この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、株式会社の常務に属しない行為をするには裁判所の許可を得なければならない。
- ただし、仮処分命令に別段の定めがある場合は、この許可を得る必要はない。
- この規定に違反して行われた常務に属しない行為は無効となる。
- もっとも、株式会社は、その無効であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
職務代行者による行為の要件と効果
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 対象者 | 要件 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 原則(第1項) | 仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者 | 株式会社の常務に属しない行為をするには裁判所の許可を得ること | ― |
| 例外(第1項ただし書相当部分) | 同上 | 仮処分命令に別段の定めがある場合は、裁判所の許可を要しない | その定めに従う |
| 違反時の効果(第2項) | 前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者 | 裁判所の許可を得ずに常務に属しない行為をした場合 | 当該行為は無効。ただし株式会社はこれをもって善意の第三者に対抗できない |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定本条を直接の参照法条とする登載判例がないため、裁判所が付した参照法条に基づき旧法下の裁判例を掲載しています。現行法との対応関係についての評価は加えていません。
旧商法下の裁判例訴訟代理人解任無効確認
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和57(オ)1419
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和59年9月28日 棄却
- 登載
- 民集 第38巻9号1121頁
- 参照法条
- 商法270条1項,商法271条1項,民訴法58条
- 判示事項
- 代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合にその本案訴訟において会社を代表すべき者
裁判要旨株主総会における取締役選任決議の無効確認請求訴訟を本案とする代表取締役の職務執行停止及び職務代行者選任の仮処分がされた場合に、本案訴訟において会社を代表すべき者は、職務の執行を停止された代表取締役ではなく、代表取締役職務代行者である。
旧商法下の裁判例株主総会決議取消請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和50(オ)157
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和50年6月27日 棄却
- 登載
- 民集 第29巻6号879頁
- 参照法条
- 商法232条,商法235条,商法237条,商法270条,商法271条
- 判示事項
- 少数株主の請求に基づく取締役解任を目的とする臨時総会の招集と商法二七一条一項の会社の常務
裁判要旨取締役の解任を目的とする臨時総会の招集は、少数株主による招集請求に基づくときでも、商法二七一条一項にいう会社の常務に属さない。
旧商法下の裁判例土地所有権確認等請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和40(オ)834
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和45年11月6日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第24巻12号1744頁
- 参照法条
- 商法261条,商法270条,民訴法760条
- 判示事項
- 株式会社の取締役に対する職務執行停止代行者選任の仮処分後右取締役が辞任し後任の取締役が選任された場合における代表取締役の選任および右代表取締役の権限の行使
裁判要旨株式会社の取締役全員の職務の執行を停止しその代行者を選任する仮処分の裁判があつたのち、右取締役全員が辞任し、後任の取締役が選任された場合において、代表取締役が欠けているときは、右後任取締役が構成する取締役会の決議をもつて代表取締役を定めることができるが、右代表取締役は、仮処分の存続中は、その権限を行使することができない。
実務注記
原文解釈- 許可を要する行為の範囲裁判所の許可が必要となるのは、株式会社の常務に属しない行為をする場合に限られる。
- 仮処分命令に別段の定めがある場合の扱い仮処分命令に別段の定めがある場合は、裁判所の許可を得る必要はない。
- 無許可行為の効力第1項の規定に違反して行った常務に属しない行為は無効となる。
- 善意の第三者への対抗不可株式会社は、行為の無効を善意の第三者に対抗することができない。
- 適用対象者の限定本条は、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者に適用される。
条文原文
原文ママ会社法 第352条(取締役の職務を代行する者の権限)
(取締役の職務を代行する者の権限)
第三百五十二条民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役又は代表取締役の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、株式会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
2前項の規定に違反して行った取締役又は代表取締役の職務を代行する者の行為は、無効とする。ただし、株式会社は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第352条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。