著作権法 / テーマ別まとめ

著作者の権利/権利の行使

権利の行使の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作権は他人に利用させたり、共同や共有の形で持ち合ったり、質権の対象にしたりできます。この場合の許諾・共同行使・質権設定について定めているのが第63条から第66条です。実務では、利用許諾の範囲や共有著作権の同意・合意のルールを押さえておく必要があります。

権利の行使
場面誰の意思が必要かできないこと・制限
利用許諾(63条)著作権者の許諾許諾範囲外の利用は不可
利用権の譲渡(63条)著作権者の承諾承諾なしに譲渡不可
共同著作物の人格権(64条)著作者全員の合意一人でも行使不可
共有著作権の持分譲渡(65条)他の共有者の同意同意なしに譲渡・質権設定不可
共有著作権の行使(65条)共有者全員の合意一人でも行使不可
質権設定後の著作権行使(66条)著作権者本人設定行為に別段の定めがあれば別
  • 放送・有線放送の許諾には、契約に別段の定めがない限り録音・録画の許諾は含まれない。
  • 特定放送事業者等への放送等の許諾は、別段の意思表示がない限り放送同時配信等の許諾を含むと推定される。
  • 送信可能化の許諾範囲内での反復・別装置での送信可能化には第23条第1項は適用されない。
  • 利用権は著作権を取得した第三者にも対抗できる。
  • 共有者は正当な理由がない限り、持分譲渡の同意や合意成立を拒めない。
  • 質権は著作権譲渡や利用の対価(出版権設定の対価を含む)にも及ぶが、支払・引渡し前の差押えが必要。
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権利の行使

権利の行使について、条文は何を定めているか。

第63条著作物の利用の許諾著作権者が他人に利用を許諾できる6項判例なし
  • 許諾を受けた人は、許諾された方法・条件の範囲内でのみ利用できる
  • 利用権は著作権者の承諾がないと譲渡できない
  • 放送・有線放送の許諾に録音録画は含まれない(契約に別段の定めがある場合を除く)
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第63_2条利用権の対抗力1項判例なし
第64条共同著作物の著作者人格権の行使共同著作物の人格権は全員の合意が必要4項判例なし
  • 著作者の一人だけでは著作者人格権を行使できない
  • 信義に反して合意の成立を妨げてはならない
  • 代表者を定めれば、その者が人格権を代表行使できる
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第65条共有著作権の行使共有著作権は全員の同意・合意が必要4項判例 1件
  • 持分の譲渡や質権設定には他の共有者の同意が必要
  • 権利の行使には共有者全員の合意が必要
  • 正当な理由なく同意・合意の成立を拒めない
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第66条質権の目的となつた著作権質権を設定しても著作権者本人が行使する2項判例なし
  • 設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が権利を行使する
  • 質権は著作権譲渡や利用の対価にも及ぶ
  • 支払・引渡し前にその権利を差し押える必要がある
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第65条著作権法

1 小説形式の原稿に基づいて制作された連載漫画が同原稿を原著作物とする二次的著作物であるとされた事例
2 二次的著作物である連載漫画の原著作物である原稿の著作者から同連載漫画の著作者に対する同連載漫画の主人公を描いた絵画の作成,複製又は配布の差止請求の可否

裁判要旨1 甲が各回ごとの具体的なストーリーを創作し,これを小説形式の原稿にし,乙において,漫画化に当たって使用することができないと思われる部分を除き,その原稿に基づいて漫画を作成するという手順を繰り返すことにより制作された連載漫画は,同原稿を原著作物とする二次的著作物である。
2 二次的著作物である連載漫画の原著作物である原稿の著作者は,同連載漫画の著作者に対し,同連載漫画の主人公を描いた絵画を合意によることなく作成し,複製し,又は配布することの差止めを求めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成13年10月25日 平成12(受)798
登載
集民 第203号285頁
参照法条
著作権法2条1項11号,著作権法28条,著作権法65条2項,著作権法112条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第63条(著作物の利用の許諾) 詳細ページ
(著作物の利用の許諾)
第六十三条著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
2前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
3利用権(第一項の許諾に係る著作物を前項の規定により利用することができる権利をいう。次条において同じ。)は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。
4著作物の放送又は有線放送についての第一項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音又は録画の許諾を含まないものとする。
5著作物の放送又は有線放送及び放送同時配信等について許諾(第一項の許諾をいう。以下この項において同じ。)を行うことができる者が、特定放送事業者等(放送事業者又は有線放送事業者のうち、放送同時配信等を業として行い、又はその者と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が業として行う放送同時配信等のために放送番組若しくは有線放送番組を供給しており、かつ、その事実を周知するための措置として、文化庁長官が定める方法により、放送同時配信等が行われている放送番組又は有線放送番組の名称、その放送又は有線放送の時間帯その他の放送同時配信等の実施状況に関する情報として文化庁長官が定める情報を公表しているものをいう。以下この項において同じ。)に対し、当該特定放送事業者等の放送番組又は有線放送番組における著作物の利用の許諾を行つた場合には、当該許諾に際して別段の意思表示をした場合を除き、当該許諾には当該著作物の放送同時配信等(当該特定放送事業者等と密接な関係を有する放送同時配信等事業者が当該放送番組又は有線放送番組の供給を受けて行うものを含む。)の許諾を含むものと推定する。
6著作物の送信可能化について第一項の許諾を得た者が、その許諾に係る利用方法及び条件(送信可能化の回数又は送信可能化に用いる自動公衆送信装置に係るものを除く。)の範囲内において反復して又は他の自動公衆送信装置を用いて行う当該著作物の送信可能化については、第二十三条第一項の規定は、適用しない。
著作権法 第63_2条(利用権の対抗力) 詳細ページ
(利用権の対抗力)
第六十三条の二利用権は、当該利用権に係る著作物の著作権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
著作権法 第64条(共同著作物の著作者人格権の行使) 詳細ページ
(共同著作物の著作者人格権の行使)
第六十四条共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の合意によらなければ、行使することができない。
2共同著作物の各著作者は、信義に反して前項の合意の成立を妨げることができない。
3共同著作物の著作者は、そのうちからその著作者人格権を代表して行使する者を定めることができる。
4前項の権利を代表して行使する者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
著作権法 第65条(共有著作権の行使) 詳細ページ
(共有著作権の行使)
第六十五条共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。
2共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。
3前二項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第一項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。
4前条第三項及び第四項の規定は、共有著作権の行使について準用する。
著作権法 第66条(質権の目的となつた著作権) 詳細ページ
(質権の目的となつた著作権)
第六十六条著作権は、これを目的として質権を設定した場合においても、設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が行使するものとする。
2著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行なうことができる。ただし、これらの支払又は引渡し前に、これらを受ける権利を差し押えることを必要とする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。