法の適用に関する通則法 / テーマ別まとめ

準拠法に関する通則/親族

親族の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

この一覧は、婚姻の成立・方式・効力、夫婦財産制、離婚、実親子関係、養子縁組、親子間の法律関係、後見等について、どの国の法(本国法・常居所地法・行為地法など)を適用するかを定めた通則法24条〜35条を整理したものです。実務では、まず当事者の国籍や常居所地を確認し、どの条文の基準に当てはまるかを順に確認してください。

親族
事項準拠法の要点
婚姻の成立各当事者の本国法
婚姻の方式挙行地法(一方の本国法も可)
婚姻の効力同一本国法→同一常居所地→最密接関係地
夫婦財産制婚姻の効力と同じ/書面で選択可
離婚婚姻の効力と同じ/日本人常居所は日本法
嫡出子の親子関係夫婦の一方の本国法(出生時)
非嫡出子の親子関係父は父の本国法、母は母の本国法
認知子の本国法の要件も要ることあり
準正父・母・子いずれかの本国法
養子縁組養親となる者の本国法(縁組時)
離縁・実方との終了養子縁組と同じ法による
親子間の法律関係子の本国法か子の常居所地法
その他の親族関係当事者の本国法
親族の法律行為の方式成立に適用する法/行為地法も可
後見等被後見人等の本国法(例外は日本法)
  • 婚姻の方式で一方の本国法によれる扱いは、日本で挙行し当事者の一方が日本人の場合は適用されない(24条3項ただし書)
  • 夫婦財産制の外国法選択は署名・日付のある書面が必要で、その定めは将来に向かってのみ効力を生じる(26条2項)
  • 外国法による夫婦財産制は、日本でした法律行為・日本にある財産について善意の第三者に対抗できず、その関係は日本法による(26条3項)
  • 外国法に基づく夫婦財産契約でも、日本で登記すれば第三者に対抗できる(26条4項)
  • 認知や準正で、子や第三者の承諾・同意が子の本国法上の要件であるときは、その要件も備える必要がある(29条1項後段・2項)
  • 本人が出生前・認知前・準正要件完成前に死亡している場合は、死亡当時のその者の本国法を基準とする(28条2項、29条3項、30条2項)
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親族

親族について、条文は何を定めているか。

第24条婚姻の成立及び方式婚姻の成立は各当事者の本国法による3項判例なし
  • 婚姻が成立するかは、夫・妻それぞれの本国法で判断する
  • 挙式の方式は挙行地の法による
  • 当事者どちらかの本国法に合う方式でも有効(日本挙行で一方が日本人の場合を除く)
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第25条婚姻の効力婚姻の効力は本国法→常居所地→最密接関係地の順1項判例なし
  • 夫婦の本国法が同じならその法による
  • 本国法が同じでなければ、常居所地法が同じならその法による
  • どちらも一致しなければ、夫婦に最も密接な関係がある地の法による
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第26条夫婦財産制夫婦財産制は婚姻の効力と同じ基準、書面で選択も可4項・3号判例なし
  • 準拠法は25条〈婚姻の効力〉(婚姻の効力)の決め方と同じ
  • 夫婦が署名・日付入りの書面で、国籍国の法など指定した法による選択も可能
  • 外国法による夫婦財産制は、日本での取引や日本にある財産について善意の第三者に対抗できない
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第27条離婚離婚も婚姻の効力と同じ基準、日本人常居所なら日本法1項判例なし
  • 基本の準拠法は25条〈婚姻の効力〉(婚姻の効力)と同じ決め方
  • 夫婦の一方が日本に常居所を持つ日本人なら、離婚は日本法による
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第28条嫡出である子の親子関係の成立嫡出子になるかは夫婦どちらかの本国法で決まる2項判例なし
  • 子の出生時点で、夫婦の一方の本国法により子が嫡出となれば嫡出子とする
  • 夫が子の出生前に死亡していれば、死亡時の夫の本国法を基準にする
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第29条嫡出でない子の親子関係の成立非嫡出子の親子関係は父母それぞれの本国法3項判例 1件
  • 父との関係は子の出生時の父の本国法、母との関係は母の本国法による
  • 認知の要件として、子の本国法上必要なら子や第三者の承諾・同意も備える
  • 認知は、認知する者または子の本国法(認知当時)によっても認められる
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第30条準正準正で嫡出子の身分を得るかは父母や子の本国法2項判例なし
  • 準正の要件事実が完成した当時の、父・母・子いずれかの本国法で判断する
  • その本国法の対象者が事実完成前に死亡していれば、死亡当時の本国法による
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第31条養子縁組養子縁組は養親となる人の本国法による2項判例なし
  • 縁組当時の、養親となるべき者の本国法が基準になる
  • 養子となる者の本国法上、本人・第三者の承諾や公的機関の許可等が要件なら、それも必要
  • 実方の血族との親族関係の終了や離縁も、この養親の本国法による
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第32条親子間の法律関係親子間の法律関係は子の本国法か常居所地法1項判例なし
  • 子の本国法が父または母の本国法と同じなら、子の本国法による
  • 父母の一方が死亡または不明なら、もう一方の本国法と比べる
  • 一致しない場合は、子の常居所地法による
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第33条その他の親族関係等24条〈婚姻の成立及び方式〉〜32条〈親子間の法律関係〉にない親族関係は当事者の本国法1項判例なし
  • 24条〈婚姻の成立及び方式〉から32条〈親子間の法律関係〉までに定めのない親族関係や、それによる権利義務が対象
  • 準拠法は当事者の本国法による
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第34条親族関係についての法律行為の方式親族の法律行為の方式は成立に適用する法2項判例なし
  • 25条〈婚姻の効力〉から33条〈その他の親族関係等〉までの親族関係についての法律行為が対象
  • 方式は、その法律行為の成立に適用される法による
  • 行為地の法に合う方式でも有効
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第35条後見等後見等は被後見人等の本国法、例外で日本法2項・2号判例なし
  • 後見・保佐・補助は、被後見人等の本国法による
  • 外国人に後見等の開始原因があるのに日本で事務を行う人がいなければ、審判は日本法による
  • 日本で既にその外国人について後見開始の審判等があった場合も、審判は日本法による
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第29条法の適用に関する通則法

法例の一部を改正する法律(平成元年法律第27号)の施行前における嫡出でない子の母との間の分娩による親子関係の成立の準拠法

裁判要旨法例の一部を改正する法律(平成元年法律第27号)の施行前における嫡出でない子の母との間の分娩による親子関係の成立については,法の適用に関する通則法29条1項〈嫡出でない子の親子関係の成立〉を適用し,子の出生の当時における母の本国法によって定める。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和2年7月7日 平成31(受)184
登載
民集 第74巻4号1152頁
参照法条
法の適用に関する通則法29条1項,法の適用に関する通則法附則2条,法例の一部を改正する法律(平成元年法律第27号)附則2項,法例(平成元年法律第27号による改正前のもの)18条1項,法例(平成元年法律第27号による改正前のもの)22条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

法の適用に関する通則法 第24条(婚姻の成立及び方式) 詳細ページ
(婚姻の成立及び方式)
第二十四条婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。
2婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。
3前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。
法の適用に関する通則法 第25条(婚姻の効力) 詳細ページ
(婚姻の効力)
第二十五条婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。
法の適用に関する通則法 第26条(夫婦財産制) 詳細ページ
(夫婦財産制)
第二十六条前条の規定は、夫婦財産制について準用する。
2前項の規定にかかわらず、夫婦が、その署名した書面で日付を記載したものにより、次に掲げる法のうちいずれの法によるべきかを定めたときは、夫婦財産制は、その法による。この場合において、その定めは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
一夫婦の一方が国籍を有する国の法
二夫婦の一方の常居所地法
三不動産に関する夫婦財産制については、その不動産の所在地法
3前二項の規定により外国法を適用すべき夫婦財産制は、日本においてされた法律行為及び日本に在る財産については、善意の第三者に対抗することができない。この場合において、その第三者との間の関係については、夫婦財産制は、日本法による。
4前項の規定にかかわらず、第一項又は第二項の規定により適用すべき外国法に基づいてされた夫婦財産契約は、日本においてこれを登記したときは、第三者に対抗することができる。
法の適用に関する通則法 第27条(離婚) 詳細ページ
(離婚)
第二十七条第二十五条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。
法の適用に関する通則法 第28条(嫡出である子の親子関係の成立) 詳細ページ
(嫡出である子の親子関係の成立)
第二十八条夫婦の一方の本国法で子の出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする。
2夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす。
法の適用に関する通則法 第29条(嫡出でない子の親子関係の成立) 詳細ページ
(嫡出でない子の親子関係の成立)
第二十九条嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係については子の出生の当時における父の本国法により、母との間の親子関係についてはその当時における母の本国法による。この場合において、子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によればその子又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
2子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者又は子の本国法による。この場合において、認知する者の本国法によるときは、同項後段の規定を準用する。
3父が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における父の本国法を第一項の父の本国法とみなす。前項に規定する者が認知前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者の本国法とみなす。
法の適用に関する通則法 第30条(準正) 詳細ページ
(準正)
第三十条子は、準正の要件である事実が完成した当時における父若しくは母又は子の本国法により準正が成立するときは、嫡出子の身分を取得する。
2前項に規定する者が準正の要件である事実の完成前に死亡したときは、その死亡の当時におけるその者の本国法を同項のその者の本国法とみなす。
法の適用に関する通則法 第31条(養子縁組) 詳細ページ
(養子縁組)
第三十一条養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子となるべき者の本国法によればその者若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない。
2養子とその実方の血族との親族関係の終了及び離縁は、前項前段の規定により適用すべき法による。
法の適用に関する通則法 第32条(親子間の法律関係) 詳細ページ
(親子間の法律関係)
第三十二条親子間の法律関係は、子の本国法が父又は母の本国法(父母の一方が死亡し、又は知れない場合にあっては、他の一方の本国法)と同一である場合には子の本国法により、その他の場合には子の常居所地法による。
法の適用に関する通則法 第33条(その他の親族関係等) 詳細ページ
(その他の親族関係等)
第三十三条第二十四条から前条までに規定するもののほか、親族関係及びこれによって生ずる権利義務は、当事者の本国法によって定める。
法の適用に関する通則法 第34条(親族関係についての法律行為の方式) 詳細ページ
(親族関係についての法律行為の方式)
第三十四条第二十五条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。
2前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。
法の適用に関する通則法 第35条(後見等) 詳細ページ
(後見等)
第三十五条後見、保佐又は補助(以下「後見等」と総称する。)は、被後見人、被保佐人又は被補助人(次項において「被後見人等」と総称する。)の本国法による。
2前項の規定にかかわらず、外国人が被後見人等である場合であって、次に掲げるときは、後見人、保佐人又は補助人の選任の審判その他の後見等に関する審判については、日本法による。
一当該外国人の本国法によればその者について後見等が開始する原因がある場合であって、日本における後見等の事務を行う者がないとき。
二日本において当該外国人について後見開始の審判等があったとき。
出

一次情報

原文ママ

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