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原文整理テーマ別まとめ概要
原文解釈- 会社の設立、株式の発行、自己株式の処分、新株予約権の発行、資本金の額の減少、組織変更、吸収合併・新設合併、吸収分割・新設分割、株式交換・株式移転・株式交付という会社の組織に関する行為の無効は、訴えをもってのみ主張することができる。
- 出訴期間は行為の類型ごとに定められており、会社の設立は成立の日から二年以内、その他の行為は原則としてその効力が生じた日から六箇月以内である。
- 株式の発行、自己株式の処分及び新株予約権の発行については、公開会社でない株式会社の場合、出訴期間が効力が生じた日から一年以内に伸長される。
- 無効の訴えを提起できる者は行為の類型ごとに限定されており、当該会社の株主等・社員等のほか、新株予約権者、破産管財人、当該行為について承認をしなかった債権者等が含まれる場合がある。
- 組織変更、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転、株式交付については、行為の効力が生じた日において当事会社の株主等・社員等であった者も提訴権者に含まれる。
会社の組織に関する行為の無効の訴え(対象行為・出訴期間・提訴権者)
原文解釈横スクロールできます| 号 | 対象行為 | 出訴期間 | 提訴権者 |
|---|---|---|---|
| 一 | 会社の設立 | 会社の成立の日から二年以内 | 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう) |
| 二 | 株式会社の成立後における株式の発行 | 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、一年以内) | 当該株式会社の株主等 |
| 三 | 自己株式の処分 | 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、一年以内) | 当該株式会社の株主等 |
| 四 | 新株予約権(新株予約権付社債に付されたものである場合は、当該新株予約権付社債についての社債を含む)の発行 | 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、一年以内) | 当該株式会社の株主等又は新株予約権者 |
| 五 | 株式会社における資本金の額の減少 | 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者 |
| 六 | 会社の組織変更 | 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者 |
| 七 | 会社の吸収合併 | 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者 |
| 八 | 会社の新設合併 | 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者 |
| 九 | 会社の吸収分割 | 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者 |
| 十 | 会社の新設分割 | 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者 |
| 十一 | 株式会社の株式交換 | 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者 |
| 十二 | 株式会社の株式移転 | 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者 |
| 十三 | 株式会社の株式交付 | 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内 | 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者 |
主要な判例
原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定会社法再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成24(許)43
- 裁判
- 最高裁判所第一小法廷 平成25年11月21日 破棄差戻
- 登載
- 民集 第67巻8号1686頁
- 参照法条
- (1〜3につき) 会社法828条1項2号,会社法838条 (1につき) 民訴法第1編第3章 当事者,民訴法47条,民訴法338条 (2,3につき) 民訴法2条,民訴法338条1項3号
- 判示事項
- 1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決と民訴法338条1項3号の再審事由 3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決に民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地があるとされた事例
裁判要旨1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。
2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができない場合には,上記確定判決には,民訴法338条1項3号の再審事由がある。
3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,上記訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができないものとして,上記確定判決には民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地がある。
(1) 当該第三者は,上記訴えに係る訴訟の係属を知らず,上記訴訟の審理に関与する機会を与えられなかった。
(2) 当該第三者は,上記訴訟の係属前から,上記株式会社に対して自らが発行を受けた株式につきその発行の有効性を主張するなどしており,仮に上記訴訟の係属を知れば,上記訴訟に参加するなどして株式の発行の無効を求める請求を争うことが明らかな状況にあり,かつ,上記株式会社はそのような状況にあることを十分に認識していた。
(3) 上記株式会社は,上記訴訟において請求を全く争わず,かえって,請求原因事実の追加立証を求める受訴裁判所の訴訟指揮に対し,自ら請求原因事実を裏付ける書証を提出した。
(4) 上記株式会社は,当該第三者に対して上記訴訟の係属を知らせることが容易であったにもかかわらず,これを知らせなかった。
2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができない場合には,上記確定判決には,民訴法338条1項3号の再審事由がある。
3 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において,次の(1)〜(4)など判示の事情の下においては,上記訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者に上記確定判決の効力を及ぼすことが手続保障の観点から看過することができないものとして,上記確定判決には民訴法338条1項3号の再審事由が存在するとみる余地がある。
(1) 当該第三者は,上記訴えに係る訴訟の係属を知らず,上記訴訟の審理に関与する機会を与えられなかった。
(2) 当該第三者は,上記訴訟の係属前から,上記株式会社に対して自らが発行を受けた株式につきその発行の有効性を主張するなどしており,仮に上記訴訟の係属を知れば,上記訴訟に参加するなどして株式の発行の無効を求める請求を争うことが明らかな状況にあり,かつ,上記株式会社はそのような状況にあることを十分に認識していた。
(3) 上記株式会社は,上記訴訟において請求を全く争わず,かえって,請求原因事実の追加立証を求める受訴裁判所の訴訟指揮に対し,自ら請求原因事実を裏付ける書証を提出した。
(4) 上記株式会社は,当該第三者に対して上記訴訟の係属を知らせることが容易であったにもかかわらず,これを知らせなかった。
会社法新株発行無効請求事件
- 位置づけ
- 最高裁 / 民集登載
- 事件番号
- 平成22(受)1212
- 裁判
- 最高裁判所第三小法廷 平成24年4月24日 棄却
- 登載
- 民集 第66巻6号2908頁
- 参照法条
- (1につき)商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ20第2項6号,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項 (2,3につき)会社法828条1項2号 (2につき)会社法199条,会社法201条1項 (3につき)会社法238条,会社法240条1項
- 判示事項
- 1 商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けた取締役会が定めた新株予約権の行使条件をその発行後に変更する取締役会決議の効力 2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力 3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権の行使条件に反した当該新株予約権の行使による株式発行に無効原因がある場合
裁判要旨1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使条件を変更することができる旨の明示の委任がないときは,当該新株予約権の発行後に上記行使条件を変更する取締役会決議は,上記行使条件の細目的な変更をするにとどまるものであるときを除き,無効である。
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合,当該特別決議を欠く瑕疵は上記株式発行の無効原因になる。
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権に株主総会によって行使条件が付された場合に,この行使条件が当該新株予約権を発行した趣旨に照らして当該新株予約権の重要な内容を構成しているときは,上記行使条件に反した新株予約権の行使による株式の発行には,無効原因がある。
(1〜3につき補足意見がある。)
2 非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法による募集株式の発行がされた場合,当該特別決議を欠く瑕疵は上記株式発行の無効原因になる。
3 非公開会社が株主割当て以外の方法により発行した新株予約権に株主総会によって行使条件が付された場合に,この行使条件が当該新株予約権を発行した趣旨に照らして当該新株予約権の重要な内容を構成しているときは,上記行使条件に反した新株予約権の行使による株式の発行には,無効原因がある。
(1〜3につき補足意見がある。)
実務注記
原文解釈- 訴えをもってのみ主張可能本条各号に掲げる会社の組織に関する行為の無効は、訴え以外の方法(抗弁等)で主張することはできず、訴えをもってのみ主張することができる。
- 非公開会社は出訴期間が一年に伸長株式の発行、自己株式の処分、新株予約権の発行(各2号・3号・4号)については、公開会社でない株式会社の場合、出訴期間が六箇月以内ではなく一年以内となる点を確認する。
- 設立無効のみ起算点・期間が異なる会社の設立(1号)は、他の行為とは異なり起算点が「成立の日」であり、期間も二年以内と長期である点に留意する。
- 提訴権者は行為類型ごとに個別列挙第2項各号は行為の類型ごとに提訴権者を限定しており、対象行為に応じて株主等、社員等、新株予約権者、破産管財人、承認をしなかった債権者等のいずれが提訴権者となるかを号ごとに確認する必要がある。
- 組織再編行為は「であった者」も含まれる組織変更・吸収合併・新設合併・吸収分割・新設分割・株式交換・株式移転・株式交付(6号〜13号)については、当該行為の効力が生じた日において当事会社の株主等・社員等であった者も提訴権者に含まれる点を確認する。
条文原文
原文ママ会社法 第828条(会社の組織に関する行為の無効の訴え)
(会社の組織に関する行為の無効の訴え)
第八百二十八条次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
一会社の設立会社の成立の日から二年以内
二株式会社の成立後における株式の発行株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)
三自己株式の処分自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内)
四新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内)
五株式会社における資本金の額の減少資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内
六会社の組織変更組織変更の効力が生じた日から六箇月以内
七会社の吸収合併吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内
八会社の新設合併新設合併の効力が生じた日から六箇月以内
九会社の吸収分割吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内
十会社の新設分割新設分割の効力が生じた日から六箇月以内
十一株式会社の株式交換株式交換の効力が生じた日から六箇月以内
十二株式会社の株式移転株式移転の効力が生じた日から六箇月以内
十三株式会社の株式交付株式交付の効力が生じた日から六箇月以内
2次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。
一前項第一号に掲げる行為設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。)
二前項第二号に掲げる行為当該株式会社の株主等
三前項第三号に掲げる行為当該株式会社の株主等
四前項第四号に掲げる行為当該株式会社の株主等又は新株予約権者
五前項第五号に掲げる行為当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者
六前項第六号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者
七前項第七号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者
八前項第八号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者
九前項第九号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者
十前項第十号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者
十一前項第十一号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者
十二前項第十二号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者
十三前項第十三号に掲げる行為当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者
一次情報
- 条文e-Gov法令検索 会社法 第828条
- 判例裁判所ウェブサイト 裁判例検索
- 注記法令は改正されます。実務判断の際は上記リンクで最新の条文を再確認してください。