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新株予約権の発行/募集事項の決定等

募集事項の決定等の条文と、裁判所が付した判示事項から整理しています。

原文解釈このページは論点を軸に条文と判例を横断して整理したものです。論点の名称と構成は当サイトの整理であり、条文上の区分ではありません。リード文・要点・比較表も当サイトによる解釈です。条文原文と判例の判示事項・裁判要旨は転記です。

新株予約権を発行するときは、募集のたびに内容・数・払込金額・割当日などの「募集事項」を定める必要があります。原則は株主総会の決議によりますが、公開会社では取締役会が決定する、決定を取締役(会)に委任できるなど、会社の形態や手続の選び方によって決定機関・通知・期限のルールが異なります。株主に割当てを受ける権利を与える場合には、これらとは別の決定方法・通知ルールが定められています。

募集事項の決定等
場面決定機関期限・条件
原則株主総会の決議―
取締役(会)に委任委任決議で上限等を設定割当日は決議日から1年以内
公開会社(原則)取締役会の決議割当日の2週間前までに通知
特に有利な条件・金額株主総会の決議理由説明が必要
株主割当て(公開会社)取締役会の決議申込期日の2週間前までに通知
株主割当て(非公開会社)取締役の決定/取締役会/株主総会定款の定め等により異なる
  • 譲渡制限株式が目的の種類株式発行会社では、定款に別段の定めがある場合を除き種類株主総会の決議が必要(議決権を行使できる種類株主がいないときは不要)
  • 委任に基づく募集は、委任決議の日から1年以内に割当日がある募集にのみ有効
  • 公開会社でも金融商品取引法の届出等をしている場合、株主への通知は不要
  • 株主への通知は公告で代えることができる
  • 株主割当て(非公開会社)の決定機関は、定款の定めの有無や取締役会設置の有無で株主総会・取締役会・取締役の決定に分かれる
  • 株主に割当てを受ける権利を与える場合、238条2項〜4項・239条・240条の規定は適用されない
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募集事項の決定等

募集事項の決定等について、条文は何を定めているか。

第238条募集事項の決定発行のたびに募集事項を株主総会で決定5項・9号判例 1件
  • 内容・数、払込金額または算定方法、割当日などを募集ごとに定める
  • 払込み不要や払込金額が特に有利な場合は取締役が理由を説明
  • 種類株式発行会社で目的が譲渡制限株式なら種類株主総会の決議も必要
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第239条募集事項の決定の委任株主総会が取締役(会)に決定を委任できる4項・5号判例なし
  • 委任時は募集新株予約権の内容・数の上限、払込金額の下限などを定める
  • 払込み不要や下限額が特に有利な場合は取締役が理由を説明
  • 委任決議は、決議日から1年以内に割当日がある募集にのみ有効
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第240条公開会社における募集事項の決定の特則公開会社は原則、取締役会が募集事項を決定4項判例 1件
  • 特に有利な条件・金額での募集を除き、取締役会の決議で決定する
  • 取締役会が決定した場合、割当日の2週間前までに株主へ募集事項を通知
  • 通知は公告で代えることができる
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第241条株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えられる5項・9号判例なし
  • 株主は持株数に応じて割当てを受ける権利を持ち、端数は切り捨て
  • 決定機関は状況により取締役の決定・取締役会・株主総会に分かれる
  • 申込期日の2週間前までに募集事項や割当てなどを株主に通知
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論

主要な論点と判例

原文ママ

論点の見出しと結論は、裁判所が付した判示事項・裁判要旨をそのまま転記しています。文中の〈 〉内は条文の見出しを当サイトが補ったものです。

論点1第238条会社法

1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合

裁判要旨1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使条件を変更することができる旨の明示の委任がないときは,当該新株予約権の発行後に上記行使条件を変更する取締役会決議は,上記行使条件の細目的な変更をするにとどまるものであるときを除き,無効である。
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合,当該特別決議を欠く瑕疵は上記株式発行の無効原因になる。
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権に株主総会によって行使条件が付された場合に,この行使条件が当該新株予約権を発行した趣旨に照らして当該新株予約権の重要な内容を構成しているときは,上記行使条件に反した新株予約権の行使による株式の発行には,無効原因がある。
(1〜3につき補足意見がある。)
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成24年4月24日 平成22(受)1212
登載
民集 第66巻6号2908頁
参照法条
(1につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ20第2項6号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項 (2,3につき)会社法828条1項2号 (2につき)会社法199条,会社法201条1項 (3につき)会社法238条,会社法240条1項

関連する会計・監査の基準

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原

条文原文

原文ママ

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会社法 第238条(募集事項の決定) 詳細ページ
(募集事項の決定)
第二百三十八条株式会社は、その発行する新株予約権を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集新株予約権(当該募集に応じて当該新株予約権の引受けの申込みをした者に対して割り当てる新株予約権をいう。以下この章において同じ。)について次に掲げる事項(以下この節において「募集事項」という。)を定めなければならない。
一募集新株予約権の内容及び数
二募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
三前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額(募集新株予約権一個と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この章において同じ。)又はその算定方法
四募集新株予約権を割り当てる日(以下この節において「割当日」という。)
五募集新株予約権と引換えにする金銭の払込みの期日を定めるときは、その期日
六募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、第六百七十六条各号に掲げる事項
七前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された募集新株予約権についての第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め
2募集事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
3次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
一第一項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。
二第一項第三号に規定する場合において、同号の払込金額が当該者に特に有利な金額であるとき。
4種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を目的とする募集新株予約権を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
5募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。
会社法 第239条(募集事項の決定の委任) 詳細ページ
(募集事項の決定の委任)
第二百三十九条前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限
二前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
三前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限
2次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
一前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。
二前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。
3第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。
4種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
会社法 第240条(公開会社における募集事項の決定の特則) 詳細ページ
(公開会社における募集事項の決定の特則)
第二百四十条第二百三十八条第三項各号に掲げる場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。この場合においては、前条の規定は、適用しない。
2公開会社は、前項の規定により読み替えて適用する第二百三十八条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めた場合には、割当日の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項を通知しなければならない。
3前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
4第二項の規定は、株式会社が募集事項について割当日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない。
会社法 第241条(株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合) 詳細ページ
(株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合)
第二百四十一条株式会社は、第二百三十八条第一項の募集において、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与えることができる。この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。
一株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集新株予約権(種類株式発行会社にあっては、その目的である株式の種類が当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨
二前号の募集新株予約権の引受けの申込みの期日
2前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)は、その有する株式の数に応じて募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する。ただし、当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
3第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。
一当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く。)取締役の決定
二当該募集事項及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く。)取締役会の決議
三株式会社が公開会社である場合取締役会の決議
四前三号に掲げる場合以外の場合株主総会の決議
4株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに、同項第一号の株主(当該株式会社を除く。)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一募集事項
二当該株主が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数
三第一項第二号の期日
5第二百三十八条第二項から第四項まで及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない。
出

一次情報

原文ママ

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