民事訴訟法 / テーマ別まとめ

送達/公示送達

公示送達の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

送達先の住所や居所が分からない相手に対し、裁判所書記官が「公示」という方法で書類等を届いたものとして扱う制度です。公示送達ができる場合、具体的なやり方、効力が生じるタイミングに加え、公示送達を使って意思表示を相手に到達させる場合の扱いも定められています。

公示送達
区分効力発生時期
通常の公示送達(初回)開始日から2週間経過後
2回目以降の公示送達(職権)開始日の翌日
外国においてすべき送達開始日から6週間経過後
相手方への意思表示の到達(113条)開始日から2週間経過時
  • 2回目以降は原則職権で行うが、108条の嘱託後6か月経過の場合は申立てが必要
  • 効力発生までの期間はいずれも短縮できない
  • 109条の2の方法で送達できる場合は、住所不明を理由とする公示送達はできない
  • 意思表示到達の擬制には民法98条3項ただし書を準用する
1

公示送達

公示送達について、条文は何を定めているか。

第110条公示送達の要件住所不明時などに書記官が公示送達3項・4号判例 1件
  • 住所・居所等が不明な場合に申立てでできる(109条の2〈電子情報処理組織による送達〉の場合を除く)
  • 訴訟遅滞防止のため裁判所が職権で命じることも可能
  • 同一当事者への2回目以降は原則職権(4号の場合を除く)
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第111条公示送達の方法書記官が書類等を保管し閲覧可能にする1項・2号判例 1件
  • 最高裁規則で定める方法でネット等に公示し誰でも閲覧できる状態にする
  • 同時に裁判所の掲示場への掲示か庁内モニター表示も行う
  • 電磁的記録の場合は109条〈電磁的記録に記録された事項を出力した書面による送達〉の書面交付等の措置も併せて行う
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第112条公示送達の効力発生の時期効力発生までの期間を定める3項判例なし
  • 原則は措置開始日から2週間経過で効力発生
  • 2回目以降の職権による公示送達は翌日に効力発生
  • 外国ですべき送達は6週間、期間はいずれも短縮不可
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第113条公示送達による意思表示の到達公示送達で意思表示の到達を擬制1項判例 1件
  • 相手方の所在が不明な場合に意思表示の到達を擬制する規定
  • 111条〈公示送達の方法〉の措置開始日から2週間経過時に到達したとみなす
  • 民法98条3項ただし書の規定を準用する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第110条民事訴訟法

物上保証人所有の不動産を目的とする競売の開始決定の債務者への送達が債務者の所在が不明であるため公示送達によりされた場合における被担保債権の消滅時効の中断

裁判要旨物上保証人所有の不動産を目的とする競売手続において,債務者の所在が不明であるため,開始決定の債務者への送達が公示送達によりされた場合には,民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過した時に,被担保債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年10月25日 平成14(許)11
登載
民集 第56巻8号1942頁
参照法条
民法147条,民法155条,民訴法110条1項,民訴法111条,民訴法113条,民事執行法45条2項,民事執行法188条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事訴訟法 第110条(公示送達の要件) 詳細ページ
(公示送達の要件)
第百十条次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
一当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合(第百九条の二の規定により送達をすることができる場合を除く。)
二第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
三外国においてすべき書類の送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
四第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
2前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
3同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。
民事訴訟法 第111条(公示送達の方法) 詳細ページ
(公示送達の方法)
第百十一条公示送達は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を最高裁判所規則で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、当該事項が記載された書面を裁判所の掲示場に掲示し、又は当該事項を裁判所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとることによってする。
一書類の公示送達裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべきこと。
二電磁的記録の公示送達裁判所書記官が、送達すべき電磁的記録に記録された事項につき、いつでも送達を受けるべき者に第百九条の書面を交付し、又は第百九条の二第一項本文の規定による措置をとるとともに、同項本文の通知を発すべきこと。
民事訴訟法 第112条(公示送達の効力発生の時期) 詳細ページ
(公示送達の効力発生の時期)
第百十二条公示送達は、前条の規定による措置を開始した日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第百十条第三項の公示送達は、前条の規定による措置を開始した日の翌日にその効力を生ずる。
2外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
3前二項の期間は、短縮することができない。
民事訴訟法 第113条(公示送達による意思表示の到達) 詳細ページ
(公示送達による意思表示の到達)
第百十三条訴訟の当事者が相手方の所在を知ることができない場合において、相手方に対する公示送達がされた書類又は電磁的記録に、その相手方に対しその訴訟の目的である請求又は防御の方法に関する意思表示をする旨の記載又は記録があるときは、その意思表示は、第百十一条の規定による措置を開始した日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。この場合においては、民法第九十八条第三項ただし書の規定を準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。