短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 / テーマ別まとめ

短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等/雇用管理の改善等に関する措置

雇用管理の改善等に関する措置の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

この法律は、短時間・有期雇用労働者について、労働条件の明示、待遇の不合理な差別の禁止、賃金・教育訓練・福利厚生施設の取扱い、正社員への転換、待遇差の説明などを事業主が講ずべき雇用管理の改善等に関する措置として定めています。条文ごとに「しなければならない」義務と「努めるものとする」努力義務が混在しており、実務では自社の措置がどちらに当たるかを条ごとに確認する必要があります。第15条以下では指針の策定や相談体制、管理者選任、行政による報告徴収・勧告・公表の仕組みも定めています。

雇用管理の改善等に関する措置
条文措置の内容義務の程度
第6条労働条件のうち特定事項を文書等で明示しなければならない
第7条就業規則作成時に労働者代表の意見聴取努力義務
第8条不合理な待遇差の禁止禁止
第9条同視すべき者への差別的取扱い禁止禁止
第10条賃金決定で均衡を考慮努力義務
第11条同一職務者への教育訓練実施必須(一部)・他は努力義務
第12条福利厚生施設の利用機会付与しなければならない
第13条正社員転換のための措置いずれか実施義務
第14条措置内容・待遇差の説明しなければならない
第15条指針の策定大臣が策定
第16条相談対応体制の整備しなければならない
第17条短時間・有期雇用管理者の選任努力義務
第18条報告徴収・助言指導勧告・公表大臣の権限
  • 第6条の「特定事項」の具体的内容は厚生労働省令で定める
  • 第8条・第9条の判断は職務内容・配置変更範囲等の事情を考慮して行う
  • 第10条・第11条は「同視すべき短時間・有期雇用労働者」を対象から除く場合がある
  • 第11条は職務内容同一者への実施でも、既に能力がある場合等は除かれる
  • 第14条2項の説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止(3項)
  • 第18条の公表は、第6条1項・9条・11条1項・12条から14条まで・16条違反の勧告に従わない場合に限る
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雇用管理の改善等に関する措置

雇用管理の改善等に関する措置について、条文は何を定めているか。

第6条労働条件に関する文書の交付等雇い入れ時に労働条件を文書等で明示2項判例なし
  • 雇い入れ後速やかに、特定事項を文書交付等の方法で明示しなければならない
  • 特定事項以外の労働条件も文書交付等で明示するよう努める
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第7条就業規則の作成の手続就業規則作成前に意見聴取に努める2項判例なし
  • 短時間労働者に係る就業規則は、事業所の過半数代表の意見を聴くよう努める
  • 有期雇用労働者についても同様に意見聴取するよう努める(準用)
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第8条不合理な待遇の禁止基本給・賞与等の不合理な待遇差を禁止1項判例なし
  • 通常の労働者との待遇差は、職務内容・配置変更範囲等を考慮し不合理なら禁止
  • 基本給・賞与などそれぞれの待遇ごとに判断する
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第9条通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止同視すべき短時間・有期労働者への差別禁止1項判例なし
  • 職務内容が同一で、雇用関係終了まで配置等の変更範囲も同一と見込まれる者が対象
  • 該当者は短時間・有期であることを理由に待遇で差別的取扱いをしてはならない
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第10条賃金賃金決定は均衡を考慮するよう努める1項判例なし
  • 通常の労働者との均衡を考慮し、職務内容・成果・意欲・能力・経験等を勘案して賃金を決定するよう努める
  • 通勤手当等厚生労働省令で定めるものは対象外
  • 同視すべき短時間・有期雇用労働者は対象外
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第11条教育訓練同一職務者への教育訓練は原則必須2項判例なし
  • 職務内容同一短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同じ教育訓練を実施しなければならない
  • 既に能力がある場合等省令で定める場合は除く
  • その他の教育訓練は、就業実態に応じ実施するよう努める
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第12条福利厚生施設福利厚生施設は利用機会を与える義務1項判例なし
  • 健康保持・業務の円滑な遂行に資する施設として省令で定めるものは、利用機会を与えなければならない
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第13条通常の労働者への転換正社員転換のため措置を1つ以上実施1項・3号判例なし
  • 正社員の募集情報を事業所内掲示等で周知する
  • 正社員の新規配置時に、配置希望を申し出る機会を与える
  • 資格保有者向け転換試験制度など、いずれかの措置を講じる義務
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第14条事業主が講ずる措置の内容等の説明雇入れ時と求めがあった時に説明義務3項判例なし
  • 雇い入れ時、講ずる措置の内容を速やかに説明しなければならない
  • 求めがあれば、通常の労働者との待遇差の内容・理由等を説明しなければならない
  • 説明を求めたことを理由とする解雇その他不利益取扱いを禁止
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第15条指針厚生労働大臣が指針を策定2項判例なし
  • 第6条〈労働条件に関する文書の交付等〉から第14条〈事業主が講ずる措置の内容等の説明〉までの措置等の適切・有効な実施のため指針を定める
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第16条相談のための体制の整備相談に応じる体制整備は義務1項判例なし
  • 雇用管理の改善等に関する相談に応じ、適切に対応する体制を整備しなければならない
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第17条短時間・有期雇用管理者短時間・有期雇用管理者の選任に努める1項判例なし
  • 省令で定める数以上を雇用する事業所ごとに、管理者選任に努める
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第18条報告の徴収並びに助言、指導及び勧告等大臣が報告徴収・助言指導勧告・公表3項判例なし
  • 必要があれば事業主に報告を求め、助言・指導・勧告ができる
  • 特定条項違反で勧告に従わない場合は公表できる
  • 権限の一部は都道府県労働局長に委任できる
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第6条(労働条件に関する文書の交付等) 詳細ページ
(労働条件に関する文書の交付等)
第六条事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間・有期雇用労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(次項及び第十四条第一項において「特定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により明示しなければならない。
2事業主は、前項の規定に基づき特定事項を明示するときは、労働条件に関する事項のうち特定事項及び労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものについても、文書の交付等により明示するように努めるものとする。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第7条(就業規則の作成の手続) 詳細ページ
(就業規則の作成の手続)
第七条事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。
2前項の規定は、事業主が有期雇用労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとする場合について準用する。この場合において、「短時間労働者」とあるのは、「有期雇用労働者」と読み替えるものとする。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第8条(不合理な待遇の禁止) 詳細ページ
(不合理な待遇の禁止)
第八条事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第9条(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止) 詳細ページ
(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)
第九条事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者(第十一条第一項において「職務内容同一短時間・有期雇用労働者」という。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるもの(次条及び同項において「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」という。)については、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第10条(賃金) 詳細ページ
(賃金)
第十条事業主は、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。次条第二項及び第十二条において同じ。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)を決定するように努めるものとする。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第11条(教育訓練) 詳細ページ
(教育訓練)
第十一条事業主は、通常の労働者に対して実施する教育訓練であって、当該通常の労働者が従事する職務の遂行に必要な能力を付与するためのものについては、職務内容同一短時間・有期雇用労働者(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者を除く。以下この項において同じ。)が既に当該職務に必要な能力を有している場合その他の厚生労働省令で定める場合を除き、職務内容同一短時間・有期雇用労働者に対しても、これを実施しなければならない。
2事業主は、前項に定めるもののほか、通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力及び経験その他の就業の実態に関する事項に応じ、当該短時間・有期雇用労働者に対して教育訓練を実施するように努めるものとする。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第12条(福利厚生施設) 詳細ページ
(福利厚生施設)
第十二条事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間・有期雇用労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第13条(通常の労働者への転換) 詳細ページ
(通常の労働者への転換)
第十三条事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
一通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に周知すること。
二通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に対して与えること。
三一定の資格を有する短時間・有期雇用労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第14条(事業主が講ずる措置の内容等の説明) 詳細ページ
(事業主が講ずる措置の内容等の説明)
第十四条事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、第八条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項及び特定事項を除く。)に関し講ずることとしている措置の内容について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない。
2事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに第六条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない。
3事業主は、短時間・有期雇用労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該短時間・有期雇用労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第15条(指針) 詳細ページ
(指針)
第十五条厚生労働大臣は、第六条から前条までに定める措置その他の第三条第一項の事業主が講ずべき雇用管理の改善等に関する措置等に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針(以下この節において「指針」という。)を定めるものとする。
2第五条第三項から第五項までの規定は指針の策定について、同条第四項及び第五項の規定は指針の変更について、それぞれ準用する。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第16条(相談のための体制の整備) 詳細ページ
(相談のための体制の整備)
第十六条事業主は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に関し、その雇用する短時間・有期雇用労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならない。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第17条(短時間・有期雇用管理者) 詳細ページ
(短時間・有期雇用管理者)
第十七条事業主は、常時厚生労働省令で定める数以上の短時間・有期雇用労働者を雇用する事業所ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、指針に定める事項その他の短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理させるため、短時間・有期雇用管理者を選任するように努めるものとする。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第18条(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告等) 詳細ページ
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告等)
第十八条厚生労働大臣は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等を図るため必要があると認めるときは、短時間・有期雇用労働者を雇用する事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
2厚生労働大臣は、第六条第一項、第九条、第十一条第一項、第十二条から第十四条まで及び第十六条の規定に違反している事業主に対し、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
3前二項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。