論点1第66条特許法
1 特許権の効力の準拠法
2 特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法
3 米国特許法を適用して米国特許権の侵害を積極的に誘導する我が国内での行為の差止め又は我が国内にある侵害品の廃棄を命ずることと法例33条〈特許を受ける権利〉にいう「公ノ秩序」
4 特許権侵害を理由とする損害賠償請求の準拠法
5 米国特許権の侵害を積極的に誘導する行為を我が国で行ったことを理由とする損害賠償請求について法例11条1項〈代理権の不消滅〉にいう「原因タル事実ノ発生シタル地」が米国であるとされた事例
6 米国特許権の侵害を積極的に誘導する行為を我が国で行ったことと法例11条2項にいう「外国ニ於テ発生シタル事実カ日本ノ法律ニ依レハ不法ナラサルトキ」
裁判要旨1 特許権の効力の準拠法は,当該特許権が登録された国の法律である。
2 特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法は,当該特許権が登録された国の法律である。
3 米国特許法を適用して,米国特許権の侵害を積極的に誘導する我が国内での行為の差止め又は我が国内にある侵害品の廃棄を命ずることは,法例
33条〈特許を受ける権利〉にいう「公ノ秩序」に反する。
4 特許権侵害を理由とする損害賠償請求の準拠法は,法例
11条1項〈代理権の不消滅〉による。
5 米国で販売される米国特許権の侵害品を我が国から米国に輸出した者に対する,米国特許権の侵害を積極的に誘導したことを理由とする損害賠償請求について,法例
11条1項にいう「原因タル事実ノ発生シタル地」は,米国である。
6 米国特許権の侵害を積極的に誘導する行為を我が国で行ったことは,法例
11条2項にいう「外国ニ於テ発生シタル事実カ日本ノ法律ニ依レハ不法ナラサルトキ」に当たる。
(5につき意見,6につき補足意見及び反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成14年9月26日 平成12(受)580
- 登載
- 民集 第56巻7号1551頁
- 参照法条
- 特許法66条1項,特許法68条,特許法第4章第2節権利侵害,特許法100条,法例,法例11条1項,法例11条2項,法例33条,アメリカ合衆国特許法271条(b)項,アメリカ合衆国特許法283条,アメリカ合衆国特許法284条,民法709条
論点2第67条特許法
1 医薬品の製造販売につき,特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった承認に先行する承認が存在することにより,上記出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められないとされる場合
2 医薬品の製造販売につき,特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった承認に先行する承認がされている場合において,先行する承認に係る製造販売が,上記出願の理由となった承認に係る製造販売を包含するとは認められないとされた事例
裁判要旨1 特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品医療機器等法の規定による医薬品の製造販売の承認に先行して,同一の特許発明につき同法の規定による医薬品の製造販売の承認がされている場合において,延長登録出願に係る特許発明の種類や対象に照らして,医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる審査事項について両承認を比較した結果,先行する承認の対象となった医薬品の製造販売が,延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売を包含すると認められるときは,延長登録出願に係る特許発明の実施にその出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められない。
2 特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品医療機器等法の規定による医薬品の製造販売の承認に先行して,同一の特許発明につき同法の規定による医薬品の製造販売の承認がされている場合において,次の~など判示の事情の下では,先行する承認の対象となった医薬品の製造販売が,延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売を包含するとは認められない。
(1) 本件特許権の特許発明は,血管内皮細胞増殖因子アンタゴニストを治療有効量含有する,がんを治療するための医薬品の成分を対象とする物の発明であり,医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる両承認の審査事項は,医薬品の成分,分量,用法,用量,効能及び効果である。
(2) 先行する承認の対象となった医薬品は,その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人には,ベバシズマブとして1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内投与する。投与間隔は2週間以上とする。」とするものであるのに対し,延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品は,その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはベバシズマブとして1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。」などとするものである。
(3) 先行する承認によっては,XELOX療法(1サイクルを3週間とし,内服薬と2時間の点滴薬の投与で済む療法)とベバシズマブ療法との併用療法のために延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売をすることは許されなかったが,延長登録出願の理由となった承認によって初めてこれが可能となった。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成27年11月17日 平成26(行ヒ)356
- 登載
- 民集 第69巻7号1912頁
- 参照法条
- (1,2につき)特許法67条2項,特許法67条の3第1項1号,(医薬品医療機器等法)医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律14条1項,(医薬品医療機器等法)医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律14条2項3号柱書き,(医薬品医療機器等法)医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律14条9項
論点3第67条特許法
特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認に先行して当該承認の対象となった医薬品と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品について同項による製造販売の承認がされていることを延長登録出願の拒絶の理由とすることが許されない場合
裁判要旨特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認に先行して,当該承認の対象となった医薬品と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品について同項による製造販売の承認がされている場合であっても,その医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは,当該先行する承認がされていることを根拠として,当該特許権の特許発明の実施に延長登録出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められないということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成23年4月28日 平成21(行ヒ)326
- 登載
- 民集 第65巻3号1654頁
- 参照法条
- 特許法67条2項,特許法67条の3第1項1号,特許法68条の2,薬事法14条1項
論点4第67条特許法
いわゆる後発医薬品について薬事法14条所定の承認を申請するため必要な試験を行うことと特許法69条1項にいう「試験又は研究のためにする特許発明の実施」
裁判要旨特許権の存続期間終了後に特許発明に係る医薬品と有効成分等を同じくするいわゆる後発医薬品を製造販売することを目的として,薬事法14条所定の製造承認を申請するため,特許権の存続期間中に特許発明の技術的範囲に属する化学物質又は医薬品を生産し,これを使用して製造承認申請書に添付すべき資料を得るのに必要な試験を行うことは,特許法
69条1項〈特許権の効力が及ばない範囲〉にいう「試験又は研究のためにする特許発明の実施」に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成11年4月16日 平成10(受)153
- 登載
- 民集 第53巻4号627頁
- 参照法条
- 特許法67条,特許法68条,特許法69条1項,特許法100条,薬事法14条
論点5第68条特許法
1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合に,特許権者が当該特許製品につき特許権を行使することの可否
2 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,特許権者が当該加工等がされた製品につき特許権を行使することの可否
3 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準
4 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,特許権者が当該加工等がされた製品につき我が国において特許権を行使することの可否
5 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき我が国において特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準
6 インクジェットプリンタ用インクタンクに関する特許の特許権者により我が国及び国外で譲渡された特許製品の使用済みインクタンク本体を,第三者が利用しこれに加工するなどして製品化したインクタンクについて,特許権者による権利行使が認められた事例
裁判要旨1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合には,当該特許製品については特許権はその目的を達成したものとして消尽し,特許権の効力は,当該特許製品の使用,譲渡等には及ばず,特許権者は,当該特許製品について特許権を行使することは許されない。
2 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,特許権を行使することが許される。
3 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合において,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとして特許権者がその特許製品につき特許権を行使することが許されるといえるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断すべきである。
4 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,我が国において特許権を行使することが許される。
5 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合において,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとして特許権者がその特許製品につき我が国において特許権を行使することが許されるといえるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断すべきである。
6 インクジェットプリンタ用インクタンクに関する特許の特許権者Xが我が国及び国外において特許製品であるインクタンク(X製品)を販売したところ,Yが,X製品の使用済みインクタンク本体を利用してその内部を洗浄しこれに新たにインクを注入するなどの工程を経て製品化されたインクタンク(Y製品)を輸入し,我が国において販売している場合において,Y製品の製品化の工程における加工等の態様が,単にインクを補充しているというにとどまらず,印刷品位の低下やプリンタ本体の故障等の防止のために構造上再充てんが予定されていないインクタンク本体をインクの補充が可能となるように変形させるものであるとともに,上記特許に係る特許発明の本質的部分に係る構成を欠くに至ったものにつきこれを再び充足させて当該特許発明の作用効果を新たに発揮させるものであることのほか,インクタンクの取引の実情など判示の事情の下では,Y製品は,加工前のX製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものであって,特許権の行使が制限される対象となるものではなく,Xは,その特許権に基づいて,Y製品の輸入,販売等の差止め及び廃棄を求めることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成19年11月8日 平成18(受)826
- 登載
- 民集 第61巻8号2989頁
- 参照法条
- (1〜6につき)特許法68条 (6につき)特許法100条
論点6第68条特許法
専用実施権を設定した特許権者がその特許権に基づく差止請求をすることの可否
裁判要旨特許権者は,その特許権について専用実施権を設定したときであっても,当該特許権に基づく差止請求権を行使することができる
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成17年6月17日 平成16(受)997
- 登載
- 民集 第59巻5号1074頁
- 参照法条
- 特許法68条、特許法77条1項、2項、特許法100条1項
論点7第68条特許法
無効理由が存在することが明らかな特許権に基づく差止め等の請求と権利の濫用
裁判要旨特許に無効理由が存在することが明らかであるときは、その特許権に基づく差止め、損害賠償等の請求は、特段の事情がない限り、権利の濫用に当たり許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成12年4月11日 平成10(オ)364
- 登載
- 民集 第54巻4号1368頁
- 参照法条
- 特許法68条・特許法第4章第2節 権利侵害・特許法100条・特許法123条 民法1条3項
論点8第68条特許法
1 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たるとされた事例
2 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法101条1号〈侵害とみなす行為 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為〉にいう「譲渡等」に当たるとされた事例
裁判要旨1 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係るプログラムの発明の技術的範囲に属するプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法
2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たる。
⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信により上記端末にインストールされた上記プログラムを利用することにより、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
2 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係る装置の発明の技術的範囲に属する装置の生産にのみ用いるプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法
101条1号〈侵害とみなす行為 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為〉にいう「譲渡等」に当たる。
⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信及びそれに引き続く上記プログラムの上記端末へのインストールによって、上記装置が我が国の領域内で生産され、それが使用されるようにし、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和7年3月3日 令和5(受)14
- 登載
- 民集 第79巻3号681頁
- 参照法条
- (1、2につき)特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害 (1につき)特許法2条3項1号 (2につき)特許法101条1号
論点9第68条特許法
動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが、上記ウェブサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムを構築することが、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「生産」に当たるとされた事例
裁判要旨動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが、上記ウェブサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムであって、Xの有する特許権に係るシステムの発明の技術的範囲に属するものを構築することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法
2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「生産」に当たる。
⑴ 上記の配信による上記システムの構築は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画上に表示されるコメント同士が重ならないように調整するなどの処理を行い、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上という効果を奏するものであるところ、上記⑴の結果、上記システムにおいて、上記の調整などの処理がされることとなり、当該処理の結果が、上記システムを構成する我が国所在の端末上に表示される。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信やその結果として構築される上記システムが、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 令和7年3月3日 令和5(受)2028
- 登載
- ―
- 参照法条
- 特許法2条3項1号、特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害
論点10第70条特許法
考案の技術的範囲に属するか否かの判断に当たり製造方法の相違を考慮することの可否
裁判要旨考案の技術的範囲に属するか否かの判断に当たつて製造方法の相違を考慮の中に入れることはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和56年6月30日 昭和54(オ)336
- 登載
- 民集 第35巻4号848頁
- 参照法条
- 実用新案法1条,実用新案法3条,実用新案法26条,特許法70条
論点11第70条特許法
実用新案の技術的範囲の認定
裁判要旨実用新案の明細書により当該実用新案の技術的範囲を確定するにあたつては、明細書中の「登録請求の範囲」の項記載の意味内容を具体的、正確に判断する資料として、右明細書の他の部分に記載された考案の構造及び作用効果を考慮することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和50年5月27日 昭和50(オ)54
- 登載
- 集民 第115号1頁
- 参照法条
- 実用新案法26条,実用新案法施行規則1条,実用新案法施行規則2条,実用新案法施行規則3条,特許法70条
論点12第70条特許法
イ号物件が登録実用新案の技術的範囲に属するとした判断に経験則違反又は理由不備の違法があるとされた事例
裁判要旨判文参照
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和50年10月9日 昭和49(オ)175
- 登載
- 集民 第116号259頁
- 参照法条
- 実用新案法26条,特許法70条
論点13第70条特許法
「椅子用座席」の表張りに関する実用新案権の権利範囲に関する認定事例
裁判要旨原審の確定した本件実用新案の目的、作用効果および椅子の構造上被布をもつて緩衝体を被蓋してこれを固着する必要ある部分の範囲とを合せ考えれば、本件実用新案公報記載の「座席枠体」に椅子の背当部分も含まれるものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月22日 昭和42(オ)804
- 登載
- 集民 第89号589頁
- 参照法条
- 実用新案法26条,特許法70条
論点14第70条特許法
実用新案法第二六条の法意
裁判要旨実用新案法第二六条は特許法
第七〇条〈特許発明の技術的範囲〉を準用しているから、実用新案の技術的範囲、したがつてまたその権利の範囲は、登録請求の願書添付の明細書にある登録請求の範囲の記載に基づいて定められなければならないが、右範囲の記載の意味内容をより具体的に正確に判断する資料として、右明細書の他の部分に記載されている考案の作用効果を考慮することはなんら差し支えない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月18日 昭和39(オ)1469
- 登載
- 集民 第85号167頁
- 参照法条
- 実用新案法26条,特許法70条
論点15第70条特許法
1 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかっただけで,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するといえるか
2 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかったときにおける,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する場合
裁判要旨1 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合であっても,それだけでは,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するとはいえない。
2 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合において,客観的,外形的にみて,同製品等に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたといえるときには,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成29年3月24日 平成28(受)1242
- 登載
- 民集 第71巻3号359頁
- 参照法条
- (1,2につき)特許法70条1項,特許法第4章第2節 権利侵害,民法1条2項
論点16第71条特許法
一、特許発明または実用新案の技術的範囲についての判定の性質
二、右判定は行政不服審査の対象となるか
裁判要旨一、特許発明または実用新案の技術的範囲についての判定は、特許庁のたんなる意見の表明であつて、鑑定的性質を有するにとどまる。
二、右判定は行政不服審査の対象となりえない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和43年4月18日 昭和42(行ツ)47
- 登載
- 民集 第22巻4号936頁
- 参照法条
- (1・2項につき),特許法71条,実用新案法26条,(2項につき),行政不服審査法2条1項,行政不服審査法4条1項
論点17第73条特許法
特許権の共有者の1人が特許異議の申立てに基づく当該特許の取消決定について単独で取消訴訟を提起することの許否
裁判要旨特許権の共有者の1人は,特許異議の申立てに基づき当該特許を取り消すべき旨の決定がされたときは,単独で取消決定の取消訴訟を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成14年3月25日 平成13(行ヒ)154
- 登載
- 民集 第56巻3号574頁
- 参照法条
- 民法252条,民訴法40条,特許法73条,特許法113条,特許法114条,特許法132条,特許法178条
論点18第73条特許法
商標権の共有者が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否
裁判要旨商標権の共有者は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,各自,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成14年2月28日 平成13(行ヒ)12
- 登載
- 集民 第205号825頁
- 参照法条
- 民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条
論点19第73条特許法
商標権の共有者の1人が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否
裁判要旨商標権の共有者の1人は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成14年2月22日 平成13(行ヒ)142
- 登載
- 民集 第56巻2号348頁
- 参照法条
- 民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条