刑事訴訟法 / テーマ別まとめ

総則/期間

期間の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

刑事訴訟法上の期間は、時間・日・月・年のどれで計算するかによって起算点の扱いが異なり、末日が休日等に当たる場合の取扱いも定められています。また、訴訟行為をする者の所在地と裁判所・検察庁との距離や交通通信の事情によって、法定期間を延長できる場合があります。

期間の計算・伸長の取扱い
区分取扱い
時間で計算する期間即時から起算
日・月・年で計算する期間初日は算入しない
時効期間の初日時間を問わず一日と計算
月・年の計算暦に従って計算
末日が日曜等の休日期間に算入しない
時効期間の末日が休日算入しない扱いは適用されない
法定期間の伸長距離・交通通信の便否で延長可
宣告した裁判の上訴提起期間伸長の対象外
  • 末日を算入しない休日には、日曜・土曜のほか国民の祝日、1月2日・3日、12月29日~31日も含む(55条3項)
  • 時効期間については、末日が休日等でも期間に算入しない扱いは適用されない(55条3項ただし書)
  • 法定期間の伸長の基準(距離・交通通信の便否)は裁判所の規則で定める(56条1項)
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期間

期間について、条文は何を定めているか。

第55条期間の起算点と末日の扱いを定める3項判例 4件
  • 時間計算は即時から起算し、日・月・年計算は初日を算入しない
  • 時効期間の初日は時間を問わず一日として計算する
  • 月・年は暦に従って計算し、末日が休日等なら算入しない(時効期間を除く)
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第56条法定期間は距離等により延長できる2項判例 5件
  • 住居・事務所と裁判所・検察庁の所在地との距離や交通通信の便否で延長可能
  • 延長の基準は裁判所の規則で定める
  • 宣告された裁判に対する上訴提起期間には適用されない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第55条刑事訴訟法

訴訟費用の負担を命ずる裁判が不服申立期間の満了により確定した場合における刑訴法第五〇〇条第二項所定の申立期間の起算点。

裁判要旨刑訴法第五〇〇条第二項所定の訴訟費用執行免除申立期間は、訴訟費用の負担を命ずる裁判が不服申立期間の満了により確定した場合には、その満了日の翌日午前零時から進行し、初日もまる一日としてこれに算入される。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和40年8月2日 昭和40(せ)90
登載
刑集 第19巻6号609頁
参照法条
刑訴法500条2項,刑訴法55条1項
論点2第55条刑事訴訟法

上告棄却決定謄本が本人と弁護人との双方に日を異にして送達された場合と異議申立期間の起算日

裁判要旨上告棄却決定の謄本が、本人と弁護人との双方に日を異にし本人に先に送達された場合における異議申立の期間は、本人に送達された日から起算すべきである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和32年5月29日 昭和32(す)390
登載
刑集 第11巻5号1576頁
参照法条
刑訴法414条,刑訴法386条2項,刑訴法55条1項,刑訴規則34条
論点3第55条刑事訴訟法

控訴提起期間の末日が「文化の日」にあたる場合に不成立として棄却した違法は法四〇六条の上告受理申立の理由となるか

裁判要旨記録を調査するに、原判決の違法であるとはまことに所論のとおりであるから、刑訴四一一条〈上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反する…〉四一三条〈前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこ…〉により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。註。本件は原審が控訴申立期間の最終日が国民の祝日に関する法律により一般の休日と指定された文化の日に当るとを看過して控訴棄却の判決をしたと見られるのであるがこれを右法律の解釈を誤つたとして上告を受理して破棄したものである。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和29年5月14日 昭和29(あ)1101
登載
集刑 第95号403頁
参照法条
刑訴法373条,刑訴法395条,刑訴法55条3項,刑訴法406条,国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)2条,刑訴規則257条
論点4第55条刑事訴訟法

一 刑訴規則第五九条に違反する勾留更新決定書中の更新日の不明瞭な記載と右決定の効力
二 勾留期間満了の日の算出方法
三 被告人が保釈出所をした場合の勾留残存期間の算出方法
四 勾留の残存期間満了の日の算出方法

裁判要旨一 所論勾留更新決定書中の更新日の記載が不明瞭であることは所論のとおりであつて、右は「八」の文字と「七」の文字とを重複記載していることは右記載自体から窺われるのであるが、これを二八日と判読するべきか或はこれを二七日と判読すべきかはかかる文字の記載だけから断定することは困難であつて、かかる記載が刑訴規則第五九条に違反するものであることはいうまでもない。しかし本件勾留更新は九月二八日から行わるべきものであることは前説示のとおりであるから、右勾留更新決定書中の更新日は二八日と記載されたものであると解するのを相当とする。従つて、更新日の記載が前示のように明瞭でないからといつて、右更新決定を無効であるとすることはできない。
二 記録を調査するに本件勾留の起算日は昭和二四年四月二二日(公訴の提起があつた日)であるからそのまま勾留されていれば六月二一日が勾留期間満了の日にあたるのであるが被告人は四月二八日まで勾留され同日保釈決定により釈放されたので四月二九日から勾留期間を暦に従つて算出すれば、五月二八日で一ケ月となり、五月の残存日の三日と六月の残存日の二一日を加算して残存期間は一ケ月二四日となるのである。しかるに被告人は八月四日に再び収監されたのであるから八月四日から右残存期間一ケ月二四日を暦に従つて算出すれば九月二七日が右残存期間の満了日にあたることは計算上明白である。

(抗告人は原審で前示残存期間を日数に換算して五四日と計算し残存期間の満了日を九月二六日であると主張するが前記のように暦に従つて計算すべきであるからその主張は理由がない)従つて、本件勾留の更新は九月二八日から行われるべきものであるから原決定の勾留期間の計算は正当である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年4月27日 昭和25(し)11
登載
刑集 第5巻5号957頁
参照法条
刑訴規則59条,刑訴法60条2項,刑訴法55条2項,民法143条2項
論点5第56条刑事訴訟法

一 間接国税犯則者処分法第二条により裁判官の発した臨検捜索許可状および差押許可状と憲法第三五条にいわゆる「令状」
二 間接国税に関する犯則事件を調査するため数名の収税官吏が共同してした質問および共同して作成した顛末書の適否

裁判要旨一 裁判官が間接国税犯則者処分法(昭和二二年法律第二九号による改正法律)第二条により発した臨検捜索許可状、および差押許可状は、憲法第三五条にいわゆる「令状」にあたる。
二 収税官吏が間接国税犯則者処分法(昭和二二年法律第二九号による改正法律)第一条第一項により質問し、同法第一〇条により顛末書を作成するにあたり、数名の収税官吏が共同して質問し、共同して顛末書を作成しても、必ずしも違法無効ではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和27年7月11日 昭和24(れ)2590
登載
刑集 第6巻7号890頁
参照法条
間接国税犯則者処分法(昭和22年法律29号による改正法律)2条,間接国税犯則者処分法(昭和22年法律29号による改正法律)1条1項,間接国税犯則者処分法(昭和22年法律29号による改正法律)10条,憲法35条,旧刑訴法56条,旧刑訴法58条
論点6第56条刑事訴訟法

送達告知された決定と刑訴法第五六条第二項適用の有無

裁判要旨しかのみならず、所論刑訴法第五六条第二項の規定(なお刑訴規則六六条二項参照)は、本件のような到達告知の場合には適用がない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和26年9月6日 昭和26(し)36
登載
刑集 第5巻10号1907頁
参照法条
刑訴法56条2項,刑訴規則66条2項
論点7第56条刑事訴訟法

一 旧刑訴法第一三九条但書の司法警察吏の立会と該立会人の署名捺印なき調書の効力
二 刑訴応急措置法に基く逮捕状により逮捕された被疑者に対する司法警察官の訊問調書の証拠能力

裁判要旨一 旧刑訴法第一三九条但書は司法警察官訊問を為す場合においては司法警察吏をして立会わしむべしと規定しているのであるが、立会人が調書に署名捺印すべき規定はないのであるから立会人の署名捺印がないからといつてその調書は同条の規定に違反して無効であると解することはできない。
二 刑訴応急措置法に基く逮捕状の執行による被疑者逮捕の場合には同法第八条第四号の規定により同条第三号掲記の旧刑訴第一二七条〈第百十一条、第百十二条、第百十四条及び第百十八条の規定は、前条の規定により検察事務官又は司法警察職員がする捜索についてこ…〉及び第一二九条〈検証については、身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊その他必要な処分をすることができる。〉所定の手続を準用し逮捕された被疑者を受け取つた司法警察官はその被疑者を訊問することができることは当裁判所の判例(昭和二四年(れ)第七七六号同二六年三月二八日大法廷判決)とするところであるから所論訊問調書は適法で証拠能力を有する。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月6日 昭和24(れ)2600
登載
集刑 第49号327頁
参照法条
旧刑訴法56条,旧刑訴法58条,旧刑訴法71条,旧刑訴法139条但書,刑訴応急措置法8条
論点8第56条刑事訴訟法

一 犯人が被告人であることの證據が自白のみである場合の正否
二 犯罪の動機等を被告人の自白及び取調警察官の供述によつて認定することの可否
三 自白の強要を認定し得ない一事例
四 自白の強要を認定し得ない事例
五 證人が自己の證言を補充するために差し出した書面と證人尋問調書との關係
六 犯行の動機の一部を證據によらずして認定した違法と上告理由

裁判要旨一 原審は被告人の自白のみならず多くの證據を綜合して判示事實を認定したのであつて、自白と原審舉示の他の證據とを綜合すれば原審認定の犯行事實を認定することが出來る。かかる場合犯人が被告人であることの證據が自白のみであつても違憲違法ではない。
二 殺人の動機及殺人に到るまでの被告人の心理的推移過程は、被告人の公判廷外の自白と被告人を取り調べた警察官の供述によつて認定しても違法ではない。
三 被告人の取調にあたつた司法警察官の作成した「殺人事件取調状況について」と題する記録編綴の書面中に、數日來犯行を否認していた被告人に對して」只今から捜査會議を始めるが取調にあたつている者は殆んど犯人は君だと信じている」とか唾液鑑定の結果によつては「否認しても無駄である」とか「自供が送れる程被告人に不利である」と繰り返し説得し眞相を追及した旨の記載があることだけで被告人の自白が強要によつたものと認定することはできない。
四 被告人が第一、二審公判廷で、警察での自白は取調官からアゝではないかコウではないかと問い詰められ強激な堪えられぬ苦痛を受けたので、取調官の云わるまゝ答えて了つたものでそれは皆事實に反すると供述したことだけで、直ちに自白が強要によつたものと斷定することはできない。
五 證人尋問調書に當該證人が自己の證言を補充するため書面を差し出し裁判長がこれを同調書の末尾に添付すると告げた旨の記載があり、且つ同調書と該書面との間に同調書作成者の契印が押してあるときは、右書面は同尋問調書の一部をなすものと認められる。
六 證據によらずして事実を認定した違法があつても、その事實が犯罪の動機として極めて輕微且つ間接の遠因に過ぎないため判決に影響を及ぼすべきものとは到底官考えられない場合には上告の理由とならない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和24年11月2日 昭和23(れ)1382
登載
刑集 第3巻11号1691頁
参照法条
憲法38条3項,憲法38条1項,旧刑訴法337条,旧刑訴法56条,旧刑訴法71条2項,旧刑訴法336条,旧刑訴法409条
論点9第56条刑事訴訟法

一 憲法第三三條違反と上告理由
二 留置の際その理由及び辯護人を選任することを得る旨を告げられなかつた場合と上告理由
三 裁判官の令状なき押收搜索と上告理由
四 採證の用に供しない自白強制の主張と上告理由
五 採證の用に供しない被告人の訊問調書を讀み聞かせなかつた場合と上告理由
六 警察官に對する強制自白と同一内容の自白を公判廷において任意にした場合と間接強制の有無
七 證據の取捨選擇の自由と採證の法則
八 第一審に對する非難と上告理由の適否
九 窃取した物の數量の一部を自白のみによつて認定した場合と刑訴應急措置法第一〇條第三項
一〇 地方專賣局煙草取扱所の監視人が葉煙草を不法領得した行爲と窃盜罪の成否
一一 從犯と正犯の區別

裁判要旨一 假りに被告人が逮捕状なくして、警察に出頭せしめられたとしても、それは原判決が事實を認定するために採用した證據と關係なく、從つて原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、上告の理由となすことのできないものである。
二 假りに被告人が警察に留置せられるに當り、留置の理由及び辯護人を選任することが出來る旨を告げられなかつたとしても、それは原判決が事實を認定するために採用した證據と關係なく、從つて原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、上告の理由となすことのできないものである。
三 假りに被告人が現行犯でない本罪に付いて裁判官の令状なく押收、搜索を受けたものであるとしても、それは原判決が事實を認定するために採用した證據と關係なく、從つて原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、上告の理由となすことのできないものである。
四 假りに被告人が警察で強制的に自白せしめられたとしても、その自白を證據に採つて居ない限り、それは原判決が事實を認定するために採用した證據と關係なく、從つて原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、上告の理由となすことのできないものである。
五 假りに被告人の訊問調書を被告人に讀み聞かせなかつたとしても、それは原判決が事實を認定するために採用した證據と關係なく、從つて原判決に影響を及ぼさないこと明白であるから、上告の理由となすことのできないものである。
六 假りに被告人の警察官に對する供述が強制によるものであり、且つ公判廷における自白の内容がそれと全然同じであつたとしても、後者は何等強制を加えられないで任意に爲されたものであるから、これを間接の強制とは斷言できない。
七 證據の取捨選擇は原審の自由裁量權に屬する事項であるから、既に原審が採用した證據だけで判示事實を認定するに充分である以上、それに關係のない他の點はこれを不問に付し、又この點を證明するための證人の申請を却下したとしても、採證の法則の違反は審理不盡の違法があるということにはならない。
八 論旨一の中には、第一審に對する非難を含んでいるが、上告は第二審に對してなされるべきものであるからこれは上告理由となし得ないものである。
九 刑訴應急措置法第一〇條第三項は、被告人の自白のみを證據としてこれを有罪とすることを禁じているけれども、犯罪事實の細部に亘つて悉く自白以外の補強證據を必要とする趣旨ではないから、本件のように窃盜の事實の概要が既に、補強證據によつて認められた場合に窃取した物の數量の一部分につき自白のみによつてこれを認めても差支えない。
一〇 地方專賣局煙草取扱所の監視人が取扱所の保管する政府所有の葉煙草を領得した行爲は横領罪でなくして窃盜罪である。
一一 原判決が被告人はB及びCの手足又は機械として動いたものであるとの認定をしていないことは、判文上明らかである。從つて原判決が被告人の所爲を、窃盜從犯でなくて窃盜正犯に該當するものと判斷したことは何等の違法も存しない。
裁判
最高裁判所大法廷 昭和23年11月5日 昭和23(れ)61
登載
刑集 第2巻12号1473頁
参照法条
憲法33条,憲法34条,憲法35条1項,憲法38条2項,憲法38条,刑訴法411条,刑訴法56条3項,刑訴法337条,刑訴法344条,刑訴法408条,刑訴応急措置法6条1項,刑訴応急措置法7条2項,刑訴応急措置法10条2項,刑訴応急措置法10条3項,刑法253条,刑法235条,刑法60条,刑法62条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑事訴訟法 第55条 詳細ページ
第五十五条期間の計算については、時で計算するものは、即時からこれを起算し、日、月又は年で計算するものは、初日を算入しない。但し、時効期間の初日は、時間を論じないで一日としてこれを計算する。
2月及び年は、暦に従つてこれを計算する。
3期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律(昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日又は十二月二十九日から十二月三十一日までの日に当たるときは、これを期間に算入しない。ただし、時効期間については、この限りでない。
刑事訴訟法 第56条 詳細ページ
第五十六条法定の期間は、裁判所の規則の定めるところにより、訴訟行為をすべき者の住居又は事務所の所在地と裁判所又は検察庁の所在地との距離及び交通通信の便否に従い、これを延長することができる。
2前項の規定は、宣告した裁判に対する上訴の提起期間には、これを適用しない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。