破産法 / テーマ別まとめ

破産管財人/破産管財人の権限等

破産管財人の権限等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

破産手続開始後、破産財団に属する財産の管理・処分権は破産管財人に専属します。もっとも、不動産の任意売却や営業譲渡、借財など重要な行為については、原則として裁判所の許可を要します。本ページでは、破産管財人の権限の範囲と許可の要否、財産管理・郵便物等の取扱い、調査権限、注意義務や報酬、任務終了時の手続などを条文に沿って整理しています。

破産管財人の権限等
行為の種類許可の要否備考
財産の管理・処分全般不要(管財人に専属)―
不動産・船舶の任意売却許可必要―
知的財産権等の任意売却許可必要―
営業・事業の譲渡許可必要労働組合等の意見聴取
商品の一括売却・借財許可必要―
相続放棄等の承認許可必要―
動産売却~別除権受戻し原則許可必要少額等は不要な場合あり
その他裁判所指定行為許可必要―
  • 2項7号~14号の行為は、最高裁判所規則で定める額以下等は許可不要(3項)
  • 許可を得ずにした行為は無効。ただし善意の第三者には対抗できない(5項)
  • 遅滞のおそれがある場合等を除き、行為前に破産者の意見を聴く(6項)
  • 裁判所の嘱託により、破産者宛の郵便物等を管財人へ配達させられる(81条)
  • 職務に必要なときは、破産者の子会社等にも説明・検査を求められる(83条)
  • 職務執行で抵抗を受けたときは、裁判所の許可を得て警察の援助を求められる(84条)
1

破産管財人の権限等

破産管財人の権限等について、条文は何を定めているか。

第78条破産管財人の権限財産の管理処分権は破産管財人に専属6項・17号判例 4件
  • 財団に属する財産の管理・処分権は管財人に専属する
  • 不動産・船舶・営業譲渡等15種の行為は裁判所の許可が必要
  • 許可のない行為は無効。ただし善意の第三者には対抗不可
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第79条破産財団の管理就職後直ちに財産管理に着手する1項判例 1件
  • 破産管財人は就職後、直ちに財産の管理に着手しなければならない
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第80条当事者適格破産財団に関する訴訟は管財人が当事者となる1項判例なし
  • 破産財団に関する訴えは、管財人を原告または被告とする
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第81条郵便物等の管理裁判所は郵便物等の管財人への配達を嘱託できる5項判例なし
  • 破産者宛の郵便物等を管財人へ配達するよう裁判所が嘱託できる
  • 破産手続終了時は、この嘱託を取り消さなければならない
  • 決定や却下の裁判には即時抗告ができる(配達の決定は執行停止なし)
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第82条管財人は受け取った郵便物等を開いて見られる2項判例なし
  • 管財人は破産者宛の郵便物等を受け取り、開封して確認できる
  • 破産者は受け取った郵便物等の閲覧を管財人に求められる
  • 財団に関しない郵便物等は、破産者が交付を求められる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第83条破産管財人による調査等管財人は説明要求・帳簿検査ができる3項・2号判例なし
  • 破産者やその代理人等に説明を求め、帳簿・書類を検査できる
  • 職務に必要なときは、破産者の子会社等にも説明・検査を求められる
  • 議決権の過半数を持つ他の株式会社も子会社等とみなされる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第84条破産管財人の職務の執行の確保抵抗排除のため警察の援助を求められる1項判例 2件
  • 職務執行で抵抗を受けたとき、裁判所の許可を得て警察の援助を求められる
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第85条破産管財人の注意義務善管注意義務を負い、怠れば連帯して賠償責任2項判例 1件
  • 管財人は善良な管理者の注意をもって職務を行う
  • 注意を怠ったときは利害関係人に対し連帯して賠償責任を負う
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第86条破産管財人の情報提供努力義務給料・退職手当債権者への情報提供に努める1項判例なし
  • 給料・退職手当の破産債権者に、手続参加に必要な情報の提供に努める
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第87条破産管財人の報酬等管財人は費用前払と裁判所が定める報酬を受ける3項判例 3件
  • 管財人は費用の前払いと裁判所が定める報酬を受けられる
  • 報酬等の決定には即時抗告ができる
  • この規定は破産管財人代理にも準用される
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第88条破産管財人の任務終了の場合の報告義務等任務終了時は計算報告書を裁判所に提出する6項判例なし
  • 任務終了後、遅滞なく計算の報告書を裁判所に提出する
  • 管財人が欠けたときは、後任の管財人が報告書を提出する
  • 債権者集会の期日と報告書提出日の間は3日以上置く
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第89条書面による計算報告の申立ても可能4項判例なし
  • 債権者集会への報告に代えて、書面による計算報告の申立てができる
  • 裁判所は報告書提出の旨と異議申立期間(1月以上)を公告する
  • 期間内に異議がなければ、計算は承認されたものとみなす
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
第90条任務終了の場合の財産の管理任務終了後も急迫時は必要な処分をする2項判例なし
  • 急迫の事情があるときは、後任者等が管理できるまで必要な処分をする
  • 開始決定の取消しや廃止決定確定時は、管財人が財団債権を弁済する
  • 存否や額に争いのある財団債権は、その者のために供託する
条文原文を見るこの条文の詳細ページ
論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第78条破産法

1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為につき,相手方である当事者が上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権の有無
2 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者が即時抗告をすることの許否
3 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,当該決定において訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人が自らを抗告人とする即時抗告をすることの許否
4 破産管財人を原告とする訴訟において,破産者の依頼を承諾したことのある弁護士が被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことが,弁護士法25条1号に違反するとされた事例

裁判要旨1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為について,相手方である当事者は,裁判所に対し,同号に違反することを理由として,上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する。
2 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は,民訴法25条5項の類推適用により,即時抗告をすることができる。
3 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,当該決定において訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人は,自らを抗告人とする即時抗告をすることはできない。
4 破産者Aの破産管財人Xを原告とする訴訟において,Aの依頼を承諾したことのある弁護士Bが被告Yの訴訟代理人として訴訟行為を行うことは,次の(1)及び(2)の事実関係の下では,弁護士法25条1号に違反する。
(1) Aは,破産手続開始の決定を受ける前に,Bとの間で,再生手続開始の申立て,再生計画案の作成提出等についての委任契約を締結していた。
(2) 上記訴訟におけるXの主たる請求の内容は,BがAから上記の委任を受けていた間に発生したとされるAのYに対する債権を行使して金員の支払を求めるもの及び上記の間に行われたAのYに対する送金等に関して否認権を行使して金員の支払を求めるものである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成29年10月5日 平成29(許)6
登載
民集 第71巻8号1441頁
参照法条
(1~4につき)弁護士法25条1号 (2につき)民訴法25条5項 (4につき)破産法78条1項
論点2第78条破産法

公序良俗に反する無効な出資と配当に関する契約により給付を受けた金銭の返還につき,当該給付が不法原因給付に当たることを理由として拒むことは信義則上許されないとされた事例

裁判要旨破産者甲との間の契約が公序良俗に反して無効であるとして,乙が当該契約により給付を受けた金銭の返還を求められた場合において,当該金銭は無限連鎖講に該当する事業によって給付された配当金であって他の会員が出えんした金銭を原資とするものであり,当該事業の会員の相当部分の者は甲の破綻により損失を受けて破産債権者の多数を占めるに至っており,甲の破産管財人が破産債権者への配当を行うなど適正かつ公平な清算を図ろうとするため乙に対して当該配当金の返還を求めているなど判示の事情の下においては,乙が当該配当金の給付が不法原因給付に当たることを理由としてその返還を拒むことは,信義則上許されない。
(補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成26年10月28日 平成24(受)2007
登載
民集 第68巻8号1325頁
参照法条
民法1条2項,民法90条,民法708条,破産法78条1項,無限連鎖講の防止に関する法律2条,無限連鎖講の防止に関する法律3条
論点3第78条破産法

1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役と当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続についての代表権の有無
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合における破産手続の終了と当該刑事事件に係る訴訟手続についての取締役の代表権の消長
4 汚水を下水道に放流する行為が下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)の罰則の対象となり得ることと廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条〈法人の破産手続開始の原因〉違反の罪の成否

裁判要旨1 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらない。
2 破産手続開始当時の会社を代表する権限を有する取締役は、破産手続開始によりその地位を当然には失わず、破産手続が終了するまでの間、当該会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する。
3 破産手続開始の決定を受けた株式会社を被告人とする刑事事件に係る訴訟手続について当該会社を代表する取締役は、会社法478条1項2号又は3号に掲げる者がある場合を除き、破産手続の終了後は、当該刑事事件に係る訴訟手続について清算人の立場で当該会社を代表する。
4 汚水を下水道に放流する行為は、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)によって基準に適合しない下水の排除として規制され、同法の罰則の対象となり得るとしても、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条〈法人の破産手続開始の原因〉違反の罪が成立し得る。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和8年4月7日 令和6(あ)1479
登載
―
参照法条
(1、3につき)会社法475条1号、会社法476条、会社法481条1号 (1につき)刑訴法339条1項4号 (2、3につき)刑訴法27条1項 (2につき)会社法330条、会社法349条1項、民法653条2号、破産法78条1項 (3につき)会社法478条1項、会社法483条1項 (4につき)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)1条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)16条、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)25条1項14号、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(令和4年法律第68号による改正前のもの)32条1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)1条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)12条の2第1項、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)38条1項1号、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)45条、下水道法(令和3年法律第31号による改正前のもの)46条1項1号
論点4第78条破産法

破産管財人が別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し又は上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときに、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断する効力を有するか

裁判要旨破産管財人が、別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し、又は、上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときは、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断する効力を有する。
裁判
最高裁判所第三小法廷 令和5年2月1日 令和4(許)16
登載
民集 第77巻2号183頁
参照法条
民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)147条3号、民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)156条、民法152条、破産法78条1項
論点5第79条破産法

破産者がした債務の弁済が否認され給付したものが破産財団に復帰した場合と連帯保証債務

裁判要旨破産者がした債務の弁済が破産管財人により否認され、その給付したものが破産財団に復帰したときは、さきにいつたん消滅した連帯保証債務は、当然復活する。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和48年11月22日 昭和48(オ)726
登載
民集 第27巻10号1435頁
参照法条
破産法72条,破産法77条1項,破産法79条,民法446条,民法458条
論点6第84条破産法

支払停止後破産申立前になされた仮登記に基づいて破産管財人に対する本登録請求が認められた事例

裁判要旨売主の支払停止前になされた農地の売買について、知事の許可がなかつたため、買主において右支払停止後破産申立前に所有権移転請求権保全の仮登記を経たが、破産宣告が右仮登記後一年を超えてなされたときは、右仮登記についてもはや破産法第七四条第一項による否認をしえなくなり、買主は、右仮登記に基づいて、破産管財人に対し知事の許可を条件とする本登記を求めることができる。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和42年8月25日 昭和40(オ)1226
登載
集民 第88号285頁
参照法条
破産法84条,破産法72条,不動産登記法2条
論点7第84条破産法

一 大口債権者に対する代物弁済等に破産債権者を害する意思が認められないとされた事例。
二 破産法第八四条〈破産管財人の職務の執行の確保〉の適用と当事者の主張の要否。

裁判要旨一 大口債権者が本件土地の所有権を取得することによりその債務が消滅すれば、残る小口債権者に対する支払は必ずしも困難ではなく、破産会社の債権、操業再開も必ずしも不可能でないということを破産会社の首脳部が信じてなした本件土地の右大口債権者に対する代物弁済契約もしくは根抵当権設定契約に破産債権者を害する意思が認められないとしたことに違法がない。
二 否認の主張が破産法第八四条所定の要件に該当するときは、相手方の主張をまつことなく、同条を適用して否認権行使ができないと判断しなければならない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和40年4月22日 昭和37(オ)1262
登載
集民 第78号695頁
参照法条
破産法72条1号,破産法84条
論点8第85条破産法

一 否認権行使の相手方が否認された行為のあつたのちに総破産債権が不存在となつたことを主張して否認権行使の効果を否定することの可否
二 総破産債権につき詐害行行為取消権の消滅時効が完成した場合と破産法七二条一号所定の否認権の消長

裁判要旨一 否認権の行使を受けた相手方は、否認された行為のあつたのちに破産者に対する債権がすべて消滅し、総破産債権が現存していないことを主張して否認権行使の効果を否定することはできない。
二 破産法七二条一号〈破産者に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。 破産手続開始後に他人の破産債権を取得したとき。〉所定の否認権は、総破産債権者につき詐害行為取消権の消滅時効が完成しても、消滅しない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 昭和58年11月25日 昭和55(オ)134
登載
民集 第37巻9号1430頁
参照法条
破産法72条1号,破産法85条,民法426条
論点9第87条破産法

問屋の破産と取戻権

裁判要旨問屋が委託の実行としてした売買により権利を取得した後これを委託者に移転しない間に破産した場合には、委託者は、右権利につき取戻権を行使することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和43年7月11日 昭和40(オ)25
登載
民集 第22巻7号1313頁
参照法条
商法552条,破産法87条
論点10第87条破産法

財産分与金の支払を目的とする債権と取戻権

裁判要旨財産分与の分与者が破産した場合において、その相手方は、破産管財人に対し、取戻権の行使として、財産分与金の支払を目的とする債権の履行を請求することはできない。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成2年9月27日 平成2(オ)718
登載
集民 第160号373頁
参照法条
民法768条,破産法87条
論点11第87条破産法

1 弁護士である破産管財人は,自らの報酬の支払について,所得税法204条1項2号所定の源泉徴収義務を負うか
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たるか
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当について,同条所定の源泉徴収義務を負うか

裁判要旨1 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負う。
2 弁護士である破産管財人の報酬に係る源泉所得税の債権は,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号ただし書にいう「破産財団ニ関シテ生シタル」請求権に当たる。
3 破産管財人は,破産債権である所得税法199条所定の退職手当等の債権に対する配当の際にその退職手当等について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負うものではない。
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成23年1月14日 平成20(行ツ)236
登載
民集 第65巻1号1頁
参照法条
(1〜3につき)所得税法6条 (1,2につき)所得税法204条1項2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)166条,破産法87条1項 (2につき)旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条2号,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)47条3号,破産法148条1項2号 (3につき)所得税法30条1項,所得税法199条,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)256条,破産法193条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

破産法 第78条(破産管財人の権限) 詳細ページ
(破産管財人の権限)
第七十八条破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した破産管財人に専属する。
2破産管財人が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
一不動産に関する物権、登記すべき日本船舶又は外国船舶の任意売却
二鉱業権、漁業権、公共施設等運営権、樹木採取権、漁港水面施設運営権、貯留権、試掘権(二酸化炭素の貯留事業に関する法律(令和六年法律第三十八号)第二条第八項に規定する試掘権をいう。)、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権、著作権又は著作隣接権の任意売却
三営業又は事業の譲渡
四商品の一括売却
五借財
六第二百三十八条第二項の規定による相続の放棄の承認、第二百四十三条において準用する同項の規定による包括遺贈の放棄の承認又は第二百四十四条第一項の規定による特定遺贈の放棄
七動産の任意売却
八債権又は有価証券の譲渡
九第五十三条第一項の規定による履行の請求
十訴えの提起
十一和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
十二権利の放棄
十三財団債権、取戻権又は別除権の承認
十四別除権の目的である財産の受戻し
十五その他裁判所の指定する行為
3前項の規定にかかわらず、同項第七号から第十四号までに掲げる行為については、次に掲げる場合には、同項の許可を要しない。
一最高裁判所規則で定める額以下の価額を有するものに関するとき。
二前号に掲げるもののほか、裁判所が前項の許可を要しないものとしたものに関するとき。
4裁判所は、第二項第三号の規定により営業又は事業の譲渡につき同項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。
5第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
6破産管財人は、第二項各号に掲げる行為をしようとするときは、遅滞を生ずるおそれのある場合又は第三項各号に掲げる場合を除き、破産者の意見を聴かなければならない。
破産法 第79条(破産財団の管理) 詳細ページ
(破産財団の管理)
第七十九条破産管財人は、就職の後直ちに破産財団に属する財産の管理に着手しなければならない。
破産法 第80条(当事者適格) 詳細ページ
(当事者適格)
第八十条破産財団に関する訴えについては、破産管財人を原告又は被告とする。
破産法 第81条(郵便物等の管理) 詳細ページ
(郵便物等の管理)
第八十一条裁判所は、破産管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、破産者にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(次条及び第百十八条第五項において「郵便物等」という。)を破産管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。
2裁判所は、破産者の申立てにより又は職権で、破産管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。
3破産手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。
4第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、破産者又は破産管財人は、即時抗告をすることができる。
5第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
破産法 第82条 詳細ページ
第八十二条破産管財人は、破産者にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
2破産者は、破産管財人に対し、破産管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で破産財団に関しないものの交付を求めることができる。
破産法 第83条(破産管財人による調査等) 詳細ページ
(破産管財人による調査等)
第八十三条破産管財人は、第四十条第一項各号に掲げる者及び同条第二項に規定する者に対して同条の規定による説明を求め、又は破産財団に関する帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2破産管財人は、その職務を行うため必要があるときは、破産者の子会社等(次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める法人をいう。次項において同じ。)に対して、その業務及び財産の状況につき説明を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
一破産者が株式会社である場合破産者の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)
二破産者が株式会社以外のものである場合破産者が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社
3破産者(株式会社以外のものに限る。以下この項において同じ。)の子会社等又は破産者及びその子会社等が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、前項の規定の適用については、当該他の株式会社を当該破産者の子会社等とみなす。
破産法 第84条(破産管財人の職務の執行の確保) 詳細ページ
(破産管財人の職務の執行の確保)
第八十四条破産管財人は、職務の執行に際し抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、裁判所の許可を得て、警察上の援助を求めることができる。
破産法 第85条(破産管財人の注意義務) 詳細ページ
(破産管財人の注意義務)
第八十五条破産管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。
2破産管財人が前項の注意を怠ったときは、その破産管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。
破産法 第86条(破産管財人の情報提供努力義務) 詳細ページ
(破産管財人の情報提供努力義務)
第八十六条破産管財人は、破産債権である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、破産手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。
破産法 第87条(破産管財人の報酬等) 詳細ページ
(破産管財人の報酬等)
第八十七条破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
2前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。
破産法 第88条(破産管財人の任務終了の場合の報告義務等) 詳細ページ
(破産管財人の任務終了の場合の報告義務等)
第八十八条破産管財人の任務が終了した場合には、破産管財人は、遅滞なく、計算の報告書を裁判所に提出しなければならない。
2前項の場合において、破産管財人が欠けたときは、同項の計算の報告書は、同項の規定にかかわらず、後任の破産管財人が提出しなければならない。
3第一項又は前項の場合には、第一項の破産管財人又は前項の後任の破産管財人は、破産管財人の任務終了による債権者集会への計算の報告を目的として第百三十五条第一項本文の申立てをしなければならない。
4破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第二項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の申立てにより招集される債権者集会の期日において、第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。
5前項の債権者集会の期日と第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出日との間には、三日以上の期間を置かなければならない。
6第四項の債権者集会の期日において同項の異議がなかった場合には、第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。
破産法 第89条 詳細ページ
第八十九条前条第一項又は第二項の場合には、同条第一項の破産管財人又は同条第二項の後任の破産管財人は、同条第三項の申立てに代えて、書面による計算の報告をする旨の申立てを裁判所にすることができる。
2裁判所は、前項の規定による申立てがあり、かつ、前条第一項又は第二項の規定による計算の報告書の提出があったときは、その提出があった旨及びその計算に異議があれば一定の期間内にこれを述べるべき旨を公告しなければならない。この場合においては、その期間は、一月を下ることができない。
3破産者、破産債権者又は後任の破産管財人(第一項の後任の破産管財人を除く。)は、前項の期間内に前条第一項又は第二項の計算について異議を述べることができる。
4第二項の期間内に前項の異議がなかった場合には、前条第一項又は第二項の計算は、承認されたものとみなす。
破産法 第90条(任務終了の場合の財産の管理) 詳細ページ
(任務終了の場合の財産の管理)
第九十条破産管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、破産管財人又はその承継人は、後任の破産管財人又は破産者が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
2破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定が確定した場合には、破産管財人は、財団債権を弁済しなければならない。ただし、その存否又は額について争いのある財団債権については、その債権を有する者のために供託しなければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。