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債務者の財産状況の調査/第三者からの情報取得手続

第三者からの情報取得手続の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

第三者からの情報取得手続は、債権者が債務者の不動産・給与・預貯金等に関する情報を、登記所や金融機関、市町村・年金機構などの第三者から執行裁判所を通じて取得できる制度である。不動産と給与の情報取得は原則として財産開示手続を経てから3年以内に申し立てる必要があるが、預貯金等の情報取得にはこの制限がない。取得した情報の利用目的や、事件記録を閲覧できる者の範囲にも制限が設けられている。

第三者からの情報取得手続
対象手続対象財産申立てができる債権者情報提供者事前の財産開示
不動産(205条)土地・建物等金銭債権者・一般の先取特権者登記所必要(開示期日から3年以内)
給与(206条)勤務先の給与等養育費等・生命身体侵害の債権者市町村・年金機構等必要(開示期日から3年以内)
預貯金等(207条)預貯金・振替社債等金銭債権者・一般の先取特権者銀行等・振替機関等不要
  • 205条1項ただし書:債務名義による強制執行を開始できない場合、不動産情報の申立てはできない
  • 205条2項:財産開示期日の手続が実施された場合(200条1項の許可がされたときを除く)から3年以内に限り申立て可。206条3項で給与にも準用
  • 206条1号は市町村民税事務で知り得た給与情報、2号は厚生年金保険事務で知り得た報酬・賞与情報に限られる
  • 206条の一般の先取特権は民法306条3号に係るものに限られる
  • 209条:事件記録中の情報提供部分の閲覧等は、申立人・一定の債権者・債務者・情報提供者に限られる
  • 210条:取得した財産情報は、債権をその本旨に従って行使する目的以外に利用・提供してはならない
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第三者からの情報取得手続

第三者からの情報取得手続について、条文は何を定めているか。

第204条管轄管轄は債務者の住所地等を扱う地裁1項判例なし
  • 債務者の普通裁判籍がある地の地方裁判所が執行裁判所として管轄
  • 普通裁判籍がないときは、情報提供を命じられる者の所在地の地裁が管轄
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第205条債務者の不動産に係る情報の取得登記所に不動産の情報提供を命じる5項・2号判例なし
  • 債務名義正本を持つ金銭債権者、または一般の先取特権を証する文書を提出した債権者が申立て可
  • 財産開示期日の手続が実施された場合、その期日から3年以内に限り申立て可
  • 決定は債務者に送達し、確定しなければ効力を生じない。裁判には執行抗告可
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第206条債務者の給与債権に係る情報の取得市町村・年金機構等に給与情報を命じる3項・2号判例なし
  • 養育費等の請求権、または生命・身体の侵害による損害賠償請求権を持つ債権者が対象
  • 市町村民税事務で知り得た給与情報、厚生年金事務で知り得た報酬・賞与情報が対象
  • 205条2項〈債務者の不動産に係る情報の取得〉から5項(3年以内・送達・確定・抗告)を準用
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第207条債務者の預貯金債権等に係る情報の取得銀行等・振替機関等に預貯金等の情報を命じる3項・2号判例なし
  • 金銭債権の債権者、または一般の先取特権を証する文書を提出した債権者が申立て可
  • 対象は預貯金債権、振替社債等に関する情報
  • 申立てを却下する裁判に対しては執行抗告ができる
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第208条情報の提供の方法等情報提供は書面で執行裁判所へ2項判例なし
  • 情報提供は執行裁判所に対し書面で行う
  • 提供された書面の写しを申立人に送付し、債務者にも提供があった旨を通知
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第209条第三者からの情報取得手続に係る事件の記録の閲覧等の制限事件記録の情報提供部分は閲覧者を限定2項・10号判例なし
  • 205条〈債務者の不動産に係る情報の取得〉・207条〈債務者の預貯金債権等に係る情報の取得〉の手続では、申立人・一定の債権者・債務者・情報提供者のみ閲覧請求可
  • 206条〈債務者の給与債権に係る情報の取得〉の手続でも同様に、申立人・一定の債権者・債務者・情報提供者のみ閲覧請求可
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第210条第三者からの情報取得手続に係る事件に関する情報の目的外利用の制限得た情報は債権行使目的以外に使えない2項判例なし
  • 申立人は取得した財産情報を、債権をその本旨に従って行使する目的以外に利用・提供してはならない
  • 209条〈第三者からの情報取得手続に係る事件の記録の閲覧等の制限〉で記録を閲覧した一定の債権者も、同じ目的外利用・提供が禁止される
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第211条強制執行及び担保権の実行の規定の準用強制執行等の一部規定を準用1項判例なし
  • 39条〈強制執行の停止〉・40条〈執行処分の取消し〉(執行の停止・取消文書提出時の措置)を準用
  • 42条〈執行費用の負担〉(第2項を除く)の規定を準用
  • 182条〈開始決定に対する執行抗告等〉・183条〈不動産担保権の実行の手続の停止〉(一般の先取特権に基づく場合)の規定を準用
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関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

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民事執行法 第204条(管轄) 詳細ページ
(管轄)
第二百四条この節の規定による債務者の財産に係る情報の取得に関する手続(以下「第三者からの情報取得手続」という。)については、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が、この普通裁判籍がないときはこの節の規定により情報の提供を命じられるべき者の所在地を管轄する地方裁判所が、執行裁判所として管轄する。
民事執行法 第205条(債務者の不動産に係る情報の取得) 詳細ページ
(債務者の不動産に係る情報の取得)
第二百五条執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当するときは、それぞれ当該各号に定める者の申立てにより、法務省令で定める登記所に対し、債務者が所有権の登記名義人である土地又は建物その他これらに準ずるものとして法務省令で定めるものに対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるものについて情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、第一号に掲げる場合において、同号に規定する執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一第百九十七条第一項各号のいずれかに該当する場合執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者
二第百九十七条第二項各号のいずれかに該当する場合債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者
2前項の申立ては、財産開示期日における手続が実施された場合(当該財産開示期日に係る財産開示手続において第二百条第一項の許可がされたときを除く。)において、当該財産開示期日から三年以内に限り、することができる。
3第一項の申立てを認容する決定がされたときは、当該決定(同項第二号に掲げる場合にあつては、当該決定及び同号に規定する文書の写し)を債務者に送達しなければならない。
4第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
5第一項の申立てを認容する決定は、確定しなければその効力を生じない。
民事執行法 第206条(債務者の給与債権に係る情報の取得) 詳細ページ
(債務者の給与債権に係る情報の取得)
第二百六条執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一市町村債務者が支払を受ける地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百十七条の二第一項ただし書に規定する給与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(当該市町村が債務者の市町村民税(特別区民税を含む。)に係る事務に関して知り得たものに限る。)
二日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団債務者(厚生年金保険の被保険者であるものに限る。以下この号において同じ。)が支払を受ける厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第三条第一項第三号に規定する報酬又は同項第四号に規定する賞与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの(情報の提供を命じられた者が債務者の厚生年金保険に係る事務に関して知り得たものに限る。)
2執行裁判所は、第百九十七条第二項各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
3前条第二項から第五項までの規定は、前二項の申立て及び当該申立てについての裁判について準用する。
民事執行法 第207条(債務者の預貯金債権等に係る情報の取得) 詳細ページ
(債務者の預貯金債権等に係る情報の取得)
第二百七条執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該当するときは、執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。
一銀行等(銀行、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、信用協同組合連合会、農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫又は独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構をいう。以下この号において同じ。)債務者の当該銀行等に対する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。)に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
二振替機関等(社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項に規定する振替機関等をいう。以下この号において同じ。)債務者の有する振替社債等(同法第二百七十九条に規定する振替社債等であつて、当該振替機関等の備える振替口座簿における債務者の口座に記載され、又は記録されたものに限る。)に関する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として最高裁判所規則で定めるもの
2執行裁判所は、第百九十七条第二項各号のいずれかに該当するときは、債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者の申立てにより、前項各号に掲げる者であつて最高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項について情報の提供をすべき旨を命じなければならない。
3前二項の申立てを却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
民事執行法 第208条(情報の提供の方法等) 詳細ページ
(情報の提供の方法等)
第二百八条第二百五条第一項、第二百六条第一項若しくは第二項又は前条第一項若しくは第二項の申立てを認容する決定により命じられた情報の提供は、執行裁判所に対し、書面でしなければならない。
2前項の情報の提供がされたときは、執行裁判所は、最高裁判所規則で定めるところにより、申立人に同項の書面の写しを送付し、かつ、債務者に対し、同項に規定する決定に基づいてその財産に関する情報の提供がされた旨を通知しなければならない。
民事執行法 第209条(第三者からの情報取得手続に係る事件の記録の閲覧等の制限) 詳細ページ
(第三者からの情報取得手続に係る事件の記録の閲覧等の制限)
第二百九条第二百五条又は第二百七条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
一申立人
二債務者に対する金銭債権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
三債務者の財産について一般の先取特権を有することを証する文書を提出した債権者
四債務者
五当該情報の提供をした者
2第二百六条の規定による第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中前条第一項の情報の提供に関する部分についての第十七条の規定による請求は、次に掲げる者に限り、することができる。
一申立人
二債務者に対する第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者
三債務者の財産について一般の先取特権(民法第三百六条第三号に係るものに限る。)を有することを証する文書を提出した債権者
四債務者
五当該情報の提供をした者
民事執行法 第210条(第三者からの情報取得手続に係る事件に関する情報の目的外利用の制限) 詳細ページ
(第三者からの情報取得手続に係る事件に関する情報の目的外利用の制限)
第二百十条申立人は、第三者からの情報取得手続において得られた債務者の財産に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
2前条第一項第二号若しくは第三号又は第二項第二号若しくは第三号に掲げる者であつて、第三者からの情報取得手続に係る事件の記録中の第二百八条第一項の情報の提供に関する部分の情報を得たものは、当該情報を当該事件の債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。
民事執行法 第211条(強制執行及び担保権の実行の規定の準用) 詳細ページ
(強制執行及び担保権の実行の規定の準用)
第二百十一条第三十九条及び第四十条の規定は執行力のある債務名義の正本に基づく第三者からの情報取得手続について、第四十二条(第二項を除く。)の規定は第三者からの情報取得手続について、第百八十二条及び第百八十三条の規定は一般の先取特権に基づく第三者からの情報取得手続について、それぞれ準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。