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特許権

特許権の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

特許権は、特許料の納付等に基づく設定の登録によって発生し、原則として特許出願の日から20年で存続期間が終了する権利です。特許権者は業として特許発明を実施する権利を専有する一方、試験研究のための実施や国内を単に通過するだけの船舶・航空機など、効力が及ばない範囲も条文上定められています。このページでは、存続期間の延長登録、効力の及ぶ範囲、共有・移転の扱いなど、特許権に関する条文を整理しています。

特許権
項目内容数値・期限
発生設定登録で発生―
存続期間出願日から20年20年
延長(基準日型)延長登録出願で延長可延長可能期間まで
延長(安全性確保等)承認等で実施不能期間分5年が限度
効力業としての実施を専有専用実施権範囲は除く
効力の限界試験研究等には及ばない―
共有持分譲渡等に同意必要実施は同意不要
移転特例真の権利者が移転請求可冒認等の場合
  • 延長登録(基準日型)は、設定登録が基準日(出願から5年経過日と審査請求から3年経過日のいずれか遅い日)以後の場合に限る
  • 延長登録(基準日型)の出願は設定登録の日から3月以内、存続期間満了後は出願不可(責めによらない理由の場合は期間の特例あり)
  • 延長登録(安全性確保等型)の出願は政令で定める処分を受けた日から政令で定める期間内、存続期間満了後は出願不可
  • 共有の特許権は、契約で別段の定めがない限り各共有者は他の共有者の同意なく実施できる
  • 効力が及ばない範囲には、単に国内を通過する船舶・航空機等や出願時から国内にある物も含まれる
  • 二以上の医薬を混合する発明等の特許権の効力は、医師等の処方せんによる調剤・医薬には及ばない
1

特許権

特許権について、条文は何を定めているか。

第66条特許権の設定の登録設定登録で特許権が発生する4項・7号判例 1件
  • 第1年から第3年分の特許料納付等で設定登録される
  • 特許権者名・発明者名等を特許公報に掲載
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第67条存続期間存続期間は出願日から20年4項・10号判例 3件
  • 特許出願の日から20年で終了
  • 基準日以後の登録なら延長登録出願で延長可
  • 安全性確保等の処分で実施不能な期間は5年限度で延長可
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第67_2条存続期間の延長登録基準日型延長の出願手続を定める6項・5号判例なし
  • 願書に出願人氏名・特許番号・延長期間等を記載
  • 設定登録の日から3月以内に出願(責めによらない理由なら延長あり)
  • 共有の特許権は共有者全員で出願
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第67_3条延長登録の拒絶理由と登録手続4項・11号判例なし
  • 基準日前の登録など4つの理由で拒絶査定
  • 拒絶理由がなければ延長登録すべき査定
  • 延長登録の内容を特許公報に掲載
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第67_4条延長登録出願の審査に関する準用1項判例なし
  • 既存の審査関連条文を準用して手続を行う
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第67_5条安全性確保等型延長の出願手続4項・4号判例なし
  • 延長期間は5年以下に限る
  • 政令で定める処分を受けた日から政令で定める期間内に出願
  • 存続期間満了後は出願不可
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第67_6条延長できない見込みの事前届出4項・3号判例なし
  • 満了前6月の前日までに処分未取得見込みなら書面提出
  • 書面未提出なら満了前6月以後は延長登録出願不可
  • 書面の内容を特許公報に掲載
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第67_7条安全性確保等型延長の拒絶理由等4項・11号判例なし
  • 処分が不要だった場合など5つの理由で拒絶査定
  • 拒絶理由なければ延長登録すべき査定
  • 延長登録の内容を特許公報に掲載
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第67_8条安全性確保等型延長審査の準用1項判例なし
  • 67条の4〈第四十七条第一項、第五十条、第五十二条及び第百三十九条(第七号を除く。)の規定は、第六十七条第二項の延長登録の出願の審査…〉前段を読み替えて準用
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第68条特許権の効力業としての実施を専有する権利1項判例 8件
  • 特許権者は業として特許発明を実施する権利を専有
  • 専用実施権を設定した範囲は専用実施権者が専有
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第68_2条第六十七条第四項の規定により存続期間が延長された場合の特許権の効力延長時の効力は処分対象物に限定1項判例なし
  • 安全性確保等型で延長された特許権の効力は限定される
  • 処分の対象物(用途指定があれば当該用途)以外には及ばない
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第69条特許権の効力が及ばない範囲試験研究等には効力が及ばない3項・2号判例 1件
  • 試験又は研究のための実施には及ばない
  • 単に通過するだけの船舶・航空機等には及ばない
  • 出願時から国内にある物、医師の処方せんによる調剤等も対象外
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第70条特許発明の技術的範囲技術的範囲は特許請求の範囲が基準3項判例 6件
  • 特許請求の範囲の記載に基づいて定める
  • 明細書の記載・図面を考慮して用語を解釈
  • 要約書の記載は考慮しない
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第71条特許庁に技術的範囲の判定を求められる4項判例 1件
  • 特許庁に対し技術的範囲の判定を請求できる
  • 3名の審判官が判定を行う
  • 判定に関する決定には不服を申し立てられない
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第71_2条裁判所からの鑑定嘱託に対応する2項判例なし
  • 裁判所から鑑定の嘱託があれば3名の審判官が鑑定
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第72条他人の特許発明等との関係他人の権利を利用・抵触する実施の制限1項判例なし
  • 先願の他人の特許・意匠等を利用する発明は実施不可
  • 先願の他人の意匠権・商標権と抵触する場合も実施不可
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第73条共有に係る特許権共有特許権の持分譲渡・実施等のルール3項判例 3件
  • 持分の譲渡・質権設定には他の共有者の同意が必要
  • 契約で別段の定めがなければ実施は同意不要
  • 専用実施権設定・通常実施権許諾には同意が必要
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第74条特許権の移転の特例冒認等の場合に真の権利者が移転請求可3項判例なし
  • 一定の要件に該当する場合、真の権利者が特許権の移転を請求できる
  • 移転登録があれば特許権は初めから移転先に帰属していたとみなす
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第75条旧規定は削除されている1項判例なし
第76条相続人がない場合の特許権の消滅相続人不在なら特許権は消滅する1項判例なし
  • 民法952条2項の期間内に権利を主張する者がないと消滅
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第66条特許法

1 特許権の効力の準拠法
2 特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法
3 米国特許法を適用して米国特許権の侵害を積極的に誘導する我が国内での行為の差止め又は我が国内にある侵害品の廃棄を命ずることと法例33条〈特許を受ける権利〉にいう「公ノ秩序」
4 特許権侵害を理由とする損害賠償請求の準拠法
5 米国特許権の侵害を積極的に誘導する行為を我が国で行ったことを理由とする損害賠償請求について法例11条1項〈代理権の不消滅〉にいう「原因タル事実ノ発生シタル地」が米国であるとされた事例
6 米国特許権の侵害を積極的に誘導する行為を我が国で行ったことと法例11条2項にいう「外国ニ於テ発生シタル事実カ日本ノ法律ニ依レハ不法ナラサルトキ」

裁判要旨1 特許権の効力の準拠法は,当該特許権が登録された国の法律である。
2 特許権に基づく差止め及び廃棄請求の準拠法は,当該特許権が登録された国の法律である。
3 米国特許法を適用して,米国特許権の侵害を積極的に誘導する我が国内での行為の差止め又は我が国内にある侵害品の廃棄を命ずることは,法例33条〈特許を受ける権利〉にいう「公ノ秩序」に反する。
4 特許権侵害を理由とする損害賠償請求の準拠法は,法例11条1項〈代理権の不消滅〉による。
5 米国で販売される米国特許権の侵害品を我が国から米国に輸出した者に対する,米国特許権の侵害を積極的に誘導したことを理由とする損害賠償請求について,法例11条1項にいう「原因タル事実ノ発生シタル地」は,米国である。
6 米国特許権の侵害を積極的に誘導する行為を我が国で行ったことは,法例11条2項にいう「外国ニ於テ発生シタル事実カ日本ノ法律ニ依レハ不法ナラサルトキ」に当たる。
(5につき意見,6につき補足意見及び反対意見がある。)
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年9月26日 平成12(受)580
登載
民集 第56巻7号1551頁
参照法条
特許法66条1項,特許法68条,特許法第4章第2節権利侵害,特許法100条,法例,法例11条1項,法例11条2項,法例33条,アメリカ合衆国特許法271条(b)項,アメリカ合衆国特許法283条,アメリカ合衆国特許法284条,民法709条
論点2第67条特許法

1 医薬品の製造販売につき,特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった承認に先行する承認が存在することにより,上記出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められないとされる場合
2 医薬品の製造販売につき,特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった承認に先行する承認がされている場合において,先行する承認に係る製造販売が,上記出願の理由となった承認に係る製造販売を包含するとは認められないとされた事例

裁判要旨1 特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品医療機器等法の規定による医薬品の製造販売の承認に先行して,同一の特許発明につき同法の規定による医薬品の製造販売の承認がされている場合において,延長登録出願に係る特許発明の種類や対象に照らして,医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる審査事項について両承認を比較した結果,先行する承認の対象となった医薬品の製造販売が,延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売を包含すると認められるときは,延長登録出願に係る特許発明の実施にその出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められない。
2 特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった医薬品医療機器等法の規定による医薬品の製造販売の承認に先行して,同一の特許発明につき同法の規定による医薬品の製造販売の承認がされている場合において,次の~など判示の事情の下では,先行する承認の対象となった医薬品の製造販売が,延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売を包含するとは認められない。
(1) 本件特許権の特許発明は,血管内皮細胞増殖因子アンタゴニストを治療有効量含有する,がんを治療するための医薬品の成分を対象とする物の発明であり,医薬品としての実質的同一性に直接関わることとなる両承認の審査事項は,医薬品の成分,分量,用法,用量,効能及び効果である。
(2) 先行する承認の対象となった医薬品は,その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人には,ベバシズマブとして1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内投与する。投与間隔は2週間以上とする。」とするものであるのに対し,延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品は,その用法及び用量を「他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはベバシズマブとして1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。」などとするものである。
(3) 先行する承認によっては,XELOX療法(1サイクルを3週間とし,内服薬と2時間の点滴薬の投与で済む療法)とベバシズマブ療法との併用療法のために延長登録出願の理由となった承認の対象となった医薬品の製造販売をすることは許されなかったが,延長登録出願の理由となった承認によって初めてこれが可能となった。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成27年11月17日 平成26(行ヒ)356
登載
民集 第69巻7号1912頁
参照法条
(1,2につき)特許法67条2項,特許法67条の3第1項1号,(医薬品医療機器等法)医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律14条1項,(医薬品医療機器等法)医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律14条2項3号柱書き,(医薬品医療機器等法)医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律14条9項
論点3第67条特許法

特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認に先行して当該承認の対象となった医薬品と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品について同項による製造販売の承認がされていることを延長登録出願の拒絶の理由とすることが許されない場合

裁判要旨特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認に先行して,当該承認の対象となった医薬品と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品について同項による製造販売の承認がされている場合であっても,その医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは,当該先行する承認がされていることを根拠として,当該特許権の特許発明の実施に延長登録出願の理由となった承認を受けることが必要であったとは認められないということはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成23年4月28日 平成21(行ヒ)326
登載
民集 第65巻3号1654頁
参照法条
特許法67条2項,特許法67条の3第1項1号,特許法68条の2,薬事法14条1項
論点4第67条特許法

いわゆる後発医薬品について薬事法14条所定の承認を申請するため必要な試験を行うことと特許法69条1項にいう「試験又は研究のためにする特許発明の実施」

裁判要旨特許権の存続期間終了後に特許発明に係る医薬品と有効成分等を同じくするいわゆる後発医薬品を製造販売することを目的として,薬事法14条所定の製造承認を申請するため,特許権の存続期間中に特許発明の技術的範囲に属する化学物質又は医薬品を生産し,これを使用して製造承認申請書に添付すべき資料を得るのに必要な試験を行うことは,特許法69条1項〈特許権の効力が及ばない範囲〉にいう「試験又は研究のためにする特許発明の実施」に当たる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成11年4月16日 平成10(受)153
登載
民集 第53巻4号627頁
参照法条
特許法67条,特許法68条,特許法69条1項,特許法100条,薬事法14条
論点5第68条特許法

1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合に,特許権者が当該特許製品につき特許権を行使することの可否
2 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,特許権者が当該加工等がされた製品につき特許権を行使することの可否
3 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準
4 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,特許権者が当該加工等がされた製品につき我が国において特許権を行使することの可否
5 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき我が国において特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準
6 インクジェットプリンタ用インクタンクに関する特許の特許権者により我が国及び国外で譲渡された特許製品の使用済みインクタンク本体を,第三者が利用しこれに加工するなどして製品化したインクタンクについて,特許権者による権利行使が認められた事例

裁判要旨1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合には,当該特許製品については特許権はその目的を達成したものとして消尽し,特許権の効力は,当該特許製品の使用,譲渡等には及ばず,特許権者は,当該特許製品について特許権を行使することは許されない。
2 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,特許権を行使することが許される。
3 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合において,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとして特許権者がその特許製品につき特許権を行使することが許されるといえるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断すべきである。
4 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされ,それにより当該特許製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものと認められるときは,特許権者は,その特許製品について,我が国において特許権を行使することが許される。
5 我が国の特許権者又はこれと同視し得る者が国外において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合において,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとして特許権者がその特許製品につき我が国において特許権を行使することが許されるといえるかどうかについては,当該特許製品の属性,特許発明の内容,加工及び部材の交換の態様のほか,取引の実情等も総合考慮して判断すべきである。
6 インクジェットプリンタ用インクタンクに関する特許の特許権者Xが我が国及び国外において特許製品であるインクタンク(X製品)を販売したところ,Yが,X製品の使用済みインクタンク本体を利用してその内部を洗浄しこれに新たにインクを注入するなどの工程を経て製品化されたインクタンク(Y製品)を輸入し,我が国において販売している場合において,Y製品の製品化の工程における加工等の態様が,単にインクを補充しているというにとどまらず,印刷品位の低下やプリンタ本体の故障等の防止のために構造上再充てんが予定されていないインクタンク本体をインクの補充が可能となるように変形させるものであるとともに,上記特許に係る特許発明の本質的部分に係る構成を欠くに至ったものにつきこれを再び充足させて当該特許発明の作用効果を新たに発揮させるものであることのほか,インクタンクの取引の実情など判示の事情の下では,Y製品は,加工前のX製品と同一性を欠く特許製品が新たに製造されたものであって,特許権の行使が制限される対象となるものではなく,Xは,その特許権に基づいて,Y製品の輸入,販売等の差止め及び廃棄を求めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成19年11月8日 平成18(受)826
登載
民集 第61巻8号2989頁
参照法条
(1〜6につき)特許法68条 (6につき)特許法100条
論点6第68条特許法

専用実施権を設定した特許権者がその特許権に基づく差止請求をすることの可否

裁判要旨特許権者は,その特許権について専用実施権を設定したときであっても,当該特許権に基づく差止請求権を行使することができる
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成17年6月17日 平成16(受)997
登載
民集 第59巻5号1074頁
参照法条
特許法68条、特許法77条1項、2項、特許法100条1項
論点7第68条特許法

無効理由が存在することが明らかな特許権に基づく差止め等の請求と権利の濫用

裁判要旨特許に無効理由が存在することが明らかであるときは、その特許権に基づく差止め、損害賠償等の請求は、特段の事情がない限り、権利の濫用に当たり許されない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成12年4月11日 平成10(オ)364
登載
民集 第54巻4号1368頁
参照法条
特許法68条・特許法第4章第2節 権利侵害・特許法100条・特許法123条 民法1条3項
論点8第68条特許法

1 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たるとされた事例
2 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法101条1号〈侵害とみなす行為 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為〉にいう「譲渡等」に当たるとされた事例

裁判要旨1 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係るプログラムの発明の技術的範囲に属するプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たる。
⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信により上記端末にインストールされた上記プログラムを利用することにより、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
2 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係る装置の発明の技術的範囲に属する装置の生産にのみ用いるプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法101条1号〈侵害とみなす行為 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為〉にいう「譲渡等」に当たる。
⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信及びそれに引き続く上記プログラムの上記端末へのインストールによって、上記装置が我が国の領域内で生産され、それが使用されるようにし、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和7年3月3日 令和5(受)14
登載
民集 第79巻3号681頁
参照法条
(1、2につき)特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害 (1につき)特許法2条3項1号 (2につき)特許法101条1号
論点9第68条特許法

動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが、上記ウェブサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムを構築することが、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「生産」に当たるとされた事例

裁判要旨動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが、上記ウェブサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムであって、Xの有する特許権に係るシステムの発明の技術的範囲に属するものを構築することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「生産」に当たる。
⑴ 上記の配信による上記システムの構築は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画上に表示されるコメント同士が重ならないように調整するなどの処理を行い、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上という効果を奏するものであるところ、上記⑴の結果、上記システムにおいて、上記の調整などの処理がされることとなり、当該処理の結果が、上記システムを構成する我が国所在の端末上に表示される。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信やその結果として構築される上記システムが、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和7年3月3日 令和5(受)2028
登載
―
参照法条
特許法2条3項1号、特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害
論点10第70条特許法

考案の技術的範囲に属するか否かの判断に当たり製造方法の相違を考慮することの可否

裁判要旨考案の技術的範囲に属するか否かの判断に当たつて製造方法の相違を考慮の中に入れることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和56年6月30日 昭和54(オ)336
登載
民集 第35巻4号848頁
参照法条
実用新案法1条,実用新案法3条,実用新案法26条,特許法70条
論点11第70条特許法

実用新案の技術的範囲の認定

裁判要旨実用新案の明細書により当該実用新案の技術的範囲を確定するにあたつては、明細書中の「登録請求の範囲」の項記載の意味内容を具体的、正確に判断する資料として、右明細書の他の部分に記載された考案の構造及び作用効果を考慮することができる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年5月27日 昭和50(オ)54
登載
集民 第115号1頁
参照法条
実用新案法26条,実用新案法施行規則1条,実用新案法施行規則2条,実用新案法施行規則3条,特許法70条
論点12第70条特許法

イ号物件が登録実用新案の技術的範囲に属するとした判断に経験則違反又は理由不備の違法があるとされた事例

裁判要旨判文参照
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和50年10月9日 昭和49(オ)175
登載
集民 第116号259頁
参照法条
実用新案法26条,特許法70条
論点13第70条特許法

「椅子用座席」の表張りに関する実用新案権の権利範囲に関する認定事例

裁判要旨原審の確定した本件実用新案の目的、作用効果および椅子の構造上被布をもつて緩衝体を被蓋してこれを固着する必要ある部分の範囲とを合せ考えれば、本件実用新案公報記載の「座席枠体」に椅子の背当部分も含まれるものと解するのが相当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年12月22日 昭和42(オ)804
登載
集民 第89号589頁
参照法条
実用新案法26条,特許法70条
論点14第70条特許法

実用新案法第二六条の法意

裁判要旨実用新案法第二六条は特許法第七〇条〈特許発明の技術的範囲〉を準用しているから、実用新案の技術的範囲、したがつてまたその権利の範囲は、登録請求の願書添付の明細書にある登録請求の範囲の記載に基づいて定められなければならないが、右範囲の記載の意味内容をより具体的に正確に判断する資料として、右明細書の他の部分に記載されている考案の作用効果を考慮することはなんら差し支えない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和41年11月18日 昭和39(オ)1469
登載
集民 第85号167頁
参照法条
実用新案法26条,特許法70条
論点15第70条特許法

1 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかっただけで,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するといえるか
2 出願人が特許出願時に容易に想到することができた他人の製品等に係る構成を特許請求の範囲に記載しなかったときにおける,同製品等が特許請求の範囲から意識的に除外されたなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する場合

裁判要旨1 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合であっても,それだけでは,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存するとはいえない。
2 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の他人が製造等をする製品又は用いる方法と異なる部分につき,同製品等に係る構成を容易に想到することができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場合において,客観的,外形的にみて,同製品等に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたといえるときには,同製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの同製品等と特許請求の範囲に記載の構成とが均等なものといえない特段の事情が存する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成29年3月24日 平成28(受)1242
登載
民集 第71巻3号359頁
参照法条
(1,2につき)特許法70条1項,特許法第4章第2節 権利侵害,民法1条2項
論点16第71条特許法

一、特許発明または実用新案の技術的範囲についての判定の性質
二、右判定は行政不服審査の対象となるか

裁判要旨一、特許発明または実用新案の技術的範囲についての判定は、特許庁のたんなる意見の表明であつて、鑑定的性質を有するにとどまる。
二、右判定は行政不服審査の対象となりえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年4月18日 昭和42(行ツ)47
登載
民集 第22巻4号936頁
参照法条
(1・2項につき),特許法71条,実用新案法26条,(2項につき),行政不服審査法2条1項,行政不服審査法4条1項
論点17第73条特許法

特許権の共有者の1人が特許異議の申立てに基づく当該特許の取消決定について単独で取消訴訟を提起することの許否

裁判要旨特許権の共有者の1人は,特許異議の申立てに基づき当該特許を取り消すべき旨の決定がされたときは,単独で取消決定の取消訴訟を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年3月25日 平成13(行ヒ)154
登載
民集 第56巻3号574頁
参照法条
民法252条,民訴法40条,特許法73条,特許法113条,特許法114条,特許法132条,特許法178条
論点18第73条特許法

商標権の共有者が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否

裁判要旨商標権の共有者は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,各自,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成14年2月28日 平成13(行ヒ)12
登載
集民 第205号825頁
参照法条
民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条
論点19第73条特許法

商標権の共有者の1人が当該商標登録の無効審決について単独で取消訴訟を提起することの許否

裁判要旨商標権の共有者の1人は,当該商標登録を無効にすべき旨の審決がされたときは,単独で無効審決の取消訴訟を提起することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成14年2月22日 平成13(行ヒ)142
登載
民集 第56巻2号348頁
参照法条
民法252条,民訴法40条,商標法35条,商標法46条,商標法56条1項,商標法63条,特許法73条,特許法132条
原

条文原文

原文ママ

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特許法 第66条(特許権の設定の登録) 詳細ページ
(特許権の設定の登録)
第六十六条特許権は、設定の登録により発生する。
2第百七条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。
3前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。ただし、第五号に掲げる事項については、その特許出願について出願公開がされているときは、この限りでない。
一特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許出願の番号及び年月日
三発明者の氏名及び住所又は居所
四願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
五願書に添付した要約書に記載した事項
六特許番号及び設定の登録の年月日
七前各号に掲げるもののほか、必要な事項
4第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を特許公報に掲載する場合に準用する。
特許法 第67条(存続期間) 詳細ページ
(存続期間)
第六十七条特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する。
2前項に規定する存続期間は、特許権の設定の登録が特許出願の日から起算して五年を経過した日又は出願審査の請求があつた日から起算して三年を経過した日のいずれか遅い日(以下「基準日」という。)以後にされたときは、延長登録の出願により延長することができる。
3前項の規定により延長することができる期間は、基準日から特許権の設定の登録の日までの期間に相当する期間から、次の各号に掲げる期間を合算した期間(これらの期間のうち重複する期間がある場合には、当該重複する期間を合算した期間を除いた期間)に相当する期間を控除した期間(以下「延長可能期間」という。)を超えない範囲内の期間とする。
一その特許出願に係るこの法律(第三十九条第六項及び第五十条を除く。)、実用新案法若しくは工業所有権に関する手続等の特例に関する法律(平成二年法律第三十号)又はこれらの法律に基づく命令の規定による通知又は命令(特許庁長官又は審査官が行うものに限る。)があつた場合において当該通知又は命令を受けた場合に執るべき手続が執られたときにおける当該通知又は命令があつた日から当該執るべき手続が執られた日までの期間
二その特許出願に係るこの法律又はこの法律に基づく命令(次号、第五号及び第十号において「特許法令」という。)の規定による手続を執るべき期間の延長があつた場合における当該手続を執るべき期間が経過した日から当該手続をした日までの期間
三その特許出願に係る特許法令の規定による手続であつて当該手続を執るべき期間の定めがあるものについて特許法令の規定により出願人が当該手続を執るべき期間の経過後であつても当該手続を執ることができる場合において当該手続をしたときにおける当該手続を執るべき期間が経過した日から当該手続をした日までの期間
四その特許出願に係るこの法律若しくは工業所有権に関する手続等の特例に関する法律又はこれらの法律に基づく命令(第八号及び第九号において「特許法関係法令」という。)の規定による処分又は通知について出願人の申出その他の行為により当該処分又は通知を保留した場合における当該申出その他の行為があつた日から当該処分又は通知を保留する理由がなくなつた日までの期間
五その特許出願に係る特許法令の規定による特許料又は手数料の納付について当該特許料又は手数料の軽減若しくは免除又は納付の猶予の決定があつた場合における当該軽減若しくは免除又は納付の猶予に係る申請があつた日から当該決定があつた日までの期間
六その特許出願に係る第三十八条の四第七項の規定による明細書等補完書の取下げがあつた場合における当該明細書等補完書が同条第三項の規定により提出された日から同条第七項の規定により当該明細書等補完書が取り下げられた日までの期間
七その特許出願に係る拒絶査定不服審判の請求があつた場合における次のイからハまでに掲げる区分に応じて当該イからハまでに定める期間
イ第百五十九条第三項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)において準用する第五十一条の規定による特許をすべき旨の審決があつた場合拒絶をすべき旨の査定の謄本の送達があつた日から当該審決の謄本の送達があつた日までの期間
ロ第百六十条第一項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定による更に審査に付すべき旨の審決があつた場合拒絶をすべき旨の査定の謄本の送達があつた日から当該審決の謄本の送達があつた日までの期間
ハ第百六十三条第三項において準用する第五十一条の規定による特許をすべき旨の査定があつた場合拒絶をすべき旨の査定の謄本の送達があつた日から当該特許をすべき旨の査定の謄本の送達があつた日までの期間
八その特許出願に係る特許法関係法令の規定による処分について行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定による審査請求に対する裁決が確定した場合における当該審査請求の日から当該裁決の謄本の送達があつた日までの期間
九その特許出願に係る特許法関係法令の規定による処分について行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)の規定による訴えの判決が確定した場合における当該訴えの提起の日から当該訴えの判決が確定した日までの期間
十その特許出願に係る特許法令の規定による手続が中断し、又は中止した場合における当該手続が中断し、又は中止した期間
4第一項に規定する存続期間(第二項の規定により延長されたときは、その延長の期間を加えたもの。第六十七条の五第三項ただし書、第六十八条の二及び第百七条第一項において同じ。)は、その特許発明の実施について安全性の確保等を目的とする法律の規定による許可その他の処分であつて当該処分の目的、手続等からみて当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものとして政令で定めるものを受けることが必要であるために、その特許発明の実施をすることができない期間があつたときは、五年を限度として、延長登録の出願により延長することができる。
特許法 第67_2条(存続期間の延長登録) 詳細ページ
(存続期間の延長登録)
第六十七条の二前条第二項の延長登録の出願をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
一出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許番号
三延長を求める期間
四特許出願の番号及び年月日
五出願審査の請求があつた年月日
2前項の願書には、経済産業省令で定めるところにより、同項第三号に掲げる期間の算定の根拠を記載した書面を添付しなければならない。
3前条第二項の延長登録の出願は、特許権の設定の登録の日から三月(出願をする者がその責めに帰することができない理由により当該期間内に出願をすることができないときは、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)を経過する日までの期間(当該期間が九月を超えるときは、九月))以内にしなければならない。ただし、同条第一項に規定する存続期間の満了後は、することができない。
4特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者と共同でなければ、前条第二項の延長登録の出願をすることができない。
5前条第二項の延長登録の出願があつたときは、同条第一項に規定する存続期間は、延長されたものとみなす。ただし、その出願について拒絶をすべき旨の査定が確定し、又は次条第三項の延長登録があつたときは、この限りでない。
6前条第二項の延長登録の出願があつたときは、第一項各号に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
特許法 第67_3条 詳細ページ
第六十七条の三審査官は、第六十七条第二項の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一その特許権の設定の登録が基準日以後にされていないとき。
二その延長を求める期間がその特許権の存続期間に係る延長可能期間を超えているとき。
三その出願をした者が当該特許権者でないとき。
四その出願が前条第四項に規定する要件を満たしていないとき。
2審査官は、第六十七条第二項の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。
3前項の査定があつたときは、延長登録をする。
4前項の延長登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
一特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許番号
三第六十七条第二項の延長登録の出願の番号及び年月日
四延長登録の年月日
五延長の期間
六特許出願の番号及び年月日
七出願審査の請求があつた年月日
特許法 第67_4条 詳細ページ
第六十七条の四第四十七条第一項、第五十条、第五十二条及び第百三十九条(第七号を除く。)の規定は、第六十七条第二項の延長登録の出願の審査について準用する。この場合において、第百三十九条第六号中「不服を申し立てられた」とあるのは、「第六十七条第二項の延長登録の出願があつた特許権に係る特許出願の」と読み替えるものとする。
特許法 第67_5条 詳細ページ
第六十七条の五第六十七条第四項の延長登録の出願をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。
一出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許番号
三延長を求める期間(五年以下の期間に限る。)
四第六十七条第四項の政令で定める処分の内容
2前項の願書には、経済産業省令で定めるところにより、延長の理由を記載した資料を添付しなければならない。
3第六十七条第四項の延長登録の出願は、同項の政令で定める処分を受けた日から政令で定める期間内にしなければならない。ただし、同条第一項に規定する存続期間の満了後は、することができない。
4第六十七条の二第四項から第六項までの規定は、第六十七条第四項の延長登録の出願について準用する。この場合において、第六十七条の二第五項ただし書中「次条第三項」とあるのは「第六十七条の七第三項」と、同条第六項中「第一項各号」とあるのは「第六十七条の五第一項各号」と読み替えるものとする。
特許法 第67_6条 詳細ページ
第六十七条の六第六十七条第四項の延長登録の出願をしようとする者は、同条第一項に規定する存続期間の満了前六月の前日までに同条第四項の政令で定める処分を受けることができないと見込まれるときは、次に掲げる事項を記載した書面をその日までに特許庁長官に提出しなければならない。
一出願をしようとする者の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許番号
三第六十七条第四項の政令で定める処分
2前項の規定により提出すべき書面を提出しないときは、第六十七条第一項に規定する存続期間の満了前六月以後に同条第四項の延長登録の出願をすることができない。
3第一項に規定する書面が提出されたときは、同項各号に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
4第一項の規定により同項に規定する書面を提出する者がその責めに帰することができない理由により同項に規定する日までにその書面を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、一月)以内で同項に規定する日の後二月以内にその書面を特許庁長官に提出することができる。
特許法 第67_7条 詳細ページ
第六十七条の七審査官は、第六十七条第四項の延長登録の出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一その特許発明の実施に第六十七条第四項の政令で定める処分を受けることが必要であつたとは認められないとき。
二その特許権者又はその特許権についての専用実施権若しくは通常実施権を有する者が第六十七条第四項の政令で定める処分を受けていないとき。
三その延長を求める期間がその特許発明の実施をすることができなかつた期間を超えているとき。
四その出願をした者が当該特許権者でないとき。
五その出願が第六十七条の五第四項において準用する第六十七条の二第四項に規定する要件を満たしていないとき。
2審査官は、第六十七条第四項の延長登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、延長登録をすべき旨の査定をしなければならない。
3前項の査定があつたときは、延長登録をする。
4前項の延長登録があつたときは、次に掲げる事項を特許公報に掲載しなければならない。
一特許権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許番号
三第六十七条第四項の延長登録の出願の番号及び年月日
四延長登録の年月日
五延長の期間
六第六十七条第四項の政令で定める処分の内容
特許法 第67_8条 詳細ページ
第六十七条の八第六十七条の四前段の規定は、第六十七条第四項の延長登録の出願の審査について準用する。この場合において、第六十七条の四前段中「第七号」とあるのは、「第六号及び第七号」と読み替えるものとする。
特許法 第68条(特許権の効力) 詳細ページ
(特許権の効力)
第六十八条特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
特許法 第68_2条(第六十七条第四項の規定により存続期間が延長された場合の特許権の効力) 詳細ページ
(第六十七条第四項の規定により存続期間が延長された場合の特許権の効力)
第六十八条の二第六十七条第四項の規定により同条第一項に規定する存続期間が延長された場合(第六十七条の五第四項において準用する第六十七条の二第五項本文の規定により延長されたものとみなされた場合を含む。)の当該特許権の効力は、その延長登録の理由となつた第六十七条第四項の政令で定める処分の対象となつた物(その処分においてその物の使用される特定の用途が定められている場合にあつては、当該用途に使用されるその物)についての当該特許発明の実施以外の行為には、及ばない。
特許法 第69条(特許権の効力が及ばない範囲) 詳細ページ
(特許権の効力が及ばない範囲)
第六十九条特許権の効力は、試験又は研究のためにする特許発明の実施には、及ばない。
2特許権の効力は、次に掲げる物には、及ばない。
一単に日本国内を通過するに過ぎない船舶若しくは航空機又はこれらに使用する機械、器具、装置その他の物
二特許出願の時から日本国内にある物
3二以上の医薬(人の病気の診断、治療、処置又は予防のため使用する物をいう。以下この項において同じ。)を混合することにより製造されるべき医薬の発明又は二以上の医薬を混合して医薬を製造する方法の発明に係る特許権の効力は、医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する行為及び医師又は歯科医師の処方せんにより調剤する医薬には、及ばない。
特許法 第70条(特許発明の技術的範囲) 詳細ページ
(特許発明の技術的範囲)
第七十条特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。
2前項の場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。
3前二項の場合においては、願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない。
特許法 第71条 詳細ページ
第七十一条特許発明の技術的範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
2特許庁長官は、前項の規定による求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
3第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文、第百三十二条第一項及び第二項、第百三十三条、第百三十三条の二、第百三十四条第一項、第三項及び第四項、第百三十五条、第百三十六条第一項及び第二項、第百三十七条第二項、第百三十八条、第百三十九条(第六号及び第七号を除く。)、第百四十条から第百四十四条まで、第百四十四条の二第一項及び第三項から第五項まで、第百四十五条第二項から第八項まで、第百四十六条、第百四十七条第一項、第二項及び第三項(民事訴訟法第百六十条の二第一項の規定の準用に係る部分に限る。)、第百五十条第一項から第五項まで、第百五十一条から第百五十四条まで、第百五十五条第一項、第百五十七条並びに第百六十九条第三項、第四項及び第六項の規定は、第一項の判定について準用する。この場合において、第百三十五条中「審決」とあるのは「決定」と、第百四十五条第二項中「前項に規定する審判以外の審判」とあるのは「判定の審理」と、同条第六項ただし書中「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとき」とあるのは「審判長が必要があると認めるとき」と、第百五十一条中「第百四十七条」とあるのは「第百四十七条第一項、第二項及び第三項(民事訴訟法第百六十条の二第一項の規定の準用に係る部分に限る。)」と、第百五十五条第一項中「審決が確定するまで」とあるのは「判定の謄本が送達されるまで」と読み替えるものとする。
4前項において読み替えて準用する第百三十五条の規定による決定に対しては、不服を申し立てることができない。
特許法 第71_2条 詳細ページ
第七十一条の二特許庁長官は、裁判所から特許発明の技術的範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。
2第百三十六条第一項及び第二項、第百三十七条第二項並びに第百三十八条の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。
特許法 第72条(他人の特許発明等との関係) 詳細ページ
(他人の特許発明等との関係)
第七十二条特許権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その特許発明がその特許出願の日前の出願に係る他人の特許発明、登録実用新案若しくは登録意匠若しくはこれに類似する意匠を利用するものであるとき、又はその特許権がその特許出願の日前の出願に係る他人の意匠権若しくは商標権と抵触するときは、業としてその特許発明の実施をすることができない。
特許法 第73条(共有に係る特許権) 詳細ページ
(共有に係る特許権)
第七十三条特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
2特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
3特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。
特許法 第74条(特許権の移転の特例) 詳細ページ
(特許権の移転の特例)
第七十四条特許が第百二十三条第一項第二号に規定する要件に該当するとき(その特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に規定する要件に該当するときは、当該特許に係る発明について特許を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その特許権者に対し、当該特許権の移転を請求することができる。
2前項の規定による請求に基づく特許権の移転の登録があつたときは、その特許権は、初めから当該登録を受けた者に帰属していたものとみなす。当該特許権に係る発明についての第六十五条第一項又は第百八十四条の十第一項の規定による請求権についても、同様とする。
3共有に係る特許権について第一項の規定による請求に基づきその持分を移転する場合においては、前条第一項の規定は、適用しない。
特許法 第75条 詳細ページ
第七十五条削除
特許法 第76条(相続人がない場合の特許権の消滅) 詳細ページ
(相続人がない場合の特許権の消滅)
第七十六条特許権は、民法第九百五十二条第二項の期間内に相続人である権利を主張する者がないときは、消滅する。
出

一次情報

原文ママ

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