破産法 / テーマ別まとめ

配当/最後配当

最後配当の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産法195条から203条は、破産財団の換価が終了した後に破産管財人が行う「最後配当」の手続を定めている。配当表の作成・公告、異議等ある債権の除斥期間、配当表の更正・異議申立て、配当額の決定・通知、供託に至るまでの流れを条文に沿って整理する。

最後配当
段階内容期間・期限条文
配当実施の許可裁判所書記官の許可が必要遅滞なく195条
配当表の作成破産管財人が作成し裁判所へ提出遅滞なく196条
公告・通知参加できる債権総額等を公告・通知遅滞なく197条
異議等ある債権の除斥期間査定手続等の係属を証明公告等から2週間以内198条
配当表の更正除斥期間内の事由で更正除斥期間内199条
配当表への異議裁判所に異議申立て除斥期間経過後1週間以内200条
配当額の決定・通知配当額を定め通知異議期間経過後遅滞なく201条
供託係属中の債権等は供託―202条
知れていない財団債権者通知後に判明しても弁済不可―203条
  • 別除権・根抵当権担保の債権に関する特則(196条3項4項、198条3項〜5項)は表を簡略化している
  • 停止条件付債権・将来の請求権は除斥期間内に権利行使できる状態が必要(198条2項)
  • 同一順位内で既に弁済を受けた債権者は他の債権者が同割合の配当を受けるまで最後配当を受けられない(201条4項)
  • 最高裁判所規則で定める額未満で届出をしなかった債権者分は他の債権者に配当される(201条5項)
  • 配当表更正を命ずる決定への即時抗告期間は裁判書閲覧請求可能日から起算する(200条3項)
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最後配当

最後配当について、条文は何を定めているか。

第195条最後配当換価終了後、遅滞なく最後配当を実施3項判例なし
  • 一般調査期間(期日)終了後かつ換価終了後に配当を行う
  • 実施には裁判所書記官の許可が必要
  • 裁判所は配当をすべき時期をあらかじめ定めることができる
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第196条配当表配当表に参加できる債権者と金額を記載4項・3号判例なし
  • 許可後遅滞なく配当表を作成し裁判所へ提出
  • 優先的・劣後的・約定劣後の債権は区分して記載
  • 根抵当権担保の債権は極度額超過部分を参加債権額とする
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第197条配当の公告等配当参加できる債権総額等を公告・通知3項判例 2件
  • 配当表提出後遅滞なく公告または通知する
  • 通知は通常到達すべきであった時に到達したとみなす
  • 到達すべき時を経過したら遅滞なく裁判所に届出
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第198条破産債権の除斥等異議等ある債権は除斥期間内に証明が必要5項判例なし
  • 公告効力発生日等から2週間以内に手続係属を証明
  • 停止条件付・将来の請求権は除斥期間内に行使可能な状態が必要
  • 別除権者は除斥期間内に不足額等を証明する必要
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第199条配当表の更正除斥期間内の事由で配当表を更正2項・3号判例なし
  • 破産債権者表の更正事由が除斥期間内に生じたとき更正
  • 198条〈破産債権の除斥等〉の証明が除斥期間内にされたとき更正
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第200条配当表に対する異議配当表に異議があれば裁判所に申立て4項判例 1件
  • 除斥期間経過後1週間以内に限り異議申立てが可能
  • 理由があれば裁判所は配当表の更正を命じる
  • 異議申立てについての裁判には即時抗告ができる
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第201条配当額の定め及び通知配当額を定めて破産債権者に通知7項判例なし
  • 異議期間経過後(異議があれば手続終了後)遅滞なく配当額を決定
  • 同順位で既に弁済を受けた債権者は同割合になるまで配当なし
  • 規則で定める額未満の届出漏れ債権者分は他の債権者に配当
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第202条配当額の供託係属中の債権等の配当額は供託1項・3号判例なし
  • 査定・訴訟等が係属中の異議等ある債権の配当額を供託
  • 不服申立てが終了していない租税等・罰金等の配当額を供託
  • 破産債権者が受け取らない配当額も供託
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第203条破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い通知後に判明した財団債権者は弁済不可1項判例なし
  • 配当額通知発送時に知れていない財団債権者は最後配当額から弁済を受けられない
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第197条破産法

破産者が株式会社である場合において破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示の効力

裁判要旨破産者が株式会社である場合において,破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき,別除権者が破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示は,これを有効とみるべき特段の事情の存しない限り,無効である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成16年10月1日 平成16(許)5
登載
集民 第215号199頁
参照法条
破産法96条,破産法197条12号,破産法277条,商法254条3項,商法417条,民法653条
論点2第197条破産法

破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき放棄の意思表示をすべき相手方

裁判要旨破産者が株式会社である場合を含め、破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき別除権者がその放棄の意思表示をすべき相手方は、破産者である。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成12年4月28日 平成11(許)40
登載
集民 第198号193頁
参照法条
破産法96条・破産法197条12号・破産法277条
論点3第200条破産法

破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合における,破産手続開始時の債権の額を基礎として計算された配当額のうち実体法上の残債権額を超過する部分の配当方法

裁判要旨破産債権者が破産手続開始後に物上保証人から債権の一部の弁済を受けた場合において,破産手続開始の時における債権の額として確定したものを基礎として計算された配当額が実体法上の残債権額を超過するときは,その超過する部分は当該債権について配当すべきである。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成29年9月12日 平成29(許)3
登載
民集 第71巻7号1073頁
参照法条
破産法104条,破産法200条
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第195条(最後配当) 詳細ページ
(最後配当)
第百九十五条破産管財人は、一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価の終了後においては、第二百十七条第一項に規定する場合を除き、遅滞なく、届出をした破産債権者に対し、この節の規定による配当(以下この章及び次章において「最後配当」という。)をしなければならない。
2破産管財人は、最後配当をするには、裁判所書記官の許可を得なければならない。
3裁判所は、破産管財人の意見を聴いて、あらかじめ、最後配当をすべき時期を定めることができる。
破産法 第196条(配当表) 詳細ページ
(配当表)
第百九十六条破産管財人は、前条第二項の規定による許可があったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した配当表を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。
一最後配当の手続に参加することができる破産債権者の氏名又は名称及び住所
二最後配当の手続に参加することができる債権の額
三最後配当をすることができる金額
2前項第二号に掲げる事項は、優先的破産債権、劣後的破産債権及び約定劣後破産債権をそれぞれ他の破産債権と区分し、優先的破産債権については第九十八条第二項に規定する優先順位に従い、これを記載しなければならない。
3破産管財人は、別除権に係る根抵当権によって担保される破産債権については、当該破産債権を有する破産債権者が、破産管財人に対し、当該根抵当権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しない場合においても、これを配当表に記載しなければならない。この場合においては、前条第二項の規定による許可があった日における当該破産債権のうち極度額を超える部分の額を最後配当の手続に参加することができる債権の額とする。
4前項の規定は、第百八条第二項に規定する抵当権(根抵当権であるものに限る。)を有する者について準用する。
破産法 第197条(配当の公告等) 詳細ページ
(配当の公告等)
第百九十七条破産管財人は、前条第一項の規定により配当表を裁判所に提出した後、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる債権の総額及び最後配当をすることができる金額を公告し、又は届出をした破産債権者に通知しなければならない。
2前項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
3第一項の規定による通知が届出をした各破産債権者に通常到達すべきであった時を経過したときは、破産管財人は、遅滞なく、その旨を裁判所に届け出なければならない。
破産法 第198条(破産債権の除斥等) 詳細ページ
(破産債権の除斥等)
第百九十八条異議等のある破産債権(第百二十九条第一項に規定するものを除く。)について最後配当の手続に参加するには、当該異議等のある破産債権を有する破産債権者が、前条第一項の規定による公告が効力を生じた日又は同条第三項の規定による届出があった日から起算して二週間以内に、破産管財人に対し、当該異議等のある破産債権の確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続又は第百二十七条第一項の規定による受継があった訴訟手続が係属していることを証明しなければならない。
2停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権について最後配当の手続に参加するには、前項に規定する期間(以下この節及び第五節において「最後配当に関する除斥期間」という。)内にこれを行使することができるに至っていなければならない。
3別除権者は、最後配当の手続に参加するには、次項の場合を除き、最後配当に関する除斥期間内に、破産管財人に対し、当該別除権に係る第六十五条第二項に規定する担保権によって担保される債権の全部若しくは一部が破産手続開始後に担保されないこととなったことを証明し、又は当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額を証明しなければならない。
4第百九十六条第三項前段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された根抵当権によって担保される破産債権については、最後配当に関する除斥期間内に当該担保権の行使によって弁済を受けることができない債権の額の証明がされた場合を除き、同条第三項後段(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により配当表に記載された最後配当の手続に参加することができる債権の額を当該弁済を受けることができない債権の額とみなす。
5第三項の規定は、準別除権者について準用する。
破産法 第199条(配当表の更正) 詳細ページ
(配当表の更正)
第百九十九条次に掲げる場合には、破産管財人は、直ちに、配当表を更正しなければならない。
一破産債権者表を更正すべき事由が最後配当に関する除斥期間内に生じたとき。
二前条第一項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。
三前条第三項に規定する事項につき最後配当に関する除斥期間内に証明があったとき。
2前項第三号の規定は、準別除権者について準用する。
破産法 第200条(配当表に対する異議) 詳細ページ
(配当表に対する異議)
第二百条届出をした破産債権者で配当表の記載に不服があるものは、最後配当に関する除斥期間が経過した後一週間以内に限り、裁判所に対し、異議を申し立てることができる。
2裁判所は、前項の規定による異議の申立てを理由があると認めるときは、破産管財人に対し、配当表の更正を命じなければならない。
3第一項の規定による異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。この場合においては、配当表の更正を命ずる決定に対する即時抗告の期間は、第十一条第一項の規定により利害関係人がその裁判書の閲覧を請求することができることとなった日から起算する。
4第一項の規定による異議の申立てを却下する裁判及び前項前段の即時抗告についての裁判(配当表の更正を命ずる決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
破産法 第201条(配当額の定め及び通知) 詳細ページ
(配当額の定め及び通知)
第二百一条破産管財人は、前条第一項に規定する期間が経過した後(同項の規定による異議の申立てがあったときは、当該異議の申立てに係る手続が終了した後)、遅滞なく、最後配当の手続に参加することができる破産債権者に対する配当額を定めなければならない。
2破産管財人は、第七十条の規定により寄託した金額で第百九十八条第二項の規定に適合しなかったことにより最後配当の手続に参加することができなかった破産債権者のために寄託したものの配当を、最後配当の一部として他の破産債権者に対してしなければならない。
3解除条件付債権である破産債権について、その条件が最後配当に関する除斥期間内に成就しないときは、第六十九条の規定により供した担保はその効力を失い、同条の規定により寄託した金額は当該破産債権を有する破産債権者に支払わなければならない。
4第百一条第一項の規定により弁済を受けた破産債権者又は第百九条に規定する弁済を受けた破産債権者は、他の同順位の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の配当を受けるまでは、最後配当を受けることができない。
5第一項の規定により破産債権者に対する配当額を定めた場合において、第百十一条第一項第四号及び第百十三条第二項の規定による届出をしなかった破産債権者について、その定めた配当額が同号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たないときは、破産管財人は、当該破産債権者以外の他の破産債権者に対して当該配当額の最後配当をしなければならない。この場合においては、当該配当額について、当該他の破産債権者に対する配当額を定めなければならない。
6次項の規定による配当額の通知を発する前に、新たに最後配当に充てることができる財産があるに至ったときは、破産管財人は、遅滞なく、配当表を更正しなければならない。
7破産管財人は、第一項から前項までの規定により定めた配当額を、最後配当の手続に参加することができる破産債権者(第五項の規定により最後配当を受けることができない破産債権者を除く。)に通知しなければならない。
破産法 第202条(配当額の供託) 詳細ページ
(配当額の供託)
第二百二条破産管財人は、次に掲げる配当額を、これを受けるべき破産債権者のために供託しなければならない。
一異議等のある破産債権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時にその確定に関する破産債権査定申立てに係る査定の手続、破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続、第百二十七条第一項若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続又は同条第一項の規定による異議の主張に係る訴訟手続が係属しているものに対する配当額
二租税等の請求権又は罰金等の請求権であって前条第七項の規定による配当額の通知を発した時に審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。)その他の不服の申立ての手続が終了していないものに対する配当額
三破産債権者が受け取らない配当額
破産法 第203条(破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い) 詳細ページ
(破産管財人に知れていない財団債権者の取扱い)
第二百三条第二百一条第七項の規定による配当額の通知を発した時に破産管財人に知れていない財団債権者は、最後配当をすることができる金額をもって弁済を受けることができない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。