著作権法 / テーマ別まとめ

著作権

公的資料に現れる論点です。条文と判例から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

著作権は譲渡や質入れの対象になる財産権で、移転や質権の設定は登録をしないと第三者に対抗できません。共有著作権は共有者全員の合意がなければ行使できず、権利者が不明な場合には文化庁長官の裁定を受けて利用する制度もあります。著作権者の死亡や法人解散によって著作権が国庫に帰属することになったときは、著作権そのものが消滅します。

著作権
場面条文ポイント
譲渡第61条全部・一部を譲渡可能
対抗要件第77条移転等は登録が必要
共有著作権第65条持分譲渡は全員同意
質権第66条原則著作権者が行使
裁定制度第67条権利者不明時に長官裁定
紛争解決第105条文化庁にあっせん委員
補償金支出(私的録音録画)第104条の82割以内を保護事業に支出
補償金支出(授業目的公衆送信)第104条の15政令で算出した額を支出
消滅第62条相続人不存在等で消滅
  • 27条・28条の権利は契約で特掲しない限り譲渡者に留保されたと推定される(61条2項)
  • 登録の対象は著作権の移転や質権設定等に限られる(77条各号)
  • 共有者は正当な理由がなければ同意拒否や合意の妨害ができない(65条3項)
  • 質権は著作権譲渡・利用で著作権者が受ける金銭等にも及ぶが、支払・引渡し前の差押えが必要(66条2項)
  • 67条の裁定は「公表著作物等」が対象で、権利者情報取得の措置や連絡を尽くしたことが要件(67条1項)
  • 国等が利用する場合は補償金の供託は不要だが、連絡できた時点で補償金の支払いが必要(67条2項)
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著作権

著作権について、条文は何を定めているか。

第61条著作権の譲渡著作権は全部だけでなく一部も譲渡できる2項判例なし
  • 著作権は全部でも一部でも譲渡の対象にできる
  • 契約書に27条〈翻訳権、翻案権等〉・28条〈二次的著作物の利用に関する原著作者の権利〉の権利を明記しないと譲渡者に留保される
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第77条著作権の登録著作権の移転等は登録しないと対抗できない1項・2号判例なし
  • 著作権の移転や信託による変更・処分の制限は登録が対抗要件
  • 著作権を目的とする質権の設定・移転等も登録が対抗要件
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第65条共有著作権の行使共有の著作権は全員の同意がないと動かせない4項判例 1件
  • 持分の譲渡や質権設定には他の共有者の同意が必要
  • 権利を行使するには共有者全員の合意が必要
  • 正当な理由なく同意拒否や合意成立の妨害はできない
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第66条質権の目的となつた著作権質権を設定しても著作権は著作権者が行使する2項判例なし
  • 設定行為に別段の定めがなければ著作権者が行使する
  • 質権は譲渡・利用で得る金銭にも及ぶが支払前の差押えが必要
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第105条著作権紛争解決あつせん委員文化庁にあっせん委員を置いて紛争解決を図る2項判例なし
  • 文化庁長官が学識経験者から事件ごとに3人以内を委嘱する
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第67条著作権者不明等の場合における著作物の利用権利者が分からない場合は長官の裁定で利用できる10項・12号判例なし
  • 権利者情報の取得措置と連絡を尽くしても連絡できない場合が対象
  • 通常の使用料相当額を補償金として供託する
  • 国等が利用する場合は供託不要だが後で補償金を支払う
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第104_8条著作権等の保護に関する事業等のための支出私的録音録画補償金の一部を保護事業に支出する3項判例なし
  • 補償金額の2割以内で政令で定める割合を支出する
  • 政令の制定・改正時は文化審議会に諮問する
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第104_15条著作権等の保護に関する事業等のための支出授業目的公衆送信補償金の一部を保護事業に支出する3項判例なし
  • 政令で定めるところにより算出した額を支出する
  • 文化庁長官は業務の適正な運営のため監督命令ができる
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第62条相続人の不存在の場合等における著作権の消滅相続人不存在等で国庫帰属となれば著作権が消滅する2項・2号判例なし
  • 著作権者の死亡により著作権が国庫に帰属する場合に消滅
  • 著作権者である法人の解散で国庫に帰属する場合も消滅
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第65条著作権法

1 小説形式の原稿に基づいて制作された連載漫画が同原稿を原著作物とする二次的著作物であるとされた事例
2 二次的著作物である連載漫画の原著作物である原稿の著作者から同連載漫画の著作者に対する同連載漫画の主人公を描いた絵画の作成,複製又は配布の差止請求の可否

裁判要旨1 甲が各回ごとの具体的なストーリーを創作し,これを小説形式の原稿にし,乙において,漫画化に当たって使用することができないと思われる部分を除き,その原稿に基づいて漫画を作成するという手順を繰り返すことにより制作された連載漫画は,同原稿を原著作物とする二次的著作物である。
2 二次的著作物である連載漫画の原著作物である原稿の著作者は,同連載漫画の著作者に対し,同連載漫画の主人公を描いた絵画を合意によることなく作成し,複製し,又は配布することの差止めを求めることができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成13年10月25日 平成12(受)798
登載
集民 第203号285頁
参照法条
著作権法2条1項11号,著作権法28条,著作権法65条2項,著作権法112条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

著作権法 第61条(著作権の譲渡) 詳細ページ
(著作権の譲渡)
第六十一条著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
2著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。
著作権法 第77条(著作権の登録) 詳細ページ
(著作権の登録)
第七十七条次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
一著作権の移転若しくは信託による変更又は処分の制限
二著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
著作権法 第65条(共有著作権の行使) 詳細ページ
(共有著作権の行使)
第六十五条共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。
2共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。
3前二項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第一項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。
4前条第三項及び第四項の規定は、共有著作権の行使について準用する。
著作権法 第66条(質権の目的となつた著作権) 詳細ページ
(質権の目的となつた著作権)
第六十六条著作権は、これを目的として質権を設定した場合においても、設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が行使するものとする。
2著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行なうことができる。ただし、これらの支払又は引渡し前に、これらを受ける権利を差し押えることを必要とする。
著作権法 第105条(著作権紛争解決あつせん委員) 詳細ページ
(著作権紛争解決あつせん委員)
第百五条この法律に規定する権利に関する紛争につきあつせんによりその解決を図るため、文化庁に著作権紛争解決あつせん委員(以下この章において「委員」という。)を置く。
2委員は、文化庁長官が、著作権又は著作隣接権に係る事項に関し学識経験を有する者のうちから、事件ごとに三人以内を委嘱する。
著作権法 第67条(著作権者不明等の場合における著作物の利用) 詳細ページ
(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
第六十七条公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物(以下この条及び第六十七条の三第二項において「公表著作物等」という。)を利用しようとする者は、次の各号のいずれにも該当するときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、当該裁定の定めるところにより、当該公表著作物等を利用することができる。
一権利者情報(著作権者の氏名又は名称及び住所又は居所その他著作権者と連絡するために必要な情報をいう。以下この号において同じ。)を取得するための措置として文化庁長官が定めるものをとり、かつ、当該措置により取得した権利者情報その他その保有する全ての権利者情報に基づき著作権者と連絡するための措置をとつたにもかかわらず、著作権者と連絡することができなかつたこと。
二著作者が当該公表著作物等の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかでないこと。
2国、地方公共団体その他これらに準ずるものとして政令で定める法人(以下この節において「国等」という。)が前項の規定により公表著作物等を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず、同項の規定による供託を要しない。この場合において、国等が著作権者と連絡をすることができるに至つたときは、同項の規定により文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
3第一項の裁定(以下この条及び次条において「裁定」という。)を受けようとする者は、裁定に係る著作物の題号、著作者名その他の当該著作物を特定するために必要な情報、当該著作物の利用方法、補償金の額の算定の基礎となるべき事項その他文部科学省令で定める事項を記載した申請書に、次に掲げる資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
一当該著作物が公表著作物等であることを疎明する資料
二第一項各号に該当することを疎明する資料
三前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める資料
4裁定を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。ただし、当該者が国であるときは、この限りでない。
5裁定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一当該裁定に係る著作物の利用方法
二前号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項
6文化庁長官は、裁定をしない処分をするときは、あらかじめ、裁定の申請をした者(次項及び次条第一項において「申請者」という。)にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならない。
7文化庁長官は、次の各号に掲げるときは、当該各号に定める事項を申請者に通知しなければならない。
一裁定をしたとき第五項各号に掲げる事項及び当該裁定に係る著作物の利用につき定めた補償金の額
二裁定をしない処分をしたときその旨及びその理由
8文化庁長官は、裁定をしたときは、その旨及び次に掲げる事項をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。
一当該裁定に係る著作物の題号、著作者名その他の当該著作物を特定するために必要な情報
二第五項第一号に掲げる事項
三前二号に掲げるもののほか、文部科学省令で定める事項
9文化庁長官は、前項の規定による公表に必要と認められる限度において、裁定に係る著作物を利用することができる。
10第一項の規定により作成した著作物の複製物には、裁定に係る複製物である旨及びその裁定のあつた年月日を表示しなければならない。
著作権法 第104_8条(著作権等の保護に関する事業等のための支出) 詳細ページ
(著作権等の保護に関する事業等のための支出)
第百四条の八指定管理団体は、私的録音録画補償金(第百四条の四第一項の規定に基づき支払を受けるものに限る。)の額の二割以内で政令で定める割合に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために支出しなければならない。
2文化庁長官は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
3文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
著作権法 第104_15条(著作権等の保護に関する事業等のための支出) 詳細ページ
(著作権等の保護に関する事業等のための支出)
第百四条の十五指定管理団体は、授業目的公衆送信補償金の総額のうち、授業目的公衆送信による著作物等の利用状況、授業目的公衆送信補償金の分配に係る事務に要する費用その他の事情を勘案して政令で定めるところにより算出した額に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために支出しなければならない。
2文化庁長官は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
3文化庁長官は、第一項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
著作権法 第62条(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅) 詳細ページ
(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅)
第六十二条著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。
一著作権者が死亡した場合において、その著作権が民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十九条(残余財産の国庫への帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
二著作権者である法人が解散した場合において、その著作権が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第二百三十九条第三項(残余財産の国庫への帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
2第五十四条第二項の規定は、映画の著作物の著作権が前項の規定により消滅した場合について準用する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。