特許法 / テーマ別まとめ

総則

総則の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

総則は、特許法全体に共通する土台となるルールをまとめた部分です。発明や実施行為の定義、期間の数え方、手続をする資格や代理・補正の仕組みなど、出願から審判まですべての手続に共通して関わってきます。実務担当者が期限管理や代理人対応で迷ったときに立ち返る基本ルール集です。

総則
条項目要点
1条目的発明の奨励で産業発達に寄与
2条定義発明・実施行為の範囲を定義
3条期間の計算初日不算入、休日は翌日満了
4条期間の延長(遠隔地)長官が職権/請求で延長
5条期間・期日の変更長官等が職権/請求で延長・変更
6条社団等の手続能力代表者定めがあれば手続可
7条未成年者等の能力法定代理人によるのが原則
8条在外者の特許管理人国内代理人必須
9条代理権の範囲取下げ等は特別授権が必要
11条代理権の不消滅本人死亡等でも消滅しない
12条代理人の個別代理各代理人が単独で代理
13条代理人の改任等長官等が改任・弁理士指定可
14条複数当事者の相互代表原則各自が全員を代表
15条在外者の裁判籍管理人の住所地等とみなす
16条手続の追認無資格者の手続を追認可
17条手続の補正係属中に限り補正可
17条の2明細書等の補正査定謄本送達前が原則
17条の3要約書の補正省令で定める期間内のみ
17条の4優先権主張書面の補正省令で定める期間内のみ
  • 第10条は削除されており現在欠番。
  • 第7条4項は、特許異議申立てや相手方請求の審判・再審では被保佐人・法定代理人の同意規定を適用しない。
  • 第4条の延長対象は第46条の2第1項第3号・第108条第1項・第121条第1項・第173条第1項の期間に限る。
  • 第17条の補正制限には第18条~第17条の5による例外があり、外国語書面出願の外国語書面・外国語要約書面は補正不可(17条2項)。
  • 第17条の2の補正は拒絶理由通知を受けた後は、通知の種類ごとに定められた期間内に限られる。
  • 第5条3項の延長請求は、経済産業省令で定める期間内であれば期間経過後もできる。
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総則

総則について、条文は何を定めているか。

第1条目的特許法の目的を定める1項判例 1件
  • 発明の保護と利用のバランスを図る制度
  • 産業の発達への寄与を最終目的とする
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第2条定義発明・実施行為の定義4項・3号判例 3件
  • 発明は自然法則を利用した高度な技術的創作
  • 物の発明は生産・使用・譲渡等・輸出入・申出が実施
  • 方法の発明は使用、生産方法の発明はその物の使用等も実施
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第3条期間の計算期間計算の基本ルール2項・2号判例なし
  • 期間の初日は算入しない(午前零時起算は例外)
  • 月・年単位は暦に従い起算日の応当日前日に満了
  • 手続の期間の末日が行政機関の休日なら翌日が末日
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第4条期間の延長等遠隔地の者への期間延長1項判例なし
  • 長官が請求または職権で延長できる
  • 対象は条文で列挙された特定の期間に限る
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第5条指定期間・期日の延長変更3項判例なし
  • 長官・審判長・審査官が指定期間を延長できる
  • 審判長は指定期日を変更できる
  • 省令で定める期間内なら経過後も延長請求できる
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第6条法人でない社団等の手続をする能力法人でない社団等の手続能力2項・4号判例なし
  • 代表者・管理人の定めがあれば団体名で手続できる
  • 審査請求・異議申立て・無効審判等が対象
  • 確定審決への再審を請求されることもできる
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第7条未成年者、成年被後見人等の手続をする能力未成年者・成年被後見人の手続能力4項判例なし
  • 原則、法定代理人によらなければ手続できない
  • 独立して法律行為できる未成年者は例外
  • 被保佐人が手続するには保佐人の同意が必要
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第8条在外者の特許管理人在外者は特許管理人が必要2項判例なし
  • 国内に住所等がない者は特許管理人による
  • 処分を不服とする訴え提起にも管理人が必要
  • 管理人は一切の手続・訴訟を代理する
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第9条代理権の範囲代理人の代理権の範囲制限1項判例 2件
  • 出願の変更・放棄・取下げ等は特別授権が必要
  • 優先権主張の取下げや拒絶査定不服審判請求も同様
  • 復代理人の選任にも特別授権が必要
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第10条1項判例なし
第11条代理権の不消滅代理権は本人死亡等で消滅しない1項判例なし
  • 本人死亡・法人合併でも代理権は消滅しない
  • 受託者の信託任務終了でも代理権は存続
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第12条代理人の個別代理代理人が複数でも各自が代理1項判例なし
  • 代理人が2人以上でも各人が本人を代理する
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第13条代理人の改任等長官等が代理人の改任等を命令4項判例なし
  • 不適当な者には代理人による手続を命じられる
  • 不適当な代理人の改任を命じられる
  • 弁理士を代理人にすべきと命じることもできる
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第14条複数当事者の相互代表共同手続は原則各自が全員代表1項判例 2件
  • 出願の変更・放棄・取下げ等以外は各人が全員を代表
  • 代表者を届け出た場合はこの限りでない
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第15条在外者の裁判籍在外者の裁判籍の定め1項判例なし
  • 特許管理人の住所・居所を財産所在地とみなす
  • 管理人がなければ特許庁所在地とみなす
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第16条手続をする能力がない場合の追認無資格でした手続の追認4項判例なし
  • 未成年者・成年被後見人がした手続は後で追認できる
  • 代理権がない者がした手続も本人等が追認できる
  • 同意なくした被保佐人の手続も追認できる
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第17条手続の補正手続の補正ができる範囲4項・3号判例 3件
  • 事件が特許庁に係属中に限り補正できる
  • 方式違反や手数料未納付には長官が補正を命令できる
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第17_2条願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正明細書・請求範囲・図面の補正時期6項・8号判例なし
  • 査定謄本の送達前は補正できる
  • 拒絶理由通知後は指定期間内等に限定される
  • 補正は最初に添付した書類の記載範囲内で行う
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第17_3条要約書の補正要約書の補正時期1項判例 1件
  • 経済産業省令で定める期間内に限り補正できる
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第17_4条優先権主張書面の補正優先権主張書面の補正時期1項判例なし
  • 経済産業省令で定める期間内に限り補正できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第1条特許法

特許法第一条〈目的〉の工業的発明の意義

裁判要旨特許法第一条〈目的〉にいわゆる工業的発明とは自然法則の利用によつて一定の文化的目的を達するに適する技術的考案をいうのであつて、何等の装置を用いず、また自然力を利用した手段を施していない考案は工業的発明とはいえない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和28年4月30日 昭和25(オ)80
登載
民集 第7巻4号461頁
参照法条
特許法1条
論点2第2条特許法

発明が未完成な場合と特許出願の拒絶理由

裁判要旨特許出願にかかる発明が発明として未完成のものである場合には、特許法二九条一項〈特許の要件〉柱書にいう発明にあたらないことを理由として、特許出願について拒絶をすべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和52年10月13日 昭和49(行ツ)107
登載
民集 第31巻6号805頁
参照法条
特許法2条1項,特許法29条1項,特許法49条1号
論点3第2条特許法

1 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たるとされた事例
2 動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にプログラムを配信することが、特許法101条1号〈侵害とみなす行為 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為〉にいう「譲渡等」に当たるとされた事例

裁判要旨1 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係るプログラムの発明の技術的範囲に属するプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「電気通信回線を通じた提供」に当たる。
⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信により上記端末にインストールされた上記プログラムを利用することにより、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
2 Yらが、動画共有サービスを提供するため、米国所在のサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末に対し、Xの有する特許権に係る装置の発明の技術的範囲に属する装置の生産にのみ用いるプログラムを配信することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法101条1号〈侵害とみなす行為 特許が物の発明についてされている場合において、業として、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為〉にいう「譲渡等」に当たる。
⑴ 上記の配信は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画とコメントの表示範囲を調整等することにより、コメントの読みにくさを低減させるという効果を奏するものであるところ、上記サービスは、上記の配信及びそれに引き続く上記プログラムの上記端末へのインストールによって、上記装置が我が国の領域内で生産され、それが使用されるようにし、我が国において、上記の調整等がされた動画をユーザに視聴させるものである。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信が、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和7年3月3日 令和5(受)14
登載
民集 第79巻3号681頁
参照法条
(1、2につき)特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害 (1につき)特許法2条3項1号 (2につき)特許法101条1号
論点4第2条特許法

動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが、上記ウェブサーバからインターネットを通じてユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムを構築することが、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「生産」に当たるとされた事例

裁判要旨動画共有サービスを提供するため、米国内でウェブサーバ及びコメント配信用サーバ等の設置管理をしているYが、上記ウェブサーバから、インターネットを通じ、ユーザが使用する我が国所在の端末にファイルを配信することにより、上記端末と上記コメント配信用サーバ等とを含むシステムであって、Xの有する特許権に係るシステムの発明の技術的範囲に属するものを構築することは、次の⑴~⑶など判示の事情の下では、特許法2条3項1号〈定義 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為〉にいう「生産」に当たる。
⑴ 上記の配信による上記システムの構築は、上記端末を使用するユーザが、上記サービスの提供を受けるために、上記サービスに係る動画を視聴するためのウェブページにアクセスすると当然に行われる。
⑵ 上記発明は、動画上に表示されるコメント同士が重ならないように調整するなどの処理を行い、コメントを利用したコミュニケーションにおける娯楽性の向上という効果を奏するものであるところ、上記⑴の結果、上記システムにおいて、上記の調整などの処理がされることとなり、当該処理の結果が、上記システムを構成する我が国所在の端末上に表示される。
⑶ Xが上記特許権を有することとの関係で、上記の配信やその結果として構築される上記システムが、Xに経済的な影響を及ぼさないというべき事情はうかがわれない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 令和7年3月3日 令和5(受)2028
登載
―
参照法条
特許法2条3項1号、特許法68条、特許法第4章第2節 権利侵害
論点5第9条特許法

特許出願の明細書の補正却下の決定に対する審判請求を排斥した審決の取消訴訟の係属中に特許出願の放棄がされた場合における訴えの利益の有無

裁判要旨特許出願の明細書の補正却下の決定に対する審判請求を排斥した審決の取消訴訟の係属中に特許出願の放棄がされた場合には、取消訴訟の訴えの利益は失われる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和60年3月28日 昭和58(行ツ)101
登載
集民 第144号399頁
参照法条
特許法9条,特許法14条,特許法52条3項,特許法52条4項,特許法53条1項,特許法122条1項,行政事件訴訟法9条
論点6第9条特許法

特許出願の取下げがあった場合と拒絶査定に対する審判請求を不成立とした審決の取消しを求める訴えの利益

裁判要旨特許出願の取下げがあった場合には、拒絶査定に対する審判請求を不成立とした審決の取消しを求める訴えの利益は失われる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成3年3月28日 平成2(行ツ)21
登載
集民 第162号267頁
参照法条
行政事件訴訟法9条,特許法9条,特許法14条,特許法39条5項,特許法52条3項,特許法52条4項,特許法178条1項
論点7第17条特許法

商標登録出願について手続の補正ができない時期に至つてされたいわゆる指定商品の一部放棄の効力の有無

裁判要旨二以上の商品を指定商品とする商標登録の出願者が、手続の補正をすることができない時期に至つて、出願時に遡つて一部の商品を除外し残余の商品を指定商品とする商標登録出願にするためにいわゆる指定商品の一部放棄をしても、その効力を生じない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和59年10月23日 昭和56(行ツ)99
登載
民集 第38巻10号1145頁
参照法条
商標法4条1項11号,商標法8条,商標法(昭和45年法律第91号による改正前のもの)77条2項,特許法(昭和45年法律第91号による改正前のもの)17条1項
論点8第17条特許法

一 特許審判の委任状に印刷記入された抗告審判に関する特別委任の文言は例文か
二 旧特許法第二五条による追完の許否

裁判要旨一 特許の無効審判事件において、当事者が弁理士に対して交付した委任状に当該審判手続のほか抗告審判に関する特別委任をなす旨の文言が印刷記入されている場合に、かかる文言を全然意味のない例文であるとみるべき経験則はなく、またかような慣習の存在が裁判上顕著な事実であるともいえない。
二 期間を遵守することができなかつたことについて、当事者本人にその責に帰することができない事由があつても、同人に代つて当該手続をする権限のある代理人に右の事由がない場合には、旧特許法第二五条によつて懈怠した手続の追完をすることはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和37年8月14日 昭和36(オ)894
登載
集民 第62号165頁
参照法条
旧特許法17条,旧特許法25条,民訴法257条,民訴法159条
論点9第17条特許法

特許出願準備中の発明を実施する装置を他には販売しないとの約定の下に製造させる旨の契約による不作為義務の対象がその後の特許請求の範囲の減縮により縮小するとされた事例

裁判要旨特許出願準備中の発明がこれを実施する装置を現認した者において容易にその内容を知ることができるものである場合に、右出願準備中の発明を実施する装置を他には販売しないとの約定の下に製造させる旨の契約を締結し、その後に特許請求の範囲が減縮されたときは、右契約による不作為義務の対象は減縮された範囲の発明を実施する装置となる。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成5年10月19日 平成4(オ)364
登載
集民 第170号31頁
参照法条
特許法17条の2,特許法33条,特許法78条
論点10第17_3条特許法

代理人に審決謄本の送達があつた場合において右審決について再審事由たる判断遺脱を知つたものとされる時期

裁判要旨特許法による審決の再審事由たる判断遺脱の瑕疵についての知、不知は、右審決謄本の送達を受けた代理人について決すべく、審判当事者本人は、これと異なる時期において右再審事由を知つたものと主張することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和42年10月24日 昭和40(行ツ)94
登載
集民 第88号753頁
参照法条
特許法171条,特許法173条,民訴法420条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

特許法 第1条(目的) 詳細ページ
(目的)
第一条この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。
特許法 第2条(定義) 詳細ページ
(定義)
第二条この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
2この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
3この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
二方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
三物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
4この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。
特許法 第3条(期間の計算) 詳細ページ
(期間の計算)
第三条この法律又はこの法律に基く命令の規定による期間の計算は、次の規定による。
一期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
二期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。月又は年の始から期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
2特許出願、請求その他特許に関する手続(以下単に「手続」という。)についての期間の末日が行政機関の休日に関する法律(昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項各号に掲げる日に当たるときは、その日の翌日をもつてその期間の末日とする。
特許法 第4条(期間の延長等) 詳細ページ
(期間の延長等)
第四条特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、請求により又は職権で、第四十六条の二第一項第三号、第百八条第一項、第百二十一条第一項又は第百七十三条第一項に規定する期間を延長することができる。
特許法 第5条 詳細ページ
第五条特許庁長官、審判長又は審査官は、この法律の規定により手続をすべき期間を指定したときは、請求により又は職権で、その期間を延長することができる。
2審判長は、この法律の規定により期日を指定したときは、請求により又は職権で、その期日を変更することができる。
3第一項の規定による期間の延長(経済産業省令で定める期間に係るものに限る。)は、その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間内に限り、請求することができる。
特許法 第6条(法人でない社団等の手続をする能力) 詳細ページ
(法人でない社団等の手続をする能力)
第六条法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において次に掲げる手続をすることができる。
一出願審査の請求をすること。
二特許異議の申立てをすること。
三特許無効審判又は延長登録無効審判を請求すること。
四第百七十一条第一項の規定により特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求すること。
2法人でない社団又は財団であつて、代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決に対する再審を請求されることができる。
特許法 第7条(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力) 詳細ページ
(未成年者、成年被後見人等の手続をする能力)
第七条未成年者及び成年被後見人は、法定代理人によらなければ、手続をすることができない。ただし、未成年者が独立して法律行為をすることができるときは、この限りでない。
2被保佐人が手続をするには、保佐人の同意を得なければならない。
3法定代理人が手続をするには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。
4被保佐人又は法定代理人が、その特許権に係る特許異議の申立て又は相手方が請求した審判若しくは再審について手続をするときは、前二項の規定は、適用しない。
特許法 第8条(在外者の特許管理人) 詳細ページ
(在外者の特許管理人)
第八条日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
2特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。
特許法 第9条(代理権の範囲) 詳細ページ
(代理権の範囲)
第九条日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有する者であつて手続をするものの委任による代理人は、特別の授権を得なければ、特許出願の変更、放棄若しくは取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請若しくは申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張若しくはその取下げ、第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求、特許権の放棄又は復代理人の選任をすることができない。
特許法 第10条 詳細ページ
第十条削除
特許法 第11条(代理権の不消滅) 詳細ページ
(代理権の不消滅)
第十一条手続をする者の委任による代理人の代理権は、本人の死亡若しくは本人である法人の合併による消滅、本人である受託者の信託に関する任務の終了又は法定代理人の死亡若しくはその代理権の変更若しくは消滅によつては、消滅しない。
特許法 第12条(代理人の個別代理) 詳細ページ
(代理人の個別代理)
第十二条手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。
特許法 第13条(代理人の改任等) 詳細ページ
(代理人の改任等)
第十三条特許庁長官又は審判長は、手続をする者がその手続をするのに適当でないと認めるときは、代理人により手続をすべきことを命ずることができる。
2特許庁長官又は審判長は、手続をする者の代理人がその手続をするのに適当でないと認めるときは、その改任を命ずることができる。
3特許庁長官又は審判長は、前二項の場合において、弁理士を代理人とすべきことを命ずることができる。
4特許庁長官又は審判長は、第一項又は第二項の規定による命令をした後に第一項の手続をする者又は第二項の代理人が特許庁に対してした手続を却下することができる。
特許法 第14条(複数当事者の相互代表) 詳細ページ
(複数当事者の相互代表)
第十四条二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。
特許法 第15条(在外者の裁判籍) 詳細ページ
(在外者の裁判籍)
第十五条在外者の特許権その他特許に関する権利については、特許管理人があるときはその住所又は居所をもつて、特許管理人がないときは特許庁の所在地をもつて民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第五条第四号の財産の所在地とみなす。
特許法 第16条(手続をする能力がない場合の追認) 詳細ページ
(手続をする能力がない場合の追認)
第十六条未成年者(独立して法律行為をすることができる者を除く。)又は成年被後見人がした手続は、法定代理人(本人が手続をする能力を取得したときは、本人)が追認することができる。
2代理権がない者がした手続は、手続をする能力がある本人又は法定代理人が追認することができる。
3被保佐人が保佐人の同意を得ないでした手続は、被保佐人が保佐人の同意を得て追認することができる。
4後見監督人がある場合において法定代理人がその同意を得ないでした手続は、後見監督人の同意を得た法定代理人又は手続をする能力を取得した本人が追認することができる。
特許法 第17条(手続の補正) 詳細ページ
(手続の補正)
第十七条手続をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。ただし、次条から第十七条の五までの規定により補正をすることができる場合を除き、願書に添付した明細書、特許請求の範囲、図面若しくは要約書、第四十一条第四項若しくは第四十三条第一項(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書面又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正若しくは訂正審判の請求書に添付した訂正した明細書、特許請求の範囲若しくは図面について補正をすることができない。
2第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人は、前項本文の規定にかかわらず、同条第一項の外国語書面及び外国語要約書面について補正をすることができない。
3特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。
一手続が第七条第一項から第三項まで又は第九条の規定に違反しているとき。
二手続がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。
三手続について第百九十五条第一項から第三項までの規定により納付すべき手数料を納付しないとき。
4手続の補正(手数料の納付を除く。)をするには、次条第二項に規定する場合を除き、手続補正書を提出しなければならない。
特許法 第17_2条(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正) 詳細ページ
(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)
第十七条の二特許出願人は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前においては、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をすることができる。ただし、第五十条の規定による通知を受けた後は、次に掲げる場合に限り、補正をすることができる。
一第五十条(第百五十九条第二項(第百七十四条第二項において準用する場合を含む。)及び第百六十三条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知(以下この条において「拒絶理由通知」という。)を最初に受けた場合において、第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
二拒絶理由通知を受けた後第四十八条の七の規定による通知を受けた場合において、同条の規定により指定された期間内にするとき。
三拒絶理由通知を受けた後更に拒絶理由通知を受けた場合において、最後に受けた拒絶理由通知に係る第五十条の規定により指定された期間内にするとき。
四拒絶査定不服審判を請求する場合において、その審判の請求と同時にするとき。
2第三十六条の二第二項の外国語書面出願の出願人が、誤訳の訂正を目的として、前項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、その理由を記載した誤訳訂正書を提出しなければならない。
3第一項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第八項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
4前項に規定するもののほか、第一項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第三十七条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。
5前二項に規定するもののほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一第三十六条第五項に規定する請求項の削除
二特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三誤記の訂正
四明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
6第百二十六条第七項の規定は、前項第二号の場合に準用する。
特許法 第17_3条(要約書の補正) 詳細ページ
(要約書の補正)
第十七条の三特許出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
特許法 第17_4条(優先権主張書面の補正) 詳細ページ
(優先権主張書面の補正)
第十七条の四第四十一条第一項又は第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張をした者は、経済産業省令で定める期間内に限り、第四十一条第四項又は第四十三条第一項(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書面について補正をすることができる。
出

一次情報

原文ママ

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