小切手法 / テーマ別まとめ

支払拒絶ニ因ル遡求

支払拒絶ニ因ル遡求の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

小切手の支払が拒絶されたときに、所持人が裏書人・振出人など前者に対して支払を求める「遡求」の要件と手続を定めています。支払拒絶をどの方法で証明するか、いつまでに通知するか、いくら請求できるかという実務の流れを整理しています。

支払拒絶ニ因ル遡求
項目内容
支払拒絶の証明方法公正証書・支払人宣言・交換所宣言のいずれか
証明書類の作成期限呈示期間内(末日呈示は次の取引日も可)
所持人の通知期限拒絶証明の日から4取引日以内
裏書人の転送通知期限前者から受領後2取引日以内
遡求義務者の責任裏書人・振出人など全員が連帯責任
請求できる金額小切手金額+利息+費用
無費用償還特約拒絶証書等の作成を省略可
不可抗力による伸長禁制等でも呈示期間を伸長
  • 通知期間内に発送すれば、郵便でも期間を遵守したものとみなされる
  • 通知を怠っても遡求権自体は失わないが、過失による損害は小切手金額の範囲で賠償責任を負う
  • 「無費用償還」等の文言は、振出人が記載すると全署名者に、裏書人・保証人が記載すると本人にのみ効力が及ぶ
  • 不可抗力による障害が通知から15日を超えて続くときは、呈示や拒絶証書等なしで遡求権を行使できる
  • 所持人自身や、呈示等を委任された者の単純な人的事由は不可抗力にあたらない
  • 遡求を受ける者は、支払と引換に拒絶証書等・受取記載の計算書・小切手の交付を請求できる
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支払拒絶ニ因ル遡求

支払拒絶ニ因ル遡求について、条文は何を定めているか。

第39条拒絶証明の3つの方法1項・3号判例 2件
  • 公正証書(拒絶証書)で支払拒絶を証明できる
  • 呈示日を記載した日付入りの支払人の宣言でも可
  • 適法な呈示でも支払なしと記す交換所の宣言でも可
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第40条証明書類は呈示期間内に作成2項判例なし
  • 拒絶証書等は呈示期間の経過前に作成させる
  • 期間の末日に呈示した場合は次の取引日でも作成可
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第41条支払拒絶の通知義務と期限6項判例なし
  • 拒絶証明の日の翌取引日から4取引日以内に通知
  • 裏書人は通知受領後2取引日以内に前者へ転送通知
  • 通知を怠っても失権しないが過失による損害は賠償
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第42条無費用償還特約で書類作成を省略3項判例なし
  • 「無費用償還」等の文言で拒絶証書等の作成を免除できる
  • 呈示や通知そのものの義務までは免除されない
  • 振出人の記載は全員に、裏書人等の記載は本人のみ効力
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第43条債務者全員が連帯して責任を負う4項判例なし
  • 小切手上の債務者は所持人に対し合同(連帯)責任
  • 順序を問わず各別にも共同にも請求できる
  • 受戻しをした署名者も同一の権利を持つ
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第44条所持人が請求できる金額1項・3号判例なし
  • 支払われなかった小切手の金額
  • 呈示日以後の法定利率による利息(国外向け等は年6分)
  • 拒絶証書等の費用・通知費用その他の費用
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第45条受戻した者が前者に請求できる金額1項・3号判例なし
  • 自ら支払った総金額
  • その金額に対する支払日以後の法定利率の利息
  • 自ら支出した費用
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第46条支払と引換に書類の交付を求められる2項判例なし
  • 拒絶証書等・受取記載の計算書・小切手の交付を請求できる
  • 受戻した裏書人は自己と後者の裏書を抹消できる
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第47条不可抗力による期間の伸長5項判例なし
  • 法令上の禁制など不可抗力で呈示等の期間は伸長される
  • 不可抗力は裏書人に遅滞なく通知し証券に記載・署名する
  • 15日を超えて継続すれば呈示等なしで遡求権を行使できる
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第39条小切手法

振出日白地の持参人払式小切手による支払のための呈示の効力

裁判要旨振出日白地の持参人払式小切手による支払のための呈示は、振出人等に対する遡求権を保全する効力を有しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和61年11月7日 昭和61(オ)126
登載
集民 第149号107頁
参照法条
小切手法1条,小切手法2条,小切手法13条,小切手法29条,小切手法39条
論点2第39条小切手法

小切手の裏面に記載された支払人の支払拒絶宣言の効力

裁判要旨小切手の支払人の支払拒絶宣言は、小切手の裏面に記載されたからといつて無効とはいえない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和31年9月28日 昭和29(オ)983
登載
民集 第10巻9号1221頁
参照法条
小切手法39条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

小切手法 第39条 詳細ページ
第三十九条適法ノ時期ニ呈示シタル小切手ノ支払ナキ場合ニ於テ左ノ何レカニ依リ支払拒絶ヲ証明スルトキハ所持人ハ裏書人、振出人其ノ他ノ債務者ニ対シ其ノ遡求権ヲ行フコトヲ得
一公正証書(拒絶証書)
二小切手ニ呈示ノ日ヲ表示シテ記載シ且日附ヲ附シタル支払人ノ宣言
三適法ノ時期ニ小切手ヲ呈示シタルモ其ノ支払ナカリシ旨ヲ証明シ且日附ヲ附シタル手形交換所ノ宣言
小切手法 第40条 詳細ページ
第四十条拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ハ呈示期間経過前ニ之ヲ作ラシムルコトヲ要ス
2期間ノ末日ニ呈示アリタルトキハ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ハ之ニ次グ第一ノ取引日ニ之ヲ作ラシムルコトヲ得
小切手法 第41条 詳細ページ
第四十一条所持人ハ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成ノ日ニ次グ又ハ無費用償還文句アル場合ニ於テハ呈示ノ日ニ次グ四取引日内ニ自己ノ裏書人及振出人ニ対シ支払拒絶アリタルコトヲ通知スルコトヲ要ス各裏書人ハ通知ヲ受ケタル日ニ次グ二取引日内ニ前ノ通知者全員ノ名称及宛所ヲ示シテ自己ノ受ケタル通知ヲ自己ノ裏書人ニ通知シ順次振出人ニ及ブモノトス此ノ期間ハ各其ノ通知ヲ受ケタル時ヨリ進行ス
2前項ノ規定ニ従ヒ小切手ノ署名者ニ通知ヲ為ストキハ同一期間内ニ其ノ保証人ニ同一ノ通知ヲ為スコトヲ要ス
3裏書人ガ其ノ宛所ヲ記載セズ又ハ其ノ記載ガ読ミ難キ場合ニ於テハ其ノ裏書人ノ直接ノ前者ニ通知スルヲ以テ足ル
4通知ヲ為スベキ者ハ如何ナル方法ニ依リテモ之ヲ為スコトヲ得単ニ小切手ヲ返付スルニ依リテモ亦之ヲ為スコトヲ得
5通知ヲ為スベキ者ハ適法ノ期間内ニ通知ヲ為シタルコトヲ証明スルコトヲ要ス此ノ期間内ニ通知ヲ為ス書面ヲ郵便ニ付シ又ハ民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項ニ規定スル一般信書便事業者若ハ同条第九項ニ規定スル特定信書便事業者ノ提供スル同条第二項ニ規定スル信書便ノ役務ヲ利用シテ発送シタル場合ニ於テハ其ノ期間ヲ遵守シタルモノト看做ス
6前項ノ期間内ニ通知ヲ為サザル者ハ其ノ権利ヲ失フコトナシ但シ過失ニ因リテ生ジタル損害アルトキハ小切手ノ金額ヲ超エザル範囲内ニ於テ其ノ賠償ノ責ニ任ズ
小切手法 第42条 詳細ページ
第四十二条振出人、裏書人又ハ保証人ハ証券ニ記載シ且署名シタル「無費用償還」、「拒絶証書不要」ノ文句其ノ他之ト同一ノ意義ヲ有スル文言ニ依リ所持人ニ対シ其ノ遡求権ヲ行フ為ノ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成ヲ免除スルコトヲ得
2前項ノ文言ハ所持人ニ対シ法定期間内ニ於ケル小切手ノ呈示及通知ノ義務ヲ免除スルコトナシ期間ノ不遵守ハ所持人ニ対シ之ヲ援用スル者ニ於テ其ノ証明ヲ為スコトヲ要ス
3振出人ガ第一項ノ文言ヲ記載シタルトキハ一切ノ署名者ニ対シ其ノ効力ヲ生ズ裏書人又ハ保証人ガ之ヲ記載シタルトキハ其ノ裏書人又ハ保証人ニ対シテノミ其ノ効力ヲ生ズ振出人ガ此ノ文言ヲ記載シタルニ拘ラズ所持人ガ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ヲ作ラシメタルトキハ其ノ費用ハ所持人之ヲ負担ス裏書人又ハ保証人ガ此ノ文言ヲ記載シタル場合ニ於テ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成アリタルトキハ一切ノ署名者ヲシテ其ノ費用ヲ償還セシムルコトヲ得
小切手法 第43条 詳細ページ
第四十三条小切手上ノ各債務者ハ所持人ニ対シ合同シテ其ノ責ニ任ズ
2所持人ハ前項ノ債務者ニ対シ其ノ債務ヲ負ヒタル順序ニ拘ラズ各別又ハ共同ニ請求ヲ為スコトヲ得
3小切手ノ署名者ニシテ之ヲ受戻シタルモノモ同一ノ権利ヲ有ス
4債務者ノ一人ニ対スル請求ハ他ノ債務者ニ対スル請求ヲ妨ゲズ既ニ請求ヲ受ケタル者ノ後者ニ対シテモ亦同ジ
小切手法 第44条 詳細ページ
第四十四条所持人ハ遡求ヲ受クル者ニ対シ左ノ金額ヲ請求スルコトヲ得
一支払アラザリシ小切手ノ金額
二法定利率(国内ニ於テ振出シ且支払フベキ小切手以外ノ小切手ニ在リテハ年六分ノ率次条第二号ニ於テ同ジ)ニ依ル呈示ノ日以後ノ利息
三拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ費用、通知ノ費用及其ノ他ノ費用
小切手法 第45条 詳細ページ
第四十五条小切手ヲ受戻シタル者ハ其ノ前者ニ対シ左ノ金額ヲ請求スルコトヲ得
一其ノ支払ヒタル総金額
二前号ノ金額ニ対シ法定利率ニ依リ計算シタル支払ノ日以後ノ利息
三其ノ支出シタル費用
小切手法 第46条 詳細ページ
第四十六条遡求ヲ受ケタル又ハ受クベキ債務者ハ支払ト引換ニ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言、受取ヲ証スル記載ヲ為シタル計算書及小切手ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
2小切手ヲ受戻シタル裏書人ハ自己及後者ノ裏書ヲ抹消スルコトヲ得
小切手法 第47条 詳細ページ
第四十七条法定ノ期間内ニ於ケル小切手ノ呈示又ハ拒絶証書若ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成ガ避クベカラザル障碍(国ノ法令ニ依ル禁制其ノ他ノ不可抗力)ニ因リテ妨ゲラレタルトキハ其ノ期間ヲ伸長ス
2所持人ハ自己ノ裏書人ニ対シ遅滞ナク其ノ不可抗力ヲ通知シ且小切手又ハ補箋ニ其ノ通知ヲ記載シ日附ヲ附シテ之ニ署名スルコトヲ要ス其ノ他ニ付テハ第四十一条ノ規定ヲ準用ス
3不可抗力ガ止ミタルトキハ所持人ハ遅滞ナク支払ノ為小切手ヲ呈示シ且必要アルトキハ拒絶証書又ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ヲ作ラシムルコトヲ要ス
4不可抗力ガ所持人ニ於テ其ノ裏書人ニ不可抗力ノ通知ヲ為シタル日ヨリ十五日ヲ超エテ継続スルトキハ呈示期間経過前ニ其ノ通知ヲ為シタル場合ト雖モ呈示又ハ拒絶証書若ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ヲ要セズシテ遡求権ヲ行フコトヲ得
5所持人又ハ所持人ガ小切手ノ呈示又ハ拒絶証書若ハ之ト同一ノ効力ヲ有スル宣言ノ作成ヲ委任シタル者ニ付テノ単純ナル人的事由ハ不可抗力ヲ構成スルモノト認メズ
出

一次情報

原文ママ

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