破産法 / テーマ別まとめ

配当/簡易配当

簡易配当の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産手続の配当のうち、一定の要件を満たす場合に裁判所書記官の許可によって行われる簡易な配当手続(簡易配当)についてまとめています。配当できる金額が少額であることや、公告後に異議が出なかったことなどが許可の要件となり、通知や期間が最後配当より簡略化されます。裁判所書記官の裁量による許可(相当性を理由とする許可)には異議申立てによる取消しの仕組みがあり、中間配当を行った場合は簡易配当を利用できません。

簡易配当
許可事由要件特有の手続
1号(少額)配当額が千万円未満特になし
2号(異議なし)公告後に異議が出なかった特になし
3号(相当性)書記官が相当と認めた場合異議があれば許可取消し
  • 簡易配当は、最後配当をすることができる場合であることが前提(204条1項柱書)
  • 配当見込額などの通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされる(204条3項)
  • 205条の読み替えにより、198条の届出期間は2週間ではなく1週間となる
  • 3号の許可の場合、異議は届出の日から起算して1週間以内に述べる必要がある(206条)
  • 中間配当(209条1項)をした場合は、簡易配当の許可をすることができない(207条)
1

簡易配当

簡易配当について、条文は何を定めているか。

第204条簡易配当少額なら最後配当を簡易配当に変えられる4項・3号判例 1件
  • 配当できる金額が千万円に満たないと対象になりうる
  • 公告後、届出債権者から異議が出なかった場合も対象になりうる
  • 上記以外でも書記官が相当と認めれば対象になりうる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第205条準用簡易配当は最後配当の規定を読み替えて準用1項判例なし
  • 198条〈破産債権の除斥等〉の届出期間は2週間ではなく1週間になる
  • 195条〈最後配当〉・197条〈配当の公告等〉など一部の規定は準用されない
  • 許可の根拠条文などの文言が204条〈簡易配当〉基準に読み替えられる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第206条簡易配当の許可の取消し相当性理由の許可は異議で取消しあり1項判例なし
  • 204条1項3号〈簡易配当 前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。〉の許可の場合に適用される手続
  • 届出の日から起算して1週間以内に異議を述べる必要がある
  • 期間内に異議があれば裁判所書記官が許可を取り消す
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第207条適用除外中間配当をした場合は簡易配当ができない1項判例なし
  • 209条1項〈中間配当〉の中間配当を行った場合は簡易配当の許可を受けられない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第204条破産法

一 手形につき商事留置権を有する者が債務者に対する破産宣告の後に破産管財人からの手形の返還請求を拒むことの可否
二 手形につき商事留置権を有する銀行が債務者に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当する行為が破産管財人に対する不法行為とならないとされた事例

裁判要旨一 手形につき商事留置権を有する者は、債務者が破産宣告を受けた後においても、右手形を留置する権能を有し、破産管財人からの手形の返還請求を拒むことができる。
二 手形につき商事留置権を有する甲銀行が債務者乙に対する破産宣告の後に右手形を手形交換制度によって取り立てて被担保債権の弁済に充当する行為は、乙が債務を履行しないときは甲が占有している乙の手形等を取り立て又は処分して債権の弁済に充当できる旨の銀行取引約定書四条四項〈破産事件の管轄〉による合意が甲乙間に存在し、被担保債権の履行期が既に到来し、債権額も手形金額を超えており、右手形について甲に優先する他の特別の先取特権者が存在することをうかがわせる事情もないなど判示の事実関係の下においては、乙の破産管財人に対する不法行為となるものではない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成10年7月14日 平成7(オ)264
登載
民集 第52巻5号1261頁
参照法条
破産法93条,破産法95条,破産法204条,商法521条,民事執行法136条,民事執行法192条,民法91条,民法709条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第204条(簡易配当) 詳細ページ
(簡易配当)
第二百四条裁判所書記官は、第百九十五条第一項の規定により最後配当をすることができる場合において、次に掲げるときは、破産管財人の申立てにより、最後配当に代えてこの節の規定による配当(以下この章及び次章において「簡易配当」という。)をすることを許可することができる。
一配当をすることができる金額が千万円に満たないと認められるとき。
二裁判所が、第三十二条第一項の規定により同項第五号に掲げる事項を公告し、かつ、その旨を知れている破産債権者に対し同条第三項第一号の規定により通知した場合において、届出をした破産債権者が同条第一項第五号に規定する時までに異議を述べなかったとき。
三前二号に掲げるもののほか、相当と認められるとき。
2破産管財人は、前項の規定による許可があった場合には、次条において読み替えて準用する第百九十六条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、届出をした破産債権者に対する配当見込額を定めて、簡易配当の手続に参加することができる債権の総額、簡易配当をすることができる金額及び当該配当見込額を届出をした破産債権者に通知しなければならない。
3前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
4第二項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。
破産法 第205条(準用) 詳細ページ
(準用)
第二百五条簡易配当については、前節(第百九十五条、第百九十七条、第二百条第三項及び第四項並びに第二百一条第七項を除く。)の規定を準用する。この場合において、第百九十六条第一項及び第三項中「前条第二項の規定による許可」とあるのは「第二百四条第一項の規定による許可」と、第百九十八条第一項中「前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項」とあるのは「第二百四条第四項」と、「二週間以内に」とあるのは「一週間以内に」と、第二百一条第一項中「当該異議の申立てに係る手続が終了した後」とあるのは「当該異議の申立てについての決定があった後」と、同条第六項中「次項の規定による配当額の通知を発する前に」とあるのは「前条第一項に規定する期間内に」と、第二百二条第一号及び第二号中「前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあり、並びに第二百三条中「第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に」とあるのは「第二百条第一項に規定する期間を経過した時に」と読み替えるものとする。
破産法 第206条(簡易配当の許可の取消し) 詳細ページ
(簡易配当の許可の取消し)
第二百六条破産管財人は、第二百四条第一項第三号の規定による許可があった場合において、同条第二項の規定による通知をするときは、同時に、簡易配当をすることにつき異議のある破産債権者は裁判所に対し同条第四項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べるべき旨をも通知しなければならない。この場合において、届出をした破産債権者が同項の規定による届出の日から起算して一週間以内に異議を述べたときは、裁判所書記官は、当該許可を取り消さなければならない。
破産法 第207条(適用除外) 詳細ページ
(適用除外)
第二百七条第二百四条第一項の規定による簡易配当の許可は、第二百九条第一項に規定する中間配当をした場合は、することができない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。