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罪/出水及び水利に関する罪

出水及び水利に関する罪の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

出水(水害)によって建造物や乗り物などを浸害する行為と、水防・水利を妨害する行為を処罰する規定です。現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物等を浸害した場合は特に重く処罰され、それ以外の物を浸害した場合は公共の危険が生じたときに限り処罰されます。このほか、過失による浸害や、堤防の決壊・水門の破壊など水利妨害・出水の危険を生じさせる行為も別に処罰対象とされています。

出水及び水利に関する罪
条文行為公共の危険法定刑
119条現住建造物等を浸害不要死刑・無期・3年以上拘禁刑
120条非現住建造物等を浸害必要1年以上10年以下拘禁刑
121条水防用の物の隠匿・損壊等規定なし1年以上10年以下拘禁刑
122条過失により浸害対象による20万円以下の罰金
123条堤防決壊・水門破壊等規定なし2年以下拘禁刑又は20万円以下罰金
  • 120条は、浸害した物が自己所有でも、差押え・物権の負担・賃貸・配偶者居住権の設定・保険付保のいずれかに該当すれば1項と同様に処罰される。
  • 122条は、119条の物を浸害した場合は公共の危険の発生を要件とせず、120条の物を浸害した場合は公共の危険の発生が必要とされる。
  • 123条は、堤防決壊・水門破壊のほか「その他水利の妨害となるべき行為」「出水させるべき行為」も対象となる。
  • 121条・123条は、条文上、公共の危険の発生を要件としていない。
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出水及び水利に関する罪

出水及び水利に関する罪について、条文は何を定めているか。

第119条現住建造物等浸害人のいる建物等を浸水させる犯罪1項判例なし
  • 出水させて現に人が住む建物等を浸害すると成立
  • 法定刑は死刑・無期又は3年以上の拘禁刑
  • 公共の危険の発生は要件とされていない
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第120条非現住建造物等浸害住居に使われていない物を浸害する罪2項判例なし
  • 119条〈現住建造物等浸害〉の対象外の物を浸害し公共の危険を生じさせると成立
  • 法定刑は1年以上10年以下の拘禁刑
  • 自己所有物でも差押え・保険付保等の場合は同様に処罰
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第121条水防妨害水害時に水防を妨害する罪1項判例なし
  • 水防用の物を隠匿・損壊するなどして水防を妨害すると成立
  • 法定刑は1年以上10年以下の拘禁刑
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第122条過失建造物等浸害過失で浸害を生じさせた場合の罪1項判例なし
  • 119条〈現住建造物等浸害〉の物を過失で浸害すれば成立(公共の危険は不要)
  • 120条〈非現住建造物等浸害〉の物を過失で浸害し公共の危険を生じさせても成立
  • 法定刑は20万円以下の罰金
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第123条水利妨害及び出水危険水利を妨害し又は出水させる行為の罪1項判例 1件
  • 堤防決壊・水門破壊その他水利妨害となる行為をすると成立
  • 出水させるべき行為をした場合も成立
  • 法定刑は2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第123条刑法

一 いわゆる電源ストについて原判決に理由不備、事実誤認の疑があるとされた事例。
二 ピケツテイングについて理由のくいちがい、真実誤認の疑があるとされた事例。

裁判要旨一 本件電源ストにおいて被告人らが排水門、制水門を開放して水力発電所の用水を放流した積極的な所為が、電源職場における被告人ら従業員の労務提供義務不履行行為にあたる理由を説示するところなく無罪とした原判決は、理由不備ないし重大な事実誤認の疑がある。
二 原判決が一面ピケツテイングは平和的説得ないし団結の示威を建前とすると判示しながら、他面本件電源ストにおいて説得前すでに会社側臨時人夫ら非組合員の現場立入をスクラムによるピケツテイングにより阻止しても違法でないと判示したのは、理由にくいちがいがあるかまたは重大な事実誤認の疑がある。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和33年12月25日 昭和31(あ)3844
登載
刑集 第12巻16号3555頁
参照法条
刑法35条,刑法234条,刑法123条,刑訴法411条1号,刑訴法411条3号,労働組合法1条2項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

刑法 第119条(現住建造物等浸害) 詳細ページ
(現住建造物等浸害)
第百十九条出水させて、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の拘禁刑に処する。
刑法 第120条(非現住建造物等浸害) 詳細ページ
(非現住建造物等浸害)
第百二十条出水させて、前条に規定する物以外の物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
2浸害した物が自己の所有に係るときは、その物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され、又は保険に付したものである場合に限り、前項の例による。
刑法 第121条(水防妨害) 詳細ページ
(水防妨害)
第百二十一条水害の際に、水防用の物を隠匿し、若しくは損壊し、又はその他の方法により、水防を妨害した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
刑法 第122条(過失建造物等浸害) 詳細ページ
(過失建造物等浸害)
第百二十二条過失により出水させて、第百十九条に規定する物を浸害した者又は第百二十条に規定する物を浸害し、よって公共の危険を生じさせた者は、二十万円以下の罰金に処する。
刑法 第123条(水利妨害及び出水危険) 詳細ページ
(水利妨害及び出水危険)
第百二十三条堤防を決壊させ、水門を破壊し、その他水利の妨害となるべき行為又は出水させるべき行為をした者は、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。