破産法 / テーマ別まとめ

破産債権の調査及び確定/破産債権の確定

破産債権の確定の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産債権は、破産管財人が認め、届出債権者も異議を述べなければ調査結果どおりに確定し、破産債権者表に記載されます。額や順位に異議がある場合は、破産債権査定申立てや訴訟によって別途確定させる必要があります。こうして確定した内容は、破産債権者全員に対して確定判決と同一の効力を持ちます。

破産債権の確定
状況対応手続期間制限根拠条文
管財人が認め、異議なしそのまま確定―124条
額等に異議あり破産債権査定申立て1か月以内125条
査定決定に不服破産債権査定異議の訴え1か月以内126条
開始時に訴訟係属中訴訟手続の受継の申立て1か月以内127条
債務名義・確定判決あり破産者がすべき訴訟手続のみ1か月以内129条
  • 124条で確定するのは117条1項各号の事項のうち第4号(執行力ある債務名義等)を除いたもの
  • 破産債権査定申立ては管財人と異議を述べた届出債権者(異議者等)の全員を相手方とする
  • 127条2項・129条3項の受継申立ては125条2項の期間規定を準用する
  • 129条4項:期間内に異議主張・受継がなければ異議なし又は債権を認めたものとみなされる
  • 132条:訴訟で財団が利益を受けたときは異議を述べた債権者が財団債権者として費用償還を請求できる
  • 133条:破産手続の終了原因(取消・廃止確定か終結決定か)で査定申立てや訴訟の帰趨が異なる
1

破産債権の確定

破産債権の確定について、条文は何を定めているか。

第124条異議等のない破産債権の確定管財人と債権者が争わなければ確定する3項判例なし
  • 管財人が認め、届出債権者が異議を述べなければ確定する
  • 確定した事項は破産債権者表に記載される
  • 確定判決と同じ効力が破産債権者全員に生じる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第125条破産債権査定決定額や順位に異議があれば査定を申し立てられる5項判例なし
  • 異議者等全員を相手方として裁判所に査定を申し立てる
  • 期間満了日や期日から1か月以内(不変期間)に申し立てる
  • 裁判所は査定決定をする際に異議者等を審尋する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第126条破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え査定決定に不服なら訴えを起こせる7項判例 1件
  • 決定書の送達から1か月以内(不変期間)に訴えを提起する
  • 訴えは破産裁判所が管轄する
  • 判決では決定を認可するか変更する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第127条異議等のある破産債権に関する訴訟の受継開始時に訴訟中なら受継の申立てが必要2項判例なし
  • 異議者等全員を相手方として訴訟手続の受継を申し立てる
  • 125条2項〈破産債権査定決定〉と同じ期間制限が準用される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第128条主張の制限主張できる事項は破産債権者表の記載に限られる1項判例なし
  • 査定手続や異議の訴え・受継の訴訟では表の記載事項のみ主張できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第129条執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張債務名義がある債権への異議は訴訟手続でのみ主張4項判例なし
  • 執行力ある債務名義・確定判決がある債権は破産者がすべき訴訟手続でのみ異議を主張できる
  • 訴訟が係属中なら異議者等が訴訟手続を受け継がなければならない
  • 期間内に異議主張・受継がなければ異議なし又は債権を認めたものとみなされる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第130条破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載訴訟の結果は破産債権者表に記載される1項判例なし
  • 申立てにより裁判所書記官が結果を破産債権者表に記載する
  • 訴えが提起されなかった・却下されたときは決定の内容を記載する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第131条破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力確定訴訟の判決は債権者全員に効力が及ぶ2項判例なし
  • 破産債権の確定に関する訴訟の判決は破産債権者全員に効力を持つ
  • 訴えが提起されない・却下された査定決定も確定判決と同じ効力を持つ
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第132条訴訟費用の償還財団が利益を受けたら訴訟費用を償還請求できる1項判例 2件
  • 異議を主張した債権者は利益の限度で財団債権者として訴訟費用の償還を請求できる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第133条破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い破産手続の終了原因で確定手続の扱いが変わる6項判例なし
  • 取消・廃止確定による終了なら査定申立ての手続は終了する
  • 終結決定による終了なら査定申立ての手続は引き続き係属する
  • 管財人が当事者でない受継後の訴訟は取消・廃止確定なら中断する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第126条破産法

破産宣告決定およびこれに対する抗告事件についての抗告棄却決定と憲法八二条

裁判要旨破産宣告決定およびこれに対する抗告事件についての抗告棄却決定は、口頭弁論を経ないでなされても、憲法八二条に違反しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和45年6月24日 昭和41(ク)402
登載
民集 第24巻6号610頁
参照法条
破産法126条,破産法110条,破産法112条,憲法82条
論点2第132条破産法

破産宣告手続における申立債権者の権利行使意思の表示による時効中断の効力と破産申立の取下

裁判要旨破産の申立債権者の破産宣告手続における権利行使意思の表示は、破産の申立が取り下げられた場合においても、債務者に対する催告として時効中断の効力を有し、右債権者は、取下の時から六か月内に訴を提起することにより、当該債権の消滅時効を確定的に中断することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和45年9月10日 昭和45(オ)85
登載
民集 第24巻10号1389頁
参照法条
民法147条,民法149条,民法153条,破産法132条
論点3第132条破産法

債権を目的とする質権の設定者が当該債権に基づきその債務者に対して破産の申立てをすることの可否

裁判要旨債権を目的とする質権の設定者は,質権者の同意があるなどの特段の事情のない限り,当該債権に基づきその債務者に対して破産の申立てをすることはできない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成11年4月16日 平成10(許)8
登載
民集 第53巻4号740頁
参照法条
民法367条,破産法132条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第124条(異議等のない破産債権の確定) 詳細ページ
(異議等のない破産債権の確定)
第百二十四条第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内若しくは特別調査期間内又は一般調査期日若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。
2裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。
3第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。
破産法 第125条(破産債権査定決定) 詳細ページ
(破産債権査定決定)
第百二十五条破産債権の調査において、破産債権の額又は優先的破産債権、劣後的破産債権若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下この条及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。ただし、第百二十七条第一項並びに第百二十九条第一項及び第二項の場合は、この限りでない。
2破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。
3破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。
4裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。
5破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
破産法 第126条(破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え) 詳細ページ
(破産債権査定申立てについての決定に対する異議の訴え)
第百二十六条破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。
2破産債権査定異議の訴えは、破産裁判所が管轄する。
3破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。
4破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。
5破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。
6同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。
7破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。
破産法 第127条(異議等のある破産債権に関する訴訟の受継) 詳細ページ
(異議等のある破産債権に関する訴訟の受継)
第百二十七条異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。
2第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。
破産法 第128条(主張の制限) 詳細ページ
(主張の制限)
第百二十八条破産債権査定申立てに係る査定の手続又は破産債権査定異議の訴えの提起若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。
破産法 第129条(執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張) 詳細ページ
(執行力ある債務名義のある債権等に対する異議の主張)
第百二十九条異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。
2前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。
3第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項及び第六項並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。この場合においては、第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、「異議等のある破産債権に係る一般調査期間若しくは特別調査期間の末日又は一般調査期日若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と読み替えるものとする。
4前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項又は第百二十一条第二項(同条第七項又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。
破産法 第130条(破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載) 詳細ページ
(破産債権の確定に関する訴訟の結果の記載)
第百三十条裁判所書記官は、破産管財人又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。
破産法 第131条(破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力) 詳細ページ
(破産債権の確定に関する訴訟の判決等の効力)
第百三十一条破産債権の確定に関する訴訟についてした判決は、破産債権者の全員に対して、その効力を有する。
2破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。
破産法 第132条(訴訟費用の償還) 詳細ページ
(訴訟費用の償還)
第百三十二条破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。
破産法 第133条(破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い) 詳細ページ
(破産手続終了の場合における破産債権の確定手続の取扱い)
第百三十三条破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。
2破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。
3破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。
4破産手続が終了した際現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。
5破産手続が終了した際現に係属する第百二十七条第一項又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。
6前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。