否認権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
更生手続開始後、更生会社の財産を害する行為や特定の債権者だけを有利にする行為を、管財人が更生会社財産のために取り戻す「否認権」の制度を整理しています。対象となる行為の類型ごとの要件、否認権の行使方法(訴え・否認の請求・抗弁)、相手方や転得者の権利、行使できる期間の制限までを条文に沿ってまとめています。
| 否認類型 | 根拠条文 | 対象となる行為 | 要件のポイント |
|---|---|---|---|
| 詐害行為(原則) | 86条1項1号 | 財産を害する行為 | 相手方が悪意 |
| 支払停止等後の加害行為 | 86条1項2号 | 支払停止等後に害する行為 | 相手方が停止等と加害を悪意 |
| 過大な代物弁済等 | 86条2項 | 債務消滅行為の給付が過大 | 1項各号いずれかに該当 |
| 無償行為等 | 86条3項 | 無償・同視される有償行為 | 停止等の前後6か月以内、主観要件なし |
| 相当対価の処分行為 | 86条の2 | 財産を相当対価で処分 | 隠匿等の処分意思+相手方悪意 |
| 既存債務の担保供与等 | 86条の3第1号 | 既存債務の担保・弁済 | 支払不能後等+相手方悪意 |
| 非義務の担保供与等 | 86条の3第2号 | 義務にない担保・弁済 | 支払不能前30日以内+悪意 |
| 対抗要件の具備行為 | 88条 | 対抗要件を備える行為 | 15日経過後に悪意 |
| 執行行為に基づく行為 | 89条 | 執行行為に基づく行為 | 否認は妨げられない |
否認権について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果が及ぶ目的物の範囲
管財人を被告とすべきであるのに更生会社を被告として訴が提起されたのちに更生会社の取締役に会社更生法二一一条三項〈更生会社の取締役等に関する特例〉または同法二四八条の二第一項所定の授権がなされた場合と訴の適否
更生会社の管財人を当事者とする訴訟の係属中に管財人が追加選任された場合と訴訟手続の中断
更生会社の管財人が数人あるのにそのうちの一人が単独で手形行為をした場合に商法二六二条の類推適用があるとされた事例
e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。
条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。