民事再生法 / テーマ別まとめ

再生手続の機関/監督委員

監督委員の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

再生手続では、裁判所が必要と認めるときに監督委員による監督を命じる処分(監督命令)を発し、監督委員の同意がなければできない行為を指定します。監督委員には否認権行使の権限を付与できるほか、再生債務者の業務・財産を調査する権限や善良な管理者としての注意義務が課され、報酬は裁判所が定めます。監督委員自身も裁判所の監督下に置かれ、職務が不適切な場合などには解任されることがあります。

監督委員
場面主体・要件効果
監督命令の発令裁判所(申立て・職権)同意必要な行為を指定
同意なき行為の効力―無効(善意の第三者に対抗不可)
否認権行使の権限付与裁判所(申立て・職権)否認権行使の範囲内で管理・処分可
監督委員の解任裁判所(申立て・職権)解任、対象者を審尋
監督委員が複数の場合―原則共同、許可で単独・分掌可
注意義務違反―利害関係人へ連帯して損害賠償
報酬・費用裁判所が額を決定費用前払と報酬を受領可能
債権・株式等の譲渡裁判所の許可が必要無許可なら費用・報酬を受給不可
  • 監督委員は法人でもよいとされている
  • 同意を要する行為の範囲は監督命令ごとに個別に指定される
  • 否認権行使の権限を付与された監督委員は、その範囲内で訴え提起・和解等について裁判所の許可を要することがある
  • 監督委員は再生債務者の子会社等に対しても報告徴収・検査ができる
  • 子会社等であった者を含め、過去に該当した者にも調査権が及ぶ
  • 報酬を定める裁判所の決定には即時抗告ができる
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監督委員

監督委員について、条文は何を定めているか。

第54条監督命令裁判所が監督委員を選び同意事項を指定7項判例なし
  • 申立てまたは職権で監督命令を発することができる
  • 監督委員の選任と同意が必要な行為を同時に指定する
  • 同意を得ない行為は無効(善意の第三者には対抗不可)
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第55条監督命令に関する公告及び送達監督命令は公告し、裁判書は送達する3項判例なし
  • 監督命令を発したときは公告しなければならない
  • 変更・取消しの決定があったときも同様に公告する
  • 関連する裁判があった場合は裁判書を当事者に送達する
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第56条否認に関する権限の付与否認権行使の権限を監督委員に付与できる6項判例なし
  • 開始決定後、申立てまたは職権で特定行為の否認権を付与できる
  • 付与された範囲内で再生債務者の財産管理・処分ができる
  • 訴え提起や和解等を裁判所の許可制にできる
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第57条監督委員に対する監督等監督委員は裁判所が監督し、解任もできる2項判例なし
  • 監督委員は裁判所の監督を受ける
  • 監督が不適切等の重要な事由があれば解任できる
  • 解任時は申立てまたは職権により、対象者を審尋する
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第58条数人の監督委員の職務執行複数選任時は原則共同で職務を行う1項判例なし
  • 監督委員が数人のときは共同して職務を行うのが原則
  • 裁判所の許可があれば単独で行うか職務を分担できる
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第59条監督委員による調査等業務・財産の報告徴収と帳簿検査ができる4項・7号判例なし
  • 再生債務者や役員・代理人・従業者等に報告を求められる
  • 帳簿・書類その他の物件を検査できる
  • 再生債務者の子会社等にも報告・検査を求められる
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第60条監督委員の注意義務善管注意義務を怠ると連帯賠償責任2項判例なし
  • 善良な管理者の注意をもって職務を行う義務がある
  • 注意を怠ったときは利害関係人に連帯して損害賠償責任を負う
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第61条監督委員の報酬等報酬は裁判所が定め、利益相反取引は許可制4項判例なし
  • 費用の前払と裁判所が定める報酬を受けられる
  • 再生債務者への債権・株式等の譲受・譲渡は裁判所の許可が必要
  • 無許可でした場合は費用・報酬を受け取れない
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事再生法 第54条(監督命令) 詳細ページ
(監督命令)
第五十四条裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
2裁判所は、前項の処分(以下「監督命令」という。)をする場合には、当該監督命令において、一人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ再生債務者がすることができない行為を指定しなければならない。
3法人は、監督委員となることができる。
4第二項に規定する監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
5裁判所は、監督命令を変更し、又は取り消すことができる。
6監督命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
7前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
民事再生法 第55条(監督命令に関する公告及び送達) 詳細ページ
(監督命令に関する公告及び送達)
第五十五条裁判所は、監督命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。監督命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。
2監督命令、前条第五項の規定による決定及び同条第六項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
3第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。
民事再生法 第56条(否認に関する権限の付与) 詳細ページ
(否認に関する権限の付与)
第五十六条再生手続開始の決定があった場合には、裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員に対して、特定の行為について否認権を行使する権限を付与することができる。
2監督委員は、前項の規定により権限を付与された場合には、当該権限の行使に関し必要な範囲内で、再生債務者のために、金銭の収支その他の財産の管理及び処分をすることができる。
3第七十七条第一項から第三項までの規定は、前項の監督委員について準用する。この場合において、同条第二項中「後任の管財人」とあるのは「後任の監督委員であって第五十六条第一項の規定により否認権を行使する権限を付与されたもの又は管財人」と、同条第三項中「後任の管財人」とあるのは「後任の監督委員であって第五十六条第一項の規定により否認権を行使する権限を付与されたもの、管財人」と読み替えるものとする。
4裁判所は、第一項の規定による決定を変更し、又は取り消すことができる。
5裁判所は、必要があると認めるときは、第一項の規定により権限を付与された監督委員が訴えの提起、和解その他裁判所の指定する行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
6第四十一条第二項の規定は、監督委員が前項の許可を得ないでした行為について準用する。
民事再生法 第57条(監督委員に対する監督等) 詳細ページ
(監督委員に対する監督等)
第五十七条監督委員は、裁判所が監督する。
2裁判所は、監督委員が再生債務者の業務及び財産の管理の監督を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員を解任することができる。この場合においては、その監督委員を審尋しなければならない。
民事再生法 第58条(数人の監督委員の職務執行) 詳細ページ
(数人の監督委員の職務執行)
第五十八条監督委員が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。
民事再生法 第59条(監督委員による調査等) 詳細ページ
(監督委員による調査等)
第五十九条監督委員は、次に掲げる者に対して再生債務者の業務及び財産の状況につき報告を求め、再生債務者の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
一再生債務者
二再生債務者の代理人
三再生債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人
四前号に掲げる者に準ずる者
五再生債務者の従業者(第二号に掲げる者を除く。)
2前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。
3監督委員は、その職務を行うため必要があるときは、再生債務者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき報告を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
一再生債務者が株式会社である場合再生債務者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)
二再生債務者が株式会社以外のものである場合再生債務者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社
4再生債務者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は再生債務者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該再生債務者の子会社等とみなす。
民事再生法 第60条(監督委員の注意義務) 詳細ページ
(監督委員の注意義務)
第六十条監督委員は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。
2監督委員が前項の注意を怠ったときは、その監督委員は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する責めに任ずる。
民事再生法 第61条(監督委員の報酬等) 詳細ページ
(監督委員の報酬等)
第六十一条監督委員は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
2監督委員は、その選任後、再生債務者に対する債権又は再生債務者の株式その他の再生債務者に対する出資による持分を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。
3監督委員は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。
4第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。