小切手法 / テーマ別まとめ

譲渡

譲渡の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

小切手の譲渡は裏書によって行うのが原則で、裏書によって小切手から生じる権利がすべて移転します。指図禁止文言付きの記名式小切手や持参人払式小切手には譲渡方法の特則があり、白地式裏書や取立てのための裏書など、譲渡の形によって効果や責任の範囲が異なります。実務担当者は、裏書の要件や記載方法を誤ると権利移転や遡求責任の有無に影響するため、条文の要件を正確に押さえる必要があります。

譲渡
小切手の種類譲渡の方法必要な手続効果
記名式・指図式小切手裏書裏書人が署名する権利のすべてが移転する
指図禁止文言付き記名式民法の債権譲渡の方式方式に従うことが必要譲渡の効力のみ生じる
持参人払式小切手交付のみで足りる裏書は不要(任意)裏書すると遡求責任を負う
白地式裏書の小切手裏書人の署名のみ裏面か補箋への記載が必要補充・再裏書・交付譲渡が可能
  • 支払人への裏書は原則、受取証書としての効力のみを持つ(支払人が複数の営業所を持ち、宛てられた営業所以外にした場合を除く)
  • 一部だけの裏書、支払人による裏書は無効となる
  • 抹消された裏書は、裏書の連続の判断上、記載がないものとみなす
  • 拒絶証書作成後または呈示期間経過後の裏書は、民法上の債権譲渡の効力のみを持つ
  • 日付のない裏書は、拒絶証書作成前・呈示期間経過前にされたものと推定する
  • 「回収のため」等の委任を示す裏書は権利移転を伴わず、行使のみできる
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譲渡

譲渡について、条文は何を定めているか。

第14条裏書で小切手を譲渡できる3項判例なし
  • 記名式・指図式小切手は裏書で譲渡できる
  • 指図禁止文言付きは民法の債権譲渡の方式でのみ譲渡できる
  • 裏書は振出人など債務者に対しても可能で、その者も再度裏書できる
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第15条裏書に条件や一部譲渡は認められない5項判例なし
  • 裏書に付けた条件は記載しなかったものとみなす
  • 小切手の一部だけの裏書、支払人による裏書は無効
  • 持参人払の裏書は白地式裏書と同じ効力を持つ
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第16条裏書は小切手や補箋に署名して行う2項判例なし
  • 裏書は小切手本体か結合した補箋に記載し、裏書人が署名する
  • 被裏書人を指定しない白地式裏書も可能
  • 白地式裏書は小切手の裏面か補箋にしなければ効力を生じない
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第17条裏書で小切手上の権利がすべて移転する2項・3号判例なし
  • 裏書により小切手から生じる権利がすべて移転する
  • 白地式裏書を受けた所持人は自分や他人の名前で白地を補充できる
  • 白地を補充せず、裏書もせずに第三者へ譲渡することもできる
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第18条裏書人は原則、支払を担保する2項判例なし
  • 裏書人は特に定めがない限り支払を担保する責任を負う
  • 裏書人は新たな裏書を禁止でき、その場合その後の被裏書人への担保責任を負わない
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第19条裏書が連続していれば正当な所持人とみなす1項判例なし
  • 裏書の連続で権利を証明する占有者は適法な所持人とみなされる
  • 最後の裏書が白地式でも同様に扱われる
  • 抹消された裏書は裏書の連続の判断では記載がないものとみなす
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第20条持参人払式でも裏書すれば遡求責任を負う1項判例なし
  • 持参人払式小切手に裏書した裏書人は遡求に関する規定に従い責任を負う
  • 裏書をしても証券が指図式小切手に変わることはない
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第21条占有を失った小切手の返還義務の範囲1項判例 3件
  • 持参人払式か、裏書の連続で権利を証明できる所持人は返還義務を負わない
  • ただし悪意または重大な過失で取得した場合は返還義務を負う
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第22条人的抗弁は原則、所持人に対抗できない1項判例 3件
  • 振出人など債務者は前者との人的関係に基づく抗弁を所持人に対抗できない
  • 所持人が債務者を害することを知って取得した場合は対抗できる
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第23条取立てのための裏書は権利移転を伴わない3項判例なし
  • 「回収のため」「取立のため」など委任を示す裏書は権利行使のみできる
  • この場合、債務者は裏書人に対抗できた抗弁のみ所持人に対抗できる
  • 委任者が死亡や行為能力の制限を受けても委任は終了しない
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第24条拒絶証書作成後の裏書は債権譲渡の効力のみ2項判例 1件
  • 拒絶証書作成後や呈示期間経過後の裏書は民法上の債権譲渡の効力のみ持つ
  • 日付のない裏書は拒絶証書作成前・呈示期間経過前にされたと推定する
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第21条小切手法

窃取された株券の取得につき悪意又は重過失がある所持人に対する受寄者の株券返還請求権

裁判要旨株券を窃取された受寄者は、株券の所持人がその取得につき悪意又は重過失がある場合には、所持人に対し、民法一九三条の規定に基づき、その返還を請求することができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和59年4月20日 昭和57(オ)496
登載
集民 第141号565頁
参照法条
民法193条,商法229条,小切手法21条
論点2第21条小切手法

銀行の自己宛小切手が窃取された場合に呈示期間経過後取得した右小切手の所持人に対する支払が無効とされた事例。

裁判要旨銀行の自己宛小切手が窃取された場合、呈示期間経過後取得した右小切手の所持人に対する小切手金支払は、たとい該所持人を小切手金債権の準占有者とみなしてなされたとしても、同銀行が右事情を知悉しているかぎり無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和39年12月4日 昭和36(オ)796
登載
集民 第76号373頁
参照法条
民法467条,民法478条,小切手法21条,小切手法32条2項,小切手法35条
論点3第21条小切手法

銀行振出の自己宛小切手の期限後譲渡と小切手法第二一条の有無。

裁判要旨呈示期間経過後譲渡された小切手については、銀行振出の自己宛のものであつても、小切手法第二一条〈事由ノ何タルヲ問ハズ小切手ノ占有ヲ失ヒタル者アル場合ニ於テ其ノ小切手ヲ取得シタル所持人ハ小切手ガ持参人払式ノモノナルトキ…〉の適用がない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和38年8月23日 昭和35(オ)1297
登載
民集 第17巻6号851頁
参照法条
小切手法21条,小切手法24条
論点4第22条小切手法

賭博による債務の履行のために交付された第三者振出の小切手の支払につき所持人と振出人との間に成立した和解の効力

裁判要旨賭博による債務の履行のために第三者振出の小切手の交付を受けた所持人が、振出人との間で小切手金の支払に関し和解契約を締結した場合においては、右契約の内容である振出人の所持人に対する金銭支払の約定は、公序良俗に違反し無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和46年4月9日 昭和46(オ)134
登載
民集 第25巻3号264頁
参照法条
民法90条,民法696条,小切手法22条
論点5第22条小切手法

手形所持人の過失の有無と手形法第一七条。

裁判要旨債務者を害することを知らないで手形の所持人となつた者に対しては、重大な過失があると否とを問わず、前者に対する人的抗弁をもつて対抗することはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和35年10月25日 昭和33(オ)762
登載
民集 第14巻12号2720頁
参照法条
手形法17条,小切手法22条
論点6第22条小切手法

小切手取得者の悪意有無を決すべき時期

裁判要旨小切手の所持人が小切手法第二二条但書の悪意の取得者であるか否かは、取得の時を標準として決すべきである。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和26年2月20日 昭和24(オ)204
登載
民集 第5巻3号70頁
参照法条
小切手法22条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

小切手法 第14条 詳細ページ
第十四条記名式又ハ指図式ノ小切手ハ裏書ニ依リテ之ヲ譲渡スコトヲ得
2記名式小切手ニシテ「指図禁止」ノ文字又ハ之ト同一ノ意義ヲ有スル文言ヲ記載シタルモノハ民法(明治二十九年法律第八十九号)第三編第一章第四節ノ規定ニ依ル債権ノ譲渡ニ関スル方式ニ従ヒ且其ノ効力ヲ以テノミ之ヲ譲渡スコトヲ得
3裏書ハ振出人其ノ他ノ債務者ニ対シテモ之ヲ為スコトヲ得此等ノ者ハ更ニ小切手ヲ裏書スルコトヲ得
小切手法 第15条 詳細ページ
第十五条裏書ハ単純ナルコトヲ要ス裏書ニ附シタル条件ハ之ヲ記載セザルモノト看做ス
2一部ノ裏書ハ之ヲ無効トス
3支払人ノ裏書モ亦之ヲ無効トス
4持参人払ノ裏書ハ白地式裏書ト同一ノ効力ヲ有ス
5支払人ニ対シテ為シタル裏書ハ受取証書タル効力ノミヲ有ス但シ支払人ガ数箇ノ営業所ヲ有スル場合ニ於テ小切手ノ振宛テラレタル営業所以外ノ営業所ニ対シテ為シタル裏書ハ此ノ限ニ在ラズ
小切手法 第16条 詳細ページ
第十六条裏書ハ小切手又ハ之ト結合シタル紙片(補箋)ニ之ヲ記載シ裏書人署名スルコトヲ要ス
2裏書ハ被裏書人ヲ指定セズシテ之ヲ為シ又ハ単ニ裏書人ノ署名ノミヲ以テ之ヲ為スコトヲ得(白地式裏書)此ノ後ノ場合ニ於テハ裏書ハ小切手ノ裏面又ハ補箋ニ之ヲ為スニ非ザレバ其ノ効力ヲ有セズ
小切手法 第17条 詳細ページ
第十七条裏書ハ小切手ヨリ生ズル一切ノ権利ヲ移転ス
2裏書ガ白地式ナルトキハ所持人ハ
一自己ノ名称又ハ他人ノ名称ヲ以テ白地ヲ補充スルコトヲ得
二白地式ニ依リ又ハ他人ヲ表示シテ更ニ小切手ヲ裏書スルコトヲ得
三白地ヲ補充セズ且裏書ヲ為サズシテ小切手ヲ第三者ニ譲渡スコトヲ得
小切手法 第18条 詳細ページ
第十八条裏書人ハ反対ノ文言ナキ限リ支払ヲ担保ス
2裏書人ハ新ナル裏書ヲ禁ズルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ裏書人ハ小切手ノ爾後ノ被裏書人ニ対シ担保ノ責ヲ負フコトナシ
小切手法 第19条 詳細ページ
第十九条裏書シ得ベキ小切手ノ占有者ガ裏書ノ連続ニ依リ其ノ権利ヲ証明スルトキハ之ヲ適法ノ所持人ト看做ス最後ノ裏書ガ白地式ナル場合ト雖モ亦同ジ抹消シタル裏書ハ此ノ関係ニ於テハ之ヲ記載セザルモノト看做ス白地式裏書ニ次デ他ノ裏書アルトキハ其ノ裏書ヲ為シタル者ハ白地式裏書ニ因リテ小切手ヲ取得シタルモノト看做ス
小切手法 第20条 詳細ページ
第二十条持参人払式小切手ニ裏書ヲ為シタルトキハ裏書人ハ遡求ニ関スル規定ニ従ヒ責任ヲ負フ但シ之ガ為証券ハ指図式小切手ニ変ズルコトナシ
小切手法 第21条 詳細ページ
第二十一条事由ノ何タルヲ問ハズ小切手ノ占有ヲ失ヒタル者アル場合ニ於テ其ノ小切手ヲ取得シタル所持人ハ小切手ガ持参人払式ノモノナルトキ又ハ裏書シ得ベキモノニシテ其ノ所持人ガ第十九条ノ規定ニ依リ権利ヲ証明スルトキハ之ヲ返還スル義務ヲ負フコトナシ但シ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ之ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
小切手法 第22条 詳細ページ
第二十二条小切手ニ依リ請求ヲ受ケタル者ハ振出人其ノ他所持人ノ前者ニ対スル人的関係ニ基ク抗弁ヲ以テ所持人ニ対抗スルコトヲ得ズ但シ所持人ガ其ノ債務者ヲ害スルコトヲ知リテ小切手ヲ取得シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
小切手法 第23条 詳細ページ
第二十三条裏書ニ「回収ノ為」、「取立ノ為」、「代理ノ為」其ノ他単ナル委任ヲ示ス文言アルトキハ所持人ハ小切手ヨリ生ズル一切ノ権利ヲ行使スルコトヲ得但シ所持人ハ代理ノ為ノ裏書ノミヲ為スコトヲ得
2前項ノ場合ニ於テハ債務者ガ所持人ニ対抗スルコトヲ得ル抗弁ハ裏書人ニ対抗スルコトヲ得ベカリシモノニ限ル
3代理ノ為ノ裏書ニ依ル委任ハ委任者ノ死亡又ハ其ノ者ガ行為能力ノ制限ヲ受ケタルコトニ因リ終了セズ
小切手法 第24条 詳細ページ
第二十四条拒絶証書若ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成後ノ裏書又ハ呈示期間経過後ノ裏書ハ民法第三編第一章第四節ノ規定ニ依ル債権ノ譲渡ノ効力ノミヲ有ス
2日附ノ記載ナキ裏書ハ拒絶証書若ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成前又ハ呈示期間経過前ニ之ヲ為シタルモノト推定ス
出

一次情報

原文ママ

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