役員等の損害賠償責任の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
会社法423条から430条は、取締役・会計参与・監査役・執行役・会計監査人(役員等)が任務を怠った場合に会社に対して負う損害賠償責任と、その免除・一部免除・責任限定契約の仕組みを定めています。あわせて、役員等が第三者に対して負う損害賠償責任と、複数の役員等が責任を負う場合の連帯責任についても規定しています。
| 免除の方法 | 対象となる役員等 | 決定機関 | 免除できる範囲 |
|---|---|---|---|
| 総株主の同意(424条) | 全ての役員等 | 株主全員の同意 | 全部免除 |
| 株主総会決議(425条) | 善意・無重過失の役員等 | 株主総会の決議 | 最低責任限度額まで軽減 |
| 定款の定め+取締役会決議等(426条) | 善意・無重過失の役員等 | 取締役過半数の同意/取締役会決議 | 425条と同じ限度額まで |
| 責任限定契約(427条) | 非業務執行取締役等 | 定款規定+個別契約 | 契約額と最低限度額の高い方 |
役員等の損害賠償責任について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率
2 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務が履行遅滞となる時期
A社が事業再編計画の一環としてB社の株式を任意の合意に基づき買い取る場合において,A社の取締役に上記株式の買取価格の決定について善管注意義務違反はないとされた事例
株主代表訴訟の対象となる商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)267条1項にいう「取締役ノ責任」には,取締役が会社との取引によって負担することになった債務についての責任も含まれるか
A銀行が,県から要請を受け,県において再建資金の融資を計画していたB社に対し,上記融資が実行されるまでのつなぎ融資をした後に,B社に追加融資をしてもその回収を容易に見込めない一方で,これをしなければB社が破綻,倒産する可能性が高く,上記つなぎ融資まで回収不能となるおそれがある状況の下で,B社に対して追加融資をした場合において,その追加融資の一部につき,これを決定したA銀行の取締役らに善管注意義務違反があるとされた事例
商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)266条1項5号に基づく会社の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効期間
1 銀行が,第三者割当増資を計画する企業から新株引受先として予定された当該企業の関連会社に対する引受代金相当額の融資を求められ,これを実行した場合において,融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例
2 銀行が,積極的な融資の対象であったが大幅な債務超過となって破たんに直面した企業に対し,同企業を数か月延命させる目的で追加融資を実行した場合において,追加融資を決定した取締役らに忠実義務,善管注意義務違反があるとされた事例
会社法423条1項〈役員等の株式会社に対する損害賠償責任〉に基づく損害賠償請求訴訟において原告の設置した取締役責任調査委員会の委員であった弁護士が原告の訴訟代理人として行う訴訟行為を弁護士法25条2号及び4号の類推適用により排除することはできないとされた事例
監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役は,計算書類及びその附属明細書の監査を行うに当たり,当該計算書類等に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認しさえすれば,その任務を尽くしたといえるか
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