この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 相続財産に関しては、時効の完成が一定期間猶予される。
- 猶予の起算点は、相続人が確定した時、管理人が選任された時、又は破産手続開始の決定があった時の三つである。
- これらいずれかの時から六箇月を経過するまでの間は、時効は完成しない。
第160条 相続財産に関する時効の完成猶予の起算点
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 起算点となる事由 | 猶予期間 | 猶予の内容 |
|---|---|---|---|
| 相続人確定型 | 相続人が確定した時 | 六箇月 | その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は完成しない |
| 管理人選任型 | 管理人が選任された時 | 六箇月 | その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は完成しない |
| 破産手続開始型 | 破産手続開始の決定があった時 | 六箇月 | その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は完成しない |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法土地所有権確認、土地所有権移転登記手続請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和35(オ)348
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和35年9月2日 棄却
- 登載
- 民集 第14巻11号2094頁
- 参照法条
- 民法162条2項,民法160条
- 判示事項
- 一 民法第一六二条第二項の無過失の事例 二 相続財産の管理人選任前取得時効期間が満了した場合と民法第一六〇条
裁判要旨一 空襲により一家全滅した本家の再興のため、親族の協議により相続人に選ばれて本家の家業を継ぎ、相続財産に属する土地を占有している二二歳の女子につき、原審認定のような事実関係(原判決理由参照)があるときは、同人がその土地の所有権を取得したものと信ずるにつき過失はないものと解すべきである。
二 民法第一六〇条は、相続財産の管理人の選任前、相続財産たる土地を、所有の意思をもつて、平穏、公然、善意無過失で一〇年間占有した場合にも、その適用があるものと解すべきである。
二 民法第一六〇条は、相続財産の管理人の選任前、相続財産たる土地を、所有の意思をもつて、平穏、公然、善意無過失で一〇年間占有した場合にも、その適用があるものと解すべきである。
民法損害賠償請求事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成20(受)804
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成21年4月28日 棄却
- 登載
- 民集 第63巻4号853頁
- 参照法条
- 民法160条,民法724条
- 判示事項
- 被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出したため相続人がその事実を知ることができなかった場合における上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間
裁判要旨被害者を殺害した加害者が被害者の相続人において被害者の死亡の事実を知り得ない状況を殊更に作出し,そのために相続人はその事実を知ることができず,相続人が確定しないまま上記殺害の時から20年が経過した場合において,その後相続人が確定した時から6か月内に相続人が上記殺害に係る不法行為に基づく損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは,民法160条の法意に照らし,同法724条後段の効果は生じない。
(意見がある。)
(意見がある。)
実務注記
原文解釈- 対象財産の確認本条が適用されるのは「相続財産に関しては」の場合であり、条文はこの範囲に限定して定めている。
- 起算点は三種類起算点は「相続人が確定した時」「管理人が選任された時」「破産手続開始の決定があった時」の三つのいずれかであり、条文はこれらを並列で規定している。
- 猶予期間は六箇月各起算点から六箇月を経過するまでの間は時効が完成しない旨が条文上明記されている。
- 効果は完成猶予条文の効果は「時効は、完成しない」というものであり、条文上これ以上の効果(更新等)は述べられていない。
条文原文
原文ママ民法 第160条(相続財産に関する時効の完成猶予)
(相続財産に関する時効の完成猶予)
第百六十条相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第160条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。