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特別清算/特別清算の開始

特別清算の開始の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

特別清算は、通常の清算を進めている株式会社について、清算の遂行に著しい支障がある場合や債務超過の疑いがある場合に、裁判所の命令によって開始される手続です。ここでは、開始の原因・申立てができる者、裁判所が開始を命じる際の要件と却下される場合、開始後に生じる破産手続や強制執行等の中止・禁止、相殺の制限といった開始段階のルールを整理しています。

特別清算の開始
区分内容
開始原因清算の著しい支障、または債務超過の疑い
申立権者債権者・清算人・監査役・株主
清算人の義務債務超過の疑いがあれば申立て義務あり
申立て後の中止命令裁判所が破産・強制執行等を任意で中止可
却下事由費用未予納・結了見込みなし・債権者に不利益等
開始後の効果破産・強制執行等の新規申立て禁止、既存の手続は中止
  • 破産手続の中止命令は、破産手続開始の決定がされていない場合に限られる
  • 強制執行等の中止・禁止は、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く
  • 担保権実行の手続等の中止は、開始命令後に裁判所が別途命じた場合に生じる
  • 申立ての取下げは開始命令前に限り、中止命令等がされた後は裁判所の許可が必要
  • 相殺の制限は協定債権者側・清算会社に債務を負担する者側の双方にあり、法定原因や1年以上前の原因等には適用されない
  • 共助対象外国租税の請求権で手続に参加する協定債権者は、共助実施決定を得る必要がある
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特別清算の開始

特別清算の開始について、条文は何を定めているか。

第510条特別清算開始の原因清算に支障や債務超過疑いで開始命令1項・2号判例なし
  • 清算の遂行に著しい支障がある場合に対象となる
  • 財産が債務を完済できない疑い(債務超過の疑い)も対象
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第511条特別清算開始の申立て申立てできる者と清算人の義務2項判例なし
  • 債権者、清算人、監査役、株主が申立てできる
  • 債務超過の疑いがあるとき清算人は申立てをしなければならない
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第512条他の手続の中止命令等申立て中、他の手続の中止を命令できる2項・3号判例なし
  • 裁判所は申立てから開始命令までの間、破産等の中止を命令できる
  • 破産手続は開始決定前のみ、強制執行等は不当な損害がない場合に限る
  • 却下決定への即時抗告があったときも同様に中止命令が可能
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第513条特別清算開始の申立ての取下げの制限取下げは開始命令前まで、その後は不可1項判例なし
  • 特別清算開始の命令前に限り申立てを取り下げられる
  • 中止命令や保全処分等がされた後は裁判所の許可が必要
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第514条特別清算開始の命令裁判所が要件を審査し開始命令を出す1項・4号判例なし
  • 開始原因があれば原則開始命令、ただし4つの除外事由がある
  • 費用未予納、結了見込みなし、債権者の一般利益に反する等は却下
  • 不当な目的や誠実でない申立ても却下される
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第515条他の手続の中止等開始命令で破産等の新規申立てを禁止3項判例なし
  • 破産手続開始等の申立てが禁止され、既存の関連手続は中止する
  • 開始命令が確定すると中止した手続はその効力を失う
  • 協定債権の時効は取消・終結登記から2箇月経過まで完成しない
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第516条担保権の実行の手続等の中止命令担保権実行等の中止も裁判所が命令可1項判例なし
  • 債権者の利益に適合し申立人に不当な損害がない場合に命令できる
  • 対象は担保権・企業担保権・一般先取特権に基づく強制執行の手続
  • 清算人・監査役・債権者・株主の申立てまたは職権で発令される
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第517条相殺の禁止協定債権者による相殺が制限される場合2項・7号判例なし
  • 開始後の債務負担や、支払不能後に相殺目的で結んだ契約等は相殺不可
  • 支払停止後や申立て後に負担した債務も、知っていれば相殺不可
  • 法定原因や1年以上前に生じた原因に基づく場合は制限されない
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第518条清算会社への債務者側の相殺も制限2項・8号判例なし
  • 開始後や支払不能後に協定債権を取得した場合は相殺不可
  • 支払停止後・申立て後の取得も、知っていれば相殺不可
  • 法定原因、契約による取得等の場合は制限されない
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第518_2条共助対象外国租税債権者の手続参加外国租税債権者は共助実施決定が必要1項判例なし
  • 共助対象外国租税の請求権で手続参加するには共助実施決定を要する
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原

条文原文

原文ママ

e-Gov法令検索から取得した原文を、号・イロハまで省略せずに掲載しています。

会社法 第510条(特別清算開始の原因) 詳細ページ
(特別清算開始の原因)
第五百十条裁判所は、清算株式会社に次に掲げる事由があると認めるときは、第五百十四条の規定に基づき、申立てにより、当該清算株式会社に対し特別清算の開始を命ずる。
一清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること。
二債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態をいう。次条第二項において同じ。)の疑いがあること。
会社法 第511条(特別清算開始の申立て) 詳細ページ
(特別清算開始の申立て)
第五百十一条債権者、清算人、監査役又は株主は、特別清算開始の申立てをすることができる。
2清算株式会社に債務超過の疑いがあるときは、清算人は、特別清算開始の申立てをしなければならない。
会社法 第512条(他の手続の中止命令等) 詳細ページ
(他の手続の中止命令等)
第五百十二条裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、債権者、清算人、監査役若しくは株主の申立てにより又は職権で、特別清算開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。ただし、第一号に掲げる破産手続については破産手続開始の決定がされていない場合に限り、第二号に掲げる手続又は第三号に掲げる処分についてはその手続の申立人である債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。
一清算株式会社についての破産手続
二清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え又は仮処分の手続(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づくものを除く。)
三清算株式会社の財産に対して既にされている共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。第五百十八条の二及び第五百七十一条第四項において「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(第五百十五条第一項において「外国租税滞納処分」という。)
2特別清算開始の申立てを却下する決定に対して第八百九十条第五項の即時抗告がされたときも、前項と同様とする。
会社法 第513条(特別清算開始の申立ての取下げの制限) 詳細ページ
(特別清算開始の申立ての取下げの制限)
第五百十三条特別清算開始の申立てをした者は、特別清算開始の命令前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、前条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分又は第五百四十一条第二項の規定による処分がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。
会社法 第514条(特別清算開始の命令) 詳細ページ
(特別清算開始の命令)
第五百十四条裁判所は、特別清算開始の申立てがあった場合において、特別清算開始の原因となる事由があると認めるときは、次のいずれかに該当する場合を除き、特別清算開始の命令をする。
一特別清算の手続の費用の予納がないとき。
二特別清算によっても清算を結了する見込みがないことが明らかであるとき。
三特別清算によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき。
四不当な目的で特別清算開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
会社法 第515条(他の手続の中止等) 詳細ページ
(他の手続の中止等)
第五百十五条特別清算開始の命令があったときは、破産手続開始の申立て、清算株式会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分若しくは外国租税滞納処分又は財産開示手続(民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第百九十七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)若しくは第三者からの情報取得手続(同法第二百五条第一項第一号、第二百六条第一項又は第二百七条第一項の申立てによるものに限る。以下この項において同じ。)の申立てはすることができず、破産手続(破産手続開始の決定がされていないものに限る。)、清算株式会社の財産に対して既にされている強制執行、仮差押え及び仮処分の手続並びに外国租税滞納処分並びに財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止する。ただし、一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行、仮差押え、仮処分又は財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続については、この限りでない。
2特別清算開始の命令が確定したときは、前項の規定により中止した手続又は処分は、特別清算の手続の関係においては、その効力を失う。
3特別清算開始の命令があったときは、清算株式会社の債権者の債権(一般の先取特権その他一般の優先権がある債権、特別清算の手続のために清算株式会社に対して生じた債権及び特別清算の手続に関する清算株式会社に対する費用請求権を除く。以下この節において「協定債権」という。)については、第九百三十八条第一項第二号又は第三号に規定する特別清算開始の取消しの登記又は特別清算終結の登記の日から二箇月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。
会社法 第516条(担保権の実行の手続等の中止命令) 詳細ページ
(担保権の実行の手続等の中止命令)
第五百十六条裁判所は、特別清算開始の命令があった場合において、債権者の一般の利益に適合し、かつ、担保権の実行の手続等(清算株式会社の財産につき存する担保権の実行の手続、企業担保権の実行の手続又は清算株式会社の財産に対して既にされている一般の先取特権その他一般の優先権がある債権に基づく強制執行の手続をいう。以下この条において同じ。)の申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、清算人、監査役、債権者若しくは株主の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、担保権の実行の手続等の中止を命ずることができる。
会社法 第517条(相殺の禁止) 詳細ページ
(相殺の禁止)
第五百十七条協定債権を有する債権者(以下この節において「協定債権者」という。)は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
一特別清算開始後に清算株式会社に対して債務を負担したとき。
二支払不能(清算株式会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この款において同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら協定債権をもってする相殺に供する目的で清算株式会社の財産の処分を内容とする契約を清算株式会社との間で締結し、又は清算株式会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
三支払の停止があった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
四特別清算開始の申立てがあった後に清算株式会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。
2前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
一法定の原因
二支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを協定債権者が知った時より前に生じた原因
三特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因
会社法 第518条 詳細ページ
第五百十八条清算株式会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
一特別清算開始後に他人の協定債権を取得したとき。
二支払不能になった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
三支払の停止があった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
四特別清算開始の申立てがあった後に協定債権を取得した場合であって、その取得の当時、特別清算開始の申立てがあったことを知っていたとき。
2前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する協定債権の取得が次に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
一法定の原因
二支払不能であったこと又は支払の停止若しくは特別清算開始の申立てがあったことを清算株式会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因
三特別清算開始の申立てがあった時より一年以上前に生じた原因
四清算株式会社に対して債務を負担する者と清算株式会社との間の契約
会社法 第518_2条(共助対象外国租税債権者の手続参加) 詳細ページ
(共助対象外国租税債権者の手続参加)
第五百十八条の二協定債権者は、共助対象外国租税の請求権をもって特別清算の手続に参加するには、租税条約等実施特例法第十一条第一項に規定する共助実施決定を得なければならない。
出

一次情報

原文ママ

条文は e-Gov法令検索、判例は裁判所ウェブサイトから取得しています。