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株式の譲渡等/株式の質入れ

株式の質入れの条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

株式は質権の目的とすることができ、会社法146条から154条は質入れの効力発生要件、会社や第三者への対抗要件、株主名簿への記載・通知の仕組み、そして株式の併合・分割や合併等があった場合に質権がどの財産に及ぶかを定めています。株券発行会社かどうかで効力発生要件や対抗要件、書面交付請求の可否が異なる点が実務上の分かれ目です。

株式の質入れ
区分株券発行会社株券不発行会社
質入れの効力発生要件株券の交付が必要当事者の合意のみで足りる
会社への対抗要件株主名簿への記載株主名簿への記載
質権者の第三者対抗要件株券の継続占有が必要株主名簿の記載で足りる
書面交付請求の可否不可(適用除外)登録株式質権者は請求可
  • 対抗要件(147条)は株券発行会社・不発行会社とも株主名簿への記載が必要
  • 株券発行会社の質権者はさらに株券の継続占有がないと第三者に対抗できない(147条2項)
  • 民法364条(指名債権を目的とする質権の対抗要件)は株式には適用されない(147条3項)
  • 149条の書面交付・電磁的記録提供の請求ができるのは登録株式質権者に限られる
  • 148条の株主名簿記載請求自体は株券発行会社にも適用される(149条の除外は書面交付のみ)
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株式の質入れ

株式の質入れについて、条文は何を定めているか。

第146条株式の質入れ株式には質権を設定できる2項判例なし
  • 株主は自分が持つ株式に質権を設定できる
  • 株券発行会社の株式は株券を交付しないと質入れの効力が生じない
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第147条株式の質入れの対抗要件質権を第三者に対抗するための要件3項判例なし
  • 質権者の氏名・名称と住所を株主名簿に記載しないと会社等に対抗できない
  • 株券発行会社ではさらに株券を継続して占有しないと対抗できない
  • 民法364条は株式の質権には適用されない
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第148条株主名簿の記載等質権者は株主名簿への記載を請求できる1項・2号判例なし
  • 質権を設定した者は質権者の氏名・住所と対象株式の株主名簿記載を請求できる
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第149条株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等登録株式質権者は記載事項の証明書面を請求できる4項判例なし
  • 登録株式質権者は株主名簿記載事項を記した書面交付や電磁的記録提供を請求できる
  • 書面には代表取締役(指名委員会等設置会社は代表執行役)の署名か記名押印が必要
  • 株券発行会社にはこの書面交付等の規定は適用されない
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第150条登録株式質権者に対する通知等会社から登録株式質権者への通知の方法2項判例なし
  • 株主名簿記載の住所(届出があればその場所・連絡先)宛てに発信すれば足りる
  • 通常到達すべきであった時に到達したものとみなされる
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第151条株式の質入れの効果株式に生じた変化で質権が及ぶ財産の範囲2項・14号判例なし
  • 取得請求権付株式等の取得、株式の併合・分割、無償割当てで得る財産に質権が及ぶ
  • 剰余金の配当・残余財産の分配、組織変更・合併・株式交換・株式移転でも同様
  • 特別支配株主の株式売渡請求による取得でも売渡株主が受ける金銭に質権が及ぶ
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第152条非株券発行会社の新株式への記載義務3項判例なし
  • 株券発行会社を除く会社は、取得請求権付株式等の交付や無償割当てで質権者を株主名簿に記載
  • 株式の併合をした場合、併合後の株式に質権者を記載
  • 株式の分割をした場合、分割後の株式に質権者を記載
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第153条株券発行会社は株券を質権者に引き渡す3項判例なし
  • 取得請求権付株式等の交付時、株主が受ける株式の株券を登録株式質権者に引渡し
  • 株式の併合時は併合後の株式に係る株券を引渡し
  • 株式の分割時は新たに発行する株券を引渡し
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第154条質権者は金銭等を優先弁済に充てられる3項・5号判例なし
  • 登録株式質権者は受け取った金銭等を他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てられる
  • 弁済期が未到来なら会社等に金額相当分を供託させることができ、質権は供託金に存続
  • 特別支配株主の株式売渡請求の場合も同様に供託させられる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第146条(株式の質入れ) 詳細ページ
(株式の質入れ)
第百四十六条株主は、その有する株式に質権を設定することができる。
2株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。
会社法 第147条(株式の質入れの対抗要件) 詳細ページ
(株式の質入れの対抗要件)
第百四十七条株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
2前項の規定にかかわらず、株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができない。
3民法第三百六十四条の規定は、株式については、適用しない。
会社法 第148条(株主名簿の記載等) 詳細ページ
(株主名簿の記載等)
第百四十八条株式に質権を設定した者は、株式会社に対し、次に掲げる事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
一質権者の氏名又は名称及び住所
二質権の目的である株式
会社法 第149条(株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等) 詳細ページ
(株主名簿の記載事項を記載した書面の交付等)
第百四十九条前条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録された質権者(以下「登録株式質権者」という。)は、株式会社に対し、当該登録株式質権者についての株主名簿に記載され、若しくは記録された同条各号に掲げる事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
2前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。
3第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
4前三項の規定は、株券発行会社については、適用しない。
会社法 第150条(登録株式質権者に対する通知等) 詳細ページ
(登録株式質権者に対する通知等)
第百五十条株式会社が登録株式質権者に対してする通知又は催告は、株主名簿に記載し、又は記録した当該登録株式質権者の住所(当該登録株式質権者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
2前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
会社法 第151条(株式の質入れの効果) 詳細ページ
(株式の質入れの効果)
第百五十一条株式会社が次に掲げる行為をした場合には、株式を目的とする質権は、当該行為によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等(金銭その他の財産をいう。以下同じ。)について存在する。
一第百六十七条第一項の規定による取得請求権付株式の取得
二第百七十条第一項の規定による取得条項付株式の取得
三第百七十三条第一項の規定による第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式の取得
四株式の併合
五株式の分割
六第百八十五条に規定する株式無償割当て
七第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て
八剰余金の配当
九残余財産の分配
十組織変更
十一合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
十二株式交換
十三株式移転
十四株式の取得(第一号から第三号までに掲げる行為を除く。)
2特別支配株主(第百七十九条第一項に規定する特別支配株主をいう。第百五十四条第三項において同じ。)が株式売渡請求(第百七十九条第二項に規定する株式売渡請求をいう。)により売渡株式(第百七十九条の二第一項第二号に規定する売渡株式をいう。以下この項において同じ。)の取得をした場合には、売渡株式を目的とする質権は、当該取得によって当該売渡株式の株主が受けることのできる金銭について存在する。
会社法 第152条 詳細ページ
第百五十二条株式会社(株券発行会社を除く。以下この条において同じ。)は、前条第一項第一号から第三号までに掲げる行為をした場合(これらの行為に際して当該株式会社が株式を交付する場合に限る。)又は同項第六号に掲げる行為をした場合において、同項の質権の質権者が登録株式質権者(第二百十八条第五項の規定による請求により第百四十八条各号に掲げる事項が株主名簿に記載され、又は記録されたものを除く。以下この款において同じ。)であるときは、前条第一項の株主が受けることができる株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
2株式会社は、株式の併合をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、併合した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
3株式会社は、株式の分割をした場合において、前条第一項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、分割した株式について、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
会社法 第153条 詳細ページ
第百五十三条株券発行会社は、前条第一項に規定する場合には、第百五十一条第一項の株主が受ける株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。
2株券発行会社は、前条第二項に規定する場合には、併合した株式に係る株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。
3株券発行会社は、前条第三項に規定する場合には、分割した株式について新たに発行する株券を登録株式質権者に引き渡さなければならない。
会社法 第154条 詳細ページ
第百五十四条登録株式質権者は、第百五十一条第一項の金銭等(金銭に限る。)又は同条第二項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。
2株式会社が次の各号に掲げる行為をした場合において、前項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該各号に定める者に同項に規定する金銭等に相当する金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。
一第百五十一条第一項第一号から第六号まで、第八号、第九号又は第十四号に掲げる行為当該株式会社
二組織変更第七百四十四条第一項第一号に規定する組織変更後持分会社
三合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)第七百四十九条第一項に規定する吸収合併存続会社又は第七百五十三条第一項に規定する新設合併設立会社
四株式交換第七百六十七条に規定する株式交換完全親会社
五株式移転第七百七十三条第一項第一号に規定する株式移転設立完全親会社
3第百五十一条第二項に規定する場合において、第一項の債権の弁済期が到来していないときは、登録株式質権者は、当該特別支配株主に同条第二項の金銭に相当する金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。
出

一次情報

原文ママ

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