特許法 / テーマ別まとめ

出願公開

出願公開の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

出願公開は、特許出願から一定期間が経過した発明の内容を特許庁が公報で公開する制度です。公開後は、無断で発明を実施する者に対して補償金請求権が発生するなど、出願人にとって重要な効果が生じます。この記事では出願公開の時期・方法、出願人からの公開請求、公開後の補償金請求権について整理します。

出願公開
項目時期・要件内容
通常の公開出願から1年6月経過時特許庁長官が公報に掲載
請求による公開出願人の請求時出願人が早期公開を求められる
公開事項公開時出願人・発明者・明細書等を掲載
補償金請求権警告後~登録前の実施実施料相当額を請求可能
請求権の行使時期特許権の設定登録後登録前は行使不可
  • 公開請求は取り下げられない。
  • 出願が外国語書面出願で翻訳文未提出の場合は公開請求できない。
  • 優先権証明書類等が未提出の優先権主張出願は公開請求できない。
  • 要約書の記載が第三十六条第七項に適合しない等の場合、特許庁長官が自ら作成した事項を掲載できる。
  • 出願の放棄・取下げ・却下、拒絶査定等の確定、特許権が初めから存在しなかったとみなされる場合等は、補償金請求権は初めから生じなかったものとみなされる。
  • 仮専用実施権者・仮通常実施権者が設定行為の範囲内で実施した場合は、出願人はその実施について補償金を請求できない。
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出願公開

出願公開について、条文は何を定めているか。

第64条出願公開出願から1年6月で発明内容を公開する3項・8号判例 1件
  • 特許出願日から1年6月経過で特許庁長官が出願公開する
  • 既に特許掲載公報が発行済みの場合は公開しない
  • 出願人・発明者の氏名住所、明細書等の内容を特許公報に掲載する
  • 要約書の記載に不備がある等の場合、長官が作成した内容を掲載できる
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第64_2条出願公開の請求出願人は早期の出願公開を請求できる2項・3号判例なし
  • 出願人は特許庁長官に出願公開の請求ができる
  • 既に公開済み、優先権証明書類等未提出、翻訳文未提出の場合は請求不可
  • 一度した公開請求は取り下げられない
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第64_3条公開請求には請求書の提出が必要1項・2号判例なし
  • 請求人の氏名・名称・住所を記載した請求書を提出する
  • 対象となる特許出願を請求書に表示する
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第65条出願公開の効果等公開後の無断実施には補償金を請求できる6項判例 1件
  • 警告後に登録前実施した者へ実施料相当額の補償金を請求できる
  • 警告なしでも公開発明と知って実施した者には同様に請求できる
  • 請求権の行使は特許権の設定登録後に限られる
  • 仮専用実施権者等が設定範囲内で実施した場合は請求できない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第64条特許法

出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達があった後にする補正が特許法六四条一項ただし書の要件を具備するか否かを判断する際に基準となるべき明細書又は図面

裁判要旨出願公告をすべき旨の決定の謄本の送達があった後にする補正が特許法六四条一項ただし書の要件を具備するか否かは、当該補正の時点における明細書又は図面を基準として判断されるべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成3年9月17日 昭和63(行ツ)86
登載
集民 第163号313頁
参照法条
特許法64条
論点2第65条特許法

発明の公開特許公報への掲載と特許法三〇条一項にいう刊行物への発表

裁判要旨特許出願した発明が内外の公開特許公報に掲載されることは、特許法三〇条一項〈発明の新規性の喪失の例外〉にいう「刊行物に発表」することには該当しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成元年11月10日 昭和61(行ツ)160
登載
民集 第43巻10号1116頁
参照法条
特許法30条1項,特許法65条の2
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

特許法 第64条(出願公開) 詳細ページ
(出願公開)
第六十四条特許庁長官は、特許出願の日から一年六月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。次条第一項に規定する出願公開の請求があつたときも、同様とする。
2出願公開は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。ただし、第四号から第六号までに掲げる事項については、当該事項を特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるときは、この限りでない。
一特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二特許出願の番号及び年月日
三発明者の氏名及び住所又は居所
四願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
五願書に添付した要約書に記載した事項
六外国語書面出願にあつては、外国語書面及び外国語要約書面に記載した事項
七出願公開の番号及び年月日
八前各号に掲げるもののほか、必要な事項
3特許庁長官は、願書に添付した要約書の記載が第三十六条第七項の規定に適合しないときその他必要があると認めるときは、前項第五号の要約書に記載した事項に代えて、自ら作成した事項を特許公報に掲載することができる。
特許法 第64_2条(出願公開の請求) 詳細ページ
(出願公開の請求)
第六十四条の二特許出願人は、次に掲げる場合を除き、特許庁長官に、その特許出願について出願公開の請求をすることができる。
一その特許出願が出願公開されている場合
二その特許出願が第四十三条第一項、第四十三条の二第一項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)又は第四十三条の三第一項若しくは第二項の規定による優先権の主張を伴う特許出願であつて、第四十三条第二項(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する優先権証明書類等及び第四十三条第五項(第四十三条の二第二項(第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書面が特許庁長官に提出されていないものである場合
三その特許出願が外国語書面出願であつて第三十六条の二第二項に規定する外国語書面の翻訳文が特許庁長官に提出されていないものである場合
2出願公開の請求は、取り下げることができない。
特許法 第64_3条 詳細ページ
第六十四条の三出願公開の請求をしようとする特許出願人は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。
一請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二出願公開の請求に係る特許出願の表示
特許法 第65条(出願公開の効果等) 詳細ページ
(出願公開の効果等)
第六十五条特許出願人は、出願公開があつた後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。
2前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができない。
3特許出願人は、その仮専用実施権者又は仮通常実施権者が、その設定行為で定めた範囲内において当該特許出願に係る発明を実施した場合については、第一項に規定する補償金の支払を請求することができない。
4第一項の規定による請求権の行使は、特許権の行使を妨げない。
5出願公開後に特許出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したとき、第百十二条第六項の規定により特許権が初めから存在しなかつたものとみなされたとき(更に第百十二条の二第二項の規定により特許権が初めから存在していたものとみなされたときを除く。)、第百十四条第二項の取消決定が確定したとき、又は第百二十五条ただし書の場合を除き特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、第一項の請求権は、初めから生じなかつたものとみなす。
6第百一条、第百四条から第百四条の三まで、第百五条から第百五条の二の十二まで、第百五条の四から第百五条の七まで及び第百六十八条第三項から第六項まで並びに民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条及び第七百二十四条(不法行為)の規定は、第一項の規定による請求権を行使する場合に準用する。この場合において、当該請求権を有する者が特許権の設定の登録前に当該特許出願に係る発明の実施の事実及びその実施をした者を知つたときは、同条第一号中「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」とあるのは、「特許権の設定の登録の日」と読み替えるものとする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。