論点1第1条刑法
一 刑法一条二項〈国内犯〉にいう「日本船舶」にあたるとされた事例
二 公海上における船舶覆没行為につき刑法一条二項により同法一二六条二項の規定の適用があるとされた事例
裁判要旨一 本件覆没行為の当時船舶法一条三号の要件を備えていたものと認められる本件船舶は、刑法
一条二項〈国内犯〉にいう「日本船舶」にあたる。
二 公海上で、日本船舶の乗組員が同船舶の船底弁を引き抜き海水を船内に浸入させて人の現在する船舶を覆没させた行為については、刑法
一条二項により同法一二六条二項の規定の適用がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和58年10月26日 昭和58(あ)498
- 登載
- 刑集 第37巻8号1228頁
- 参照法条
- 刑法1条,刑法126条,船舶法1条
論点2第1条刑法
連合国占領軍占領下における連合国人に対するわが刑法の効力と公訴権、裁判権の所在
裁判要旨わが国は被占領当時においても統治権を喪失したものではなく、わが刑法は当時日本国内において罪を犯した者に対しては、内外人たるを問わず、その効力を及ぼしたのであつて、ただ一時的に(昭和二一年二月一九日から同二五年一〇月三〇日までの間)連合国最高司令官の覚書によつて連合国人に対し公訴権並に裁判権の行使を停止せられていたに過ぎないのである。すなわち右期間内といえども、連合国人に対するわが刑法の効力は何ら害されることなく、これに対する公訴権、裁判権も単に一時的に制限を受けたにとどまり、潜在的にはその存在を失わなかつたものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和30年8月9日 昭和29(あ)4016
- 登載
- 集刑 第108号109頁
- 参照法条
- 刑法1条1項,ポツダム宣言7項,連合国最高司令官覚書(昭和21年2月19日付)「刑事裁判権の行使」,連合国最高司令官覚書(昭和25年10月18日付)「民事及び刑事裁判権の行使」
論点3第1条刑法
在日朝鮮人に対する日本の刑事裁判権
裁判要旨被告人両名の弁護人梅山実明の上告趣意は、憲法違反をいうが論旨においても認めているように何人を問わず日本国内において刑法所定の罪を犯した者に対し同法が適用されることは刑法一条が明らかに規定しているところであつて畢竟所論は右刑法の規定に反し朝鮮の国籍を有する被告人等に対する処罰の違法を主張するに帰し論旨は理由がない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和29年12月7日 昭和29(あ)2840
- 登載
- 集刑 第101号473頁
- 参照法条
- 刑法1条
論点4第1条刑法
正犯の実行行為が日本国内で行われた場合における日本国外で幇助行為をした者と刑法一条一項
裁判要旨日本国外で幇助行為をした者であっても、正犯が日本国内で実行行為をした場合には、刑法
一条一項〈国内犯〉の「日本国内ニ於テ罪ヲ犯シタル者」に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成6年12月9日 平成5(あ)465
- 登載
- 刑集 第48巻8号576頁
- 参照法条
- 刑法1条1項,刑法62条1項
論点5第2条刑法
保護観察付執行猶予中に大麻を所持したことなどを理由とする執行猶予取消決定に対する特別抗告において、大麻取締法の違憲をいう主張が欠前提とされた事例
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和63年5月2日 昭和63(し)45
- 登載
- 集刑 第249号573頁
- 参照法条
- 刑法26条の2号,刑法2条,大麻取締法24条の2号
論点6第3条刑法
一 刑訴法第二条にいう「現在地」の意義
二 国外において俘虜の管理にあたり日本人がその権限を逸脱して行つた逮捕監禁の罪とわが科刑権、裁判権
裁判要旨一 刑訴
第二条〈すべての者の国外犯〉にいう「現在地」とは、被告人が公訴提起の当該任意又は適法な強制によつて現在する地域をいう
二 国外において俘虜の管理に当り日本人が正当行為の範囲を逸脱して行つた逮捕監禁の所為については、わが科刑権及び、我が国が事実上、裁判権を行使できる状態になればこれを処罰することができる
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和28(あ)1683
- 登載
- 刑集 第12巻8号1535頁
- 参照法条
- 刑訴法2条,刑訴法338条1号,刑法4条,刑法3条9号,刑法3条10号,刑法218条,刑法219条,刑法220条,刑法221条
論点7第3条刑法
国外における日本人俘虜の犯罪と我が裁判権
裁判要旨我が裁判権は、国外における日本人俘虜の犯罪にも及ぶ。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和28年10月27日 昭和27(あ)305
- 登載
- 刑集 第7巻10号2009頁
- 参照法条
- 憲法39条,刑法3条10号,刑法220条1項
論点8第5条刑法
一、在日アメリカ合衆国軍当局の裁判と憲法第三九条
二、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条〈刑の変更〉に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第一七条〈科料〉の規定に従わないでなされた裁判と同条第八項の一事不再理の規定の適用の有無
裁判要旨一、すでに在日アメリカ合衆国軍当局の裁判により無罪とされた事実につき、重ねてわが国の裁判所で裁判をしても、憲法第三九条に違反しない。
二、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
第六条〈刑の変更〉に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定
第一七条第八項〈科料〉の一事不再理の規定は、同条第三項(b)により日本国の当局が裁判権を行使する第一次の権利を有する事件につき、日本国が同項(c)により自己の裁判権を行使しない旨の通告をし、あるいはこれを放棄した事実がないのにかかわらず、アメリカ合衆国軍当局が日本国裁判所の裁判をさしおいて裁判をした場合には、適用がないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和42年10月3日 昭和41(あ)1945
- 登載
- 刑集 第21巻8号1013頁
- 参照法条
- 憲法39条,刑法5条,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定17条
論点9第5条刑法
一 連合国最高司令官の覚書による連合国人に対する裁判権停止期間中に犯された連合国人の犯罪を裁判権回復後に審判することと憲法第三九条
二 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条
三 無期懲役刑と未決勾留日数の通算
四 無期懲役刑の言渡と刑法第五条但書による刑の執行の減軽
裁判要旨一 わが国が連合国最高司令官の覚書により連合国人に対し裁判権を行うことを得なかつた期間内に連合国人によつて犯された犯罪に対し、わが国が裁判権を回復した後においてこれを審判することは、事後立法禁止に関する憲法第三九条の規定に違反するものではない。
二 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重ねてわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。
三 無期懲役刑にも未決勾留日数を通算することができる。
四 無期懲役刑に処する場合においても、刑法
第五条〈外国判決の効力〉但書に従い「刑ノ執行ヲ減軽」することを要するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和30年6月1日 昭和29(あ)215
- 登載
- 刑集 第9巻7号1103頁
- 参照法条
- 憲法31条,憲法39条,刑法21条,刑法12条1項,刑法5条
論点10第5条刑法
刑訴法第五条但書に基く刑の執行の軽減又は免除の手続
裁判要旨刑法
第五条〈外国判決の効力〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除は、裁判所が、刑の言渡と同時に判決主文においてなすべきものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和30年2月24日 昭和29(さ)7
- 登載
- 刑集 第9巻2号374頁
- 参照法条
- 刑法5条,刑訴法458条1項
論点11第5条刑法
占領中の琉球政府の裁判所による裁判と刑法第五条
裁判要旨奄美群島の占領中、琉球政府の裁判所による裁判については刑法第五条の規定の準用がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和30年10月18日 昭和29(あ)3231
- 登載
- 刑集 第9巻11号2263頁
- 参照法条
- 刑法5条
論点12第5条刑法
一 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条並びに刑訴第三三七条第一号
二 刑法第五条〈外国判決の効力〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除とその手続並びに形式
裁判要旨一 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重てねわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。また、右軍事裁判が確定しても、刑訴第三三七条第一号の確定判決を経たときとはいえない。
二 刑法
第五条〈外国判決の効力〉但書に基く刑の執行の軽減又は免除は、裁判所が、刑の言渡と同時に主文においてなすべきものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和29年12月23日 昭和28(あ)882
- 登載
- 刑集 第8巻13号2288頁
- 参照法条
- 憲法39条,刑訴法337条1号,刑訴法334条,刑法5条
論点13第5条刑法
一 密入国の補強証拠の一事例
二 占領軍軍事裁判所の裁判と憲法第三九条
裁判要旨一 原判決が証拠とした所論「出入国管理庁審判調査第三課作成の検察官に対する解答書」(正確には、同課から千葉地検渋佐検事に対する回答電信の飜訳書)の内容が所論のとおり(被告人の外国人登録が見当らないとするもの)であることは相違ないが、これにより被告人が従来日本に居なかつたことが推認できるから被告人の第一審公判廷における詳細な自白に対する補強証拠としてはこれを以つて足りるものということができる。従つて、被告人の第一審公判廷における自白と前記書面とによつて、本件密入国の事実を認定した原判決に所論の違法はなく、論旨は採用できない。
二 すでに占領軍軍事裁判所の裁判を経た事実について、重ねてわが裁判所で処罰しても、憲法第三九条に違反しない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和28年7月22日 昭和27(あ)6010
- 登載
- 刑集 第7巻7号1621頁
- 参照法条
- 外国人登録令3条,刑訴法319条2項,刑訴法317条,憲法31条,憲法38条3項,憲法39条,刑法5条
論点14第6条刑法
昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決と破棄
裁判要旨昭和四三年法律第六一号による改正刑法施行前の業務上過失傷害の所為につき懲役刑を言渡した判決は、刑法
六条〈刑の変更〉に違反したものであり、被告人に不利益であるから、破棄すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和45年4月16日 昭和45(さ)1
- 登載
- 集刑 第176号203頁
- 参照法条
- 刑法の一部を改正する法律(昭和43年法律61号),刑法6条,刑法10条,刑法211条,刑訴法458条
論点15第6条刑法
犯罪後の法律による刑の変更と事物管轄。
裁判要旨犯罪後の法律により刑の変更があつた場合における事物管轄は、刑法
第六条〈刑の変更〉の規定により当該犯罪事実に適用すべき罰条の法定刑によつて定まる。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和39年2月26日 昭和37(あ)1164
- 登載
- 刑集 第18巻2号48頁
- 参照法条
- 刑法6条,裁判所法24条,裁判所法33条,道路運送法(昭和35年法律141号による改正前のもの)101条1項,道路運送法(昭和35年法律141号による改正前のもの)130条3号,道路運送法(昭和35年法律141号による改正後のもの)101条1項,道路運送法(昭和35年法律141号による改正後のもの)128条3第2号
論点16第6条刑法
一 外国とみなされていた地域から貨物の無免許輸入等の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
二 第三者所有物の没収の違憲と旧関税法第八三条第三項による追徴の適否
裁判要旨一 北緯二九度以南、同二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで、同地域から貨物を輸入しまたはその貨物を故買、牙保した罪について、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されるものと解すべきである。
二 旧関税(昭和二九年法律第六一号による改正前の関税法をいう。)第八三条第一項による第三者所有物の没収が違憲である場合には、同条第三項によるその没収に代わる追徴を言渡すこともまた許されない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和37年12月12日 昭和29(あ)566
- 登載
- 刑集 第16巻12号1672頁
- 参照法条
- 旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)76条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)76条の二,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)104条,旧関税法(明治32年法律61号・昭和26年11月29日法律271号により改正されたもの)104条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)第76条,旧関税法(昭和25年4月30日法律117号による改正前のもの)第83条,関税法104条,関税法関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しょを定める等の省令(昭和24年5月26日大蔵省令36号)1条,関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定ける政令(昭和27年4月7日政令第99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年12月24日政令407号)附則8項,刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号,刑訴法411条1号,憲法29条,憲法31条
論点17第6条刑法
一 法律「廃止前になしたる行為に関する罰則の適用については、なお、従前の令による」との規定の趣旨
二 同種の犯行について、その行為の時期により刑罰規定を異にすることと憲法第一四条
三 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定の法意
四 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定と憲法第三九条
裁判要旨一 地方税法(昭和二三年法律第一一〇号)第一五一条第三項の「入場税法の廃止前になした行為に関する罰則の適用については、なお、従前の例による」との規定は、従前の行為に関する限り、旧入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)の刑罰規定については何等変更なきことを規定したものと解すべきである。
二 同種の犯行についてその行為の時期によつて刑罰規定に差異を設けても憲法第一四条に違反しない。
三 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定は、事業主たる「人ノ代理人、使用人其ノ他ノ従業者」が入場税を逋脱しまたは逋脱せんとした行為に対し、事業主として右行為者らの選任、監督その他違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかつた過失の存在を推定した規定と解すべく、したがつて事業主において右に関する注意を尽したことの証明がなされない限り、事業者もまた刑責を免れないとする法意である。
四 入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)第一七条ノ三のいわゆる両罰規定については、憲法第三九条違反の問題を生じない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和32年11月27日 昭和26(れ)1452
- 登載
- 刑集 第11巻12号3113頁
- 参照法条
- 旧地方税法(昭和23年法律110号)151条3項,旧入場税法(昭和22年法律142号による改正前のもの)16条,旧入場税法(昭和22年法律142号による改正前のもの)17条ノ3,刑法6条,憲法14条,憲法39条
論点18第6条刑法
外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
裁判要旨北緯二九度以南、同二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若しくは密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されたものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和32年10月9日 昭和25(あ)2778
- 登載
- 刑集 第11巻10号2497頁
- 参照法条
- 旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正されたもの)76条,旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正されたもの)104条,旧関税法(昭和26年法律271号により改正されたもの)104条,関税法104条,、関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号)附則8項,刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号
論点19第6条刑法
外国とみなされていた地域からの貨物無免許輸入の罪と、右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
裁判要旨北緯三〇度以南の南西諸島(口之島を含む)が外国とみなされていた当時免許を受けないで貨物を同地域から日本内地に密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた場合は、犯罪後の法令により刑が廃止されたものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和32年10月9日 昭和27(あ)2456
- 登載
- 刑集 第11巻10号2509頁
- 参照法条
- 旧関税法(明治32年法律61号−昭和24年法律65号により改正のもの)104条,旧関税法(昭和25年法律117号により改正されたもの)76条,関税法104条、関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),右省令の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),刑法6条,刑訴法337条2号,刑訴法411条5号
論点20第6条刑法
外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
裁判要旨一 北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若くは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若くは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し外国とみなされなくなつても刑の廃止があつたものと、いえないことは既に当裁判所の判例の趣旨とするところである。(昭和二八年(あ)第三七一号同三〇年七月二〇日大法廷判決、判例集九巻九号一九二二頁参照)
二 (裁判官真野毅、同小谷勝重、同藤田八郎、同河村又介、同谷村唯一郎、同小林俊三、同垂水克己の小数意見)
本件において被告人が密輸出、若しくは密輸入をしたとされている奄美大島は北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島であつて本件犯行当時においては、関税法の適用については外国とみなされていたのであるが、昭和二八年一二月二五日以降は外国とみなされなくなつた。かかる場合においては、右地域が外国とみなされていた間に右地域に密輸出し若しくは右地域より密輸入した罪については、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものと解し、被告人に対しては刑訴四一一条五号により原判決を破棄し同法三三七条二号を適用して被告人を免訴すべきものである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和31年7月4日 昭和29(あ)1917
- 登載
- 集刑 第114号67頁
- 参照法条
- 関税法(昭和29年法律61号による改正前)76条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),関税法、関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号),刑法6条,裁判所法11条
論点21第6条刑法
公益事業失効後同令違反の所為は免訴すべきか
裁判要旨公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効し、その後においては刑の廃止があつたものとして同令違反の所為を免訴すべきであること既に当裁判所大法廷の判例(集八巻一一号一七九一頁参照)とするところである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和31年7月27日 昭和29(あ)1776
- 登載
- 集刑 第114号391頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑訴法337条2号,公益事業令(昭和25年政令343号)
論点22第6条刑法
外国とみなされていた地域に対する関税法違反の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
裁判要旨一 本件において、貨物の密輸出若しくは密輸入をなしたとされている徳之島は、北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島であり、また関税逋脱にかかる貨物の密輸入先は、同じく北緯二七度以北の南西諸島であると認められ、いずれも本件犯行当時においては、関税法の適用については外国とみなされていたのであるが、昭和二八年一二月二五日以降は、外国とみなされなくなつた。かかる場合において、右地域が外国とみなされていた間に、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪、または同地域から日本内地へ密輸入した貨物の関税を逋脱した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつても、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものとはいえないことは、すでに当裁判所法令の趣旨としているところである。(昭和二七年(あ)第四三四号、同三〇年二月二三日大法廷判決、集九巻二号三四四頁、昭和二八年(あ)第三七一号、同三〇年七月二〇日大法廷判決、集九巻九号一九二二頁、昭和二八年(あ)第一六一一号、同三一年五月二三日大法廷判決、集一〇巻五号附録各参照)
二 (裁判官真野毅、同小谷勝重、同河村又介、同谷村唯一郎、同小林俊三、同垂水克己の少数意見)本件におけるが如く北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島が関税法の適用について外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から右地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪、または同地域から日本内地へ密輸入した貨物の関税を逋脱した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつた以上、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものと解すべく、従つて原判決が刑訴四〇四条、三三七条二号により被告人等を各免訴したのは相当であつて、本件上告を棄却すべきものである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和31年7月18日 昭和29(あ)1279
- 登載
- 集刑 第114号309頁
- 参照法条
- 関税法(昭和29年法律61号による改正前)76条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)75条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),関税法、関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号),刑法6条,裁判所法11条
論点23第6条刑法
外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域が外国とみなされなくなつたことによる刑の廃止の有無
裁判要旨一 北緯二九度以南北緯二七度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時免許を受けないで日本内地から同地域へ、若くは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し若くは密輸入した罪については、その後右地域が外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
二 (裁判官真野毅、同小谷勝重、同藤田八郎、同河村又介、同谷村唯一郎、同小林俊三、同垂水克己の少数意見)
本件において被告人が密輸入をしたとされている大島郡a村は北緯二九度以南、北緯二七度以北の南西諸島であつて、本件犯行当時においては、関税法の適用については外国とみなされていたのであるが、昭和二八年一二月二五日以降は外国とみなされなくなつた。かかる場合においては、右地域が外国とみなされていた間に、右地域より密輸入した罪については、犯罪後の法令により刑の廃止があつたものと解し、被告人に対しては刑訴四一一条五号により原判決を破棄し同法三三七条二号を適用して、被告人を免訴すべきものである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和31年5月23日 昭和28(あ)1611
- 登載
- 刑集 第10巻5号1頁
- 参照法条
- 関税法(昭和29年法律61号による改正前)76条,関税法(昭和29年法律61号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号),関税法104条関税定率法12条及び噸税法8条の規定に基き所属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),関税法、関税定率法及び噸税法の適用上外国とみなされる地域を定める政令(昭和27年政令99号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等に関する政令(昭和28年政令407号),刑法6条,裁判所法11条
論点24第6条刑法
昭和三〇年法律第五一号による銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正と刑の廃止
裁判要旨昭和三〇年法律第五一号による銃砲刀剣類等所持取締令の一部改正前に業務その他正当な理由がなく刃渡一五センチメートル未満のあいくち(七首)を携帯した所為については、右改正により刑の廃止があつたものということはできない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和31年12月25日 昭和31(あ)667
- 登載
- 刑集 第10巻12号1701頁
- 参照法条
- 銃砲刀剣類等所持取締令1条2項,銃砲刀剣類等所持取締令2条,銃砲刀剣類等所持取締令15条,銃砲刀剣類等所持取締令26条1号,銃砲刀剣類等所持取締令27条,銃砲刀剣類等所持取締令(昭和30年法律51号による改正前)1条,銃砲刀剣類等所持取締令(昭和30年法律51号による改正前)15条,刑訴法337条2号,刑訴法383条2号,刑訴法411条5号,刑法6条
論点25第6条刑法
外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域のわが国への復帰による刑の廃止の有無
裁判要旨口の島を含む北緯三〇度以南、北緯二九度以北の南西諸島が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し、外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和30年7月20日 昭和28(あ)371
- 登載
- 刑集 第9巻9号1922頁
- 参照法条
- 関税法(昭和25年法律117号による改正前)76条,関税法(昭和25年法律117号による改正前)104条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)1条,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)3条1号,関税法104条関税定率法12条及び噸税法第8条の規定に基き附属島しよを定める等の省令(昭和24年大蔵省令36号)3条1号の一部を改正する省令(昭和27年大蔵省令5号),奄美群島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫定措置等関する政令(昭和28年政令407号)附則8項,刑法6条,刑訴法337条2号
論点26第6条刑法
一 昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反した不法出国の罪と刑の廃止
二 外国とみなされていた地域に対する貨物無免許輸出入の罪と右地域のわが国えの復帰による刑の廃止の有無
裁判要旨一 日本人が、昭和二二年四月一四日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に対する覚書」に違反して、同司令官の承認を受けないで不法に本邦から出国したとの、昭和二五年政令第三二五号違反の罪については、昭和二六年一二月一日以降の廃止があつたものである。
二 南西諸島大島郡が外国とみなされていた当時、免許を受けないで日本内地から同地域へ、若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、若しくは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し外国とみなされなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和30年2月23日 昭和27(あ)434
- 登載
- 刑集 第9巻2号344頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑訴法337条2号,昭和25年政令325号占領目的阻害行為処罰令,昭和22年4月14日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」,昭和26年6月2日附連合国最高司令官の「旅券発行の権限に関する覚書」,昭和26年11月26日附連合国最高司令官の「日本人の海外旅行」に関する覚書(SCAPIN2185号),旅券法附則2項,旅券法附則3項,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)60条,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)71条,昭和32年法律61号関税法(昭和25年9月30日政令295号による改正前のもの)76条,昭和32年法律61号関税法(昭和25年9月30日政令295号による改正前のもの)104条,昭和24年5月26日大蔵省令36号,昭和28年12月14日政令407号「奄美諸島の復帰に伴う国税関係法令の適用の暫廷措置に関する件」附則8項
論点27第6条刑法
罰則施行前から施行後まで引き続きかつ新旧両法に跨つてなされた麻薬所持に対する適用
裁判要旨麻薬所得の罪において、一個の所持が罰則施行前より罰則施行後まで引き続きなされかつ新旧両法に跨つてなされたとしても、その一個の所持全体に対して新法を適用して処置すべきものであつて、罰則施行前の部分を分割して無罪の言渡しをなしまたは旧法の部分を分割してこれに対し旧法および刑法第六条をも適用すべきものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和29年2月25日 昭和27(あ)309
- 登載
- 集刑 第92号709頁
- 参照法条
- 麻薬取締規則42条,麻薬取締規則56条1項1号,旧麻薬取締法3条1項,旧麻薬取締法57条1項,旧麻薬取締法74条,刑訴法335条,刑法6条
論点28第6条刑法
電気事業法施行当時同法に違反した行為と刑の廃止
裁判要旨電気事業法第三八条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和29年12月3日 昭和27(あ)3799
- 登載
- 刑集 第8巻13号2065頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑訴法422条5号,刑訴法337条2号,電気事業法(昭和6年法律61号)38条,公益事業令(昭和25年政令343号)附則2項,公益事業令(昭和25年政令343号)附則21項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
論点29第6条刑法
電気事業法施行当時同法に違反した行為と刑の廃止
裁判要旨電気事業法第三八条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇月二四日かぎり失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和29年12月23日 昭和29(あ)1545
- 登載
- 刑集 第8巻13号2309頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑訴法411条5号,刑訴法337条3号,電気事業法(昭和6年法律61号)38条,公益事業令(昭和25年政令343号)附則2項,公益事業令(昭和25年政令343号)2項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
論点30第6条刑法
昭和二二年四月一四日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反した不法出国の罪と刑の廃止
裁判要旨日本人が昭和二二年四月一四日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」に違反して、同指令官の承認を受けないで不法に本邦から出国したとの昭和二五年政令三二五号違反の罪については、昭和二六年一二月一日以降刑の廃止があつたものである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和29年12月1日 昭和27(あ)1570
- 登載
- 刑集 第8巻12号1911頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑訴法337条2号,昭和25年政令325号占領目的阻害行為処罰令,昭和22年4月14日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行者に対する旅行証明書に関する覚書」,昭和26年6月2日附連合国最高指令官の「旅券発行の権限に関する覚書」,昭和26年11月26日附連合国最高指令官の「日本人の海外旅行」に関する覚書(SCAPIN2185号),旅券法附則2項,旅券法附則3項,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)60条,出入国管理令(昭和26年10月4日政令319号)71条
論点31第6条刑法
公益事業令失効後従前の電気事業法第三三条違反の所為は免訴すべきか
裁判要旨電気事業法第三三条違反の所為は、公益事業令が昭和二七年一〇号二四日かぎりで失効した後においては、刑の廃止があつたものとして免訴すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和29年11月10日 昭和27(あ)1676
- 登載
- 刑集 第8巻11号1791頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑訴法411条5号,刑訴法337号2号,電気事業法(昭和6年法律61号)33条,公益事業令(昭和25年政令343号)1条,公益事業令(昭和25年政令343号)83条,公益事業令附則1項,公益事業令附則2項,公益事業令附則3項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)1項,ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律(昭和27年法律81号)2項,電気及びガスに関する臨時措置に関する法律(昭和27年法律341号)
論点32第6条刑法
一 刑法第二〇〇条〈削除〉の犯罪成立後の民法改正と刑の変更
二 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律施行後も姻族関係は、夫婦の一方が死亡しただけで消滅するか
裁判要旨一 刑法
第二〇〇条〈削除〉の犯罪成立後従来の民事法規によれば直系尊属であつた者が、かりにその改正によりその身分を失うに至つたとしても、かかる場合を、犯罪後の法律によりその刑に変更があつたときということはできない。
二 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律施行後も姻族関係は、夫婦の一方が死亡いただけでは消滅しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和27(れ)34
- 登載
- 刑集 第6巻12号1442頁
- 参照法条
- 刑法200条,刑法6条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律3条,日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律附則1項,旧民法729条1項,新民法728条
論点33第6条刑法
一 刑法第六条〈刑の変更〉違背と著しく正義に反すると認むべき場合
二 被告人の控訴及び上告に係る事件において上告審が第一、二審判決を破棄自判する場合と未決勾留日数の法廷通算
裁判要旨一 職権を以て調査すると、第一審判決の認定によれば、被告人の本件賍物運搬の犯行は、昭和二四年一月一七日頃であつて、未だ罰金等臨時措置法が施行されていない時のことである。従つて、第一審としては、この点につき、犯行後刑の変更があつた場合として、刑法
第六条〈刑の変更〉第一〇条〈刑の軽重〉により、行為時法と裁判時法について所定刑の軽量を比照した上、軽い行為時法を適用し、罰金刑については一〇〇〇円以下で量定しなければならなかつた筋合である。しかるに第一審判決が、事茲に出でず、直に裁判時法を適用して被告人に対して被告人に対し罰金一万円を量定し、原判決も亦この瑕疵を看過したのは、共に違法であるといわなければならない。よつて刑訴第四一一条第一号、第四一三条
第一八一条〈不同意わいせつ等致死傷〉により、第一審判決中の有罪部分及び原判決を破棄する。
二 被告人が控訴しさらに上告した事件において、上告審が第一、二審判決を破棄自判した場合には、第一審判決後の未決勾留日数は刑訴法第四九五条によりすべて本刑に通算さるべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月20日 昭和26(あ)1400
- 登載
- 刑集 第5巻8号1604頁
- 参照法条
- 刑法6条,刑法10条,刑訴法411条1号,刑訴法495条
論点34第6条刑法
一 臨時建築等制限規則の性質と同規則失効後の行為に対する罰則適用の関係
二 昭和二二年閣令第六号臨時建築等制限規則の趣旨と同規則第二条違反罪の事実の成立要件並びにその判示方
裁判要旨一 原判決が本件被告人の行為に対して適用した臨時建築等制限規則は、臨時物資需給調整法第一条に基づく命令であるが、同法はその附則において、当初よりその効力を存続すべき期間を予定し、かつ、その時までになした行為に対する罰則の適用については、この法律は、存続期間の到来によりその効力を失うべき時以後もなお、その効力を有する旨を規定し、同法がいわゆる限時法の性質を有することを明らかにしているのみならず、同法に基づいて制定された前記規則についても同規則の改定に当つては、その改正規則の附則に、改正前にされた行為に対する罰則の適用については、旧規則が改正後もなお、その効力を有する旨の規定がなされているのである。(右附則は、単に罰則適用の関係において、改正前規則の効力の存続を規定したに過ぎないのであつて、所論のように、命令を以て罰則に関する定めをしたものと解すべきでない)しからば、本件は、右規則の施行当時の行為であるから、罰則の適用に関しては、右規則の改廃にかかわらず、行為時法によるべきは当然であつて、所論のように刑法第六条、旧刑訴法第三六四条を適用すべき場合ではないのである。(当裁判所昭和二三年(れ)第八〇〇号同二五年一〇月一一日大法廷判決参照)
二 原判決は、被告人が昭和二三年八月中頃建設大臣の許可を受けてないでその営業所二〇坪をAに命じて、床及び天井を取り外しキヤバレー用に改築工事を施行させた事実を確定し、これに対して昭和二二年閣令第六号臨時建築等制限規則第二条を適用したものであつて、原判定確定の事実が同条違反の行為に該当することは明らかである。同条違反の行為となるには同条所定の新築、改築等の築造工事が完成されなければならないとの所論は、何等同規則に根拠のない解釈と言うべく、又同規則は所論のごとく、供給の特に不足する物資の濫用を防ぎ又は使用を制限するに必要な命令として制定されたものであるけれども、判決に同
第二条〈すべての者の国外犯〉違反の犯罪として示すには、右築造工事が施行された事実を摘示すれば足りるのであつて所論のように、供給の特に不足する物資を使用して改築行為がなされたことを判示する要はないものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和26年3月2日 昭和25(れ)1463
- 登載
- 集刑 第41号121頁
- 参照法条
- 臨時物資需給調整法(昭和24年法律21号による改正前のもの)1条,昭和12年閣令6号臨時建築等制限規則2条,旧刑訴法364条,旧刑訴法360条1項,刑法6条,昭和22年閣令4号臨時建築等制限規則2条
論点35第6条刑法
一 昭和二二年政令第一一八号飲食営業緊急措置令の性格
二 旧刑訴第八条第一項第四号〈他の法令の罪に対する適用〉の牽連関係があるものとして起訴されたものと認むべき事例
三 訴訟費用の負担と旧刑訴第四〇三条
裁判要旨一 飲食営業緊急措置令は、当所からその
二条〈すべての者の国外犯〉において一定の期間だけその効力を有するいわゆる限時法的性格を持つ趣旨を表明し、その後三回に亘りその期間を延長した末昭和二四年五月七日飲食営業臨時規整法附則四項で「飲食営業緊急措置令は廃止する。但し、この法律施行前にした行為に対する罰則の適用については、同令はなおその効力を有する。」と規定したものである。
二 公判請求書に、被告人の物価統制令違反の罪と相被告人の物価統制令違反の罪とが、その時期及び場所を同じくして各別に犯されたものとして記載されているときは、右二個の事件は旧刑訴
第八条第一項第四号〈他の法令の罪に対する適用〉の規定に従い併せて起訴されたものと認むべきである。
三 訴訟費用の負担のごときは、控訴審の判決において第一審判決より被告人に不利益に変更しても、旧刑訴第四〇三条の違反があるとはいえない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和26年12月20日 昭和26(れ)1835
- 登載
- 刑集 第5巻13号2556頁
- 参照法条
- 刑法6条,旧刑訴法415条,旧刑訴法8条1項4号,旧刑訴法403条,飲食営業緊急措置令(昭和22年7月1日政令118号),昭和22年3月29日政令314号,昭和23年2月28日政令4号,昭和23年4月30日政令98号,飲食営業等規整法附則4条(昭和24年5月7日法律52号)
論点36第6条刑法
尊属傷害致死罪の成立を認めた控訴審判決言渡し後に施行された刑法の一部を改正する法律(平成七年法律第九一号)によって尊属傷害致死罪が廃止されたときと刑訴法四一一条五号にいう「刑の変更」
裁判要旨刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)
二〇五条二項〈傷害致死〉の尊属傷害致死罪の成立を認めた控訴審判決言渡し後に施行された刑法の一部を改正する法律(平成七年法律第九一号)によって尊属傷害致死罪が廃止されたときは、刑訴法四一一条五号にいう「刑の変更」に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成8年11月28日 平成6(あ)1021
- 登載
- 刑集 第50巻10号827頁
- 参照法条
- 刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)6条,刑法205条,刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)205条2項,刑法の一部を改正する法律(平成7年法律91号)附則2条1項,刑訴法411条5号
論点37第6条刑法
昭和六三年法律第一〇九号附則二条〈すべての者の国外犯〉、三条〈国民の国外犯〉と刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)六条〈刑の変更〉
裁判要旨昭和六三年法律第一〇九号附則
二条〈すべての者の国外犯〉、
三条〈国民の国外犯〉によれば、右法律施行後においても、昭和六三年分以前の確定所得申告に係る所得税の額は行為時に適用された所得税法により計算すべきであり、その計算方法に基づいて算出された免れた所得税の額が所得税法二三八条二項所定の罰金額の上限となるものであるから、刑法(平成七年法律第九一号による改正前のもの)
六条〈刑の変更〉を適用すべきものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成7年6月21日 平成4(あ)6
- 登載
- 集刑 第265号863頁
- 参照法条
- 昭和63年法律109号附則2条,昭和63年法律109号附則3条,所得税法238条2項,刑法(平成7年法律91号による改正前のもの)6条
論点38第6条刑法
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成18年法律第36号)による窃盗罪の法定刑の変更と刑訴法397条1項による第1審判決の破棄の要否
裁判要旨刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律(平成18年法律第36号)により,選択刑として50万円以下の罰金刑が追加された窃盗罪の法定刑の変更は,当該窃盗罪の犯情,第1審判決が併せて認定した他の犯罪の有無及びその内容等に照らし,上記法改正との関係からは第1審判決の量刑を再検討する余地のないことが明らかである場合には,刑訴法397条1項により第1審判決を破棄すべき刑の変更に当たらない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成18年10月10日 平成18(あ)1414
- 登載
- 刑集 第60巻8号523頁
- 参照法条
- 刑法6条,10条,235条,同法(平成18年法律第36号による改正前のもの)235条,刑訴法383条2号,397条1項
論点39第7条刑法
労働基準法所定の労働時間の制限を超える公務の執行と公務執行妨害罪の成否
裁判要旨法令により公務に従事する者とみなされる日本国鉄道職員であつて労働基準法の適用を受ける者に対する職務命令が、同法所定の労働時間の制限を超えて就労することをその内容としており、かつ、その者の就労が右制限を超えたからといつて、そのために、職務の執行が具体的権限を欠いて違法となり、その者に対する公務執行妨害罪の成立が妨げられるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和48年5月25日 昭和44(あ)1629
- 登載
- 刑集 第27巻5号1115頁
- 参照法条
- 刑法7条,刑法95条1項,日本国有鉄道法34条1項,労働基準法32条1項
論点40第7条刑法
国家公務員共済組合法三六条、一三条に定める国家公務員共済組合連合会に使用されその事務に従事する者にあたるとされた事例
裁判要旨国家公務員共済組合連合会理事長の正当な職員任命権に基づいて同連合会の「嘱託」を命ぜられ、同連合会施設の設計、工事に関する指名業者の選択、入札等の事務に従事する者は、国家公務員共済組合法三六条、一三条に定める国家公務員共済組合連合会に使用され、その職務に従事する者にあたると解すべきであり、「嘱託」の職名が職制に関する規定上明記されていないことは、右の解釈を妨げるものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和47年5月25日 昭和45(あ)448
- 登載
- 刑集 第26巻4号272頁
- 参照法条
- 国家公務員共済組合法36条,国家公務員共済組合法13条,刑法7条1項,刑法197条1項
論点41第7条刑法
控訴審において主張判断のなかつた実体法規に関する違憲の主張が上告理由として不適法とされた事例。
裁判要旨自衛隊員である被告人に対する収賄被告事件の控訴審において、主張判断のなかつた「防衛庁設置法および自衛隊法が憲法第九条に違反して無効であるから、被告人は公務員ではないのにかかわらず、これを公務員として処罰した第一審判決を是認した原判決は違憲である」との主張は、適法な上告理由に当らない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年9月22日 昭和38(あ)884
- 登載
- 集刑 第152号883頁
- 参照法条
- 刑訴法405条,憲法9条,刑法7条
論点42第7条刑法
鉄道公安職員に対する暴行と公務執行妨害罪の成立。
裁判要旨鉄道公安職員は、日本国有鉄道法第三四条第一項により法令により公務に従事する者とみなされ、犯罪捜査のほか、鉄道公安職員基本規程により、鉄道業務の円滑な遂行のためこれを侵害するものを排除するなど警備的職務に従事するものであるから、その職務の執行にあたり、これに対して暴行を加えたときは、公務執行妨害罪が成立するものと解するのが相当である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和39年8月25日 昭和38(あ)515
- 登載
- 集刑 第152号587頁
- 参照法条
- 刑法95条,刑法7条,日本国有鉄道法34条1項,日本国有鉄道法32条,日本国有鉄道法2条,日本国有鉄道法3条,鉄道公安職員の職務に関する法律1条,鉄道公安職員の職務に関する法律8条,鉄道公安職員基本規程(昭和24年2月18日総裁達466号)3条,鉄道公安職員基本規程(昭和24年2月18日総裁達466号)5条
論点43第7条刑法
刑法第七条〈定義〉の公務員に当るとされた事例。
裁判要旨丸亀市モーターボート整備員(判文参照)は、刑法
第七条〈定義〉の「法令ニ依リ公務ニ従事スル職員」に当る。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和39年6月30日 昭和37(あ)79
- 登載
- 刑集 第18巻5号236頁
- 参照法条
- 地方自治法172条2項,地方公務員法3条3項3号,刑法7条
論点44第7条刑法
東京特別調達局管財部長と公務員。
裁判要旨東京特別調達局管財部長は、法令によつて公務に従事する官吏たる公務員である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和37年7月6日 昭和32(あ)1415
- 登載
- 集刑 第143号353頁
- 参照法条
- 刑法7条,(旧)特別調達庁組織規程69条
論点45第7条刑法
保安庁第一幕僚監部厚生課長が保安庁共済組合の実務主掌者として行う同組合の事務は刑法第七条にいう公務に属するか。
裁判要旨保安庁第一幕僚監部厚生課長が昭和二三年六月三〇日法律第六九号(旧)国家公務員共済組合法七条により同時に保安庁共済組合の実務主掌者として行う同組合の事務は刑法七条にいう公務に属するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和36年10月3日 昭和32(あ)2663
- 登載
- 集刑 第139号471頁
- 参照法条
- 刑法7条,刑法197条,(旧)国家公務員共済組合法(昭和23年6月30日法律第69号)7条,保安庁第一幕僚監部組織規程(昭和27年総理府令第45号)19条
論点46第7条刑法
一 国民金融公庫の役職員と刑法第七条にいう「公務員」
二 同公庫の事務と刑法第七条にいう「公務」
裁判要旨一 昭和二七年法律第一五三号による改正前の国民金融公庫法は、同公庫の役職員の職務上犯した非行に対する処罰はあげてこれを刑法の律する所に委ねて居る。換言すれば、同庫の役職員に対し刑法一九七条が適用せらるべきか否かは、同公庫の役職員が刑法七条にいう公務員と解せられるか否かにかかる。同公庫の役職員は右改正前の
一七条〈科料〉により国家公務員とされているが故に刑法一九七条の適用を受けるのではなく、それが刑法七条にいう公務員と認められるが故にその適用を受けるのである。
二 国民金融公庫の事務は刑法七条にいう「公務」に当たる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和35年9月13日 昭和31(あ)4206
- 登載
- 集刑 第135号309頁
- 参照法条
- 刑法7条,刑法197条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)1条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)2条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)3条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)18条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)28条,国民金融公庫法(昭和24年法律49号)21条,国民金融公庫法(昭和27年法律153号による改正前のもの)17条,国民金融公庫法(昭和27年法律153号による改正後のもの)17条,国民金融公庫法(昭和28年法律136号による改正後のもの)17条
論点47第7条刑法
職務執行と密接な関係にある慣例上の行為に対する金員の収受と賄賂罪の成立。
裁判要旨或る町において、町長が比較的大規模の工事を施行するにあたつては、町会議長のほか分掌事項上関連ある議員として厚生委員会の委員長、各委員などをもつて協議会を組織し、入札業者の指名、入札方法の選定、敷金額の決定等につき意見を求め、また厚生委員が町長の選任により右工事の監督にあたる等の慣例が存する場合において、右協議会で敷金額につき意見を述べること並びに右工事の監督に従事することは、町議会議員で且つ厚生委員としての職務行為そのものではないが、右職務に由来しこれと密接な関係を有する行為であるから、町議会議員であり且つ厚生委員である被告人等がかかる行為の対価として金員を収受すれば賄賂罪が成立する。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和35年3月2日 昭和31(あ)2282
- 登載
- 刑集 第14巻3号224頁
- 参照法条
- 刑法197条1項前段,刑法7条,地方自治法96条1項3号,地方自治法96条1項7号,地方自治法96条1項9号,地方自治法98条1項,地方自治法100条1項,地方自治法92条2項
論点48第7条刑法
郵便集配人と公務員。
裁判要旨郵便集配人は刑法上の公務員である。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和35年3月1日 昭和31(あ)3869
- 登載
- 刑集 第14巻3号209頁
- 参照法条
- 刑法7条1項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)4条5号,郵政省設置法(昭和23年法律244号)12条1項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)12条3項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)13条8項,郵政省設置法(昭和23年法律244号)27条,郵政省職員定数規程(昭和27年9月24日郵政省令31号)1項「地方支分部局郵便局の欄」,郵政省職員定数規程(昭和27年9月24日郵政省令31号)2項,逓信部内雇員規程(昭和22年3月18日逓信大臣公達51号)3条,逓信部内雇員規程(昭和22年3月18日逓信大臣公達51号)別表第2,郵政省職務規程(昭和24年9月5日公達39号)7条2号,郵政省職務規程(昭和24年9月5日公達39号)別表第1「任命権委任区分」,郵便局組織規程(昭和25年2月1日公達9号)1条,郵便局組織規程(昭和25年2月1日公達9号)別表第1「京都中央郵便局」,食糧管理法施行規則47条,昭和28年6月12日岡山県告示478号
論点49第7条刑法
一 製造たばこ「光」の外箱の偽造と刑法第一五五条第一項の適用
二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法第一五五条第一項〈公文書偽造等〉との適用関係
裁判要旨一 日本専売公社の製造にかかる製造たばこ「光」の外箱は、刑法
第一五五条第一項〈公文書偽造等〉にいう「公務所ノ作ル可キ図画」にあたる
二 たばこ専売法第六五条の二、第七一条第一号と刑法
第一五五条第一項とは、両者の併存適用を妨げない
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和33年4月10日 昭和30(あ)971
- 登載
- 刑集 第12巻5号743頁
- 参照法条
- 刑法7条,刑法155条1項,たばこ専売法65条の2,たばこ専売法71条1号,日本専売公社法2条,日本専売公社法7条,日本専売公社法18条1項
論点50第7条刑法
任命権委任に関する建設省訓令と刑法第七条にいう法令
裁判要旨建設省訓令第五号「国家公務員法第五五条第二項の規定により任命権の委任に関する訓令」もまた刑法七条にいう法令のうちに含まれる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和32年8月30日 昭和29(あ)3562
- 登載
- 集刑 第120号77頁
- 参照法条
- 昭和24年2月15日建設省訓令5号「国家公務員法55条2項の規定により任命権の委任に関する訓令」,刑法7条
論点51第7条刑法
日本電信電話公社の職員の作成すべき文書は公文書か
裁判要旨日本電信電話公社職員たる信越電気通信局支出役名義の文書は、公文書である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和32年6月27日 昭和31(あ)1800
- 登載
- 刑集 第11巻6号1741頁
- 参照法条
- 刑法155条,刑法7条,日本電信電話公社法18条,日本電信電話公社法35条
論点52第7条刑法
一 刑法第七条〈定義〉にいう「法令により公務に従事する職員」の意義
二 特別調達庁の雇員と刑法第七条にいう「公務員」
裁判要旨一 刑法
第七条〈定義〉にいう「法令により公務に従事する職員」とは、公務に従事する職員で、その公務に従事することが法令の根拠にもとずくものを意味し、単純な機械的、肉体的労務に従事するものはこれに含まれないけれども、当該職制等のうえで「職員」と呼ばれている身分をもつかどうかは、あえて問うところではない。
二 特別調達庁
第一六条〈拘留〉により制定された特別調達庁職制にもとずいて任用され、同庁支局契約部工事課員として占領軍関係工事につき工事請負業者に工事代金の支払をするについて契約稟議書面の起案および支払請求書の内訳書の作成処理等の事務を担当していた雇員は、刑法
第七条にいう「公務員」にあたる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和30年12月3日 昭和28(あ)4191
- 登載
- 刑集 第9巻13号2596頁
- 参照法条
- 刑法7条,特別調達庁法14条,特別調著庁法16条,特別調達庁職制30条(昭和23年7月1日の改正で32条となる)
論点53第7条刑法
一 その裁判所の事件を審判する権限のない裁判官を構成してした公判手続及び公判調書の効力と旧刑訴法第一二条の決意
二 公務員の身分を有しない者が虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして虚偽の証明書を作成させた行為と刑法第一五六条の間接正犯
三 公務員の身分を有しない者が虚偽の申立をなし情を知らない公務員をして作成させた虚偽の証明書を行使した行為と虚偽公文書行使罪の成否
四 係員を欺罔して旅券の下附を受ける行為と詐欺罪の成否
五 アメリカ領事館員と刑法にいわゆる「公務員」
裁判要旨一 その裁判所の事件を審判する権限のない裁判官がその裁判所を構成してした公判手段は、無効であつてその公判調書を事実認定の資料とすることは違法である。旧刑訴法第一二条には「訴訟手続は管轄違ひの理由に因り其の効力を後はず」と規定されているのであるがこの規定は本来裁判権を有する裁判所に事件を分配することを目的とする事物及び土地の管轄に関する規定の違背があつても、唯それだけの事由では訴訟手続を無効たらしめるものでないこと明らかにしたに過ぎないものであつて管轄権ある裁判所を構成する裁判官その人がその裁判所に繋属ずる事件を審判する権限のなかつたような場合にまで拡張解釈して準用すべきものではないのである。
二 公務員の身分を有しない者が、虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員をして村長名義の虚偽の証明書を作成させた行為は、刑法
第一五六条〈虚偽公文書作成等〉の間接正犯として処罰すべきではない。
三 公務員の自分を有しない者が虚偽の内容を記載した証明願を村役場の係員に提出し、情を知らない同係員をして作成させた村長名義の虚偽の証明書を行使しても、虚偽公文書行使罪にあたらない。
四 係員を欺罔して旅券の下附を受ける行為は詐欺罪にあたらない。
五 アメリカ領事館員は刑法にいわゆる「公務員」にあたらない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(れ)1496
- 登載
- 刑集 第6巻12号1387頁
- 参照法条
- 旧刑断法12条,旧刑断法60条1項2項,旧刑断法410条1号,裁判所法47条,刑法155条,刑法156条,刑法157条,刑法158条,刑法246条,刑法7条
論点54第7条刑法
主任を補助して事務を執つているに過ぎない区役所の事務員が擅に内容虚偽の転出証明書を作成した行為の擬律
裁判要旨中京区役所第四駐在員事務所主任ではなく単なる同事務所の事務員であつて主任を補助して事務を執つている者にすぎない者は転出証明書を作成交付する権限のない者であるから同人が擅に行使の目的を以つて内容虚偽の転出証明書を作成したことは刑法一五五条の公文書偽造であつて、同法一五六条の犯罪にはならない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和27年12月25日 昭和24(れ)822
- 登載
- 集刑 第71号463頁
- 参照法条
- 刑法7条,刑法155条,刑法156条
論点55第7条刑法
一 賄賂収受罪判示の程度−公務員たる法令上の根拠を示す要否
二 兵庫県雇と公務員
裁判要旨一 公務員の賄賂収受罪を判示するに当つては、公務員であることを判断しうる具体的事実を示しその者が職務に関し賄賂を収受した事実を説明すれば足り、公務員たることの資格を認められる法令上の根拠までも示す必要はないのである。(昭和二四年(れ)第八五六号、同二五年二月二八日第三小法廷判決。最高裁判所判例終四巻二号二六八頁参照)
二 被告人は兵庫県知事より任命された国費支弁の雇であつたことが窺われる。そして、同知事にかかる雇の任命権があつたことは大正十五年六月四日勅令第一四七号地方官々制
第五条〈外国判決の効力〉第八条〈他の法令の罪に対する適用〉一行の規定の趣旨に徴し明らかである。されば、原判決は被告人の公務員たる判示に欠くるところはない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和26年7月20日 昭和25(れ)822
- 登載
- 刑集 第5巻8号1586頁
- 参照法条
- 旧刑訴法360条1項,刑法197条,刑法7条
論点56第7条刑法
一 農業団体法(昭和一八年法律第四六号)に定める縣農業会の職員は公務員ではない−同会名義の木炭出荷指図書は私文書である
二 経済関係罰則の整備に関する法律第二条〈すべての者の国外犯〉の趣旨
裁判要旨一 経済関係罰則の整備に関する法律
第一条〈国内犯〉の規定と対比して見ると、同条は別表甲号に掲げる経済団体の「役員其ノ他ノ職員ハ罰則ノ適用ニ付テハ之ヲ法令ニ依リ公務ニ従事スル職員ト看做ス」旨を規定しているが同
第二条〈すべての者の国外犯〉には、かかる規定は存在しない。すなわち、以上各規定の趣旨からみれば、右別表甲号、乙号掲記の経済団体の職員はいずれも本来の意義における公務員ではないのであるが、ただ甲号団体の職員に限つて罪則の適用については公務員とみなされるに過ぎないことがわかる。従つて、本件農業会のごとき乙号掲記の団体の職員は、もとより公務員でなく、又公務員とみなされるものでもなく、ただ同法第二条の涜職罪の規定の適用を受けるに止まるものというべきである。その他に右縣農業会の職員を以て「法令ニ依リ公務ニ従事スル職員」と解すべき何らの法規上の根拠はないのであるから、従つて縣農業会は、これを公務所と解すべきでなく、その作成すべき出荷指図書のごときは公文書たる性質を有しないものと解すべきである。
二 今経済関係罰則の整備に関する法律をみると、
第二条は同法所定の「会社若シクハ組合又ハ此等ニ準ズルモノニシテ別表乙号ニ掲グルモノノ役員其ノ他ノ職員」について、涜職罪に関する罰則を規定し、右別表乙号には「二二」として縣農業会が掲げられているのであるが、若し縣農業会の職員が公務員ならば、刑法の涜職罪の規定が当然に適用せられるのであつてかかる同罪に関する特則を設ける必要はない。もとより、これらの職員に対して、特に法定刑を軽減するの趣旨を以て刑法涜職罪の規定に対する右のごとき特則が定められたものとは、右「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律」制定の趣旨からして、到底考えられない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和26年4月27日 昭和25(れ)1375
- 登載
- 刑集 第5巻5号947頁
- 参照法条
- 農業団体法1条,農業団体法10条,經済関係罰則の整備に関する法律2条,經済関係罰則の整備に関する法律1条(別表甲号を省く),別表乙号「22」,刑法7条,刑法159条1項,刑法197条,経済関係罰則の整備に関する法律2条,経済関係罰則の整備に関する法律1条(別表甲号を省く)
論点57第7条刑法
一 市の雇と公務員
二 公務執行妨害罪における暴行脅迫と結果発生の要否
裁判要旨一 市長により任命され市統計課で市の統計事務に従事する市雇は、公務員である。
二 刑法
第九五条〈公務執行妨害及び職務強要〉の公務執行妨害罪の要件たる暴行脅迫は、これにより現実に職務執行妨害の結果が発生したことを必要とするものではなく、妨害となるべきものであれば足りる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和25年10月20日 昭和24(れ)2898
- 登載
- 刑集 第4巻10号2115頁
- 参照法条
- 刑法7条,刑法95条
論点58第7条刑法
一 刑務所看守と公務員
二 賄賂收受罪につき公務員の資格に關する根據法令明示の要否
裁判要旨一 刑務所の看守は、公務員である。
二 刑法第一九七條の公務員の賄賂收受罪について刑事訴訟法第三六〇條第一項により「罪ト爲ルヘキ事實」を判示するには、公務員であることを判斷することのできる具體的事實を示してその者が職務に關し賄賂を收受した事實を説明すれば足りるのであつて、公務員たることの資格が認められる法令上の根據まで示す必要はない。原判決は被告人が京都拘置所の看守を拜命して津山刑務所に勤務中職務に關し金員の借與をうけて賄賂を收受した事實を説明しているのであつて、看守は監獄官制第三條第八條によつて公務員であることが判断され得るのであるから、原判決において右のごとく被告人が看守であることを判示している以上原判決には所論のような違法はない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和23年12月14日 昭和23(れ)839
- 登載
- 刑集 第2巻13号1756頁
- 参照法条
- 刑法7条1項,刑法197條,監獄官制8条,刑訴法360條1項
論点59第8条刑法
いわゆる常習累犯窃盗の罪と累犯加重
裁判要旨いわゆる常習累犯窃盗の罪についても、刑法の累犯加重の規定の適用がある(昭和四四年六月五日第一小法廷決定、刑集二三巻七号九三五頁参照)。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和45年7月21日 昭和45(あ)649
- 登載
- 集刑 第177号377頁
- 参照法条
- 盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3条,刑法8条,刑法56条,刑法59条
論点60第8条刑法
一 暴力行為等処罰に関する法律一条の三所定の罪と累犯加重
二 ある前科の存在をもつて常習的暴行等の罪(暴力行為等処罰に関する法律一条の三)の要件たる常習性を認定する一資料としたうえその前科と右常習的暴行等の罪とが刑法上の累犯の関係にあることを理由に右常習的暴行等の罪につき累犯加重をすることと憲法三九条後段
裁判要旨一 暴力行為等処罰に関する法律一条の三所定の罪についても刑法の累犯加重の規定の適用がある。
二 ある前科の存在をもつて常習的暴行等の罪(暴力行為等処罰に関する法律一条の三)の要件たる常習性を認定する一資料とした場合において、その前科と右常習的暴行等の罪とが刑法上の累犯の関係にあるときは、右常習的暴行等の罪につき累犯加重をても、憲法三九条後段に反するものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和44年9月26日 昭和43(あ)1605
- 登載
- 刑集 第23巻9号1154頁
- 参照法条
- 暴力行為等処罰に関する法律1条ノ3,憲法39条後段,刑法8条,刑法56条
論点61第8条刑法
一 盗犯等の防止及び処分に関する法律三条〈国民の国外犯〉の趣旨
二 いわゆる常習累犯窃盗の罪と累犯加重
裁判要旨一 盗犯等の防止及び処分に関する法律
三条〈国民の国外犯〉は、窃盗その他同法二条所定の罪を行なう習癖を有する者を、その習癖のない者より重く処罰するため、通常の窃盗その他の罪とは異なる新たな犯罪類型を定めたものである。
二 いわゆる常習累犯窃盗の罪についても、刑法の累犯加重の規定の適用がある。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和44年6月5日 昭和43(あ)2655
- 登載
- 刑集 第23巻7号935頁
- 参照法条
- 盗犯等の防止及び処分に関する法律2条,盗犯等の防止及び処分に関する法律3条,刑法8条,刑法56条,刑法59条
論点62第8条刑法
関税法第一一八条にいわゆる犯人の意義。
裁判要旨関税法第一一八条にいわゆる犯人には、行為者のみならず、いわゆる両罰規定により処罰される法人または人をも包含するものと解するのを相当とする。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和38年5月22日 昭和34(あ)126
- 登載
- 刑集 第17巻4号457頁
- 参照法条
- 関税法118条1項,関税法118条2項,関税法117条,刑法8条,刑法9条,刑法20条
論点63第8条刑法
一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八三条という「犯人」の意義
二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合と同法第八三条の没収、追徴
裁判要旨一 旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年第六一号)第八三条にいう「犯人」には両罰則定の適用を受くべき「法人」又は「人」をも含む。
二 法人を旧関税法(昭和二三年法律第一〇七号により改正された明治三二年法律第六一号)第八二条ノ三、第七六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第八三条の没収、追徴の言渡をすることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和34年8月28日 昭和31(あ)4042
- 登載
- 刑集 第13巻10号2806頁
- 参照法条
- 旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)83条,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)82条ノ3,旧関税法(昭和23年法律107号により改正された明治32年法律61号)76条,刑法8条,刑法9条,刑法20条
論点64第8条刑法
一 法人をたばこ専売法第七七条第七一条第一号第六六条第一項により処罰する場合と同法第七五条の没収、追徴
二 刑訴法第三三九号第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない事例
三 略式命令の請求による起訴の効力発生の時期
裁判要旨一 法人とたばこ専売法第七七条、第七一条、第六六条第一項により処罰する場合には、所定の罰金のほか同法第七五条の没収、追徴の言渡ができる
二 法人の清算人が清算結了前に検察官から解散前の違反行為につき略式手続によることに異議がないかどうかを確められ、異議がない旨申述し、清算結了後、その登記前に略式命令の請求がなされている場合は、刑訴第三三九条第一項第四号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」にあたらない
三 略式命令の請求による起訴の効力は、その請求が裁判所に対してなされた時に発生し、略式命令の謄本が被告人に送達された時に生ずるのではないと解するのが相当である
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和33年5月24日 昭和32(あ)2199
- 登載
- 刑集 第12巻8号1611頁
- 参照法条
- たばこ専売法77条,たばこ専売法71条1号,たばこ専売法66条1項,たばこ専売法75条,刑法8条,刑法9条,刑法20条,憲法31条,刑訴法339条1項4号,刑訴法256条,刑訴法461条,刑訴法462条,刑訴規則290条
論点65第8条刑法
一 たばこ専売法第七五条第二項の適用と「没収することのできないとき」の判断
二 追徴と没収することができなかつた具体的理由および追徴金額算出の基礎の各証拠説示の要否
三 刑法第一九条第一項〈没収〉第一九条ノ二とたばこ専売法第七五条との関係
裁判要旨一 製造たばこの価額を追徴するにあたり、たばこ専売法第七五条第二項を適用している以上、その製造たばこが同項にいう「没収することのできないとき」であると判断した趣旨に解すべきである。
二 判決で追徴を言い渡す場合、必ずしも特に、没収することができなかつた具体的理由および追徴金額算出の基礎を、証拠を掲げて説明するを要しない。
三 刑法
第一九条第一項〈没収〉、
第一九条ノ二の規定とたばこ専売法第七五条の規定とは、一般法と特別法の関係にある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和28年8月25日 昭和27(あ)1525
- 登載
- 刑集 第7巻8号1762頁
- 参照法条
- 刑訴法44条1項,刑訴法335条1項,刑法8条,刑法19条1項,刑法19条ノ2,たばこ専売法75条1項,たばこ専売法75条2項
論点66第8条刑法
一 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段にいわゆる「麻薬中毒のため自制心を失うこと」の意味
二 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段違反の罪と原因において自由なる行為
裁判要旨一 麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条四号後段にいわゆる「麻薬中毒のため自制心を失うこと」というのは、単なる自制心喪失という精神状態をいうのではなく、麻薬の連続使用により麻薬中毒の結果自制心を失つた行為がなされることをいう。
二 麻薬中毒のためなされた自制心を失つた行為は、その当時行為者において責任能力がなくても、麻薬を連続して使用する際責任能力があり、且つその連続使用により麻薬中毒症状に陥ることについての認識(未必の認識)があれば、いわゆる原因において自由な行為として、麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)第四条第四号後段違反の罪に該当するのであつて、その行為は必ずしも他の犯罪に該当するものであることを要しない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和28年12月24日 昭和25(あ)2985
- 登載
- 刑集 第7巻13号2646頁
- 参照法条
- 麻薬取締法(昭和22年法律123号)4条4号,麻薬取締法(昭和22年法律123号)60条,刑法8条,刑法39条