この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 本条は、会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決について、その効力が及ぶ者の範囲を定める規定である。
- 対象となる判決は「認容する確定判決」であり、請求を認容する内容で、かつ確定していることが前提となる。
- 対象となる訴えは「会社の組織に関する訴え」に係る請求に限られる。
- 認容する確定判決は、その訴訟の当事者に限らず、第三者に対してもその効力を有する。
認容判決の効力が及ぶ範囲
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 対象となる訴え | 判決の種類 | 効力が及ぶ相手 |
|---|---|---|---|
| 会社の組織に関する訴え | 会社の組織に関する訴えに係る請求 | 請求を認容する確定判決 | 第三者 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定会社法再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成24(許)43
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成25年11月21日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第67巻8号1686頁
- 参照法条
- (1〜3につき) 会社法828条1項2号,会社法838条 (1につき) 民訴法第1編第3章 当事者,民訴法47条,民訴法338条 (2,3につき) 民訴法2条,民訴法338条1項3号
- 判示事項
- 1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決と民訴法338条1項3号の再審事由 3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地があるとされた事例
裁判要旨1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。
2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができない場合には,上記確定判決には,民訴法338条1項3号の再審事由がある。
3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,上記訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができないものとして,上記確定判決には民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地がある。
(1) 当該第三者は,上記訴えに係る訴訟の係属を知らず,上記訴訟の審理に関与する機会を与えられなかった。
(2) 当該第三者は,上記訴訟の係属前から,上記株式会社に対して自らが発行を受けた株式につきその発行の有効性を主張するなどしており,仮に上記訴訟の係属を知れば,上記訴訟に参加するなどして株式の発行の無効を求める請求を争うことが明らかな状況にあり,かつ,上記株式会社はそのような状況にあることを十分に認識していた。
(3) 上記株式会社は,上記訴訟において請求を全く争わず,かえって,請求原因事実の追加立証を求める受訴裁判所の訴訟指揮に対し,自ら請求原因事実を裏付ける書証を提出した。
(4) 上記株式会社は,当該第三者に対して上記訴訟の係属を知らせることが容易であったにもかかわらず,これを知らせなかった。
2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができない場合には,上記確定判決には,民訴法338条1項3号の再審事由がある。
3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,上記訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができないものとして,上記確定判決には民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地がある。
(1) 当該第三者は,上記訴えに係る訴訟の係属を知らず,上記訴訟の審理に関与する機会を与えられなかった。
(2) 当該第三者は,上記訴訟の係属前から,上記株式会社に対して自らが発行を受けた株式につきその発行の有効性を主張するなどしており,仮に上記訴訟の係属を知れば,上記訴訟に参加するなどして株式の発行の無効を求める請求を争うことが明らかな状況にあり,かつ,上記株式会社はそのような状況にあることを十分に認識していた。
(3) 上記株式会社は,上記訴訟において請求を全く争わず,かえって,請求原因事実の追加立証を求める受訴裁判所の訴訟指揮に対し,自ら請求原因事実を裏付ける書証を提出した。
(4) 上記株式会社は,当該第三者に対して上記訴訟の係属を知らせることが容易であったにもかかわらず,これを知らせなかった。
会社法再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告及び許可抗告事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 裁判集登載
- 事件番号
- 平成25(ク)1158
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成26年7月10日 破棄自判
- 登載
- 集民 第247号49頁
- 参照法条
- (1,2につき)民訴法47条 (1につき)会社法833条1項,会社法838条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法338条
- 判示事項
- 1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否
裁判要旨1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。
2 独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。
(2につき意見及び反対意見がある。)
2 独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。
(2につき意見及び反対意見がある。)
実務注記
原文解釈- 対象は「認容する確定判決」本条が対世効を定めるのは、請求を認容する確定判決についてのみであり、条文はこの場合について規定している。
- 確定判決であることが前提条文は「確定判決」と定めており、判決が確定していることが本条の効力発生の前提となる。
- 対象となる訴えの範囲本条が適用されるのは「会社の組織に関する訴えに係る請求」に限られる。
- 効力が及ぶ相手の範囲条文上、効力が及ぶ相手は「第三者」とされており、対象を限定する文言はない。
条文原文
原文ママ会社法 第838条(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)
(認容判決の効力が及ぶ者の範囲)
第八百三十八条会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対してもその効力を有する。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第838条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。