論点1第256条刑法
賍物故買罪の成立と賍物の所有権取得の要否
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和59年12月20日 昭和59(あ)1073
- 登載
- 集刑 第238号379頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
論点2第256条刑法
一 賍物寄蔵の公訴事実につき賍物性の未必的認識を認めた原判断に事実誤認があるとして破棄自判(無罪)された事例
二 控訴審における予備的訴因追加の適否につき意見が付された事例
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年2月24日 昭和56(あ)1354
- 登載
- 集刑 第230号161頁
- 参照法条
- 刑法256条,刑訴法411条3号,刑訴法413条但,刑訴法312条,刑訴法400条,刑訴法404条
論点3第256条刑法
保管の途中で賍物であることを知り保管を継続する場合と賍物の寄蔵
裁判要旨賍物であることを知らずに物品の保管を開始した後、賍物であることを知るに至つたのに、なおも本犯のためにその保管を継続するときは、賍物の寄蔵にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和50年6月12日 昭和49(あ)1161
- 登載
- 刑集 第29巻6号365頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
論点4第256条刑法
法定刑超過の原判決を破棄した事例(非常上告事件)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和46年12月21日 昭和46(さ)4
- 登載
- 集刑 第182号509頁
- 参照法条
- 刑訴法458条,刑法256条
論点5第256条刑法
公訴事実の同一性を認められた事例。―詐欺の本位的訴因と賍物牙保の予備的訴因―
裁判要旨一 本件記訴状記載の詐欺の事実と予備的訴因追加請求書掲記の賍物牙保の事実との間に公訴事実の同一性を認めた原判断を相当と認める。
二 (原判断の要旨)詐欺の本意的訴因と賍物牙保の予備的訴因の両者が構成要件、罪名を異にし、前者は甲を被害者とする金員騙取の行為であるのに対し後者は乙会社が遺失物に対して有する追及回復の権利を侵害する行為であつて、両者は被害者及び被害法益を異にし一見恰も公訴事実の同一性を害するもののようであるが、後者において第一ないし第四に分割されている各賍物牙保罪を通じてその基本に存する事実関係が、後者における検察官の罪数的評価にもかかわらず前者の事実関係と全面的に重畳融合していることは、いずれの事実関係も丙が本件小切手を拾得したことに縁由し、被告人から第一審相被告人A、B、Cに順次右小切手の割引換金の依頼承諾がなされ、いずれも右小切手の正当に入手されたものでないことを知りながら敢てなした右一連の依頼承諾に基づき、究極において甲から割引換金を受けたというに帰するのであり、被告人及びA、B、C三名の現実の行為はその内容、日時、場所等同一であつて、この同一の事実関係を本位的訴因は詐欺罪に該るものと評価し、予備的訴因は賍物牙保罪に該るものと評価するに過ぎないのであつて、畢竟両者は基本的事実関係を同じくするものというべく公訴事実の同一性において欠くるところはない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年4月22日 昭和37(あ)2463
- 登載
- 集刑 第151号67頁
- 参照法条
- 刑法246条,刑法256条2項,刑訴法312条,刑訴法256条
論点6第256条刑法
賍物牙保罪が成立するためには賍物の売買が成立することを要するか。
裁判要旨いやしくも賍物たるの情を知りながら賍物の売買を仲介周旋した事実がある以上、その周旋にかかる賍物の売買が成立しなくとも、賍物牙保罪の成立をさまたげるものでない(昭和二三年一一月九日第三小法廷判決、刑集二巻一二号一五〇四頁、同二六年一月三〇日同小法廷判決、刑集五巻一号一一七頁各参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年2月28日 昭和37(あ)2414
- 登載
- 集刑 第150号579頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
論点7第256条刑法
窃盗幇助をした者がその賍物を故買した場合の罪数。
裁判要旨窃盗幇助をした者がその賍物を故買した場合には、窃盗罪と賍物故買の二罪が成立すると解するを相当する(昭和二四年(れ)第一五〇六号同年一〇月一日第二小法廷判決、刑集三巻一〇号一六二九頁・昭和二七年(あ)第五四四〇号同二八年三月六日第二小法廷判決、裁判集七五号四三五頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和39年12月17日 昭和39(あ)904
- 登載
- 集刑 第153号699頁
- 参照法条
- 刑法325条,刑法62条1項,刑法256条2項,刑法45条前段
論点8第256条刑法
公訴事実の同一性ありと解された事例。―勾留状の被疑事実(窃盗)と起訴状の公訴事実(賍物故買)―
裁判要旨所論勾留状の被疑事実(窃盗)と所論起訴状の公訴事実(賍物故買)との間には、公訴事実の同一性ありと解するのが相当である。注、所論の
(勾留状の被疑事実)被疑者は昭和三五年八月一六日午前一一時頃より同日午後四時〇分頃迄の間東京都品川区abの)c番地通信員A方において同人所有に係る現金六千円及びトランジスターラジオ(時価金八千円相当)一台並びに振袖(鶴とささ梅模様)一点外衣類四一点時価合計金二七万壱千円相当を窃取したものである。
(起訴状の公訴事実)第一、被告人Bは昭和三五年八月一六日頃東京都品川区ae丁目c番地A方において同人所有のトランジスターラジオ一台及び女物袷着物四〇点(時価合計約二六万五千円相当)を窃取し。第二、被告人Cは昭和三五年八月一九日頃東京都墨田区d町g丁目f番地h荘内D方においてBより同人が前記第一記載の通り窃取した来た前記トランジスターラジオ一台及び女物袷着物等四〇点をそれが賍品である事を知り乍ら代金約三万円で買取り以つて賍物を故買したものである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和38年7月25日 昭和36(あ)2837
- 登載
- 集刑 第147号863頁
- 参照法条
- 刑法235条,刑法256条2項,刑訴法64条,刑訴法256条,刑訴法312条
論点9第256条刑法
終戦時米占領軍により投棄されて海底にある旧日本軍所属の爆発物件等の所有権の帰属。
裁判要旨終戦時日本政府から引渡され、引渡と同時に連合国の所有となつた旧日本軍所属の一切の兵器、爆薬、爆発物等のうち、連合国たる米占領軍により、作戦上の敵対行為の一時的抑制ないし危険性の除去手段として、海中に投棄された本件爆発物件等は、投棄後も依然として連合国の所有に属していたもので、昭和二七年四月二八日講和条約の発効後は日本政府に全面的に返還され、爾来海底有姿のまま日本国の所有に帰したものである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年5月10日 昭和35(あ)2154
- 登載
- 刑集 第17巻4号261頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
論点10第256条刑法
刑法第二五七条第一項〈親族等の間の犯罪に関する特例〉の法意。
裁判要旨刑法
第二五七条第一項〈親族等の間の犯罪に関する特例〉は、本犯と賍物に関する犯人との間に同条項所定の関係がある場合に、賍物に関する犯人の刑を免除する旨を規定したものであり、賍物に関する犯人相互の間に右所定の関係があつてもその刑を免除すべき事由とはならない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和38年11月8日 昭和38(あ)1310
- 登載
- 刑集 第17巻11号2357頁
- 参照法条
- 刑法257条1項,刑法256条
論点11第256条刑法
賍物の牙保者がその売却代金を着服した場合と横領罪の成否。
裁判要旨窃盗犯人から賍物の牙保を依頼されてその交付を受けた牙保者が、その売却代金をほしいままに着服した場合は、横領罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和36年10月10日 昭和33(あ)319
- 登載
- 刑集 第15巻9号1580頁
- 参照法条
- 刑法256条,刑法252条
論点12第256条刑法
既遂後の窃盗犯人と共同して賍物を運搬した者の罪責。
裁判要旨既遂後の窃盗犯人と共同して賍物を運搬した者は、本犯が賍物罪に問われなくても、賍物運搬罪の責を免れない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和35年12月22日 昭和32(あ)2418
- 登載
- 刑集 第14巻14号2198頁
- 参照法条
- 刑法256条2項,刑法60条
論点13第256条刑法
刑法第二五六条第二項〈盗品譲受け等〉にいう「寄蔵」の意義。
裁判要旨刑法
第二五六条第二項〈盗品譲受け等〉にいう「寄蔵」とは、委託を受けて本犯のために賍品を保管することをいう。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和34年7月3日 昭和33(あ)2309
- 登載
- 刑集 第13巻7号1099頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
論点14第256条刑法
賍物罪の成立と民法第一九二条。
裁判要旨賍物に対する罪は、被害者が民法の規程によりその物の回復を請求する権利を失わない以上、その物につき成立し得る。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和34年2月9日 昭和31(あ)3533
- 登載
- 刑集 第13巻1号76頁
- 参照法条
- 刑法256条,民法192条,民法193条
論点15第256条刑法
森林賍物に関する罪と刑法第二五七条。
裁判要旨森林法第二〇一条に定める森林賍物に関する罪についても、刑法
第二五七条〈親族等の間の犯罪に関する特例〉の適用がある。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年7月11日 昭和30(あ)3518
- 登載
- 刑集 第12巻11号2518頁
- 参照法条
- 森林法201条,刑法257条,刑法256条
論点16第256条刑法
公訴事実の同一性を欠く一事例
裁判要旨「被告人は昭和二七年一二月三〇日頃の午後一一時半頃肩書自宅において、Aが川崎市aB化学工業株式会社工場内より同工場長某の管理にかかる銅製艶付板三二枚(価格九万六千円相当)を窃取するに際し、同人から例の銅板を会社から持出すからリヤカーを貸して呉れと頼まれてこれを貸与しよつて同人の右窃盗の犯行を容易ならしめて幇助した」との窃盗幇助の公訴事実と、「被告人は昭和二七年一二月三一日頃肩書自宅において、Aから、同人が他より窃取して来たものであることの情を知りながら、銅製艶付板三二枚(価格九万六千円相当)を金三万円で買受け賍物の故買をした」との賍物故買の事実との間には、公訴事実の同一性がない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年2月21日 昭和30(あ)212
- 登載
- 刑集 第12巻2号288頁
- 参照法条
- 刑訴法312条1項,刑法235条,刑法256条2項
論点17第256条刑法
一 賍物運搬罪の成立する事例。
二 伝聞証言に証拠能力の認められる事例。
裁判要旨一 賍品を場所的に移転して、被害者の同品に対する権利の実行を困難ならしめた以上、これを運んだ距離にさほど遠くないものがあつても、賍物運搬罪は成立する。
二 第一審公判における検察官側の証人甲の証言中に、乙の供述を内容とするいわゆる伝聞部分があつても、同証言に際し被告人側から異議の申立があつた形跡がないばかりでなく、乙はすでに当時の記憶を全く喪失しており、第二審の際は所在不明となつていることが窺われるときは、第一審公判調書中の右の伝聞証言を証拠とすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年10月24日 昭和31(あ)740
- 登載
- 刑集 第12巻14号3368頁
- 参照法条
- 刑法256条2項,刑訴法394条,刑訴法326条,刑訴法324条2項,刑訴法321条1項3号
論点18第256条刑法
一 関税法による没収および追徴の性質
二 関税法の没収および追徴の規定の趣旨
三 想像的競合の関係にある数罪の処断と、没収または追徴の附加
裁判要旨一 昭和二七年法律第一九八号による改正後の関税法第八三条による没収および追徴は、国家が同法規に違背して輸入したる貨物またはこれに代るべき価額が犯則者の手に存在することを禁止し、もつて密輸入の取締を厳に励行せんとする趣旨に出たものであつて、被告人をして不正の利益を獲得せしめざるがため、これを剥奪することを本旨とするものではない。
二 右同条の規定は、刑法
第一九条〈没収〉および
第一九条の二〈追徴〉の規定に対する特則であつて、いわゆる必要的没収または追徴を定めたものである。
三 想像的競合の関係にある数罪が刑法第五四条第一項前段の規定により、その最も重い刑をもつて処断される場合においては、その最も重い罪について没収または追徴を附加すべき旨の規定がないときでも、その他の罪につきその旨の規定が存する限り、これを附加することができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和32年7月19日 昭和29(あ)3590
- 登載
- 刑集 第11巻7号1996頁
- 参照法条
- 憲法29条,憲法31条,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)75条,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)76条ノ2,関税法(昭和27年法律198号による改正後のもの)83条,刑法19条,刑法19条ノ2,刑法10条,刑法49条,刑法54条,刑法256条2項
論点19第256条刑法
窃盗の訴因と賍物牙保の訴因との間に公訴事実の同一性が認められる一事例
裁判要旨「被告人は昭和二五年一〇月一四日項、静岡県長岡温泉Aホテルにおいて宿泊中のBの所有にかかる紺色背広上下一着、外雑品数点を窃取した」との窃盗の訴因と、「被告人は賍物たるの情を知りながら、同月一九日頃東京都内において自称Bから右紺色背広上下一着の処分方を依頼され、同日同都豊島区池袋a丁目Y方においてこれを質入れ牙保した」との賍物牙保の訴因とは、公訴事実の同一性の範囲内に属する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和29年5月14日 昭和27(あ)4155
- 登載
- 刑集 第8巻5号676頁
- 参照法条
- 刑訴法314条1項,刑訴法314条4項,刑法235条,刑法256条2項
論点20第256条刑法
判決に罰金等臨時措置法の適用を示すことの要否
裁判要旨罰金等臨時措置法施行後の犯罪について同法をも適用処断するにあたつては同法の適用を必ずしも常に示す必要がない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和27年10月2日 昭和26(あ)3976
- 登載
- 刑集 第6巻9号1097頁
- 参照法条
- 罰金等臨時措置法2条,罰金等臨時措置法3条,刑法256条,刑訴法335条
論点21第256条刑法
窃盗と賍物牙保との公訴事実の同一性の有無に関する判例違反の主張の適否―原判決言渡後の判例と刑訴法第四〇五条第二号
裁判要旨論旨は、窃盗と賍物牙保とがその日時、場所において近接し、対象となる賍物も同一である場合には、基本的事実関係は同一と解すべきであるとして旧刑訴法の適用される事件についての公訴事実の同一性に関する当裁判所の判例を挙示し、原判決は、これら判例と相反する判断をしたものであると主張しているもののようである。論旨挙示の判例中昭和二五年(れ)同二七五号同年六月三〇日第二小法廷判決は、原判決の宣告された後の判例であるから、これを除外し(なお右判決も従来の判例を変更したものではない)その他の判例に照して見ても原判決は窃盗と賍物牙保とは常に公訴事実の同一性がないとか或は犯罪の日時場所が隔つている場合には公訴事実の同一性がないとか判断したのではなく、基本的事実関係が同一でないから公訴事実の同一性がないと判断したに止まるのであるから、その理論においてはこれらの判例と相反する判断をしたことにならないのである。(昭和二五年(あ)第八四号同年二月二一日第三小法廷判決参照)
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和26年2月6日 昭和25(あ)1851
- 登載
- 集刑 第40号245頁
- 参照法条
- 刑法235条,刑法256条2項,刑訴法256条,刑訴法312条,刑訴法405条2号
論点22第256条刑法
記録中に起訴状が現存しない場合における公訴提起の立証
裁判要旨公訴の規定は書面による要式行為であるが、それは一旦適式されれば足るのであつて必ずしも常にかかる書類の現存することを絶対的要件とするものではない。そうして書面に公訴の提起その他公判期日外の訴訟手続の有無及び適否については刑訴
第五二条〈一部に大赦があった場合の措置〉の制限なく他の資料による立証をもとにより妨げられるものではないと解すべきである。然るに原判決挙示の各書類を綜合すれば本件被告人に対し被告人及び犯罪事実を特定した適式な起訴状による公訴の提起があつたこと明らかである。なお記録編綴の所論起訴状謄本の写はこれによつて公訴の提起がなされたものではなく唯単に本件公訴提起手続が適法になされたことの証明資料として添付されたものに過ぎない。以上の次第であるから本件につき適法な公訴の提起のあつたことを認めた原判決の判断は正当である。されば所論憲法違反の論旨は既にその前提において理由のないこと明らかである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和26年2月6日 昭和25(あ)860
- 登載
- 集刑 第40号239頁
- 参照法条
- 刑法52条,刑法256条1項
論点23第256条刑法
一 賍物である連合国占領軍の財産をその情を知りながら買い受けて所持する場合の罪責
二 追公判請求書と題する書面の提出があつても別個の控訴提起と認められない場合
裁判要旨一 昭和二二年政令第一六五号
第一条第一項〈国内犯〉に違反して連合国占領軍の財産を買い受けこれを所持する場合に、その財産が賍物であり、その情を知りながらこれを買い受けたのであれば、右政令違反の罪と賍物故買罪とが成立し、刑法
第五四条第一項〈一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理〉前段にいう一個の行為で数個の罪名に触れる場合に該当する。
二 検察官が、前記昭和二二年政令第一六五号
第一条第一項に違反する連合国占領軍財産の所持について控訴を提起したのち、右所持を始めるに至つたその財産の買受行為について、それが賍物の故買であるとして追公判請求書と題する書面を提出した場合には、これによつてさらに別個の公訴を提起したものではなく、前の公判請求書の内容を補充する趣旨でこれを提出したにすぎないものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和26年2月20日 昭和25(れ)1126
- 登載
- 刑集 第5巻3号403頁
- 参照法条
- 昭和22年政令165号1条1項,昭和22年政令3条,昭和22年政令165号3条,刑法256条2項,刑法54条1項,旧刑訴法364条4号
論点24第256条刑法
一 満一五歳又は満一六歳の未成年者の供述の証拠能力
二 刑法第二四四条〈親族間の犯罪に関する特例〉と賍物
裁判要旨一 満一五才又は満一六才の未成年者であるというだけで事理を弁える能力がないということはできないのであるから、これらの者の供述は証拠能力を欠くものではない。その供述を信用し得るものとして証拠として採用するか否かは事実審たる裁判所の自由裁量に委ねられている問題である。
二 刑法
第二四四条〈親族間の犯罪に関する特例〉は、同条所定の者の間において行われた窃盗罪及びその未遂罪に関しその犯人の処罰につき特例を設けたに過ぎないのであつて、その犯罪の成立を否定したものではないから、右窃盗罪によつて奪取された物は賍物たる性質を失わない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和25年12月12日 昭和25(れ)1284
- 登載
- 刑集 第4巻12号2543頁
- 参照法条
- 旧刑訴法337条,刑法244条,刑法256条
論点25第256条刑法
窃盗の共犯として起訴せられ第一審が臟物運搬と認定し原審が窃盗の幇助と認定した場合と事実の同一性
裁判要旨裁判所は、その基本たる事実関係の同一性を害しない限り、公訴事実とその態様において異り、したがつて適用法条を異にする事実を認定することができるものである(昭和二三年れ第八三八号、同年一二月四日第二小法廷判決参照)。そして、所論の原判示事実は、窃盗の共犯として起訴せられ、第一審が臟物運搬と認定したのを、原審において窃盗の幇助と認定したものであり、起訴事実と原審認定事実とは、その基本たる事実関係において同一性を失わないことが明らかであるから、原判決には何等所論のような違法はない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和25年10月27日 昭和25(れ)1098
- 登載
- 集刑 第19号1051頁
- 参照法条
- 刑法60条,刑法235条,刑法256条,刑法62条,旧刑訴法291条,旧刑訴法410条18号
論点26第256条刑法
一 憲法第三八條第三項刑訴應急措置法第一〇條第三項の自白に補強證據を要するとする法意
二 犯罪事實の一部の證據が被告人の自白だけである場合と補強證據
三 賍物罪の成立に必要な賍物たることの認識の程度
四 罰金を完納できない者に對する勞役場留置とその金錢的換價率
五 金千圓の罰金不完納による勞役場留置期間を一日金二〇圓と定めたことの合憲性
裁判要旨一 憲法第三八條第三項及び刑訴應急措置法第一〇條第三項において「自己に不利益な唯一の證據が本人の自白である場合には有罪とされ」ないと規定した法意は、現實には犯罪が行われていないのに、被告人の架空は自白によつて犯罪が行われた如く虚構されて有罪とされる危險を防止するために、被告人を有罪とするには、自白のほかに自白の眞實に合致することを裏書するに足りる他の證據(補強證據)を必要とする趣旨を明らかにしたものである。
二 他の證據によつて犯罪が現實に行われた客觀的事實が裏書されて自白が架空のものでないことが確められる限り、たとい犯罪事實の一部の證據が被告人の自白だけであつてもこれらの證據と相まつて自白により犯罪事實を認定することは、法の許容するところと云わなければならない(昭和二二年(れ)第一五三號同二三年六月九日當裁判所大法廷判決參照)
三 贓物に關する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであつて、その物が何人のいかなる犯行によつて不法に領得されたかの具体的事實までをも認識することを要するものではない。
四 罰金刑の言渡を受けた者が罰金を完納することができない場合の勞役場における留置は、刑の執行に準ずべきものであるから(舊刑訴第五六五條、刑訴五〇五條)留置一日に相應する金錢的換價率は、必ずしも自白な社會における勤勞の報酬額と同率に決定されるべきものではない。
五 原審が被告人兩名において金千圓の罰金を完納することができないときは金二〇圓を一日に換算した期間被告人等を勞役場に留置すると言渡したことは、基本的人權と法の下における國民の平等を保障した憲法第一一條に反するものではない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和24年10月5日 昭和23(れ)1426
- 登載
- 刑集 第3巻10号1646頁
- 参照法条
- 憲法38条3項,憲法11条,刑訴応急措置法10条3項,刑法256条,刑法38条2項,刑法18条1項4項,刑法18条,旧刑訴法565条
論点27第256条刑法
一 賍物の對價として得た物を沒收するにはその對價を得た行爲が犯罪を構成することを必要とするか
二 刑訴法第三七三條の「被害者ニ還付スヘキ理由明白ナル」旨の判示の要否
三 賍物の對價として得た金錢は沒收し得るか
四 公定價格ある賍物の對價として得た金錢に對する被害者の交付請求權の範圍
裁判要旨一 所論のごとく物の對價を得た行爲(本件では賍物の賣買行爲)が犯罪を構成する場合でなければ、その對價の沒收の言渡ができぬと論ずるのは全くの獨斷である。犯罪行爲によつて得た對價を沒收するのであれば同項第三號によるのであつて、第四號によるのではない。そして第四號の對價を取得する行爲については、それが犯罪を構成することを要件とするものでないことは規定上も明らかである。
二 原審判決においては、賍物の對價として得た物を被害者から交付の請求があつたこと及びその適用法條は刑訴法第三七三條第二項であることを明示しているのであるから、所論のように被害者に還付すべき理由が明白である旨を特に説示しなくともその趣旨を判示していることは自明であると言わなければならぬ。
三 刑法第一九條第一項第四號の規定は獨立した沒收事由として追加規定せられたものであるから、同號を適用するのに前號所定の物が同條第二項の規定により沒收し得るものであることを前提とすべき理由は毫も存しない、それ故前記贓品の對價物たる押收金全額は、犯人以外の者に屬せざる限り沒收し得る譯である。
四 本件では刑訴第三七三條第二項の規定に基き贓物の對價物につき被害者から交付の請求があつた。普通の場合であつたならば、對價物の全部を被害者に還付すべきであろうが既に贓物は處分せられた後のことであるから、被害者が犯人に對して損害賠償として交付を請求し得るのは、法令の許容する價額を標準とすべきであり、從つて本件においては「みのり」千百個、「きんし」六千本に對する處分當時の公定價額三千二百四〇圓に相當する押收現金の還付であると言わねばならぬ。されば、原判決がこれを被害者に還付する言渡をなし、これを差引きたる押收金の殘額二萬四千五百九十五圓を沒收したのは正當である
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和23年11月18日 昭和23(れ)545
- 登載
- 刑集 第2巻12号1597頁
- 参照法条
- 刑法256条2項,刑法19条,刑法256条,刑訴法373条,刑訴法49条1項,刑訴法373条2号
論点28第256条刑法
窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする場合と盗品等処分あっせん罪の成否
裁判要旨窃盗等の被害者を相手方として盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は,刑法
256条2項〈盗品譲受け等〉にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成14年7月1日 平成13(あ)1728
- 登載
- 刑集 第56巻6号265頁
- 参照法条
- 刑法256条2項
論点29第257条刑法
刑法第二五七条第一項〈親族等の間の犯罪に関する特例〉にいう「同居」の意義。
裁判要旨刑法
第二五七条第一項〈親族等の間の犯罪に関する特例〉にいう「同居」とは、同一の場所で日常生活を共にするという意味であり、窃盗の本犯が賍物犯人の居宅に時々来訪して宿泊する事実があつても、定住性のない場合には、同居とはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和32年11月19日 昭和32(あ)1938
- 登載
- 刑集 第11巻12号3093頁
- 参照法条
- 刑法257条