民法 明治二十九年法律第八十九号 現行施行 2026-06-24 条文取得 2026-09-05

第117条無権代理人の責任

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
代理ステップ 1 / 1 代理代理について、条文は何を定めているか。法律行為/代理ステップ 1 / 1 代理代理について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い履行又は損害賠償の責任を負う。
  • 相手方が、契約をした者が代理権を有しないことを知っていたときは、この責任の規定は適用されない。
  • 相手方が過失によって代理権を有しないことを知らなかったときも適用されないが、契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときはこの限りでない。
  • 契約をした者が行為能力の制限を受けていたときも、この責任の規定は適用されない。

無権代理人の責任の有無(第117条)

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区分要件責任の有無
1項本文(原則)自己の代理権を証明せず、かつ本人の追認を得ていない場合相手方の選択に従い履行又は損害賠償の責任を負う
1項ただし書自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たとき責任を負わない
2項一号契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき1項の規定は適用しない(責任を負わない)
2項二号本文契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき1項の規定は適用しない(責任を負わない)
2項二号ただし書契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたとき二号本文は適用されない(1項の責任を負う)
2項三号契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき1項の規定は適用しない(責任を負わない)

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
民法保証債務履行
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和60(オ)289
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和62年7月7日 破棄差戻
登載
民集 第41巻5号1133頁
参照法条
民法109条,民法110条,民法113条,民法117条1項,民法117条2項
判示事項
一 民法一一七条二項にいう「過失」と重大な過失 二 無権代理人が民法一一七条一項所定の責任を免れる事由として表見代理の成立を主張することの許否
裁判要旨一 民法一一七条二項にいう「過失」は、重大な過失に限定されるものではない。

二 無権代理人は、民法一一七条一項所定の責任を免れる事由として、表見代理の成立を主張することはできない。
民法貸金請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和46(オ)138
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和48年7月3日 棄却
登載
民集 第27巻7号751頁
参照法条
民法113条,民法117条,民法896条
判示事項
民法一一七条と無権代理人を相続した本人の責任
裁判要旨無権代理人を相続した本人は、無権代理人が民法一一七条により相手方に債務を負担していたときには、無権代理行為について追認を拒絶できる地位にあつたことを理由として、右債務を免れることができない。
民法家屋明渡等請求
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
昭和38(オ)1041
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和41年4月26日 破棄差戻
登載
民集 第20巻4号826頁
参照法条
民法113条,民法117条
判示事項
無権代理人が無償代理行為の目的物を取得した場合における法律関係
裁判要旨甲が乙の無権代理人として乙所有の不動産を丙に売り渡す契約を締結した後乙から右不動産の譲渡をうけてその所有権を取得するにいたつた場合において、丙が民法第一一七条にいう履行を選択したときは、前記売買契約は、甲と丙との間に成立したと同様の効果を生ずる。

実務注記

原文解釈
  1. 相手方に履行・損害賠償の選択権がある1項は「相手方の選択に従い」と定めており、履行と損害賠償のいずれを求めるかは相手方が選べる。
  2. 証明・追認による免責契約をした者が自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときは、1項の責任を負わない。
  3. 相手方の悪意による免責(2項一号)契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、1項は適用されない。
  4. 相手方の過失による免責とその例外(2項二号)相手方が過失によって代理権の不存在を知らなかったときは免責されるが、契約をした者が自己に代理権がないことを知っていた場合はこの限りでなく、1項の責任を負う。
  5. 行為能力の制限を受けていた場合の免責(2項三号)契約をした者が行為能力の制限を受けていたときは、1項は適用されない。

条文原文

原文ママ
民法 第117条(無権代理人の責任)
(無権代理人の責任)
第百十七条他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

一次情報