会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-05

第807条株式の価格の決定等

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
組織再編と反対株主の買取請求ステップ 3 / 3 価格をどう決めるか協議と裁判所への申立て新設合併消滅会社、新設分割会社及び株式移転完全子会社の手続/株式会社の手続ステップ 1 / 1 株式会社の手続株式会社の手続について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 株式買取請求について株主と消滅株式会社等との間で価格の協議が調ったときは、消滅株式会社等は設立会社の成立の日から六十日以内に支払をしなければならない。
  • 設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に裁判所に対し価格の決定の申立てをすることができる。
  • 前条第七項の規定にかかわらず、設立会社の成立の日から六十日以内に上記の申立てがないときは、その期間の満了後、株主はいつでも株式買取請求を撤回することができる。
  • 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息も支払わなければならず、価格の決定があるまでは公正な価格と認める額を支払うことができる。
  • 株式買取請求に係る株式の買取りは設立会社の成立の日に効力を生じ、株券発行会社は株券と引換えにその株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

第807条の場面別要件

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項場面期間・期限主体効果・内容
第1項株式の価格の決定について協議が調ったとき設立会社の成立の日から六十日以内消滅株式会社等支払をしなければならない
第2項設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときその期間の満了の日後三十日以内株主又は消滅株式会社等裁判所に対し価格の決定の申立てをすることができる
第3項第2項の場合において設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときその期間の満了後株主いつでも株式買取請求を撤回することができる(前条第七項の規定にかかわらず)
第4項裁判所が株式の価格を決定した場合第一項の期間の満了の日後消滅株式会社等決定価格に対する法定利率による利息も支払わなければならない
第5項株式の価格の決定があるまでの間株式の価格の決定があるまで消滅株式会社等公正な価格と認める額を株主に支払うことができる
第6項株式買取請求に係る株式の買取り設立会社の成立の日―その日に効力を生ずる
第7項株券が発行されている株式について株式買取請求があったとき―株券発行会社株券と引換えにその株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
会社法株式買取価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成23(許)21
裁判
最高裁判所第二小法廷 平成24年2月29日 破棄差戻
登載
民集 第66巻3号1784頁
参照法条
(1〜3につき)会社法773条1項6号,(1,3につき)会社法806条1項,会社法807条2項
判示事項
1 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義 2 株式移転における株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものとされる場合 3 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」を算定するに当たって参照すべき市場株価として,株式買取請求がされた日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることが,裁判所の裁量の範囲内にあるとされる場合
裁判要旨1 株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,株式移転により組織再編による相乗効果その他の企業価値の増加が生じない場合には,当該株式買取請求がされた日における,株式移転を承認する旨の株主総会決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいうが,それ以外の場合には,株式移転計画において定められていた株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものであったならば当該株式買取請求がされた日においてその株式が有していると認められる価格をいう。
2 相互に特別の資本関係がない会社間において,株主の判断の基礎となる情報が適切に開示された上で適法に株主総会で承認されるなど一般に公正と認められる手続により株式移転の効力が発生した場合には,当該株主総会における株主の合理的な判断が妨げられたと認めるに足りる特段の事情がない限り,当該株式移転における株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率は公正なものである。
3 株式移転計画に定められた株式移転設立完全親会社の株式等の割当てに関する比率が公正なものと認められる場合には,株式移転により企業価値の増加が生じないときを除き,株式移転完全子会社の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」を算定するに当たって参照すべき市場株価として,株式買取請求がされた日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることは,裁判所の合理的な裁量の範囲内にある。
(1〜3につき補足意見がある。)

実務注記

原文解釈
  1. 支払期限は「設立会社の成立の日」起算協議が調った場合の支払期限は、消滅株式会社等が設立会社の成立の日から六十日以内であることを条文どおり確認する。
  2. 申立て期間の起算点に注意裁判所への価格決定の申立ては、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わない場合、その期間の満了の日後三十日以内に限られる。
  3. 撤回可能となる条件の確認前条第七項の規定にかかわらず、設立会社の成立の日から六十日以内に第二項の申立てがないときに限り、その期間の満了後、株主はいつでも株式買取請求を撤回できる。
  4. 利息の起算点裁判所の決定した価格に対する利息(法定利率による)は、第一項の期間の満了の日後を起算点として発生する。
  5. 株券発行会社の支払方法株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに代金を支払わなければならない。

条文原文

原文ママ
会社法 第807条(株式の価格の決定等)
(株式の価格の決定等)
第八百七条株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(新設合併をする場合における新設合併設立会社の成立の日後にあっては、新設合併設立会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、設立会社の成立の日から六十日以内にその支払をしなければならない。
2株式の価格の決定について、設立会社の成立の日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
3前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、設立会社の成立の日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。
4消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
5消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。
6株式買取請求に係る株式の買取りは、設立会社の成立の日に、その効力を生ずる。
7株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

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