会社更生法 / テーマ別まとめ

更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等/否認権

否認権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

更生手続開始後、更生会社の財産を害する行為や特定の債権者だけを有利にする行為を、管財人が更生会社財産のために取り戻す「否認権」の制度を整理しています。対象となる行為の類型ごとの要件、否認権の行使方法(訴え・否認の請求・抗弁)、相手方や転得者の権利、行使できる期間の制限までを条文に沿ってまとめています。

否認権
否認類型根拠条文対象となる行為要件のポイント
詐害行為(原則)86条1項1号財産を害する行為相手方が悪意
支払停止等後の加害行為86条1項2号支払停止等後に害する行為相手方が停止等と加害を悪意
過大な代物弁済等86条2項債務消滅行為の給付が過大1項各号いずれかに該当
無償行為等86条3項無償・同視される有償行為停止等の前後6か月以内、主観要件なし
相当対価の処分行為86条の2財産を相当対価で処分隠匿等の処分意思+相手方悪意
既存債務の担保供与等86条の3第1号既存債務の担保・弁済支払不能後等+相手方悪意
非義務の担保供与等86条の3第2号義務にない担保・弁済支払不能前30日以内+悪意
対抗要件の具備行為88条対抗要件を備える行為15日経過後に悪意
執行行為に基づく行為89条執行行為に基づく行為否認は妨げられない
  • 86条1項柱書:担保の供与・債務消滅行為はこの条の対象外
  • 86条2項:否認できるのは消滅した債務額を超える部分のみ
  • 87条:手形遡求権保存のための支払、租税等・罰金等の請求権への担保供与等には86条1項は適用されない
  • 88条:他の仮登記・仮登録に基づく本登記等には適用されない
  • 90条:開始等の申立てから1年以上前の行為は支払停止を理由に否認できない(86条3項の行為を除く)
  • 98条:更生手続開始の日(先行する破産・再生開始があればその開始日)から2年、行為の日から10年で否認権は消滅する
1

否認権

否認権について、条文は何を定めているか。

第86条更生債権者等を害する行為の否認財産を害する行為を否認できる3項・2号判例 1件
  • 害することを知ってした行為・支払停止等後の行為は否認できる(1項)
  • 給付が過大な代物弁済等は超過部分のみ否認できる(2項)
  • 無償行為等は停止等の前後6か月以内なら否認できる(3項)
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第86_2条相当の対価を得てした財産の処分行為の否認相当対価の処分行為も否認できる2項・6号判例なし
  • 隠匿等の処分をするおそれを生じさせる処分行為が対象
  • 更生会社に隠匿等の処分意思、相手方に悪意が必要
  • 役員・過半数株主等は悪意があったと推定される
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第86_3条特定の債権者に対する担保の供与等の否認既存債務の担保供与等を否認できる3項・4号判例なし
  • 支払不能後や開始等の申立て後の行為は相手方が悪意なら否認可(1号)
  • 義務にない行為で支払不能前30日以内なら否認できる(2号)
  • 役員等が相手方の場合や非義務行為の場合は悪意と推定される
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第87条手形債務支払の場合等の例外手形支払等には否認が及ばない3項判例なし
  • 手形の遡求権を守るための支払は1項1号の否認対象外
  • 振出委託者等が悪意・過失なら管財人は償還請求できる
  • 租税等・罰金等の徴収権者への担保供与等も1項の否認対象外
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第88条権利変動の対抗要件の否認対抗要件の具備行為も否認できる2項判例なし
  • 支払停止等の後、権利変動から15日超で悪意なら否認できる
  • 他の仮登記等に基づく本登記等には適用されない
  • 権利取得の効力を生じる登録にも同様に準用される
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第89条執行行為の否認執行行為に基づく行為も否認できる1項判例なし
  • 執行力ある債務名義があっても否認は妨げられない
  • 執行行為に基づく行為であっても否認できる
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第90条支払の停止を要件とする否認の制限支払停止理由の否認に期間制限1項判例なし
  • 開始等の申立てから1年以上前の行為は支払停止を理由に否認不可
  • 無償行為等(86条3項〈更生債権者等を害する行為の否認〉)はこの制限の対象外
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第91条否認権行使の効果否認権行使で財産が原状回復する2項判例なし
  • 否認により更生会社財産は原状に復する
  • 相手方が停止等・加害を知らなければ現存利益の償還で足りる(3項の場合)
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第91_2条更生会社の受けた反対給付に関する相手方の権利等反対給付の返還・償還請求権を定める4項・5号判例なし
  • 反対給付が現存すれば返還請求、なければ共益債権として償還請求
  • 更生会社に隠匿等の処分意思・相手方悪意があれば請求権が変わる
  • 役員等が相手方なら悪意があったと推定される
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第92条相手方の債権の回復否認された相手方の債権が復活する1項判例なし
  • 給付を返還・価額償還すれば相手方の債権は原状に復する(86条の3〈特定の債権者に対する担保の供与等の否認〉の場合)
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第93条転得者に対する否認権転得者に対しても否認権を行使できる2項・3号判例なし
  • 転得者が加害の事実を知っていれば否認できる(1号)
  • 転得者が役員等でも加害を知らなければ否認されない(2号)
  • 無償行為等で転得した場合は転得者にも否認が及ぶ(3号)
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第93_2条更生会社の受けた反対給付に関する転得者の権利等転得者にも反対給付の権利を定める5項判例なし
  • 転得者は91条の2〈更生会社の受けた反対給付に関する相手方の権利等〉各号の区分に応じた権利を行使できる
  • 反対給付額が転得者の給付等を超える場合は共益債権として償還請求
  • 権利行使は転得者がした反対給付等の価額を限度とする
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第93_3条相手方の債権に関する転得者の権利転得者返還時は相手方の債権を行使できる1項判例なし
  • 転得者が給付を返還・償還すれば相手方の債権を行使できる
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第94条保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い保全処分の手続を続行できる4項判例なし
  • 開始決定後、管財人は保全処分に係る手続を続行できる
  • 開始決定から1か月以内に続行しないと保全処分は失効する
  • 他人の財産による担保は更生会社財産による担保に変換が必要
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第95条否認権の行使否認権は管財人が行使する2項判例なし
  • 否認権は訴え・否認の請求・抗弁のいずれかで行使する
  • 訴えと否認の請求事件は更生裁判所が管轄する
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第96条否認の請求及びこれについての決定否認の請求は決定手続で審理される5項判例 2件
  • 請求時は否認の原因となる事実を疎明する必要がある
  • 認容・棄却の裁判は理由を付した決定で行う
  • 更生手続が終了すると請求手続も終了する
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第97条否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え認容決定には異議の訴えができる6項判例 2件
  • 送達日から1か月の不変期間内に異議の訴えを提起できる
  • 訴えの判決で決定を認可・変更・取消しする
  • 認可判決の確定で決定は確定判決と同一の効力を持つ
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第98条否認権行使の期間否認権の行使には期間制限がある1項判例なし
  • 更生手続開始の日から2年で否認権は行使できなくなる
  • 行為の日から10年経過でも否認権は行使できなくなる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第86条会社更生法

旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果が及ぶ目的物の範囲

裁判要旨更生会社の管財人が旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号に該当する行為についてした否認の効果は,当該行為の目的物が複数で可分であったとしても,目的物すべてに及ぶ。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成17年11月8日 平成17(オ)153
登載
民集 第59巻9号2333頁
参照法条
旧会社更生法(平成14年法律第154号による改正前のもの)78条1項1号,会社更生法86条1項1号,民法424条1項
論点2第96条会社更生法

管財人を被告とすべきであるのに更生会社を被告として訴が提起されたのちに更生会社の取締役に会社更生法二一一条三項〈更生会社の取締役等に関する特例〉または同法二四八条の二第一項所定の授権がなされた場合と訴の適否

裁判要旨会社更生法等の一部を改正する法律(昭和四二年法律第八八号)施行前に管財人を被告とすべきであるのに誤つて更生会社を被告として提起された訴であつても、右法律施行ののち更生会社の取締役に会社更生法二一一条三項または同法二四八条の二第一項所定の授権がなされた場合には、その訴は、正当な当事者を相手方とした適法な訴となるものと解すべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和47年9月7日 昭和45(オ)969
登載
民集 第26巻7号1301頁
参照法条
会社更生法(昭和42年法律第88号による改正前のもの)96条,会社更生法(昭和42年法律第88号による改正前のもの)96条2項,会社更生法等の一部を改正する法律(昭和42年法律第88号)附則2項,会社更生法等の一部を改正する法律(昭和42年法律第88号)附則3項,民訴法45条
論点3第96条会社更生法

更生会社の管財人を当事者とする訴訟の係属中に管財人が追加選任された場合と訴訟手続の中断

裁判要旨更生会社の管財人を当事者とする訴訟の係属中に、新たに管財人が追加選任されたときは、民訴法二一二条一項の類推適用により訴訟手続は中断し、従来の管財人と新管財人とが共同してその訴訟手続を受け継ぐことを要する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和45年10月27日 昭和45(オ)577
登載
民集 第24巻11号1655頁
参照法条
民訴法212条1項,会社更生法96条,会社更生法97条
論点4第97条会社更生法

更生会社の管財人が数人あるのにそのうちの一人が単独で手形行為をした場合に商法二六二条の類推適用があるとされた事例

裁判要旨更生会社の管財人が数人あるにもかかわらず、そのうちの一人が、単独で、管財人の名称を使用して手形行為をした場合において、手形の取得者が、右一人の管財人が単独で手形行為をなすことができると信じて手形を取得し、更生会社においては、数人の管財人の間に会社更生法九七条一項但書の職務分掌の定めはなかつたが、右一人の管財人が更生会社の管財人として常勤し、他の管財人の同意のもとに事実上更生会社の経営部門の職務を担当し、自己の単独名義で手形行為をなすことを他の管財人が黙認していた事情があるときは、更生会社は、商法二六二条の類推適用により、手形行為者としての責に任じなければならない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和46年2月23日 昭和44(オ)1048
登載
民集 第25巻1号151頁
参照法条
会社更生法97条1項,商法262条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社更生法 第86条(更生債権者等を害する行為の否認) 詳細ページ
(更生債権者等を害する行為の否認)
第八十六条次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
一更生会社が更生債権者等を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、更生債権者等を害することを知らなかったときは、この限りでない。
二更生会社が支払の停止又は更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした更生債権者等を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び更生債権者等を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2更生会社がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、更生手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、更生会社財産のために否認することができる。
3更生会社が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
会社更生法 第86_2条(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認) 詳細ページ
(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)
第八十六条の二更生会社が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
一当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、更生会社において隠匿、無償の供与その他の更生債権者等を害することとなる処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
二更生会社が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三相手方が、当該行為の当時、更生会社が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生会社が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
一更生会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、執行役、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人
二更生会社の総株主の議決権の過半数を有する者
三更生会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社(法人が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社をいう。以下この号において同じ。)又は親法人(子株式会社である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する法人をいう。)及び子株式会社が有する場合における当該親法人
会社更生法 第86_3条(特定の債権者に対する担保の供与等の否認) 詳細ページ
(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
第八十六条の三次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
一更生会社が支払不能になった後又は更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「更生手続開始の申立て等」という。)があった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
イ当該行為が支払不能になった後にされたものである場合支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
ロ当該行為が更生手続開始の申立て等があった後にされたものである場合更生手続開始の申立て等があったこと。
二更生会社の義務に属せず、又はその時期が更生会社の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の更生債権者等を害することを知らなかったときは、この限りでない。
2前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
一債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合
二前項第一号に掲げる行為が更生会社の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が更生会社の義務に属しないものである場合
3第一項各号の規定の適用については、支払の停止(更生手続開始の申立て等の前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。
会社更生法 第87条(手形債務支払の場合等の例外) 詳細ページ
(手形債務支払の場合等の例外)
第八十七条前条第一項第一号の規定は、更生会社から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
2前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、管財人は、これらの者に更生会社が支払った金額を償還させることができる。
3前条第一項の規定は、更生会社が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は第百四十二条第二号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。
会社更生法 第88条(権利変動の対抗要件の否認) 詳細ページ
(権利変動の対抗要件の否認)
第八十八条支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後悪意でしたものであるときは、これを否認することができる。ただし、当該仮登記又は当該仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいてされた本登記又は本登録については、この限りでない。
2前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。
会社更生法 第89条(執行行為の否認) 詳細ページ
(執行行為の否認)
第八十九条否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行うことを妨げない。
会社更生法 第90条(支払の停止を要件とする否認の制限) 詳細ページ
(支払の停止を要件とする否認の制限)
第九十条更生手続開始の申立て等の日から一年以上前にした行為(第八十六条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。
会社更生法 第91条(否認権行使の効果) 詳細ページ
(否認権行使の効果)
第九十一条否認権の行使は、更生会社財産を原状に復させる。
2第八十六条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び更生債権者等を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。
会社更生法 第91_2条(更生会社の受けた反対給付に関する相手方の権利等) 詳細ページ
(更生会社の受けた反対給付に関する相手方の権利等)
第九十一条の二第八十六条第一項若しくは第三項又は第八十六条の二第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
一更生会社の受けた反対給付が更生会社財産中に現存する場合当該反対給付の返還を請求する権利
二更生会社の受けた反対給付が更生会社財産中に現存しない場合共益債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
2前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、更生会社が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が更生会社がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
一更生会社の受けた反対給付によって生じた利益の全部が更生会社財産中に現存する場合共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利
二更生会社の受けた反対給付によって生じた利益が更生会社財産中に現存しない場合更生債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
三更生会社の受けた反対給付によって生じた利益の一部が更生会社財産中に現存する場合共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び更生債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利
3前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第八十六条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生会社が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
4管財人は、第八十六条第一項若しくは第三項又は第八十六条の二第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により更生会社財産に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により共益債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、更生会社の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。
会社更生法 第92条(相手方の債権の回復) 詳細ページ
(相手方の債権の回復)
第九十二条第八十六条の三第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。
会社更生法 第93条(転得者に対する否認権) 詳細ページ
(転得者に対する否認権)
第九十三条次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。
一転得者が転得の当時、更生会社がした行為が更生債権者等を害することを知っていたとき。
二転得者が第八十六条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、更生会社がした行為が更生債権者等を害することを知らなかったときは、この限りでない。
三転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。
2第九十一条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。
会社更生法 第93_2条(更生会社の受けた反対給付に関する転得者の権利等) 詳細ページ
(更生会社の受けた反対給付に関する転得者の権利等)
第九十三条の二更生会社がした第八十六条第一項若しくは第三項又は第八十六条の二第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第九十一条の二第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、同項第一号に掲げる場合において、更生会社の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、共益債権者として更生会社の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。
2前項の規定にかかわらず、第九十一条の二第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、更生会社が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が更生会社がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
3前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第八十六条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生会社が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
4第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。
5管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第九十一条第一項の規定により更生会社財産に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により共益債権となる額(第九十一条の二第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、更生会社の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。
会社更生法 第93_3条(相手方の債権に関する転得者の権利) 詳細ページ
(相手方の債権に関する転得者の権利)
第九十三条の三更生会社がした第八十六条の三第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第九十二条の規定により原状に復すべき相手方の債権を行使することができる。この場合には、前条第四項の規定を準用する。
会社更生法 第94条(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い) 詳細ページ
(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)
第九十四条第三十九条の二第一項(第四十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、更生手続開始の決定があったときは、管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。
2管財人が更生手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。
3管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、第三十九条の二第二項(第四十四条第二項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が更生会社財産に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を更生会社財産に属する財産による担保に変換しなければならない。
4民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。
会社更生法 第95条(否認権の行使) 詳細ページ
(否認権の行使)
第九十五条否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、管財人が行う。
2前項の訴え及び否認の請求事件は、更生裁判所が管轄する。
会社更生法 第96条(否認の請求及びこれについての決定) 詳細ページ
(否認の請求及びこれについての決定)
第九十六条否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
2否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。
3裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。
4否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5否認の請求の手続は、更生手続が終了したときは、終了する。
会社更生法 第97条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え) 詳細ページ
(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)
第九十七条否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
2前項の訴えは、更生裁判所が管轄する。
3第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、否認の請求を認容する決定を認可し、変更し、又は取り消す。
4否認の請求を認容する決定の全部又は一部を認可する判決が確定したときは、当該決定(当該判決において認可された部分に限る。)は、確定判決と同一の効力を有する。第一項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときにおける否認の請求を認容する決定についても、同様とする。
5第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
6第一項の訴えに係る訴訟手続は、第二百三十四条第二号又は第五号に掲げる事由が生じたときは、第五十二条第四項の規定にかかわらず、終了するものとする。
会社更生法 第98条(否認権行使の期間) 詳細ページ
(否認権行使の期間)
第九十八条否認権は、更生手続開始の日(更生手続開始の日より前に破産手続又は再生手続が開始されている場合にあっては、破産手続開始又は再生手続開始の日)から二年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。
出

一次情報

原文ママ

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