この条文が出てくる場面
原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 無効な行為は、追認をしても効力を生じない。
- ただし、当事者がその行為が無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなされる。
- この場合の効果は、無効な行為が遡って有効になるのではなく、新たな行為として扱われるという扱いである。
民法第119条の要件と効果
原文解釈横スクロールできます| 区分 | 追認時の当事者の認識 | 効果 |
|---|---|---|
| 原則 | (規定なし) | 追認によっても、その効力を生じない |
| ただし書 | 当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたとき | 新たな行為をしたものとみなす |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定民法転付債権請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和48(オ)823
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和52年3月17日 棄却
- 登載
- 民集 第31巻2号308頁
- 参照法条
- 民法119条,民法466条,民法467条
- 判示事項
- 譲渡禁止の特約のある指名債権を譲受人が特約の存在を知つて譲り受けたのち債務者がその譲渡につき承諾を与えた場合と承諾後債権の差押・転付命令を得た第三者に対する右債権譲渡の効力
裁判要旨譲渡禁止の特約のある指名債権を譲受人が特約の存在を知つて譲り受けた場合でも、債務者がその譲渡につき承諾を与えたときは、債権譲渡は譲渡の時にさかのぼつて有効となり、譲渡に際し債権者から債務者に対して確定日付のある譲渡通知がされている限り、債務者は、右承諾後に債権の差押・転付命令を得た第三者に対しても債権譲渡の効力を対抗することができる。
民法根抵当権不存在確認、根抵当権設定登記抹消登記手続請求
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 昭和46(オ)908
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和47年12月19日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第26巻10号1969頁
- 参照法条
- 民法119条
- 判示事項
- 契約の一部が要素の錯誤により無効であつても他の部分の効力には影響がないとされた事例
裁判要旨根抵当権設定の交渉過程において、当初は債権者が債務者を再興させるために一定の条件が成就したときに行なうべき再建融資のみを被担保債権とすることが予定されていたが、その後右条件成就が未定の間に、債権者が債務者の支払手形を決済させるためのつなぎ融資を行ない、根抵当権設定者において後者を被担保債権に加えることに同意する等判示の事情があり、結局右両者を被担保債権とする根抵当権設定契約が成立した場合においては、当該契約中前者を被担保債権とする部分に要素の錯誤が存しても、後者を被担保債権とする部分につきその目的を達成することが可能であるかぎり、当該部分を有効とすることが契約当事者の意思に合致するというべきであり、右契約を全部無効と解すべきではない。
民法尊属殺
- 位置づけ
- 最高裁 / 刑集登載
- 事件番号
- 昭和36(あ)2486
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和38年12月24日 破棄差戻
- 登載
- 刑集 第17巻12号2537頁
- 参照法条
- 刑法200条,民法797条,民法802条,民法113条,民法807条,民法119条
- 判示事項
- 一 刑法上の直系尊属にあたらないとされた事例 二 刑法上の直系尊属としての養親の解釈について、民法上の追認に関する法理を容れる余地の有無
裁判要旨一 戸籍上、被告人の養子縁組につき、その代諾権者とされている者が真実の親権者でないときは、右縁組は、適法な届出を欠くものとして、人事訴訟による確定または戸籍の訂正をまたず、無効であり、しかも、被告人が犯行前において右無効原因を認識して右縁組を追認したと認めることができないときは、被告人と事実上の養親との生活事実の如何にかかわりなく、本人たる被告人の無権代理行為の追認があつたと認める余地もないから、右事実上の養親は、刑法上、被告人の直系尊属にあたらないものと解すべきである。
二 一五歳未満の子の養子縁組に関する代諾者の法定代理権の欠缺は一種の無権代理と解し、満一五歳に達した養子は、法定代理人でない者が自己のため代諾した養子縁組を有効に御委任することができ、しかもこの追認は黙示で足り、その意思表示は満一五歳に達した養子から生存養親に対してなすべく、適法に追認がなされたときは縁組はこれにより当初から有効となるものと解するのが相当である(昭和二四年(オ)第二二九号同二七年一〇月三日第二小法廷判決、民集六巻九号七五三頁参照)。このことは、刑法上、直系尊属としての養親にあたるかどうかの解釈についても、少くとも犯罪行為以前における本人の追認に関する限りは、あてはまると考えられる。
二 一五歳未満の子の養子縁組に関する代諾者の法定代理権の欠缺は一種の無権代理と解し、満一五歳に達した養子は、法定代理人でない者が自己のため代諾した養子縁組を有効に御委任することができ、しかもこの追認は黙示で足り、その意思表示は満一五歳に達した養子から生存養親に対してなすべく、適法に追認がなされたときは縁組はこれにより当初から有効となるものと解するのが相当である(昭和二四年(オ)第二二九号同二七年一〇月三日第二小法廷判決、民集六巻九号七五三頁参照)。このことは、刑法上、直系尊属としての養親にあたるかどうかの解釈についても、少くとも犯罪行為以前における本人の追認に関する限りは、あてはまると考えられる。
実務注記
原文解釈- 原則は追認しても無効のまま条文は「無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない」と定めており、単なる追認では効力を生じない。
- ただし書の適用には「知って追認」が必要ただし書が適用されるのは「当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたとき」に限られる。
- 効果は「新たな行為をしたものとみなす」こと当事者が無効を知って追認した場合、条文上は元の行為が有効になるのではなく、新たな行為をしたものとみなされる。
条文原文
原文ママ民法 第119条(無効な行為の追認)
(無効な行為の追認)
第百十九条無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 民法 第119条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。