組織再編を止める、無効を主張する。誰がいつまでに何を起こせるか。
組織再編や新株発行など会社の組織に関する行為は、いったん効力が生じた後は、原則として訴えによってのみ無効を争うことができます。行為の種類ごとに、誰が・いつまでに提訴できるかが法律で定められており、期間を過ぎると裁判で無効を主張できなくなります。認容判決が確定すると第三者にも効力が及んで行為は将来に向かって効力を失い、株主等が提訴する場合には担保提供を命じられたり、敗訴時に悪意・重過失があれば損害賠償責任を負うことがあります。
| 対象行為 | 提訴権者 | 提訴期間 | 判決の効力 |
|---|---|---|---|
| 会社の設立 | 設立会社の株主等・社員等 | 成立の日から2年以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 株式の発行(成立後) | 当該会社の株主等 | 効力発生日から6ヶ月(非公開1年) | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 自己株式の処分 | 当該会社の株主等 | 効力発生日から6ヶ月(非公開1年) | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 新株予約権の発行 | 株主等・新株予約権者 | 効力発生日から6ヶ月(非公開1年) | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 資本金の額の減少 | 株主等・破産管財人・不承認債権者 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 組織変更 | 新旧会社の株主等・社員等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 吸収合併 | 消滅・存続会社の株主等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 新設合併 | 消滅・新設会社の株主等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 吸収分割 | 分割・承継会社の株主等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 新設分割 | 分割・新設会社の株主等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 株式交換 | 完全親会社・子会社の株主等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 株式移転 | 旧会社・新設会社の株主等等 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
| 株式交付 | 親会社株主等・譲渡人・不承認債権者 | 効力発生日から6ヶ月以内 | 将来効・第三者にも及ぶ |
条文の項・号をすべて展開しています。号の本文はe-Gov原文そのまま。関連条文のチップにカーソルを合わせるとその条の見出しが出ます。
| 号 | 対象となる株主総会(条文原文) | 関連条文 |
|---|---|---|
| 訴えをもってのみ主張できる無効と提訴期間会社法 第828条第1項次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。該当 13 号 | ||
| 一 | 会社の設立会社の成立の日から二年以内 | ― |
| 二 | 株式会社の成立後における株式の発行株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内) | ― |
| 三 | 自己株式の処分自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内) | ― |
| 四 | 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内) | ― |
| 五 | 株式会社における資本金の額の減少資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 六 | 会社の組織変更組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 七 | 会社の吸収合併吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 八 | 会社の新設合併新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 九 | 会社の吸収分割吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 十 | 会社の新設分割新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 十一 | 株式会社の株式交換株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 十二 | 株式会社の株式移転株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 十三 | 株式会社の株式交付株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 | ― |
| 提訴できる者会社法 第828条第2項次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。該当 13 号 | ||
| 一 | 前項第一号に掲げる行為設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。) | ― |
| 二 | 前項第二号に掲げる行為当該株式会社の株主等 | ― |
| 三 | 前項第三号に掲げる行為当該株式会社の株主等 | ― |
| 四 | 前項第四号に掲げる行為当該株式会社の株主等又は新株予約権者 | ― |
| 五 | 前項第五号に掲げる行為当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 | ― |
| 六 | 前項第六号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 | ― |
| 七 | 前項第七号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 | ― |
| 八 | 前項第八号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 | ― |
| 九 | 前項第九号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 | ― |
| 十 | 前項第十号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 | ― |
| 十一 | 前項第十一号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 | ― |
| 十二 | 前項第十二号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 | ― |
| 十三 | 前項第十三号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 | ― |
対象行為・期間・提訴できる人
対世効と将来効
担保提供と敗訴者の責任
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格
2 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決と民訴法338条1項3号の再審事由
3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地があるとされた事例
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合
1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格
2 当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否
これらの基準は著作権者が転載に許諾を求めているため、当サイトは基準名・番号・公表日とリンクのみを掲載しています(原文・要約は置いていません)。
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