民事執行法 / テーマ別まとめ

強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

金銭の支払を目的としない請求権を実現するための強制執行の方法をまとめています。対象が不動産・動産・第三者占有物か、作為・不作為債務か、子の引渡しかによって、執行官が占有を直接移す方法、執行裁判所が第三者に行わせたり金銭支払を命じたりする方法など、実現の仕組みが条文ごとに異なります。意思表示を命じる判決等が確定した場合に意思表示があったとみなす制度についても整理しています。

金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
対象方法実施機関
不動産等の引渡し・明渡し執行官が占有を解いて債権者に取得させる執行官
動産の引渡し執行官が取り上げて債権者に引き渡す執行官
第三者が占有する物の引渡し引渡請求権を差し押さえ債権者に行使させる執行裁判所
作為・不作為債務(代替執行)第三者に行わせる・除去等を命じる執行裁判所
作為・不作為債務(間接強制)不履行なら金銭支払を命じる執行裁判所
子の引渡し執行官が子の引渡しを実施執行裁判所・執行官
  • 明渡しの催告の引渡し期限は催告日から原則1か月、執行裁判所の許可で延長できる
  • 明渡し催告後に占有が移っても、期限内なら新たな占有者に執行できる場合がある
  • 173条により、168〜171条の方法に加え間接強制の方法も選べる
  • 174条1項1号の申立ては174条2項各号のいずれかの要件を満たす必要がある
  • 177条の意思表示の擬制は、反対給付や証明事実の有無で認定される時期が異なる
  • 175条の子の捜索等は、原則として債権者本人か代理人が現場に出頭した場合に限られる
1

金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行

金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行について、条文は何を定めているか。

第168条不動産の引渡し等の強制執行執行官が不動産等の占有を強制的に移す9項判例なし
  • 執行官が債務者の占有を解いて債権者に占有を取得させる
  • 債権者本人か代理人が現場に出頭しないと執行できない
  • 対象外の動産は引き渡すか、できなければ売却・保管する
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第168_2条明渡しの催告催告により引渡し期限までの猶予期間を与える10項判例なし
  • 引渡し期限は催告日から原則1か月(裁判所許可で延長可)
  • 催告後は債務者は不動産等の占有を移転してはならない
  • 期限内なら占有が移っても新占有者に執行できる場合がある
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第169条動産の引渡しの強制執行執行官が動産を取り上げて債権者に引き渡す2項判例なし
  • 不動産等以外の動産(有価証券を含む)が対象
  • 対象外の動産の扱いは168条5項〈不動産の引渡し等の強制執行〉から8項までを準用する
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第170条目的物を第三者が占有する場合の引渡しの強制執行第三者が持つ物は請求権を差し押さえて回収2項判例なし
  • 第三者が占有し債務者に引き渡す義務がある場合が対象
  • 執行裁判所が引渡請求権を差し押さえ債権者に行使させる
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第171条代替執行作為・不作為債務を第三者や措置で実現させる6項・2号判例なし
  • 作為債務は債務者の費用で第三者に行わせる
  • 不作為債務は結果の除去や将来のための処分を命じる
  • 決定前に債務者の審尋が必要
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第172条間接強制履行しなければ金銭支払を命じて心理的に迫る6項判例 10件
  • 遅延期間や一定期間内の不履行に応じ金銭支払を命じる
  • 事情の変更があれば決定内容を変更できる
  • 相手方の審尋が必要
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第173条引渡し等でも間接強制の方法を選べる2項判例 2件
  • 168条〈不動産の引渡し等の強制執行〉から171条〈代替執行〉の方法のほか間接強制も申立てできる
  • この場合172条2項〈間接強制〉から5項までの規定を準用する
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第174条子の引渡しの強制執行子の引渡しは執行官実施か間接強制で行う6項・5号判例 2件
  • 執行官実施は間接強制決定確定から2週間経過等が条件
  • 急迫の危険があれば直ちに執行官実施を申し立てられる
  • 決定前は原則債務者の審尋が必要
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第175条執行官の権限等執行官は子の捜索や面会等の行為ができる9項・3号判例なし
  • 債務者の住居等に立ち入り子を捜索できる
  • 債権者や代理人と子・債務者を面会させられる
  • 債権者本人か代理人が現場にいないと実施できない
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第176条執行裁判所及び執行官の責務子の心身への配慮を尽くす義務がある1項判例なし
  • 子の年齢・発達等を踏まえ心身への悪影響を避けるよう配慮する
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第177条意思表示の擬制意思表示を命じる判決確定で意思表示済みとみなす3項判例なし
  • 判決確定や和解・認諾等の成立時に意思表示があったとみなす
  • 反対給付と引換えの場合は執行文付与時に意思表示ありとみなす
  • 証明すべき事実がないことが条件の場合も執行文付与時とみなす
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第172条民事執行法

子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例

裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して長男A,二男B及び長女Cを母に引き渡すよう命ずる審判を債務名義とするAの引渡しについての間接強制の申立ては,次の(1),(2)など判示の事情の下では,権利の濫用に当たる。
(1) 上記審判を債務名義とする引渡執行の際,B及びCが母に引き渡されたにもかかわらず,A(当時9歳3箇月)については,引き渡されることを拒絶して呼吸困難に陥りそうになったため,執行を続けるとその心身に重大な悪影響を及ぼすおそれがあるとして執行不能とされた。
(2) 父及びその両親を拘束者,Aを被拘束者とする人身保護請求事件の審問期日において,A(当時9歳7箇月)は,母に引き渡されることを拒絶する意思を明確に表示し,その人身保護請求は,Aが父等の影響を受けたものではなく自由意思に基づいて父等のもとにとどまっているとして棄却された。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成31年4月26日 平成30(許)13
登載
集民 第261号247頁
参照法条
民法1条3項,民法414条1項,民法766条1項,家事事件手続法75条,家事事件手続法154条3項,民事執行法172条1項
論点2第172条民事執行法

仮処分決定により干拓地の潮受堤防の排水門を開放してはならない旨の義務を負った者が第三者の提起した訴訟の確定判決により上記排水門を開放すべき義務を負っているという事情がある場合における上記仮処分決定に基づく間接強制決定の許否

裁判要旨仮処分決定により干拓地の潮受堤防の排水門を開放してはならない旨の義務を負った者が第三者の提起した訴訟の確定判決により上記排水門を開放すべき義務を負っているという事情があっても,執行裁判所は上記仮処分決定に基づき間接強制決定をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年1月22日 平成26(許)26
登載
集民 第249号67頁
参照法条
民事執行法172条1項,民事保全法52条
論点3第172条民事執行法

確定判決により干拓地の潮受堤防の排水門を開放すべき義務を負った者が第三者の申立てに基づく仮処分決定により上記排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情がある場合における上記確定判決に基づく間接強制決定の許否

裁判要旨確定判決により干拓地の潮受堤防の排水門を開放すべき義務を負った者が第三者の申立てに基づく仮処分決定により上記排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情があっても,執行裁判所は上記確定判決に基づき間接強制決定をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成27年1月22日 平成26(許)17
登載
集民 第249号43頁
参照法条
民事執行法172条1項
論点4第172条民事執行法

監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例

裁判要旨監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の頻度等につき1箇月に2回,土曜日又は日曜日に1回につき6時間とする旨定められているが,子の引渡しの方法については何ら定められていないなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年3月28日 平成24(許)41
登載
集民 第243号261頁
参照法条
民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項
論点5第172条民事執行法

1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができる場合
2 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができるとされた事例

裁判要旨1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができる。
2 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,次の(1),(2)のとおり定められているなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付の特定に欠けるところはないといえ,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができる。
(1) 面会交流の日程等は,月1回,毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとし,場所は,子の福祉を考慮して非監護親の自宅以外の非監護親が定めた場所とする。
(2) 子の受渡場所は,監護親の自宅以外の場所とし,当事者間で協議して定めるが,協議が調わないときは,所定の駅改札口付近とし,監護親は,面会交流開始時に,受渡場所において子を非監護親に引き渡し,子を引き渡す場面のほかは,面会交流に立ち会わず,非監護親は,面会交流終了時に,受渡場所において子を監護親に引き渡す。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年3月28日 平成24(許)48
登載
民集 第67巻3号864頁
参照法条
(1,2につき) 民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事事件手続法75条,民事執行法172条1項
論点6第172条民事執行法

非監護親と子が面会交流をすることを定める調停調書に基づき間接強制決定をすることができないとされた事例

裁判要旨非監護親と監護親との間において非監護親と子が面会交流をすることを定める調停が成立した場合において,調停調書に次の(1),(2)のとおり定められているなど判示の事情の下では,監護親がすべき給付が十分に特定されているとはいえず,上記調停調書に基づき監護親に対し間接強制決定をすることはできない。
(1) 面会交流は,2箇月に1回程度,原則として第3土曜日の翌日に,半日程度(原則として午前11時から午後5時まで)とするが,最初は1時間程度から始めることとし,子の様子を見ながら徐々に時間を延ばすこととする。
(2) 監護親は,上記(1)の面会交流の開始時に所定の喫茶店の前で子を非監護親に会わせ,非監護親は終了時間に同場所において子を監護親に引き渡すことを当面の原則とするが,面会交流の具体的な日時,場所,方法等は,子の福祉に慎重に配慮して,監護親と非監護親間で協議して定める。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成25年3月28日 平成24(許)47
登載
集民 第243号271頁
参照法条
民法766条1項,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)15条,家事審判法(平成23年法律第53号による廃止前のもの)21条1項ただし書,家事事件手続法75条,家事事件手続法268条1項,民事執行法172条1項
論点7第172条民事執行法

保全すべき権利が発令時から存在しなかったものと本案訴訟の判決で判断され,仮処分命令が事情の変更により取り消された場合において,当該仮処分命令の保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,不当利得返還請求をすることができるか

裁判要旨仮処分命令における保全すべき権利が,本案訴訟の判決において,当該仮処分命令の発令時から存在しなかったものと判断され,このことが事情の変更に当たるとして当該仮処分命令を取り消す旨の決定が確定した場合には,当該仮処分命令を受けた債務者は,その保全執行としてされた間接強制決定に基づき取り立てられた金銭につき,債権者に対して不当利得返還請求をすることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成21年4月24日 平成20(受)224
登載
民集 第63巻4号765頁
参照法条
民事執行法172条1項,民事保全法38条1項,民事保全法52条,民法703条
論点8第172条民事執行法

不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制決定をするために債権者において債務者の不作為義務違反の事実を立証することの要否

裁判要旨不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制決定をするには,債権者において,債務者がその不作為義務に違反するおそれがあることを立証すれば足り,債務者が現にその不作為義務に違反していることを立証する必要はない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年12月9日 平成17(許)18
登載
民集 第59巻10号2889頁
参照法条
民事執行法172条1項
論点9第172条民事執行法

ハーグ条約実施法134条に基づく間接強制の方法による子の返還の強制執行の申立てが不適法であるとされた事例

裁判要旨ハーグ条約実施法134条に基づき子の返還を命ずる終局決定を債務名義としてされた間接強制の方法による子の返還の強制執行の申立ては、当該申立ての後に当該終局決定を債務名義とする子の返還の代替執行により子の返還が完了したという事実関係の下においては、不適法である。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和4年6月21日 令和3(許)8
登載
集民 第268号295頁
参照法条
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(ハーグ条約実施法)134条、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(ハーグ条約実施法)136条、民事執行法172条1項
論点10第172条民事執行法

子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例

裁判要旨婚姻中の父母のうち父に対して子を母に引き渡すよう命ずる審判の確定から約2か月の間に2回にわたり子が母に引き渡されることを拒絶する言動をしたにとどまるなど判示の事実関係の下では、子の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ子の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる父の行為を具体的に想定することは困難であるなどとして、上記審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法がある。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和4年11月30日 令和3(許)17
登載
集民 第269号71頁
参照法条
民法1条3項、民事執行法172条1項、民事執行法174条1項2号
論点11第173条民事執行法

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払わなかったことを条件として、遺留分権利者の請求を認容すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成9年7月17日 平成5(オ)342
登載
集民 第183号995頁
参照法条
民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項
論点12第173条民事執行法

遺留分権利者からの不動産の持分移転登記手続請求訴訟において受遺者が裁判所が定めた価額による価額弁償の意思表示をした場合における判決主文

裁判要旨減殺請求をした遺留分権利者が遺贈の目的である不動産の持分移転登記手続を求める訴訟において、受遺者が、事実審口頭弁論終結前に、裁判所が定めた価額により民法一〇四一条の規定による価額の弁償をする旨の意思表示をした場合には、裁判所は、右訴訟の事実審口頭弁論終結時を算定の基準時として弁償すべき額を定めた上、受遺者が右の額を支払わなかったことを条件として、遺留分権利者の請求を認容すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成9年2月25日 平成6(オ)1746
登載
民集 第51巻2号448頁
参照法条
民法1041条1項,民事執行法173条,民訴法191条1項
論点13第174条民事執行法

1 放送法64条1項の意義
2 放送法64条1項の合憲性
3 日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲
4 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権の消滅時効の起算点

裁判要旨1 放送法64条1項は,日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しその放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの上記契約の申込みに対して上記の者が承諾をしない場合には,日本放送協会がその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め,その判決の確定によって上記契約が成立する。
2 放送法64条1項は,同法に定められた日本放送協会の目的にかなう適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の,日本放送協会の放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めたものとして,憲法13条,21条,29条に違反しない。
3 日本放送協会の放送の受信についての契約を締結した者は受信設備の設置の月から定められた受信料を支払わなければならない旨の条項を含む上記契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する。
4 日本放送協会の放送の受信についての契約に基づき発生する,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権(上記契約成立後に履行期が到来するものを除く。)の消滅時効は,上記契約成立時から進行する。
(1につき補足意見,1,2につき補足意見,1,3につき補足意見,1~4につき反対意見がある。)
裁判
最高裁判所大法廷 平成29年12月6日 平成26(オ)1130
登載
民集 第71巻10号1817頁
参照法条
(1~4につき) 放送法1条,放送法第3章 日本放送協会,放送法64条1項 (1,3につき) 民法414条2項ただし書,民事執行法174条1項本文 (2につき) 憲法13条,憲法21条,憲法29条 (4につき) 民法166条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事執行法 第168条(不動産の引渡し等の強制執行) 詳細ページ
(不動産の引渡し等の強制執行)
第百六十八条不動産等(不動産又は人の居住する船舶等をいう。以下この条及び次条において同じ。)の引渡し又は明渡しの強制執行は、執行官が債務者の不動産等に対する占有を解いて債権者にその占有を取得させる方法により行う。
2執行官は、前項の強制執行をするため同項の不動産等の占有者を特定する必要があるときは、当該不動産等に在る者に対し、当該不動産等又はこれに近接する場所において、質問をし、又は文書の提示を求めることができる。
3第一項の強制執行は、債権者又はその代理人が執行の場所に出頭したときに限り、することができる。
4執行官は、第一項の強制執行をするに際し、債務者の占有する不動産等に立ち入り、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
5執行官は、第一項の強制執行においては、その目的物でない動産を取り除いて、債務者、その代理人又は同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものに引き渡さなければならない。この場合において、その動産をこれらの者に引き渡すことができないときは、執行官は、最高裁判所規則で定めるところにより、これを売却することができる。
6執行官は、前項の動産のうちに同項の規定による引渡し又は売却をしなかつたものがあるときは、これを保管しなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
7前項の規定による保管の費用は、執行費用とする。
8第五項(第六項後段において準用する場合を含む。)の規定により動産を売却したときは、執行官は、その売得金から売却及び保管に要した費用を控除し、その残余を供託しなければならない。
9第五十七条第五項の規定は、第一項の強制執行について準用する。
民事執行法 第168_2条(明渡しの催告) 詳細ページ
(明渡しの催告)
第百六十八条の二執行官は、不動産等の引渡し又は明渡しの強制執行の申立てがあつた場合において、当該強制執行を開始することができるときは、次項に規定する引渡し期限を定めて、明渡しの催告(不動産等の引渡し又は明渡しの催告をいう。以下この条において同じ。)をすることができる。ただし、債務者が当該不動産等を占有していないときは、この限りでない。
2引渡し期限(明渡しの催告に基づき第六項の規定による強制執行をすることができる期限をいう。以下この条において同じ。)は、明渡しの催告があつた日から一月を経過する日とする。ただし、執行官は、執行裁判所の許可を得て、当該日以後の日を引渡し期限とすることができる。
3執行官は、明渡しの催告をしたときは、その旨、引渡し期限及び第五項の規定により債務者が不動産等の占有を移転することを禁止されている旨を、当該不動産等の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により、公示しなければならない。
4執行官は、引渡し期限が経過するまでの間においては、執行裁判所の許可を得て、引渡し期限を延長することができる。この場合においては、執行官は、引渡し期限の変更があつた旨及び変更後の引渡し期限を、当該不動産等の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により、公示しなければならない。
5明渡しの催告があつたときは、債務者は、不動産等の占有を移転してはならない。ただし、債権者に対して不動産等の引渡し又は明渡しをする場合は、この限りでない。
6明渡しの催告後に不動産等の占有の移転があつたときは、引渡し期限が経過するまでの間においては、占有者(第一項の不動産等を占有する者であつて債務者以外のものをいう。以下この条において同じ。)に対して、第一項の申立てに基づく強制執行をすることができる。この場合において、第四十二条及び前条の規定の適用については、当該占有者を債務者とみなす。
7明渡しの催告後に不動産等の占有の移転があつたときは、占有者は、明渡しの催告があつたことを知らず、かつ、債務者の占有の承継人でないことを理由として、債権者に対し、強制執行の不許を求める訴えを提起することができる。この場合においては、第三十六条、第三十七条及び第三十八条第三項の規定を準用する。
8明渡しの催告後に不動産等を占有した占有者は、明渡しの催告があつたことを知つて占有したものと推定する。
9第六項の規定により占有者に対して強制執行がされたときは、当該占有者は、執行異議の申立てにおいて、債権者に対抗することができる権原により目的物を占有していること、又は明渡しの催告があつたことを知らず、かつ、債務者の占有の承継人でないことを理由とすることができる。
10明渡しの催告に要した費用は、執行費用とする。
民事執行法 第169条(動産の引渡しの強制執行) 詳細ページ
(動産の引渡しの強制執行)
第百六十九条第百六十八条第一項に規定する動産以外の動産(有価証券を含む。)の引渡しの強制執行は、執行官が債務者からこれを取り上げて債権者に引き渡す方法により行う。
2第百二十二条第二項、第百二十三条第二項及び第百六十八条第五項から第八項までの規定は、前項の強制執行について準用する。
民事執行法 第170条(目的物を第三者が占有する場合の引渡しの強制執行) 詳細ページ
(目的物を第三者が占有する場合の引渡しの強制執行)
第百七十条第三者が強制執行の目的物を占有している場合においてその物を債務者に引き渡すべき義務を負つているときは、物の引渡しの強制執行は、執行裁判所が、債務者の第三者に対する引渡請求権を差し押さえ、請求権の行使を債権者に許す旨の命令を発する方法により行う。
2第百四十四条、第百四十五条(第四項を除く。)、第百四十七条、第百四十八条、第百五十五条第一項及び第三項並びに第百五十八条の規定は、前項の強制執行について準用する。
民事執行法 第171条(代替執行) 詳細ページ
(代替執行)
第百七十一条次の各号に掲げる強制執行は、執行裁判所がそれぞれ当該各号に定める旨を命ずる方法により行う。
一作為を目的とする債務についての強制執行債務者の費用で第三者に当該作為をさせること。
二不作為を目的とする債務についての強制執行債務者の費用で、債務者がした行為の結果を除去し、又は将来のため適当な処分をすべきこと。
2前項の執行裁判所は、第三十三条第二項第一号又は第六号に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める裁判所とする。
3執行裁判所は、第一項の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。
4執行裁判所は、第一項の規定による決定をする場合には、申立てにより、債務者に対し、その決定に掲げる行為をするために必要な費用をあらかじめ債権者に支払うべき旨を命ずることができる。
5第一項の強制執行の申立て又は前項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
6第六条第二項の規定は、第一項の規定による決定を執行する場合について準用する。
民事執行法 第172条(間接強制) 詳細ページ
(間接強制)
第百七十二条作為又は不作為を目的とする債務で前条第一項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。
2事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を変更することができる。
3執行裁判所は、前二項の規定による決定をする場合には、申立ての相手方を審尋しなければならない。
4第一項の規定により命じられた金銭の支払があつた場合において、債務不履行により生じた損害の額が支払額を超えるときは、債権者は、その超える額について損害賠償の請求をすることを妨げられない。
5第一項の強制執行の申立て又は第二項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
6前条第二項の規定は、第一項の執行裁判所について準用する。
民事執行法 第173条 詳細ページ
第百七十三条第百六十八条第一項、第百六十九条第一項、第百七十条第一項及び第百七十一条第一項に規定する強制執行は、それぞれ第百六十八条から第百七十一条までの規定により行うほか、債権者の申立てがあるときは、執行裁判所が前条第一項に規定する方法により行う。この場合においては、同条第二項から第五項までの規定を準用する。
2前項の執行裁判所は、第三十三条第二項各号(第一号の二、第一号の三及び第四号を除く。)に掲げる債務名義の区分に応じ、それぞれ当該債務名義についての執行文付与の訴えの管轄裁判所とする。
民事執行法 第174条(子の引渡しの強制執行) 詳細ページ
(子の引渡しの強制執行)
第百七十四条子の引渡しの強制執行は、次の各号に掲げる方法のいずれかにより行う。
一執行裁判所が決定により執行官に子の引渡しを実施させる方法
二第百七十二条第一項に規定する方法
2前項第一号に掲げる方法による強制執行の申立ては、次の各号のいずれかに該当するときでなければすることができない。
一第百七十二条第一項の規定による決定が確定した日から二週間を経過したとき(当該決定において定められた債務を履行すべき一定の期間の経過がこれより後である場合にあつては、その期間を経過したとき)。
二前項第二号に掲げる方法による強制執行を実施しても、債務者が子の監護を解く見込みがあるとは認められないとき。
三子の急迫の危険を防止するため直ちに強制執行をする必要があるとき。
3執行裁判所は、第一項第一号の規定による決定をする場合には、債務者を審尋しなければならない。ただし、子に急迫した危険があるときその他の審尋をすることにより強制執行の目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
4執行裁判所は、第一項第一号の規定による決定において、執行官に対し、債務者による子の監護を解くために必要な行為をすべきことを命じなければならない。
5第百七十一条第二項の規定は第一項第一号の執行裁判所について、同条第四項の規定は同号の規定による決定をする場合について、それぞれ準用する。
6第二項の強制執行の申立て又は前項において準用する第百七十一条第四項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法 第175条(執行官の権限等) 詳細ページ
(執行官の権限等)
第百七十五条執行官は、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、債務者に対し説得を行うほか、債務者の住居その他債務者の占有する場所において、次に掲げる行為をすることができる。
一その場所に立ち入り、子を捜索すること。この場合において、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすること。
二債権者若しくはその代理人と子を面会させ、又は債権者若しくはその代理人と債務者を面会させること。
三その場所に債権者又はその代理人を立ち入らせること。
2執行官は、子の心身に及ぼす影響、当該場所及びその周囲の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、前項に規定する場所以外の場所においても、債務者による子の監護を解くために必要な行為として、当該場所の占有者の同意を得て又は次項の規定による許可を受けて、前項各号に掲げる行為をすることができる。
3執行裁判所は、子の住居が第一項に規定する場所以外の場所である場合において、債務者と当該場所の占有者との関係、当該占有者の私生活又は業務に与える影響その他の事情を考慮して相当と認めるときは、債権者の申立てにより、当該占有者の同意に代わる許可をすることができる。
4執行官は、前項の規定による許可を受けて第一項各号に掲げる行為をするときは、職務の執行に当たり、当該許可を受けたことを証する文書を提示しなければならない。
5第一項又は第二項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為は、債権者が第一項又は第二項に規定する場所に出頭した場合に限り、することができる。
6執行裁判所は、債権者が第一項又は第二項に規定する場所に出頭することができない場合であつても、その代理人が債権者に代わつて当該場所に出頭することが、当該代理人と子との関係、当該代理人の知識及び経験その他の事情に照らして子の利益の保護のために相当と認めるときは、前項の規定にかかわらず、債権者の申立てにより、当該代理人が当該場所に出頭した場合においても、第一項又は第二項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為をすることができる旨の決定をすることができる。
7執行裁判所は、いつでも前項の決定を取り消すことができる。
8執行官は、第六条第一項の規定にかかわらず、子に対して威力を用いることはできない。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該子以外の者についても、同様とする。
9執行官は、第一項又は第二項の規定による債務者による子の監護を解くために必要な行為をするに際し、債権者又はその代理人に対し、必要な指示をすることができる。
民事執行法 第176条(執行裁判所及び執行官の責務) 詳細ページ
(執行裁判所及び執行官の責務)
第百七十六条執行裁判所及び執行官は、第百七十四条第一項第一号に掲げる方法による子の引渡しの強制執行の手続において子の引渡しを実現するに当たつては、子の年齢及び発達の程度その他の事情を踏まえ、できる限り、当該強制執行が子の心身に有害な影響を及ぼさないように配慮しなければならない。
民事執行法 第177条(意思表示の擬制) 詳細ページ
(意思表示の擬制)
第百七十七条意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定し、又は和解、認諾、調停若しくは労働審判に係る債務名義が成立したときは、債務者は、その確定又は成立の時に意思表示をしたものとみなす。ただし、債務者の意思表示が、債権者の証明すべき事実の到来に係るときは第二十七条第一項の規定により執行文が付与された時に、反対給付との引換え又は債務の履行その他の債務者の証明すべき事実のないことに係るときは次項又は第三項の規定により執行文が付与された時に意思表示をしたものとみなす。
2債務者の意思表示が反対給付との引換えに係る場合においては、執行文は、債権者が反対給付又はその提供のあつたことを証する文書を提出したときに限り、付与することができる。
3債務者の意思表示が債務者の証明すべき事実のないことに係る場合において、執行文の付与の申立てがあつたときは、裁判所書記官は、債務者に対し一定の期間を定めてその事実を証明する文書を提出すべき旨を催告し、債務者がその期間内にその文書を提出しないときに限り、執行文を付与することができる。
出

一次情報

原文ママ

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