国税徴収法 / テーマ別まとめ

財産の差押/不動産等の差押

不動産等の差押の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

不動産、船舶・航空機、自動車・建設機械・小型船舶といった登記・登録される財産の差押えについて、手続と効力発生時期、差押え後の使用・占有の扱いを定めています。差押えは差押書の送達によって行い、原則として送達の時に効力が生じますが、登記や一定の処分が先行した場合には別の時点で効力が生じます。差押え後も滞納者は通常どおり使用・収益できますが、価値を著しく損なう行為が見込まれる場合や自動車等の運行を止める必要がある場合には制限がかかります。

不動産等の差押
対象差押の方法効力発生時期使用・占有の取扱い
不動産等差押書の送達送達時(登記先行なら登記時)滞納者が通常の使用収益可
鉱業権差押書の送達差押の登録がされた時不動産と同様の扱い
船舶・航空機差押書の送達送達時(監守保存処分先行ならその時)停泊命令・監守処分あり
自動車・建設機械・小型船舶差押書の送達送達時(監守処分先行ならその時)引渡命令→占有、保管も可
  • 不動産の使用収益制限は、価値が著しく減耗する行為が認められる場合に限る(69条2項:使用収益権を持つ第三者にも準用)
  • 船舶・航空機は航行中である間は一時停泊させることができない(70条2項ただし書)
  • 監守・保存のための処分が差押書送達前にされた場合は、その処分をした時に差押えの効力が生じる(70条4項)
  • 自動車・建設機械・小型船舶は封印その他の公示方法で徴収職員の占有に係る旨を明らかにする必要がある(71条5項)
  • 営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者等の申立てにより航行・運行・使用を許可できる(70条5項、71条6項)
  • 自動車等の占有には第56条1項、第58条、第59条の規定を準用する(71条4項)
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不動産等の差押

不動産等の差押について、条文は何を定めているか。

第68条不動産の差押の手続及び効力発生時期差押書の送達で効力が生じる5項判例 1件
  • 差押は滞納者への差押書の送達によって行う
  • 効力は送達時に生じるが、登記が先なら登記時に発生
  • 鉱業権は差押の登録がされた時に効力が発生
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第69条差押不動産の使用収益滞納者は通常どおり使用収益できる2項判例 1件
  • 差し押えられた不動産は通常の用法で使用・収益できる
  • 価値が著しく減耗する行為が見込まれるときは制限できる
  • 使用収益権を持つ第三者にも同じ規定を準用する
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第70条船舶又は航空機の差押え船舶・航空機は不動産と同様の手続5項判例なし
  • 差押手続・効力発生時期は不動産の規定を準用する
  • 必要があれば一時停泊させられる(航行中は不可)
  • 相当な理由があれば申立てにより航行を許可できる
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第71条自動車、建設機械又は小型船舶の差押え自動車等は占有させて拘束できる6項判例なし
  • 差押手続・効力発生時期は不動産の規定を準用する
  • 引渡しを命じ、徴収職員にこれらを占有させられる
  • 滞納者等に保管させ、封印等で公示することもできる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第68条国税徴収法

国税滞納処分に基づく差押登記後になされた当該差押目的物たる不動産を目的とする賃貸借契約による賃借権の対抗力。

裁判要旨国税滞納処分に基づく差押登記後になされた、当該差押目的物たる不動産を目的とする賃貸借契約による賃借権は、公売処分の結果その不動産を買い受けた者に対抗できない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和39年4月16日 昭和38(オ)1341
登載
集民 第73号103頁
参照法条
国税徴収法68条
論点2第69条国税徴収法

滞納者と他の者との共有に係る不動産の滞納者の持分に対する差押処分の取消訴訟と他の共有者の原告適格

裁判要旨滞納者と他の者との共有に係る不動産につき滞納者の持分が国税徴収法47条1項に基づいて差し押さえられた場合における他の共有者は,その差押処分の取消訴訟の原告適格を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成25年7月12日 平成24(行ヒ)156
登載
集民 第244号43頁
参照法条
行政事件訴訟法9条1項,国税徴収法47条1項,国税徴収法69条1項ただし書,国税徴収法69条2項

関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

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国税徴収法 第68条(不動産の差押の手続及び効力発生時期) 詳細ページ
(不動産の差押の手続及び効力発生時期)
第六十八条不動産(地上権その他不動産を目的とする物権(所有権を除く。)、工場財団、鉱業権その他不動産とみなされ、又は不動産に関する規定の準用がある財産並びに鉄道財団、軌道財団及び運河財団を含む。以下同じ。)の差押は、滞納者に対する差押書の送達により行う。
2前項の差押の効力は、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる。
3税務署長は、不動産を差し押えたときは、差押の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
4前項の差押の登記が差押書の送達前にされた場合には、第二項の規定にかかわらず、その差押の登記がされた時に差押の効力が生ずる。
5鉱業権の差押の効力は、第二項及び前項の規定にかかわらず、差押の登録がされた時に生ずる。
国税徴収法 第69条(差押不動産の使用収益) 詳細ページ
(差押不動産の使用収益)
第六十九条滞納者は、差し押えられた不動産につき、通常の用法に従い、使用又は収益をすることができる。ただし、税務署長は、不動産の価値が著しく減耗する行為がされると認められるときに限り、その使用又は収益を制限することができる。
2前項の規定は、差し押えられた不動産につき使用又は収益をする権利を有する第三者について準用する。
国税徴収法 第70条(船舶又は航空機の差押え) 詳細ページ
(船舶又は航空機の差押え)
第七十条登記される船舶(以下「船舶」という。)又は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の規定により登録を受けた飛行機若しくは回転翼航空機(以下「航空機」という。)の差押えについては、第六十八条第一項から第四項まで(不動産の差押えの手続及び効力発生時期)の規定を準用する。
2税務署長は、滞納処分のため必要があるときは、船舶又は航空機を一時停泊させることができる。ただし、航行中の船舶又は航空機については、この限りでない。
3徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、船舶又は航空機の監守及び保存のため必要な処分をすることができる。
4前項の処分が差押書の送達前にされた場合には、第一項において準用する第六十八条第二項の規定にかかわらず、その処分をした時に差押えの効力が生ずる。
5税務署長は、停泊中の船舶若しくは航空機を差し押さえた場合又は第二項の規定により船舶若しくは航空機を停泊させた場合において、営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者並びにこれらにつき交付要求をした者及び抵当権その他の権利を有する者の申立てにより、航行を許可することができる。
国税徴収法 第71条(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え) 詳細ページ
(自動車、建設機械又は小型船舶の差押え)
第七十一条道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)の規定により登録を受けた自動車(以下「自動車」という。)、建設機械抵当法(昭和二十九年法律第九十七号)の規定により登記を受けた建設機械(以下「建設機械」という。)又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(以下「小型船舶」という。)の差押えについては、第六十八条第一項から第四項まで(不動産の差押えの手続及び効力発生時期)の規定を準用する。
2前条第三項及び第四項の規定は、自動車、建設機械又は小型船舶の差押えについて準用する。
3税務署長は、自動車、建設機械又は小型船舶を差し押さえた場合には、滞納者に対し、これらの引渡しを命じ、徴収職員にこれらの占有をさせることができる。
4第五十六条第一項(動産等の差押手続)、第五十八条(第三者が占有する動産等の差押手続)及び第五十九条(引渡命令を受けた第三者等の権利の保護)の規定は、前項の規定により徴収職員に自動車、建設機械又は小型船舶を占有させる場合について準用する。
5徴収職員は、第三項の規定により占有する自動車、建設機械又は小型船舶を滞納者又はこれらを占有する第三者に保管させることができる。この場合においては、封印その他の公示方法によりその自動車、建設機械又は小型船舶が徴収職員の占有に係る旨を明らかにしなければならないものとし、また、次項の規定により自動車の運行、建設機械の使用又は小型船舶の航行を許可する場合を除き、これらの運行、使用又は航行をさせないための適当な措置を講じなければならない。
6徴収職員は、第三項又は前項の規定により占有し、又は保管させた自動車、建設機械又は小型船舶につき営業上の必要その他相当の理由があるときは、滞納者並びにこれらにつき交付要求をした者及び抵当権その他の権利を有する者の申立てにより、その運行、使用又は航行を許可することができる。
出

一次情報

原文ママ

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