民事再生法 / テーマ別まとめ

小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則/給与所得者等再生

給与所得者等再生の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

給与所得者等再生は、給与等の定期的な収入があり額の変動幅が小さい個人債務者を対象に、再生計画案の当否を債権者の決議ではなく意見聴取によって判断する再生手続の特則です。民事再生法239条から245条は、開始の要件、意見聴取の手続、認可・不認可の判断基準、認可後の取消しや手続廃止の要件を定めています。小規模個人再生に関する規定の多くが準用される一方、通常の再生手続に関する一部の規定は適用が除外されます。

給与所得者等再生
項目内容
対象者給与等の定期収入があり変動幅小さい人
申述の時期申立て時(債権者申立ては開始決定まで)
計画案の可否判断決議ではなく意見聴取で決める
最低弁済額過去2年収入等から算定(可処分所得要件)
再度の利用制限前回認可等の確定日から7年以内は不可
根拠規定小規模個人再生の規定を準用
  • 不認可事由は民事再生法241条2項1号~7号の全7項目(表は要旨のみ)
  • 準用条文は221条3項~5項、222条~229条、232条~235条、237条2項
  • 適用除外は238条、87条1項2項、172条、174条2項3項、191条、202条2項
  • 最低弁済額算定に用いる一年分の生活費の額は政令で定める
  • 通常再生・小規模個人再生への移行の意思表示は債権者申立ての場合は不要
  • 最低弁済額の算定は直近2年の収入変動の有無により3区分される(241条2項7号イ~ハ)
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給与所得者等再生

給与所得者等再生について、条文は何を定めているか。

第239条手続開始の要件等給与所得者等再生を求める要件5項・2号判例なし
  • 給与等の定期収入があり額の変動幅が小さい人が対象
  • 申述は申立て時、債権者申立てでは開始決定前まで
  • 前回認可等の確定日から7年以内の再申述は原則不可
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第240条再生計画案についての意見聴取計画案は決議でなく意見聴取で判断3項・4号判例なし
  • 不認可事由等がなければ裁判所が意見聴取の決定をする
  • 決定後は公告し届出債権者に計画案の内容を通知
  • 意見がある債権者は裁判所の定める期間内に書面提出
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第241条再生計画の認可又は不認可の決定等認可・不認可の判断基準3項・7号判例なし
  • 意見聴取の期間経過後、原則として認可決定をする
  • 一般の利益に反する等7項目に該当すれば不認可
  • 計画弁済総額は過去2年収入から算定した額の2倍以上必要
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第242条再生計画の取消し認可後の再生計画の取消し1項判例なし
  • 弁済総額が破産配当見込み額を下回れば取消し得る
  • 可処分所得要件(241条2項7号〈再生計画の認可又は不認可の決定等 計画弁済総額が、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、それぞれイからハまでに定める額から再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額を控除した額に二を乗じた額以上の額であると認めることができないとき。〉)違反が明らかな場合も対象
  • 債権者の申立てにより裁判所が取消しを決定
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第243条再生手続の廃止手続廃止となる場合1項・2号判例なし
  • 不認可事由のない計画案作成の見込みがないとき
  • 定めた期間内に計画案の提出がないとき
  • 提出計画案に不認可事由があるとき、裁判所が職権で廃止
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第244条小規模個人再生の規定の準用小規模個人再生の規定を準用1項判例なし
  • 221条3項〈手続開始の要件等〉~5項、222条〈再生手続開始に伴う措置〉~229条〈再生計画による権利の変更の内容等〉を準用
  • 232条〈再生計画の効力等〉~235条〈計画遂行が極めて困難となった場合の免責〉、237条2項〈再生手続の廃止〉も準用対象
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第245条通常の再生手続に関する規定の適用除外通常再生手続の一部規定は適用除外1項判例なし
  • 238条〈通常の再生手続に関する規定の適用除外〉の規定や87条1項〈再生債権者の議決権〉2項等は適用しない
  • 172条〈議決権の行使の方法等〉、174条2項〈再生計画の認可又は不認可の決定〉3項、191条〈再生計画認可前の手続廃止〉、202条2項〈住宅資金特別条項を定めた再生計画の認可又は不認可の決定等〉も対象外
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事再生法 第239条(手続開始の要件等) 詳細ページ
(手続開始の要件等)
第二百三十九条第二百二十一条第一項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。
2給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならない。
3再生債務者は、前項の申述をするときは、当該申述が第二百二十一条第一項又は第二百四十四条において準用する第二百二十一条第三項に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合に通常の再生手続による手続の開始を求める意思があるか否か及び第五項各号のいずれかに該当する事由があることが明らかになった場合に小規模個人再生による手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならない。ただし、債権者が再生手続開始の申立てをした場合については、この限りでない。
4裁判所は、第二項の申述が前項本文に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が前項本文の規定により通常の再生手続による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。
5前項に規定する場合のほか、裁判所は、第二項の申述があった場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があることが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を小規模個人再生により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が第三項本文の規定により小規模個人再生による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。
一再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないこと。
二再生債務者について次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に当該申述がされたこと。
イ給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと当該再生計画認可の決定の確定の日
ロ第二百三十五条第一項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
ハ破産法第二百五十二条第一項に規定する免責許可の決定が確定したこと当該決定の確定の日
民事再生法 第240条(再生計画案についての意見聴取) 詳細ページ
(再生計画案についての意見聴取)
第二百四十条給与所得者等再生において再生計画案の提出があった場合には、裁判所は、次に掲げる場合を除き、再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定をしなければならない。
一再生計画案について次条第二項各号のいずれかに該当する事由があると認めるとき。
二一般異議申述期間が経過していないか、又は当該一般異議申述期間内に第二百四十四条において準用する第二百二十六条第一項本文の規定による異議が述べられた場合において第二百四十四条において準用する第二百二十七条第一項本文の不変期間が経過していないとき(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされていないとき)。
三特別異議申述期間が定められた場合において、当該特別異議申述期間が経過していないか、又は当該特別異議申述期間内に第二百四十四条において準用する第二百二十六条第三項の規定による異議が述べられたときであって第二百四十四条において準用する第二百二十七条第一項本文の不変期間が経過していないとき(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされていないとき)。
四第百二十五条第一項の報告書の提出がされていないとき。
2前項の決定をした場合には、その旨を公告し、かつ、届出再生債権者に対して、再生計画案の内容又はその要旨を通知するとともに、再生計画案について次条第二項各号のいずれかに該当する事由がある旨の意見がある者は裁判所の定める期間内にその旨及び当該事由を具体的に記載した書面を提出すべき旨を通知しなければならない。
3給与所得者等再生における第九十五条第四項及び第百六十七条ただし書の規定の適用については、これらの規定中「再生計画案を決議に付する旨の決定」とあるのは、「再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定」とする。
民事再生法 第241条(再生計画の認可又は不認可の決定等) 詳細ページ
(再生計画の認可又は不認可の決定等)
第二百四十一条前条第二項の規定により定められた期間が経過したときは、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。
2裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。
一第百七十四条第二項第一号又は第二号に規定する事由(再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合については、同項第一号又は第二百二条第二項第二号に規定する事由)があるとき。
二再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。
三再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において、第二百二条第二項第三号に規定する事由があるとき。
四再生債務者が、給与若しくはこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき。
五第二百三十一条第二項第二号から第五号までに規定する事由のいずれかがあるとき。
六第二百三十九条第五項第二号に規定する事由があるとき。
七計画弁済総額が、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、それぞれイからハまでに定める額から再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額を控除した額に二を乗じた額以上の額であると認めることができないとき。
イ再生債務者の給与又はこれに類する定期的な収入の額について、再生計画案の提出前二年間の途中で再就職その他の年収について五分の一以上の変動を生ずべき事由が生じた場合当該事由が生じた時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税、個人の道府県民税又は都民税、個人の市町村民税又は特別区民税及び森林環境税並びに所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第七十四条第二項に規定する社会保険料(ロ及びハにおいて「所得税等」という。)に相当する額を控除した額を一年間当たりの額に換算した額
ロ再生債務者が再生計画案の提出前二年間の途中で、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった場合(イに掲げる区分に該当する場合を除く。)給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を一年間当たりの額に換算した額
ハイ及びロに掲げる区分に該当する場合以外の場合再生計画案の提出前二年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を二で除した額
3前項第七号に規定する一年分の費用の額は、再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び居住地域、当該扶養を受けるべき者の数、物価の状況その他一切の事情を勘案して政令で定める。
民事再生法 第242条(再生計画の取消し) 詳細ページ
(再生計画の取消し)
第二百四十二条給与所得者等再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回り、又は再生計画が前条第二項第七号に該当することが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。
民事再生法 第243条(再生手続の廃止) 詳細ページ
(再生手続の廃止)
第二百四十三条給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
一第二百四十一条第二項各号のいずれにも該当しない再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
二裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出された再生計画案に第二百四十一条第二項各号のいずれかに該当する事由があるとき。
民事再生法 第244条(小規模個人再生の規定の準用) 詳細ページ
(小規模個人再生の規定の準用)
第二百四十四条第二百二十一条第三項から第五項まで、第二百二十二条から第二百二十九条まで、第二百三十二条から第二百三十五条まで及び第二百三十七条第二項の規定は、給与所得者等再生について準用する。
民事再生法 第245条(通常の再生手続に関する規定の適用除外) 詳細ページ
(通常の再生手続に関する規定の適用除外)
第二百四十五条給与所得者等再生においては、第二百三十八条に規定する規定並びに第八十七条第一項及び第二項、第百七十二条、第百七十四条第二項及び第三項、第百九十一条並びに第二百二条第二項の規定は、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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