個人情報の保護に関する法律 / テーマ別まとめ

行政機関等の義務等/行政機関等における個人情報等の取扱い

行政機関等における個人情報等の取扱いの条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

行政機関等が個人情報を取得・保有・利用・提供する各場面で守るべき義務を定めた条文群です。目的外利用の制限や安全管理措置、漏えい時の報告・通知、外国への提供、仮名加工情報の取扱いまでを規定しています。

行政機関等における個人情報等の取扱い
条文項目要点
第61条保有の制限所掌事務に必要な範囲のみ保有
第62条利用目的の明示書面取得時は事前に明示
第63条不適正利用の禁止違法・不当行為を助長する利用禁止
第64条適正な取得偽り・不正取得の禁止
第65条正確性の確保事実と合致するよう努力義務
第66条安全管理措置漏えい等防止の措置義務
第67条従事者の義務業務上知った情報の漏示禁止
第68条漏えい等の報告委員会報告・本人通知義務
第69条利用・提供の制限目的外利用は原則禁止
第70条提供先への措置要求利用制限・安全管理を求める
第71条外国第三者への提供制限原則本人同意が必要
第72条個人関連情報の措置要求第三者に管理措置を求める
第73条仮名加工情報の義務第三者提供禁止・照合禁止等
  • 62条の明示義務には緊急時など4つの除外事由がある
  • 69条の目的外利用・提供には本人同意等の例外があり、権利利益を不当に侵害する恐れがある時は認められない
  • 71条は個人の権利利益保護で同等水準と認められる外国・相当措置を継続する体制を整備した者は対象外
  • 66条の安全管理措置は委託先・指定管理者等が業務を行う場合にも準用される
  • 68条の本人通知は代替措置をとる時や要配慮個人情報等が含まれる時は不要
  • 73条の各義務は仮名加工情報の取扱いを委託された者にも準用される
1

行政機関等における個人情報等の取扱い

行政機関等における個人情報等の取扱いについて、条文は何を定めているか。

第61条個人情報の保有の制限等保有は必要な範囲に限る3項判例なし
  • 所掌事務・業務に必要な場合のみ、目的を特定して保有できる
  • 特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて保有できない
  • 目的変更は変更前と相当の関連性がある範囲までに限る
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第62条利用目的の明示書面取得時は目的を事前明示1項・4号判例なし
  • 本人から書面で直接取得する時は利用目的をあらかじめ明示
  • 生命・身体・財産保護に緊急に必要な時は明示不要
  • 取得状況から目的が明らかな時など明示不要の場合がある
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第63条不適正な利用の禁止違法・不当な利用方法の禁止1項判例なし
  • 違法・不当な行為を助長・誘発する恐れのある方法での利用禁止
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第64条適正な取得偽り等による取得の禁止1項判例なし
  • 偽りその他不正の手段による個人情報の取得を禁止
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第65条正確性の確保正確性確保の努力義務1項判例なし
  • 利用目的達成に必要な範囲で事実と合致するよう努める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第66条安全管理措置漏えい等防止の安全管理措置2項・5号判例なし
  • 漏えい・滅失・毀損の防止など必要かつ適切な措置を講じる
  • 委託先や指定管理者等が業務を行う場合にも同様に適用
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第67条従事者の義務従事者の守秘義務1項判例なし
  • 業務で知った個人情報の内容をみだりに他人に知らせてはならない
  • 不当な目的での利用も禁止、退職後・派遣労働者も対象
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第68条漏えい等の報告等漏えい発生時の報告・通知2項・2号判例なし
  • 権利利益侵害の恐れが大きい漏えい等は委員会に報告する
  • 規則の定めるところにより本人にも事態発生を通知する
  • 本人通知が困難で代替措置をとる時等は通知不要
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第69条利用及び提供の制限目的外利用・提供の制限4項・4号判例なし
  • 法令に基づく場合を除き目的外の自己利用・提供は禁止
  • 本人同意がある時等一定の場合は目的外でも利用・提供可
  • 権利利益保護のため内部利用者を特定の部局・職員に限定
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第70条保有個人情報の提供を受ける者に対する措置要求提供先への管理措置の要求1項判例なし
  • 必要な時は提供先に利用目的・方法等の制限を求める
  • 漏えい防止など適切な管理措置を講ずるよう求めるものとする
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第71条外国にある第三者への提供の制限外国第三者への提供は同意必須3項判例なし
  • 外国の第三者への目的外提供は原則あらかじめ本人同意が必要
  • 同意取得前に外国の制度や相手の保護措置等を本人に情報提供
  • 相当措置を講じる者へ提供した時は継続実施の確保措置を講ずる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第72条個人関連情報の提供を受ける者に対する措置要求個人関連情報の提供先への要求1項判例なし
  • 提供先が個人情報として取得すると想定される場合が対象
  • 必要な時は利用制限・安全管理のための措置を求める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第73条仮名加工情報の取扱いに係る義務仮名加工情報の取扱い義務5項判例なし
  • 法令に基づく場合を除き委託先以外の第三者への提供を禁止
  • 漏えい防止など安全管理のため必要かつ適切な措置を講じる
  • 本人識別のための削除情報等の取得や他情報との照合を禁止
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

個人情報の保護に関する法律 第61条(個人情報の保有の制限等) 詳細ページ
(個人情報の保有の制限等)
第六十一条行政機関等は、個人情報を保有するに当たっては、法令(条例を含む。第六十六条第二項第三号及び第四号、第六十九条第二項第二号及び第三号並びに第四節において同じ。)の定める所掌事務又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定しなければならない。
2行政機関等は、前項の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない。
3行政機関等は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。
個人情報の保護に関する法律 第62条(利用目的の明示) 詳細ページ
(利用目的の明示)
第六十二条行政機関等は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、次に掲げる場合を除き、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。
一人の生命、身体又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
二利用目的を本人に明示することにより、本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがあるとき。
三利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。
四取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
個人情報の保護に関する法律 第63条(不適正な利用の禁止) 詳細ページ
(不適正な利用の禁止)
第六十三条行政機関の長(第二条第八項第四号及び第五号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下この章及び第百七十四条において同じ。)、地方公共団体の機関、独立行政法人等及び地方独立行政法人(以下この章及び次章において「行政機関の長等」という。)は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。
個人情報の保護に関する法律 第64条(適正な取得) 詳細ページ
(適正な取得)
第六十四条行政機関の長等は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
個人情報の保護に関する法律 第65条(正確性の確保) 詳細ページ
(正確性の確保)
第六十五条行政機関の長等は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。
個人情報の保護に関する法律 第66条(安全管理措置) 詳細ページ
(安全管理措置)
第六十六条行政機関の長等は、保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
2前項の規定は、次の各号に掲げる者が当該各号に定める業務を行う場合における個人情報の取扱いについて準用する。
一行政機関等から個人情報の取扱いの委託を受けた者当該委託を受けた業務
二指定管理者(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者をいう。)公の施設(同法第二百四十四条第一項に規定する公の施設をいう。)の管理の業務
三第五十八条第一項各号に掲げる者法令に基づき行う業務であって政令で定めるもの
四第五十八条第二項各号に掲げる者同項各号に定める業務のうち法令に基づき行う業務であって政令で定めるもの
五前各号に掲げる者から当該各号に定める業務の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者当該委託を受けた業務
個人情報の保護に関する法律 第67条(従事者の義務) 詳細ページ
(従事者の義務)
第六十七条個人情報の取扱いに従事する行政機関等の職員若しくは職員であった者、前条第二項各号に定める業務に従事している者若しくは従事していた者又は行政機関等において個人情報の取扱いに従事している派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下この章及び第百七十六条において同じ。)若しくは従事していた派遣労働者は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
個人情報の保護に関する法律 第68条(漏えい等の報告等) 詳細ページ
(漏えい等の報告等)
第六十八条行政機関の長等は、保有個人情報の漏えい、滅失、毀損その他の保有個人情報の安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。
2前項に規定する場合には、行政機関の長等は、本人に対し、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるとき。
二当該保有個人情報に第七十八条第一項各号に掲げる情報のいずれかが含まれるとき。
個人情報の保護に関する法律 第69条(利用及び提供の制限) 詳細ページ
(利用及び提供の制限)
第六十九条行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
2前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。
一本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
二行政機関等が法令の定める所掌事務又は業務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
三他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
四前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由があるとき。
3前項の規定は、保有個人情報の利用又は提供を制限する他の法令の規定の適用を妨げるものではない。
4行政機関の長等は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、保有個人情報の利用目的以外の目的のための行政機関等の内部における利用を特定の部局若しくは機関又は職員に限るものとする。
個人情報の保護に関する法律 第70条(保有個人情報の提供を受ける者に対する措置要求) 詳細ページ
(保有個人情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第七十条行政機関の長等は、利用目的のために又は前条第二項第三号若しくは第四号の規定に基づき、保有個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、保有個人情報の提供を受ける者に対し、提供に係る個人情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
個人情報の保護に関する法律 第71条(外国にある第三者への提供の制限) 詳細ページ
(外国にある第三者への提供の制限)
第七十一条行政機関の長等は、外国(本邦の域外にある国又は地域をいう。以下この条において同じ。)(個人の権利利益を保護する上で我が国と同等の水準にあると認められる個人情報の保護に関する制度を有している外国として個人情報保護委員会規則で定めるものを除く。以下この条において同じ。)にある第三者(第十六条第三項に規定する個人データの取扱いについて前章第二節の規定により同条第二項に規定する個人情報取扱事業者が講ずべきこととされている措置に相当する措置(第三項において「相当措置」という。)を継続的に講ずるために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に適合する体制を整備している者を除く。以下この項及び次項において同じ。)に利用目的以外の目的のために保有個人情報を提供する場合には、法令に基づく場合及び第六十九条第二項第四号に掲げる場合を除くほか、あらかじめ外国にある第三者への提供を認める旨の本人の同意を得なければならない。
2行政機関の長等は、前項の規定により本人の同意を得ようとする場合には、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、当該外国における個人情報の保護に関する制度、当該第三者が講ずる個人情報の保護のための措置その他当該本人に参考となるべき情報を当該本人に提供しなければならない。
3行政機関の長等は、保有個人情報を外国にある第三者(第一項に規定する体制を整備している者に限る。)に利用目的以外の目的のために提供した場合には、法令に基づく場合及び第六十九条第二項第四号に掲げる場合を除くほか、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該第三者による相当措置の継続的な実施を確保するために必要な措置を講ずるとともに、本人の求めに応じて当該必要な措置に関する情報を当該本人に提供しなければならない。
個人情報の保護に関する法律 第72条(個人関連情報の提供を受ける者に対する措置要求) 詳細ページ
(個人関連情報の提供を受ける者に対する措置要求)
第七十二条行政機関の長等は、第三者に個人関連情報を提供する場合(当該第三者が当該個人関連情報を個人情報として取得することが想定される場合に限る。)において、必要があると認めるときは、当該第三者に対し、提供に係る個人関連情報について、その利用の目的若しくは方法の制限その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止その他の個人関連情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。
個人情報の保護に関する法律 第73条(仮名加工情報の取扱いに係る義務) 詳細ページ
(仮名加工情報の取扱いに係る義務)
第七十三条行政機関の長等は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。以下この条及び第百二十八条において同じ。)を第三者(当該仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者を除く。)に提供してはならない。
2行政機関の長等は、その取り扱う仮名加工情報の漏えいの防止その他仮名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
3行政機関の長等は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該仮名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、削除情報等(仮名加工情報の作成に用いられた個人情報から削除された記述等及び個人識別符号並びに第四十一条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報をいう。)を取得し、又は当該仮名加工情報を他の情報と照合してはならない。
4行政機関の長等は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、電話をかけ、郵便若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便により送付し、電報を送達し、ファクシミリ装置若しくは電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって個人情報保護委員会規則で定めるものをいう。)を用いて送信し、又は住居を訪問するために、当該仮名加工情報に含まれる連絡先その他の情報を利用してはならない。
5前各項の規定は、行政機関の長等から仮名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。