民事訴訟法 / テーマ別まとめ

裁判所/裁判所職員の除斥及び忌避

裁判所職員の除斥及び忌避の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

裁判官が事件の当事者と特別な関係にあるときや、裁判の公正さに疑いを生じさせる事情があるときに、その裁判官を職務から外すための除斥・忌避の手続を定めています。除斥は条文に列挙された事由に当てはまれば当然に問題となり、忌避は当事者の申立てによって初めて審理される点が異なります。これらの規定は裁判所書記官にも同様に適用されます。

裁判所職員の除斥及び忌避
項目除斥忌避
対象となる場面当事者本人・親族・前審関与など6事由裁判の公正を妨げる事情がある場合
誰が求めるか申立てまたは裁判所の職権当事者の申立てのみ
弁論後の制限制限なし面前弁論・弁論準備後は原則不可
判断する裁判所所属裁判所(地裁は合議体)所属裁判所(地裁は合議体)
理由ありの決定不服申立てできない不服申立てできない
理由なしの決定即時抗告できる即時抗告できる
  • 除斥の6号(前審関与)による除斥でも、他の裁判所からの嘱託による受託裁判官としての職務執行は妨げられない
  • 面前弁論・弁論準備後でも、忌避原因を知らなかったとき、または原因がその後に生じたときは忌避できる
  • 簡易裁判所の裁判官の除斥・忌避は、その裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が決定する
  • 除斥・忌避の申立てがあると、決定が確定するまで訴訟手続は停止する(急速を要する行為を除く)
  • 対象の裁判官は自分自身の除斥・忌避についての裁判に関与できない
  • この節の規定は裁判所書記官にも準用され、その場合の裁判は書記官の所属する裁判所が行う
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裁判所職員の除斥及び忌避

裁判所職員の除斥及び忌避について、条文は何を定めているか。

第23条裁判官の除斥裁判官が外れるべき6つの場合を定める2項・6号判例 2件
  • 配偶者・親族・後見人など6つの事由で除斥される
  • 申立てまたは裁判所の職権で除斥の裁判をする
  • 前審関与での除斥でも受託裁判官としての職務は可
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第24条裁判官の忌避公正を欠く事情があれば当事者が忌避できる2項判例 1件
  • 裁判の公正を妨げる事情があれば当事者が忌避できる
  • 裁判官の前で弁論・弁論準備の申述後は原則忌避不可
  • 知らなかった時や原因が後に生じた時は例外的に可
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第25条除斥又は忌避の裁判誰が除斥・忌避を判断するかを定める5項判例 2件
  • 判断するのは対象裁判官の所属裁判所(地裁は合議体)
  • 対象の裁判官自身はその裁判に関与できない
  • 理由ありなら不服申立て不可、理由なしなら即時抗告できる
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第26条訴訟手続の停止申立て中は訴訟手続を止める1項判例なし
  • 申立てへの決定が確定するまで訴訟手続を停止する
  • 急速を要する行為は停止の対象にならない
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第27条裁判所書記官への準用裁判所書記官にも同じ規定を準用する1項判例なし
  • この節の規定は裁判所書記官にも準用される
  • 書記官の除斥・忌避の裁判は書記官所属の裁判所が行う
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第23条民事訴訟法

地方自治法二四二条の二第一項四号所定の損害賠償請求訴訟における訴訟物の価額

裁判要旨地方自治法二四二条の二第一項四号所定の損害賠償請求訴訟における訴訟物の価額は、原告の数にかかわりなく、三五万円とすべきである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和53年3月30日 昭和51(行ツ)120
登載
民集 第32巻2号485頁
参照法条
地方自治法242条の2第1項,民訴法22条,民訴法23条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条1項,民事訴訟費用等に関する法律4条2項
論点2第23条民事訴訟法

1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たるか
2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員に対して会社がした普通解雇が,当該従業員に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例

裁判要旨1 労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴訟に移行した場合において,当該労働審判は民訴法23条1項6号にいう「前審の裁判」に当たらない。
2 統括事業部長を兼務する取締役の地位にある従業員が,その勤務態度は他の従業員や取引先から会社に対し苦情が寄せられるほどであり,これはその飲酒癖に起因するものであったのに,代表取締役社長から注意されても飲酒を控えることがなく,取引先の担当者と打合せをする予定のある日に欠勤した上,その日の夜に同社長と電話で話をした際,酒に酔った状態で「(自分を)辞めさせたらどうですか。」と述べたなど判示の事実関係の下では,当該従業員に対して会社がした普通解雇は,懲戒処分などの解雇以外の方法を採ることなくされたとしても,当該従業員に対する不法行為を構成するものということはできない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成22年5月25日 平成21(オ)1727
登載
集民 第234号99頁
参照法条
(1につき)民訴法23条1項6号,労働審判法20条1項,労働審判法22条(2につき)民法709条,労働基準法(平成19年法律第128号による改正前のもの)18条の2,労働契約法16条
論点3第24条民事訴訟法

養父母がその普通裁判籍所在地を異にする場合と養子縁組無効確認の訴の管轄裁判所

裁判要旨養父母がその普通裁判籍所在地を異にする場合には、養子縁組無効確認の訴は養父母のいずれの普通裁判籍所在地の地方裁判所に対してもこれを提起することができる。
裁判
最高裁判所第一小法廷 昭和31年10月31日 昭和31(マ)27
登載
民集 第10巻10号1398頁
参照法条
人事訴訟手続法24条,民訴法24条
論点4第25条民事訴訟法

一、国際的裁判の合意の方式
二、外国の裁判所を専属管轄裁判所与る国際的専属的裁判管轄の合意
三、船荷証券に基づく国際的専属的裁判管轄の合意が公序違反として無効とはいえないとされた事例

裁判要旨一、国際的裁判管轄の合意は、両当事者の署名のある書面によつてされることを要せず、特定国の裁判所を管轄裁判所として明示的に指定する当事者の一方が作成した書面に基づいて締結されれば足りる。
二、ある訴訟事件についてわが国の裁判権を排除し特定の外国の裁判所を第一審の専属的管轄裁判所と指定する国際的専属的裁判管轄の合意は、当該事件がわが国の裁判権に専属的に服するものではなく、かつ指定された外国の裁判所がその外国法上当該事件につき管轄権を有する場合には、原則として有効であり、その外国法上右合意が有効とされること又は当該外国裁判所の判決につき相互の保証のあることを要しない。
三、国際海上物品運送契約に基づく荷主の運送人に対する損害賠償請求訴訟につき、国際的海運業者である被告の本店のあるオランダ国の裁判所を第一審の専属的管轄裁判所と指定する国際的専属的裁判管轄の合意は、たとえそれが被告の発行した船荷証券上の管轄約款に基づくものであり、また、右合意に従うとき荷主の負うこととなる費用及び手数が増大するとしても、それだけでは公序違反として無効とはいえない。
裁判
最高裁判所第三小法廷 昭和50年11月28日 昭和45(オ)297
登載
民集 第29巻10号1554頁
参照法条
民法1条,民法90条,民法521条,民訴法25条,民訴法200条4号,民訴法515条,1924年8月25日にブラツセルで署名された船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約3条8項,国際海上物運送法15条1項
論点5第25条民事訴訟法

1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為につき,相手方である当事者が上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権の有無
2 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者が即時抗告をすることの許否
3 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,当該決定において訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人が自らを抗告人とする即時抗告をすることの許否
4 破産管財人を原告とする訴訟において,破産者の依頼を承諾したことのある弁護士が被告の訴訟代理人として訴訟行為を行うことが,弁護士法25条1号に違反するとされた事例

裁判要旨1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為について,相手方である当事者は,裁判所に対し,同号に違反することを理由として,上記各訴訟行為を排除する旨の裁判を求める申立権を有する。
2 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,自らの訴訟代理人又は訴訟復代理人の訴訟行為を排除するものとされた当事者は,民訴法25条5項の類推適用により,即時抗告をすることができる。
3 弁護士法25条1号に違反することを理由として訴訟行為を排除する旨の決定に対し,当該決定において訴訟行為を排除するものとされた訴訟代理人又は訴訟復代理人は,自らを抗告人とする即時抗告をすることはできない。
4 破産者Aの破産管財人Xを原告とする訴訟において,Aの依頼を承諾したことのある弁護士Bが被告Yの訴訟代理人として訴訟行為を行うことは,次の(1)及び(2)の事実関係の下では,弁護士法25条1号に違反する。
(1) Aは,破産手続開始の決定を受ける前に,Bとの間で,再生手続開始の申立て,再生計画案の作成提出等についての委任契約を締結していた。
(2) 上記訴訟におけるXの主たる請求の内容は,BがAから上記の委任を受けていた間に発生したとされるAのYに対する債権を行使して金員の支払を求めるもの及び上記の間に行われたAのYに対する送金等に関して否認権を行使して金員の支払を求めるものである。
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成29年10月5日 平成29(許)6
登載
民集 第71巻8号1441頁
参照法条
(1~4につき)弁護士法25条1号 (2につき)民訴法25条5項 (4につき)破産法78条1項
原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

民事訴訟法 第23条(裁判官の除斥) 詳細ページ
(裁判官の除斥)
第二十三条裁判官は、次に掲げる場合には、その職務の執行から除斥される。ただし、第六号に掲げる場合にあっては、他の裁判所の嘱託により受託裁判官としてその職務を行うことを妨げない。
一裁判官又はその配偶者若しくは配偶者であった者が、事件の当事者であるとき、又は事件について当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。
二裁判官が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあったとき。
三裁判官が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。
四裁判官が事件について証人又は鑑定人となったとき。
五裁判官が事件について当事者の代理人又は補佐人であるとき、又はあったとき。
六裁判官が事件について仲裁判断に関与し、又は不服を申し立てられた前審の裁判に関与したとき。
2前項に規定する除斥の原因があるときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、除斥の裁判をする。
民事訴訟法 第24条(裁判官の忌避) 詳細ページ
(裁判官の忌避)
第二十四条裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。
2当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
民事訴訟法 第25条(除斥又は忌避の裁判) 詳細ページ
(除斥又は忌避の裁判)
第二十五条合議体の構成員である裁判官及び地方裁判所の一人の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判官の所属する裁判所が、簡易裁判所の裁判官の除斥又は忌避についてはその裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が、決定で、裁判をする。
2地方裁判所における前項の裁判は、合議体でする。
3裁判官は、その除斥又は忌避についての裁判に関与することができない。
4除斥又は忌避を理由があるとする決定に対しては、不服を申し立てることができない。
5除斥又は忌避を理由がないとする決定に対しては、即時抗告をすることができる。
民事訴訟法 第26条(訴訟手続の停止) 詳細ページ
(訴訟手続の停止)
第二十六条除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。
民事訴訟法 第27条(裁判所書記官への準用) 詳細ページ
(裁判所書記官への準用)
第二十七条この節の規定は、裁判所書記官について準用する。この場合においては、裁判は、裁判所書記官の所属する裁判所がする。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。