論点1第82条民事訴訟法
訴訟の目的である金銭債権の数量的な一部に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において,請求が上記数量的な一部に減縮された後の訴えを却下することの許否
裁判要旨金銭債権の支払を請求する訴えの提起時にされた訴訟上の救助の申立てに対し,当該債権の数量的な一部について勝訴の見込みがないとはいえないことを理由として,その部分に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において,請求が上記数量的な一部に減縮されたときは,訴え提起の手数料が納付されていないことを理由に減縮後の請求に係る訴えを却下することは許されない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成27年9月18日 平成25(受)2331
- 登載
- 民集 第69巻6号1729頁
- 参照法条
- 民訴法82条1項,民訴法83条1項1号,民訴法262条1項,民事訴訟費用等に関する法律6条
論点2第82条民事訴訟法
訴訟上の救助の決定に対し訴訟の相手方当事者が即時抗告をすることの許否
裁判要旨訴訟上の救助の決定に対し,訴訟の相手方当事者は,即時抗告をすることができる。
(反対意見がある。)
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 平成16年7月13日 平成16(行フ)4
- 登載
- 民集 第58巻5号1599頁
- 参照法条
- 民訴法82条1項,民訴法86条
論点3第82条民事訴訟法
1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額
裁判要旨1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。
2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額である。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 令和5年10月19日 令和5(許)1
- 登載
- 民集 第77巻7号1756頁
- 参照法条
- (1、2につき)民訴法9条1項本文、民訴法82条1項本文、民事訴訟費用等に関する法律4条1項、民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き (1につき)民訴法83条1項1号
論点4第84条民事訴訟法
訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合において,裁判所が同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく同決定を受けた者に対し猶予した費用の支払を命ずることの許否
裁判要旨民事訴訟において,訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合には,同決定は当然にその効力を失い,裁判所は,同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく,同決定を受けた者に対し,猶予した費用の支払を命ずることができる。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成19年12月4日 平成19(許)7
- 登載
- 民集 第61巻9号3274頁
- 参照法条
- 民訴法84条
論点5第85条民事訴訟法
訴訟代理権を授与された者が本人の死亡後にその者を原告と表示して提起した訴の効力
裁判要旨訴訟代理権を授与された者が本人の死亡したのちその者を原告と表示して提起した訴は、死亡した本人の相続人のための訴として適法である。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和51年3月15日 昭和50(オ)1167
- 登載
- 集民 第117号181頁
- 参照法条
- 民訴法85条,民訴法208条
論点6第85条民事訴訟法
法人の代表者の代表権が消滅しその通知がない場合の判決の表示
裁判要旨訴訟当事者である法人の代表者の代表権が消滅した場合において、旧代表者から委任を受けた訴訟代理人があるときは、右代表権消滅の事実が相手方に通知されていなくても、判決に新代表者を表示することは許される。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和43年4月16日 昭和42(オ)1348
- 登載
- 民集 第22巻4号929頁
- 参照法条
- 民訴法58条,民訴法57条1項,民訴法85条,民訴法191条1項
論点7第85条民事訴訟法
控訴の特別委任を受けた第一審訴訟代理人は本人の死亡後控訴審において請求の拡張をする訴訟代理権を有するか
裁判要旨積極
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和43年11月15日 昭和43(オ)557
- 登載
- 集民 第93号315頁
- 参照法条
- 民訴法81条,民訴法85条,民訴法232条1項
論点8第85条民事訴訟法
一 弁護士に対する懲戒処分の効力の発生時期
二 業務停止の懲戒処分に違反してされた弁護士の訴訟行為の効力
裁判要旨一 弁護士に対する懲戒処分は告知の時にその効力を生ずる。
二 業務停止の懲戒処分に違反してされた弁護士の訴訟行為は、無効ではない。
- 裁判
- 最高裁判所大法廷 昭和42年9月27日 昭和40(オ)620
- 登載
- 民集 第21巻7号1955頁
- 参照法条
- 弁護士法56条,弁護士法57条2号,民訴法79条,民訴法85条
論点9第85条民事訴訟法
訴訟復代理権は訴訟代理人の死亡によつて消滅するか
裁判要旨訴訟代理人がその権限に基づいて復代理人を選任したときは、本代理人の死亡した場合でも、これによつて復代理人の訴訟代理権は当然には消滅しない。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 昭和37年5月29日 昭和36(オ)341
- 登載
- 集民 第60号947頁
- 参照法条
- 民訴法85条,民法653条
論点10第85条民事訴訟法
訴訟復代理権は訴訟代理人の死亡によつて消滅するか。
裁判要旨訴訟代理人は、その選任者である訴訟代理人の死亡によつて、当然に、その代理権を失なうものではない。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和36年11月9日 昭和36(オ)374
- 登載
- 民集 第15巻10号2451頁
- 参照法条
- 民訴法85条,民法653条
論点11第85条民事訴訟法
訴訟承継の場合における訴訟代理人の地位。
裁判要旨被相続人の訴訟代理人であつた者は、被相続人の死亡による訴訟承継の結果、新たに当事者となつた相続人の訴訟代理人として訴訟行為をなすことができるものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和33年9月19日 昭和32(オ)563
- 登載
- 民集 第12巻13号2062頁
- 参照法条
- 民訴法213条,民訴法85条
論点12第85条民事訴訟法
一 戸籍法第八九条による戦死報告に基く戸籍簿の記載の証拠力
二 民法第一一一条第一項第一号の趣旨
三 民訴第五七条〈当事者による更正〉および同第八五条〈猶予された費用等の取立方法〉の趣旨
裁判要旨一 戸籍簿に戦死した旨記載されている者は、右記載が戸籍法第八九条の報告に基いて登載されたものと認められるときは、反証がない限り、戸籍簿に記載されている日に死亡したものと認むべきである。
二 本人の死亡を代理権消滅の原因とする民法第一一一条の規定は、これと異なる合意の効力を否定する趣旨ではない。
三 民訴
第五七条〈当事者による更正〉および同
第八五条〈猶予された費用等の取立方法〉は、法定代理人又は訴訟代理人の訴訟行為の効果が実質上死亡者の相続人に帰属することを容認するものと解すべきである。
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 昭和28年4月23日 昭和24(オ)112
- 登載
- 民集 第7巻4号396頁
- 参照法条
- 戸籍法89条,民法111条1項1号,民訴法57条1項,民訴法85条
論点13第85条民事訴訟法
上告提起の特別委任を受けた訴訟代理人がある場合と当事者の死亡による訴訟手続中断の有無
裁判要旨当事者より上告提起の特別委任を受けた訴訟代理人がある場合には、第二審判決の送達後上告提起の期間内にその当事者が死亡しても訴訟手続は中断しない。
- 裁判
- 最高裁判所第二小法廷 昭和23年12月24日 昭和23(オ)104
- 登載
- 民集 第2巻14号500頁
- 参照法条
- 民訴法81条2項,民訴法85条,民訴法208条,民訴法213条
論点14第85条民事訴訟法
訴訟費用のうち一定割合を受救助者の負担とし,その余を相手方当事者の負担とする旨の裁判が確定した後,訴訟費用の負担の額を定める処分を求める申立てがされる前に,裁判所が受救助者に猶予した費用につき当該相手方当事者に対して民訴法85条前段の費用の取立てをすることができる額を定める場合において,その額につき,受救助者に猶予した費用に上記裁判で定められた当該相手方当事者の負担割合を乗じた額とすべきものとした原審の判断に違法があるとされた事例
裁判要旨訴訟費用のうち一定割合を受救助者(訴訟上の救助の決定を受けた者)の負担とし,その余を相手方当事者の負担とする旨の裁判が確定した後,訴訟費用の負担の額を定める処分を求める申立てがされる前に,裁判所が受救助者に猶予した費用につき当該相手方当事者に対して民訴法85条前段の費用の取立てをすることができる額を定める場合において,当該相手方当事者が,訴え提起の手数料として少額とはいえない額の支出をした者の地位を承継し,受救助者の負担すべき費用との差引計算を求めることを明らかにしているなど判示の事情の下では,当該相手方当事者に対し上記の差引計算を求める範囲を明らかにするよう求めることのないまま,上記の同条前段の費用の取立てをすることができる額につき,受救助者に猶予した費用に上記裁判で定められた当該相手方当事者の負担割合を乗じた額とすべきものとした原審の判断には,違法がある。
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成29年9月5日 平成28(許)40
- 登載
- 集民 第256号47頁
- 参照法条
- 民訴法85条前段,民事訴訟費用等に関する法律16条2項,民事訴訟費用等に関する法律15条1項