国税通則法 / テーマ別まとめ

総則/国税の納付義務の承継等

国税の納付義務の承継等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

相続や法人の合併・分割、信託の受託者交替などがあった場合に、誰が国税を納める義務を引き継ぐかを定めた規定です。単独の当事者が承継する場合と、複数の当事者が連帯して国税を納める義務を負う場合の両方を扱います。実務担当者は、相続人・存続法人・受託者など当事者ごとに、承継する国税の範囲や限度額を確認する必要があります。

国税の納付義務の承継等
事由誰が負うか対象になる国税限度・按分
相続相続人・相続財産法人被相続人の国税限定承認なら相続財産の限度
法人の合併存続法人・設立法人被合併法人の国税限度なし(全額承継)
社団等の権利義務の包括承継承継した法人社団等の国税一部承継なら按分計算
受託者の任務終了・交替新受託者旧受託者の国税(信託財産債務分)新受託者は信託財産限度
共有物・共同事業共有者・共同事業者その財産に係る国税連帯納付(民法準用)
合併・分割の無効判決確定合併等をした法人存続法人等の合併後成立分連帯納付・限度なし
法人の分割(分社型除く)分割をした法人承継法人の国税(附帯税含む)承継財産の価額が限度
  • 限定承認の相続人は相続によって得た財産の限度でのみ国税を納付する責任を負う(第5条1項)
  • 相続人が2人以上のときは、承継する国税額を民法の相続分により按分計算する(第5条2項)
  • 財産を相続分超過額分多く得た相続人は、その超過額を限度に他の相続人の国税も納付する責任を負う(第5条3項)
  • 受託者が複数いる信託で1人の任務が終了した場合は、引継ぎを受けた他の受託者が承継する(第7条の2第2項)
  • 信託に係る承継の対象は信託財産責任負担債務となる国税に限られ、新受託者は信託財産の限度で履行責任を負う(第7条の2第1項・第6項)
  • 連帯納付義務には民法436条、437条、441条から445条までの連帯債務の規定を準用する(第8条)
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国税の納付義務の承継等

国税の納付義務の承継等について、条文は何を定めているか。

第5条相続による国税の納付義務の承継相続人が被相続人の国税を引き継ぐ3項判例なし
  • 相続人や相続財産法人が被相続人の国税を納める義務を引き継ぐ
  • 限定承認をした相続人は相続財産の限度でのみ納付する
  • 相続人が複数なら民法の相続分で按分し、超過取得者は他人の分も負担
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第6条法人の合併による国税の納付義務の承継合併後の存続・新設法人が国税を承継1項判例なし
  • 合併で消滅した法人(被合併法人)の国税を存続法人・新設法人が引き継ぐ
  • 承継範囲は課されるべき国税や納付・徴収されるべき国税全般
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第7条人格のない社団等に係る国税の納付義務の承継社団等の財産を包括承継した法人が国税を承継1項判例なし
  • 人格のない社団等の権利義務を包括承継した法人が国税を引き継ぐ
  • 権利義務の一部だけ承継した場合は、承継した財産の割合で按分計算
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第7_2条信託に係る国税の納付義務の承継受託者交替時に新受託者が国税を承継6項判例なし
  • 受託者の任務終了により新受託者が就任した場合、旧受託者の国税を承継
  • 受託者が複数のときは、任務を引き継いだ他の受託者が承継
  • 承継対象は信託財産責任負担債務となる国税に限られる
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第8条国税の連帯納付義務についての民法の準用連帯納付義務には民法の連帯債務規定を準用1項判例なし
  • 国税の連帯納付義務には民法436条、437条、441条から445条までを準用
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第9条共有物等に係る国税の連帯納付義務共有物や共同事業に係る国税は連帯納付1項判例なし
  • 共有物、共同事業、その事業用財産に係る国税は納税者全員が連帯して納付
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第9_2条法人の合併等の無効判決に係る連帯納付義務合併・分割の無効判決確定後も連帯納付1項判例なし
  • 合併や分割を無効とする判決が確定すると、合併等をした法人も連帯納付義務を負う
  • 対象は合併等の日以後に成立した存続・承継法人の国税(附帯税を含む)
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第9_3条法人の分割に係る連帯納付の責任分割で事業を承継した法人が連帯納付1項・2号判例なし
  • 分社型分割を除く分割で事業を承継した法人は、分割前の国税につき連帯納付責任
  • 責任の上限は分割で承継した財産の価額まで
  • 対象となる国税の範囲(移出に係る酒税等・航空機燃料税の基準日など)は条文で細かく規定
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

国税通則法 第5条(相続による国税の納付義務の承継) 詳細ページ
(相続による国税の納付義務の承継)
第五条相続(包括遺贈を含む。以下同じ。)があつた場合には、相続人(包括受遺者を含む。以下同じ。)又は民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十一条(相続財産法人の成立)の法人は、その被相続人(包括遺贈者を含む。以下同じ。)に課されるべき、又はその被相続人が納付し、若しくは徴収されるべき国税(その滞納処分費を含む。次章、第三章第一節(国税の納付)、第六章(附帯税)、第七章第一節(国税の更正、決定等の期間制限)、第七章の二(国税の調査)及び第十一章(犯則事件の調査及び処分)を除き、以下同じ。)を納める義務を承継する。この場合において、相続人が限定承認をしたときは、その相続人は、相続によつて得た財産の限度においてのみその国税を納付する責めに任ずる。
2前項前段の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人が同項前段の規定により承継する国税の額は、同項の国税の額を民法第九百条から第九百二条まで(法定相続分・代襲相続人の相続分・遺言による相続分の指定)の規定によるその相続分により按分して計算した額とする。
3前項の場合において、相続人のうちに相続によつて得た財産の価額が同項の規定により計算した国税の額を超える者があるときは、その相続人は、その超える価額を限度として、他の相続人が前二項の規定により承継する国税を納付する責めに任ずる。
国税通則法 第6条(法人の合併による国税の納付義務の承継) 詳細ページ
(法人の合併による国税の納付義務の承継)
第六条法人が合併した場合には、合併後存続する法人又は合併により設立した法人は、合併により消滅した法人(以下「被合併法人」という。)に課されるべき、又は被合併法人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。
国税通則法 第7条(人格のない社団等に係る国税の納付義務の承継) 詳細ページ
(人格のない社団等に係る国税の納付義務の承継)
第七条法人が人格のない社団等の財産に属する権利義務を包括して承継した場合には、その法人は、その人格のない社団等に課されるべき、又はその人格のない社団等が納付し、若しくは徴収されるべき国税(その承継が権利義務の一部についてされたときは、その国税の額にその承継の時における人格のない社団等の財産のうちにその法人が承継した財産の占める割合を乗じて計算した額の国税)を納める義務を承継する。
国税通則法 第7_2条(信託に係る国税の納付義務の承継) 詳細ページ
(信託に係る国税の納付義務の承継)
第七条の二信託法(平成十八年法律第百八号)第五十六条第一項各号(受託者の任務の終了事由)に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新たな受託者(以下この項及び第六項において「新受託者」という。)が就任したときは、当該新受託者は当該受託者に課されるべき、又は当該受託者が納付し、若しくは徴収されるべき国税(その納める義務が信託財産責任負担債務(同法第二条第九項(定義)に規定する信託財産責任負担債務をいう。第三十八条第一項(繰上請求)及び第五十七条第一項(充当)において同じ。)となるものに限る。以下この条において同じ。)を納める義務を承継する。
2受託者が二人以上ある信託において、その一人の任務が信託法第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、前項の規定にかかわらず、他の受託者のうち、当該任務が終了した受託者(以下この項及び第五項において「任務終了受託者」という。)から信託事務の引継ぎを受けた受託者は、当該任務終了受託者に課されるべき、又は当該任務終了受託者が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。
3信託法第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、同法第七十四条第一項(受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等)に規定する法人は、当該受託者に課されるべき、又は当該受託者が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。
4受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継した法人は、当該分割をした受託者である法人に課されるべき、又は当該分割をした受託者である法人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。
5第一項又は第二項の規定により国税を納める義務が承継された場合にも、第一項の受託者又は任務終了受託者は、自己の固有財産をもつて、その承継された国税を納める義務を履行する責任を負う。ただし、当該国税を納める義務について、信託法第二十一条第二項(信託財産責任負担債務の範囲)の規定により、信託財産に属する財産のみをもつてその履行の責任を負うときは、この限りでない。
6新受託者は、第一項の規定により国税を納める義務を承継した場合には、信託財産に属する財産のみをもつて、その承継された国税を納める義務を履行する責任を負う。
国税通則法 第8条(国税の連帯納付義務についての民法の準用) 詳細ページ
(国税の連帯納付義務についての民法の準用)
第八条国税に関する法律の規定により国税を連帯して納付する義務については、民法第四百三十六条、第四百三十七条及び第四百四十一条から第四百四十五条まで(連帯債務の効力等)の規定を準用する。
国税通則法 第9条(共有物等に係る国税の連帯納付義務) 詳細ページ
(共有物等に係る国税の連帯納付義務)
第九条共有物、共同事業又は当該事業に属する財産に係る国税は、その納税者が連帯して納付する義務を負う。
国税通則法 第9_2条(法人の合併等の無効判決に係る連帯納付義務) 詳細ページ
(法人の合併等の無効判決に係る連帯納付義務)
第九条の二合併又は分割(以下この条において「合併等」という。)を無効とする判決が確定した場合には、当該合併等をした法人は、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により事業を承継した法人の当該合併等の日以後に納税義務(第十五条第一項(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)に規定する納税義務をいう。次条において同じ。)の成立した国税(その附帯税を含む。)について、連帯して納付する義務を負う。
国税通則法 第9_3条(法人の分割に係る連帯納付の責任) 詳細ページ
(法人の分割に係る連帯納付の責任)
第九条の三法人が分割(法人税法第二条第十二号の十(定義)に規定する分社型分割を除く。以下この条において同じ。)をした場合には、当該分割により事業を承継した法人は、当該分割をした法人の次に掲げる国税(その附帯税を含み、その納める義務が第七条の二第四項(信託に係る国税の納付義務の承継)の規定により受託者としての権利義務を承継した法人に承継されたもの及びその納める義務が信託財産限定責任負担債務(信託法第百五十四条(信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等)に規定する信託財産限定責任負担債務をいう。第五十七条第一項(充当)において同じ。)となるものを除く。)について、連帯納付の責めに任ずる。ただし、当該分割をした法人から承継した財産(当該分割をした法人から承継した信託財産に属する財産を除く。)の価額を限度とする。
一分割の日前に納税義務の成立した国税(消費税等のうち保税地域(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条(保税地域の種類)に規定する保税地域をいう。以下同じ。)からの引取りに係る消費税等及び課税資産の譲渡等に係る消費税以外のもの(次号において「移出に係る酒税等」という。)並びに航空機燃料税を除く。)
二分割の日の属する月の前月末日までに納税義務の成立した移出に係る酒税等及び航空機燃料税
出

一次情報

原文ママ

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