労働協約の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。
労働協約は、労働組合と使用者またはその団体が労働条件などについて取り決める協約で、書面を作成し両当事者が署名または記名押印することで効力が生じます。有効期間の上限や解約の予告期間、労働契約より不利な条件を無効にする効力(規範的効力)、そして一定割合の労働者に適用されると他の同種労働者にも及ぶ拡張適用の仕組みを定めています。
| 項目 | 要件・基準 | 効果 |
|---|---|---|
| 効力発生要件 | 書面+署名または記名押印 | 効力が生じる |
| 有効期間の上限 | 三年 | 超える定めは三年とみなす |
| 期間の定めなしの解約 | 九十日前に文書で予告 | 解約できる |
| 規範的効力 | 協約の基準に違反する部分 | その部分は無効、基準による |
| 事業場単位の拡張適用 | 同種労働者の四分の三以上 | 他の同種労働者にも適用 |
| 地域単位の拡張適用 | 同種労働者の大部分が適用 | 労働委員会決議で行政が適用決定 |
労働協約について、条文は何を定めているか。
論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。
平和義務違反の争議行為を理由とする懲戒処分の許否
一 労働組合規約に組合員総会の決議事項として特定事項の外委員会において必要と認むる事項とまた委員会の決議事項として特定事項の外総会に諮るべき事項と規定している場合と総会における組合員の議案提出権の有無
二 旧組合が解散して新組合が結成された場合と旧組合当時の労働協約の効力
前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例
前年の稼働率によって従業員を翌年度の賃金引上げ対象者から除外する旨の労働協約条項の一部が公序に反し無効とされた事例
使用者と労働組合との間の合意により当該労働組合に所属する労働者の未払賃金に係る債権が放棄されたということはできないとされた事例
労働組合と使用者との間の労働条件その他に関する合意で書面の作成がなく又は作成した書面に両当事者の署名及び記名押印がないものの労働協約としての規範的効力
労働協約中の解雇同意条項といわゆる余後効
無効な休職処分により就労を拒否された労働者の右期間中の賃金請求につき平均査定配分額の限度で賃金協定中の賃上額のいわゆる査定部分に関する協定の効力が右労働者にも及ぶものとして賃上額による賃金請求権が認められた事例
一、民間会社における従業員の在籍専従と使用者の承諾義務
二、労働組合法一七条〈一般的拘束力〉の規定により拡張適用される労働協約の範囲
三、在籍専従に関する労働協約の規定の法的性質
「組合は経営権が会社にあることを確認する。但し会社は経営の方針、人事の基準……等経営の基本に関する事項については……組合又は連合会と協議決定する。前項の人事とは従業員の採用、解雇、異動、休職、任免及びこれらに関連する事項をいう。」旨の労働協約の趣旨
一部の組合員の定年及び退職金支給基準率を不利益に変更する労働協約の規範的効力が認められた事例
一 労働協約上の基準が一部の点において未組織の同種労働者の労働条件よりも不利益である場合における労働協約の一般的拘束力
二 未組織の同種労働者に対する労働協約の一般的拘束力が一部否定された事例
e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。
条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。