事項を記載し、申請人又はその代表者(当該代表者が法人である場合にあつては、その職務を行うべき者)若しくは代理人が記名押印しなければならない。
一申請人の氏名及び住所、申請人が会社であるときは、その商号及び本店並びに代表者の氏名又は名称及び住所(当該代表者が法人である場合にあつては、その職務を行うべき者の氏名及び住所を含む。)
二代理人によつて申請するときは、その氏名及び住所
三登記の事由
四登記すべき事項
五登記すべき事項につき官庁の許可を要するときは、許可書の到達した年月日
六登録免許税の額及びこれにつき課税標準の金額があるときは、その金額
七年月日
八登記所の表示
3前項第四号に掲げる事項を記録した電磁的記録が法務省令で定める方法により提供されたときは、同項の規定にかかわらず、申請書には、当該電磁的記録に記録された事項を記載することを要しない。
商業登記法 第18条(申請書の添付書面) 詳細ページ
(申請書の添付書面)
第十八条代理人によつて登記を申請するには、申請書(前条第三項に規定する電磁的記録を含む。以下同じ。)にその権限を証する書面を添付しなければならない。
商業登記法 第19条 詳細ページ
第十九条官庁の許可を要する事項の登記を申請するには、申請書に官庁の許可書又はその認証がある謄本を添附しなければならない。
商業登記法 第19_2条(申請書に添付すべき電磁的記録) 詳細ページ
(申請書に添付すべき電磁的記録)
第十九条の二登記の申請書に添付すべき定款、議事録若しくは最終の貸借対照表が電磁的記録で作られているとき、又は登記の申請書に添付すべき書面につきその作成に代えて電磁的記録の作成がされているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を記録した電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を当該申請書に添付しなければならない。
商業登記法 第19_3条(添付書面の特例) 詳細ページ
(添付書面の特例)
第十九条の三この法律の規定により登記の申請書に添付しなければならないとされている登記事項証明書は、申請書に会社法人等番号を記載した場合その他の法務省令で定める場合には、添付することを要しない。
商業登記法 第20条 詳細ページ
第二十条削除
商業登記法 第21条(受付) 詳細ページ
(受付)
第二十一条登記官は、登記の申請書を受け取つたときは、受付帳に登記の種類、申請人の氏名、会社が申請人であるときはその商号、受付の年月日及び受付番号を記載し、申請書に受付の年月日及び受付番号を記載しなければならない。
2情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してする登記の申請については、前項の規定中申請書への記載に関する部分は、適用しない。
3登記官は、二以上の登記の申請書を同時に受け取つた場合又は二以上の登記の申請書についてこれを受け取つた時の前後が明らかでない場合には、受付帳にその旨を記載しなければならない。
商業登記法 第22条(受領証) 詳細ページ
(受領証)
第二十二条登記官は、登記の申請書その他の書面(第十九条の二に規定する電磁的記録を含む。)を受け取つた場合において、申請人の請求があつたときは、受領証を交付しなければならない。
商業登記法 第23条(登記の順序) 詳細ページ
(登記の順序)
第二十三条登記官は、受附番号の順序に従つて登記をしなければならない。
商業登記法 第23_2条(登記官による本人確認) 詳細ページ
(登記官による本人確認)
第二十三条の二登記官は、登記の申請があつた場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。
2登記官は、前項に規定する申請人又はその代表者若しくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に同項の調査を嘱託することができる。
商業登記法 第24条(申請の却下) 詳細ページ
(申請の却下)
第二十四条登記官は、次の各号のいずれかに掲げる事由がある場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
一申請に係る当事者の営業所の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。
二申請が登記すべき事項以外の事項の登記を目的とするとき。
三申請に係る登記がその登記所において既に登記されているとき。
四申請の権限を有しない者の申請によるとき、又は申請の権限を有する者であることの証明がないとき。
五第二十一条第三項に規定する場合において、当該申請に係る登記をすることにより同項の登記の申請書のうち他の申請書に係る登記をすることができなくなるとき。
六申請書がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
七申請書に必要な書面(第十九条の二に規定する電磁的記録を含む。)を添付しないとき。
八申請書又はその添付書面(第十九条の二に規定する電磁的記録を含む。以下同じ。)の記載又は記録が申請書の添付書面又は登記簿の記載又は記録と合致しないとき。
九登記すべき事項につき無効又は取消しの原因があるとき。
十申請につき経由すべき登記所を経由しないとき。
十一同時にすべき他の登記の申請を同時にしないとき。
十二申請が第二十七条の規定により登記することができない商号の登記を目的とするとき。
十三申請が法令の規定により使用を禁止された商号の登記を目的とするとき。
十四商号の登記を抹消されている会社が商号の登記をしないで他の登記を申請したとき。
十五登録免許税を納付しないとき。
商業登記法 第25条(提訴期間経過後の登記) 詳細ページ
(提訴期間経過後の登記)
第二十五条登記すべき事項につき訴えをもつてのみ主張することができる無効又は取消しの原因がある場合において、その訴えがその提起期間内に提起されなかつたときは、前条第九号の規定は、適用しない。
2前項の場合の登記の申請書には、同項の訴えがその提起期間内に提起されなかつたことを証する書面及び登記すべき事項の存在を証する書面を添附しなければならない。この場合には、第十八条の書面を除き、他の書面の添附を要しない。
3会社は、その本店の所在地を管轄する地方裁判所に、第一項の訴えがその提起期間内に提起されなかつたことを証する書面の交付を請求することができる。
商業登記法 第26条(行政区画等の変更) 詳細ページ
(行政区画等の変更)
第二十六条行政区画、郡、区、市町村内の町若しくは字又はそれらの名称の変更があつたときは、その変更による登記があつたものとみなす。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。