会社法 平成十七年法律第八十六号 現行施行 2026-08-12 条文取得 2026-09-05

第786条株式の価格の決定等

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この条文が出てくる場面

原文整理テーマ別まとめ
組織再編と反対株主の買取請求ステップ 3 / 3 価格をどう決めるか協議と裁判所への申立て吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続/株式会社の手続ステップ 1 / 1 株式会社の手続株式会社の手続について、条文は何を定めているか。

概要

原文解釈
  • 株式買取請求について株主と消滅株式会社等との間で株式の価格の協議が調ったときは、消滅株式会社等は効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。
  • 効力発生日から三十日以内に価格の協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に裁判所に対し価格の決定の申立てをすることができる。
  • 前条第七項の規定にかかわらず、効力発生日から六十日以内に価格の決定の申立てがないときは、その期間の満了後、株主はいつでも株式買取請求を撤回することができる。
  • 消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならず、価格の決定があるまでは公正な価格と認める額を株主に支払うことができる。
  • 株式買取請求に係る株式の買取りは効力発生日に効力を生じ、株券発行会社は株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは株券と引換えにその代金を支払わなければならない。

株式の価格の決定等に関する手続・期限一覧

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区分期限・時期主体内容
協議成立時の支払効力発生日から六十日以内消滅株式会社等株式の価格につき協議が調ったときはその支払をしなければならない
価格決定の申立て効力発生日から三十日以内に協議が調わない場合、その期間の満了の日後三十日以内株主又は消滅株式会社等裁判所に対し価格の決定の申立てをすることができる
株式買取請求の撤回効力発生日から六十日以内に申立てがないとき、その期間の満了後株主前条第七項の規定にかかわらず、いつでも株式買取請求を撤回することができる
利息の支払第一項の期間(効力発生日から六十日)の満了の日後消滅株式会社等裁判所の決定した価格に対する法定利率による利息をも支払わなければならない
仮払い株式の価格の決定があるまで消滅株式会社等公正な価格と認める額を株主に対し支払うことができる
買取りの効力発生効力発生日—株式買取請求に係る株式の買取りはその効力を生ずる
株券との引換給付株式買取請求があったとき株券発行会社株券が発行されている株式については、株券と引換えにその株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない

主要な判例

原文ママ裁判所が付した参照法条による機械照合で選定
会社法株式買取価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成26(許)39
裁判
最高裁判所第一小法廷 平成27年3月26日 破棄自判
登載
民集 第69巻2号365頁
参照法条
会社法785条1項,会社法786条2項
判示事項
非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことの可否
裁判要旨非上場会社において会社法785条1項に基づく株式買取請求がされ,裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に,非流動性ディスカウント(当該会社の株式には市場性がないことを理由とする減価)を行うことはできない。
会社法株式買取価格決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
位置づけ
最高裁 / 民集登載
事件番号
平成22(許)30
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年4月19日 棄却
登載
民集 第65巻3号1311頁
参照法条
(1,2につき)会社法785条1項,会社法786条2項
判示事項
1 吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義 2 株式買取請求がされた日における吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格を算定するに当たって参照すべき市場株価として,同日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることが,裁判所の裁量の範囲内にあるとされる場合
裁判要旨1 会社法782条1項所定の吸収合併等によりシナジー(組織再編による相乗効果)その他の企業価値の増加が生じない場合に,同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいう。
2 会社法782条1項所定の吸収合併等により企業価値が増加も毀損もしないため,当該吸収合併等が同項所定の消滅株式会社等の株式の価値に変動をもたらすものではなかった場合には,株式買取請求がされた日における吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格を算定するに当たって参照すべき市場株価として,同日における市場株価やこれに近接する一定期間の市場株価の平均値を用いることは,当該事案の事情を踏まえた裁判所の合理的な裁量の範囲内にある。
(1につき,補足意見及び意見がある。)
会社法株式買取価格決定に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件
位置づけ
最高裁 / 裁判集登載
事件番号
平成22(許)47
裁判
最高裁判所第三小法廷 平成23年4月26日 破棄差戻
登載
集民 第236号519頁
参照法条
会社法785条1項,会社法786条2項
判示事項
吸収合併等によりシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合に消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」の意義
裁判要旨会社法782条1項所定の吸収合併等によりシナジー(組織再編による相乗効果)その他の企業価値の増加が生じない場合に,同項所定の消滅株式会社等の反対株主がした株式買取請求に係る「公正な価格」は,原則として,当該株式買取請求がされた日における,吸収合併契約等を承認する旨の株主総会の決議がされることがなければその株式が有したであろう価格をいう。
(補足意見及び反対意見がある。)

実務注記

原文解釈
  1. 協議成立時の支払期限は効力発生日から六十日以内株主と消滅株式会社等との間で株式の価格の協議が調った場合、消滅株式会社等は効力発生日から六十日以内に支払をしなければならない。
  2. 価格決定申立ての二段階期限効力発生日から三十日以内に協議が調わないときに限り、その期間の満了の日後三十日以内という限られた期間内に裁判所へ価格決定の申立てをする必要がある。
  3. 前条第七項の規定にかかわらずの撤回可能前条第七項の規定にかかわらず、効力発生日から六十日以内に価格決定の申立てがないときは、その期間の満了後、株主はいつでも株式買取請求を撤回することができる。
  4. 裁判所決定価格には法定利率による利息が付加消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対し第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
  5. 株券発行会社は株券との引換給付が必要株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えにその株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

条文原文

原文ママ
会社法 第786条(株式の価格の決定等)
(株式の価格の決定等)
第七百八十六条株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から六十日以内にその支払をしなければならない。
2株式の価格の決定について、効力発生日から三十日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後三十日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
3前条第七項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から六十日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。
4消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第一項の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければならない。
5消滅株式会社等は、株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該消滅株式会社等が公正な価格と認める額を支払うことができる。
6株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生ずる。
7株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

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